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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

入会権確認の訴は固有必要的共同訴訟か

 

 

              所有権移転登記手続等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和34年(オ)第650号

【判決日付】      昭和41年11月25日

【判示事項】      入会権確認の訴は固有必要的共同訴訟か

【判決要旨】      入会権確認の訴は、入会権が共有の性質を有するかどうかを問わず、入会権者全員で提起することを要する固有必要的共同訴訟である。

【参照条文】      民法263

             民法294

             民事訴訟法62

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集20巻9号1921頁

 

 

固有必要的共同訴訟

固有必要的共同訴訟とは、最初(訴え提起)から最後(判決、和解、上訴など)まで当事者全員が共同訴訟とすることが法律上強制される場合のことです。

 

数人が共同してはじめて当事者適格が認められる訴訟と言われます。

 

民事訴訟法においては、固有必要的共同訴訟が明文化されているわけではありませんが、種々の法律で共同訴訟とすべきことが規定されている場合があり、固有必要的共同訴訟という概念が認められています。

 

固有必要的共同訴訟とされているものは、いくつかの類型に分けられています。

①他人の権利の変動が生じる形成の訴えの場合

 例えば、第三者が婚姻無効の訴え、婚姻取消の訴えを提起する場合、その夫婦を共同被告とする必要があり(人事訴訟法12条2項)、固有必要的共同訴訟となります。

②数人が共同して管理処分する財産に関する訴訟の場合③共有(共同所有)関係自体が訴訟物になる場合

 例えば、共有関係自体の確認請求、共有地についての境界確定訴訟は、固有必要的共同訴訟です。

 これに対し、賃借人が賃貸人の共同相続人に対して賃借権確認の訴えを提起する場合、共有者が不法占有者に対して妨害被排除請求の訴えを提起する場合、共有者が不法な登記の抹消登記請求訴訟を提起する場合は、固有必要的共同訴訟ではなく、個別の訴訟提起が可能というのが判例です。

 

固有必要的共同訴訟の場合、その審理について、通常共同訴訟とは異なるところがあります。

まず、最初から共同訴訟として提起しない限り、訴えが不適法として却下されます。

また、共同訴訟人の1人の訴訟行為は、全員にとって有利なものは全員に効力が生じますが、不利なものは全員が揃ってしない限り効力が全く生じません(民事訴訟法40条1項)。これにより、自白、請求の放棄、請求の認諾は、共同訴訟人全員が行わなければ効力が発生しません。共同訴訟人が訴えを取り下げるときは、共同訴訟人全員が共同で訴えの取下げをする必要があります。

これに対し、共同訴訟人の相手方の訴訟行為は、1人に対してなされたものでも、共同訴訟人全員に対して効力が発生します(民事訴訟法40条2項)。

それから、共同訴訟人の1人について、手続の中断・中止の原因があるときは、共同訴訟人全員について訴訟の進行が停止されます(民事訴訟法40条3項)。

そして、共同訴訟人を別々の訴訟に分けるような弁論の分離は認められません。

さらに、共同訴訟人の1人が控訴、上告をすれば、共同訴訟人全員について判決は確定せず、共同訴訟全員が控訴人、上告人になるのが原則です。ただし、必要的共同訴訟である住民訴訟において、上訴をしなかった者は上訴人にならないとした判決があります。



入会権(いりあいけん)

一定の地域の住民が特定の森林、原野、漁場等を共同で利用する権利。民法で物権として認められている権利である。入会権の対象となっている土地を「入会地」という。

民法は、入会権を、利用する土地等を共有する性質がある場合と特定の目的に従って利用するだけの性質の場合に分類し、前者は所有権の共有の規定を、後者は地役権に規定をそれぞれ準用するとしたうえで、地域の慣習に従うとしている。もっとも、民法は入会権の内容についてなんら規定しておらず、その内容、効力等は地域の慣習によって定まることとなる。

入会権を有する人々の集団が「入会団体」で、その大部分は「代表者が定められていない権利能力なき社団」であると考えられている。そして、入会権による使用収益や入会地管理の形態は、慣習に応じて区々であって、明確でない場合もある。

なお、入会地の農林業上の利用を増進するため、「入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律」に基づき、入会権利者の合意によって入会権を消滅させ権利関係を明確にするしくみが定められている。

 個人的色彩の強い共有関係は固有必要的共同訴訟と考うべきではないであろう。
この点については、すでに、最高裁昭40・5・20第1小法廷判決(民集19巻4号859頁)が「土地の共有者は、その土地の一部が自己の所有に属すると主張する第三者に対し、各自単独で、係争地が自己の共有持分権に属することの確認を訴求することができる」と判示している。
しかし、入会権は総有関係であり、各権利者は、持分をもたずこれを処分することもできないという団体的関係であるから、個人法的な共有権と同一には論じられないであろう。

 

 個人的色彩の強い共有関係は固有必要的共同訴訟と考うべきではないであろう。

この点については、すでに、最高裁昭40・5・20第1小法廷判決(民集19巻4号859頁)が「土地の共有者は、その土地の一部が自己の所有に属すると主張する第三者に対し、各自単独で、係争地が自己の共有持分権に属することの確認を訴求することができる」と判示している。

しかし、入会権は総有関係であり、各権利者は、持分をもたずこれを処分することもできないという団体的関係であるから、個人法的な共有権と同一には論じられないであろう。

 

 

民法

(共有の性質を有する入会権)

第二百六十三条 共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、この節の規定を適用する。

 

(共有の性質を有しない入会権)

第二百九十四条 共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する。

 

 

民事訴訟法

(必要的共同訴訟)

第四十条 訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。

2 前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。

3 第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。

4 第三十二条第一項の規定は、第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。

 

 

 

対話の一方当事が相手方の同意を得ないでその対話を録音した録音テープにつき、違法に収集された証拠ではないとされて弾劾証拠としての証拠能力が認められた事例

 

 

殺人未遂教唆等事件

【事件番号】      松江地方裁判所判決/昭和56年(わ)第5号、昭和56年(わ)第24号

【判決日付】      昭和57年2月2日

【判示事項】      対話の一方当事者が相手方の同意を得ないでその対話を録音した録音テープにつき、違法に収集された証拠ではないとされて弾劾証拠としての証拠能力が認められた事例

【参照条文】      刑事訴訟法2編3章2節

             憲法13

【掲載誌】        判例タイムズ466号189頁

             判例時報1051号162頁

             刑事裁判資料255号33頁

 

 

憲法

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

複数人が共同して防衛行為としての暴行に及び侵害終了後になおも一部の者が暴行を続けた場合において侵害終了後に暴行を加えていない者について正当防衛が成立するとされた事例

 

 

              傷害被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成2年(あ)第335号

【判決日付】      平成6年12月6日

【判示事項】      複数人が共同して防衛行為としての暴行に及び侵害終了後になおも一部の者が暴行を続けた場合において侵害終了後に暴行を加えていない者について正当防衛が成立するとされた事例

【判決要旨】     急迫不正の侵害に対し、複数人が共同して防衛行為としての暴行に及び、侵害が終了した後に、なおも一部の者が暴行を続けた場合において、侵害終了後に暴行を加えていない者については、侵害現在時における暴行について防衛行為としての相当性が認められ、侵害終了後の暴行について共謀が認められないという判示の事実関係の下においては、過剰防衛ではなく、正当防衛が成立する。

【参照条文】      刑法36

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集48巻8号509頁

 

 

刑法

(正当防衛)

第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。

2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

 

 

日本IBM事件・法人税法132条1項

 

 

法人税更正処分取消等請求事件(第1事件、第2事件)、通知処分取消請求事件(第3事件)

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成23年(行ウ)第407号、平成24年(行ウ)第92号、平成25年(行ウ)第85号

【判決日付】      平成26年5月9日

【判示事項】      持株会社が複数事業年度においてその子会社に当該子会社の株式の一部の譲渡をそれぞれして有価証券の譲渡に係る譲渡損失額(当該株式の譲渡に係る対価の額と当該株式の譲渡に係る原価の額との差額)を上記の各譲渡をした日の属する各事業年度の所得の金額の計算上損金の額にそれぞれ算入した結果生じた欠損金額に相当する金額を含むいわゆる繰越欠損金を連結納税の承認があったものとみなされた連結所得の金額の計算上損金の額に算入することが法人税法132条1項にいう「不当」なものと評価されるべきであると認めるには足りないとされた事例

【参照条文】      法人税法(平18法10号改正前)23-1

             法人税法(平18法10号改正前)24-1

             法人税法(平18法10号改正前)61の2-1

             法人税法132-1

【掲載誌】        判例タイムズ1415号186頁

             税務訴訟資料264号順号12469

 

 

       主   文

 

 1 本件の各事件の請求に係る各処分を別紙A「処分目録」記載のとおりいずれも取り消す。

 2 訴訟費用は被告の負担とする。

 

 

 

各法人税更正処分取消等,通知処分取消請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/平成26年(行コ)第208号

【判決日付】      平成27年3月25日

【判示事項】      同族会社が、一〇〇%子会社に当該子会社の株式を譲渡し、みなし配当額を譲渡対価額から控除して計算した譲渡損失額を損金の額に算入したことにつき、税務署長が法人税法一三二条一項に基づき否認した更正処分を違法と判断した事例

【参照条文】      法人税法132-1

【掲載誌】        判例時報2267号24頁

             税務訴訟資料265号順号12639

             LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      租税訴訟9号345頁

             税研208号37頁

             判例時報2299号157頁

 

       主   文

 

 本件控訴を棄却する。

 控訴費用は控訴人の負担とする。

 

       事実及び理由

 

 (前注)略称は,特に断らない限り,原判決の例による。

 第1 控訴の趣旨

 1 原判決を取り消す。

 2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。

 第2 事案の概要

 1 米国Aの100%子会社であり外国法人である米国Bにより全持分を取得された被控訴人(内国法人である同族会社)は,平成14年4月米国Bから日本Aの発行済株式全部(153万3470株)を代金1兆9500億円で購入し(本件株式購入),その後,平成14年12月,平成15年12月及び平成17年12月の3回にわたり同株式の一部を日本Aに代金総額約4298億円(1株当たりの譲渡価額は本件株式購入における取得価額と同じ)で譲渡した(本件各譲渡)。

 被控訴人は,平成14年12月期,平成15年12月期及び平成17年12月期(本件各譲渡事業年度)の法人税について,本件各譲渡により日本Aから交付を受けた譲渡代金額からみなし配当の額を控除した額を譲渡対価の額とし,これと譲渡原価の額との差額を本件各譲渡に係る譲渡損失額(総額約3995億円)として本件各譲渡事業年度の所得の金額の計算上損金の額にそれぞれ算入し,欠損金額による確定申告をした。また,被控訴人は,平成20年1月1日連結納税の承認を受け,同年12月期連結期の法人税について,被控訴人の本件各譲渡事業年度の欠損金額を含む欠損金額を翌期に繰り越す連結欠損金額として確定申告をしたところ,処分行政庁が,法人税法132条1項の規定を適用して,本件各譲渡に係る上記の譲渡損失額を本件各譲渡事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することを否認する旨の更正処分(本件各譲渡事業年度更正処分)をそれぞれするとともに,そのことを前提として,①平成16年12月期,平成18年12月期及び平成19年12月期並びに平成20年12月連結期の各法人税の更正処分,②平成21年12月連結期及び平成23年12月連結期の各法人税の更正処分及び各過少申告加算税の賦課決定処分並びに平成22年12月連結期の法人税の更正請求について更正をすべき理由がない旨の通知処分をそれぞれした。

 本件は,被控訴人が,控訴人に対し,処分行政庁がした本件各譲渡事業年度更正処分は,法人税法132条1項を適用する要件を満たさずにされた違法なものであり,ひいては本件各更正処分等が違法であると主張して,これらの取消しを求める事案である。

 原審は,被控訴人の請求をいずれも認容した。これに対し,控訴人が控訴した。

 

 

 

法人税法

(受取配当等の益金不算入)

第二十三条 内国法人が次に掲げる金額(第一号に掲げる金額にあつては、外国法人若しくは公益法人等又は人格のない社団等から受けるもの及び適格現物分配に係るものを除く。以下この条において「配当等の額」という。)を受けるときは、その配当等の額(関連法人株式等に係る配当等の額にあつては当該配当等の額から当該配当等の額に係る利子の額に相当するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額とし、完全子法人株式等、関連法人株式等及び非支配目的株式等のいずれにも該当しない株式等(株式又は出資をいう。以下この条において同じ。)に係る配当等の額にあつては当該配当等の額の百分の五十に相当する金額とし、非支配目的株式等に係る配当等の額にあつては当該配当等の額の百分の二十に相当する金額とする。)は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。

一 剰余金の配当(株式等に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの並びに分割型分割によるもの及び株式分配を除く。)若しくは利益の配当(分割型分割によるもの及び株式分配を除く。)又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。)の額

二 投資信託及び投資法人に関する法律第百三十七条(金銭の分配)の金銭の分配(出資総額等の減少に伴う金銭の分配として財務省令で定めるもの(第二十四条第一項第四号(配当等の額とみなす金額)において「出資等減少分配」という。)を除く。)の額

三 資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配の額

2 前項の規定は、内国法人がその受ける配当等の額(第二十四条第一項の規定により、その内国法人が受ける配当等の額とみなされる金額を除く。以下この項において同じ。)の元本である株式等をその配当等の額に係る基準日等(次の各号に掲げる配当等の額の区分に応じ当該各号に定める日をいう。以下この項において同じ。)以前一月以内に取得し、かつ、当該株式等又は当該株式等と銘柄を同じくする株式等を当該基準日等後二月以内に譲渡した場合におけるその譲渡した株式等のうち政令で定めるものの配当等の額については、適用しない。

一 株式会社がする前項第一号に規定する剰余金の配当で当該剰余金の配当を受ける者を定めるための会社法第百二十四条第一項(基準日)に規定する基準日(以下この項において「基準日」という。)の定めがあるものの額 当該基準日

二 株式会社以外の法人がする前項第一号に規定する剰余金の配当若しくは利益の配当若しくは剰余金の分配、同項第二号に規定する金銭の分配又は同項第三号に規定する金銭の分配(以下この号及び次号において「配当等」という。)で、当該配当等を受ける者を定めるための基準日に準ずる日の定めがあるものの額 同日

三 配当等で当該配当等を受ける者を定めるための基準日又は基準日に準ずる日の定めがないものの額 当該配当等がその効力を生ずる日(その効力を生ずる日の定めがない場合には、当該配当等がされる日)

3 第一項の規定は、内国法人がその受ける配当等の額(第二十四条第一項(第五号に係る部分に限る。)の規定により、その内国法人が受ける配当等の額とみなされる金額に限る。以下この項において同じ。)の元本である株式等でその配当等の額の生ずる基因となる同号に掲げる事由が生ずることが予定されているものの取得(適格合併又は適格分割型分割による引継ぎを含む。)をした場合におけるその取得をした株式等に係る配当等の額(その予定されていた事由(第六十一条の二第十七項(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)の規定の適用があるものを除く。)に基因するものとして政令で定めるものに限る。)については、適用しない。

4 第一項に規定する関連法人株式等とは、内国法人(当該内国法人との間に完全支配関係がある他の法人を含む。)が他の内国法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。)の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式等を除く。)の総数又は総額の三分の一を超える数又は金額の株式等を有する場合として政令で定める場合における当該他の内国法人の株式等(次項に規定する完全子法人株式等を除く。)をいう。

5 第一項に規定する完全子法人株式等とは、配当等の額の計算期間を通じて内国法人との間に完全支配関係がある他の内国法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。)の株式等として政令で定めるものをいう。

6 第一項に規定する非支配目的株式等とは、内国法人(当該内国法人との間に完全支配関係がある他の法人を含む。)が他の内国法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。)の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式等を除く。)の総数又は総額の百分の五以下に相当する数又は金額の株式等を有する場合として政令で定める場合における当該他の内国法人の株式等(前項に規定する完全子法人株式等を除く。)をいう。

7 第一項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に益金の額に算入されない配当等の額及びその計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定により益金の額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。

8 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により株式等の移転が行われた場合における第一項及び第二項の規定の適用その他第一項から第六項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

(配当等の額とみなす金額)

第二十四条 法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。以下この条において同じ。)の株主等である内国法人が当該法人の次に掲げる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額(適格現物分配に係る資産にあつては、当該法人のその交付の直前の当該資産の帳簿価額に相当する金額)の合計額が当該法人の資本金等の額のうちその交付の基因となつた当該法人の株式又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、この法律の規定の適用については、その超える部分の金額は、第二十三条第一項第一号又は第二号(受取配当等の益金不算入)に掲げる金額とみなす。

一 合併(適格合併を除く。)

二 分割型分割(適格分割型分割を除く。)

三 株式分配(適格株式分配を除く。)

四 資本の払戻し(剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち分割型分割によるもの及び株式分配以外のもの並びに出資等減少分配をいう。)又は解散による残余財産の分配

五 自己の株式又は出資の取得(金融商品取引法第二条第十六項(定義)に規定する金融商品取引所の開設する市場における購入による取得その他の政令で定める取得及び第六十一条の二第十四項第一号から第三号まで(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)に掲げる株式又は出資の同項に規定する場合に該当する場合における取得を除く。)

六 出資の消却(取得した出資について行うものを除く。)、出資の払戻し、社員その他法人の出資者の退社又は脱退による持分の払戻しその他株式又は出資をその発行した法人が取得することなく消滅させること。

七 組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をした法人の株式又は出資以外の資産を交付したものに限る。)

2 合併法人が抱合株式(当該合併法人が合併の直前に有していた被合併法人の株式(出資を含む。以下この項及び次項において同じ。)又は被合併法人が当該合併の直前に有していた他の被合併法人の株式をいう。)に対し当該合併による株式その他の資産の交付をしなかつた場合においても、政令で定めるところにより当該合併法人が当該株式その他の資産の交付を受けたものとみなして、前項の規定を適用する。

3 合併法人又は分割法人が被合併法人の株主等又は当該分割法人の株主等に対し合併又は分割型分割により株式その他の資産の交付をしなかつた場合においても、当該合併又は分割型分割が合併法人又は分割承継法人の株式の交付が省略されたと認められる合併又は分割型分割として政令で定めるものに該当するときは、政令で定めるところによりこれらの株主等が当該合併法人又は分割承継法人の株式の交付を受けたものとみなして、第一項の規定を適用する。

4 第一項に規定する株式又は出資に対応する部分の金額の計算の方法その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)

第六十一条の二 内国法人が有価証券の譲渡をした場合には、その譲渡に係る譲渡利益額(第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)又は譲渡損失額(同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)は、第六十二条から第六十二条の五まで(合併等による資産の譲渡)の規定の適用がある場合を除き、その譲渡に係る契約をした日(その譲渡が剰余金の配当その他の財務省令で定める事由によるものである場合には、当該剰余金の配当の効力が生ずる日その他の財務省令で定める日)の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。

一 その有価証券の譲渡の時における有償によるその有価証券の譲渡により通常得べき対価の額(第二十四条第一項(配当等の額とみなす金額)の規定により第二十三条第一項第一号又は第二号(受取配当等の益金不算入)に掲げる金額とみなされる金額がある場合には、そのみなされる金額に相当する金額を控除した金額)

二 その有価証券の譲渡に係る原価の額(その有価証券についてその内国法人が選定した一単位当たりの帳簿価額の算出の方法により算出した金額(算出の方法を選定しなかつた場合又は選定した方法により算出しなかつた場合には、算出の方法のうち政令で定める方法により算出した金額)にその譲渡をした有価証券の数を乗じて計算した金額をいう。)

2 内国法人が、旧株(当該内国法人が有していた株式(出資を含む。以下この条において同じ。)をいう。以下この項において同じ。)を発行した法人の合併(当該法人の株主等に合併法人又は合併法人との間に当該合併法人の発行済株式若しくは出資(自己が有する自己の株式を除く。以下この条において「発行済株式等」という。)の全部を直接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式以外の資産(当該株主等に対する第二条第十二号の八(定義)に規定する剰余金の配当等として交付された金銭その他の資産及び合併に反対する当該株主等に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。以下この項及び第六項において「金銭等不交付合併」という。)により当該株式の交付を受けた場合又は旧株を発行した法人の特定無対価合併(当該法人の株主等に合併法人の株式その他の資産が交付されなかつた合併で、当該法人の株主等に対する合併法人の株式の交付が省略されたと認められる合併として政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)により当該旧株を有しないこととなつた場合における前項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、これらの旧株の当該金銭等不交付合併又は特定無対価合併の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

3 合併法人の第二十四条第二項に規定する抱合株式(前項の規定の適用があるものを除く。)に係る第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該抱合株式の合併の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

4 内国法人が所有株式(当該内国法人が有する株式をいう。以下この項において同じ。)を発行した法人の行つた分割型分割により分割承継法人の株式その他の資産の交付を受けた場合には、当該所有株式のうち当該分割型分割により当該分割承継法人に移転した資産及び負債に対応する部分の譲渡を行つたものとみなして、第一項の規定を適用する。この場合において、その分割型分割(第二条第十二号の九イに規定する分割対価資産として分割承継法人又は分割承継法人との間に当該分割承継法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係がある法人(以下この項において「親法人」という。)のうちいずれか一の法人の株式以外の資産が交付されなかつたもの(当該株式が分割法人の発行済株式等の総数又は総額のうちに占める当該分割法人の各株主等の有する当該分割法人の株式の数又は金額の割合に応じて交付されたものに限る。以下この項において「金銭等不交付分割型分割」という。)を除く。)により分割承継法人の株式その他の資産の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、その所有株式の当該分割型分割の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「分割純資産対応帳簿価額」という。)とし、その分割型分割(金銭等不交付分割型分割に限る。)により分割承継法人又は親法人の株式の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれもその所有株式の当該分割型分割の直前の分割純資産対応帳簿価額とする。

5 内国法人が自己を分割法人とする適格分割型分割により当該適格分割型分割に係る分割承継法人又は第二条第十二号の十一に規定する分割承継親法人(第七項において「分割承継親法人」という。)の株式を当該内国法人の株主等に交付した場合における第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれも第六十二条の二第三項(適格合併及び適格分割型分割による資産等の帳簿価額による引継ぎ)に規定する政令で定める金額に相当する金額とする。

6 内国法人が自己を合併法人とする適格合併(金銭等不交付合併に限る。)により第二条第十二号の八に規定する合併親法人の株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該合併親法人の株式の当該適格合併の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

7 内国法人が自己を分割承継法人とする適格分割により分割承継親法人の株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該分割承継親法人の株式の当該適格分割の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

8 内国法人が所有株式(当該内国法人が有する株式をいう。以下この項において同じ。)を発行した法人の行つた株式分配により第二条第十二号の十五の二に規定する完全子法人(以下この項において「完全子法人」という。)の株式その他の資産の交付を受けた場合には、当該所有株式のうち当該完全子法人の株式に対応する部分の譲渡を行つたものとみなして、第一項の規定を適用する。この場合において、その株式分配(完全子法人の株式以外の資産が交付されなかつたもの(当該株式が現物分配法人の発行済株式等の総数又は総額のうちに占める当該現物分配法人の各株主等の有する当該現物分配法人の株式の数又は金額の割合に応じて交付されたものに限る。以下この項において「金銭等不交付株式分配」という。)を除く。)により完全子法人の株式その他の資産の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、その所有株式の当該株式分配の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「完全子法人株式対応帳簿価額」という。)とし、その株式分配(金銭等不交付株式分配に限る。)により完全子法人の株式の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれもその所有株式の当該株式分配の直前の完全子法人株式対応帳簿価額とする。

9 内国法人が、旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。以下この項において同じ。)を発行した法人の行つた株式交換(当該法人の株主に株式交換完全親法人又は株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式以外の資産(当該株主に対する剰余金の配当として交付された金銭その他の資産及び株式交換に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。以下この項及び次項において「金銭等不交付株式交換」という。)により当該株式の交付を受けた場合又は旧株を発行した法人の行つた特定無対価株式交換(当該法人の株主に株式交換完全親法人の株式その他の資産が交付されなかつた株式交換で、当該法人の株主に対する株式交換完全親法人の株式の交付が省略されたと認められる株式交換として政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)により当該旧株を有しないこととなつた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、これらの旧株の当該金銭等不交付株式交換又は特定無対価株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

10 内国法人が自己を株式交換完全親法人とする適格株式交換等(金銭等不交付株式交換に限る。)により第二条第十二号の十七に規定する株式交換完全支配親法人の株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該株式交換完全支配親法人の株式の当該適格株式交換等の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

11 内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した法人の行つた株式移転(当該法人の株主に株式移転完全親法人の株式以外の資産(株式移転に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧株の当該株式移転の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

12 内国法人がその有する新株予約権(新株予約権付社債を含む。以下この項において「旧新株予約権等」という。)を発行した法人を被合併法人、分割法人、株式交換完全子法人又は株式移転完全子法人とする合併、分割、株式交換又は株式移転(以下この項において「合併等」という。)により当該旧新株予約権等に代えて当該合併等に係る合併法人、分割承継法人、株式交換完全親法人又は株式移転完全親法人の新株予約権(新株予約権付社債を含む。)のみの交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧新株予約権等の当該合併等の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

13 内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した法人の行つた組織変更(当該法人の株主等に当該法人の株式のみが交付されたものに限る。)に際して当該法人の株式の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧株の当該組織変更の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

14 内国法人が次の各号に掲げる有価証券を当該各号に定める事由により譲渡をし、かつ、当該事由により当該各号に規定する取得をする法人の株式又は新株予約権の交付を受けた場合(当該交付を受けた株式又は新株予約権の価額が当該譲渡をした有価証券の価額とおおむね同額となつていないと認められる場合を除く。)における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該各号に掲げる有価証券の当該譲渡の直前の帳簿価額(第四号に掲げる有価証券にあつては、同号の新株予約権付社債の当該譲渡の直前の帳簿価額)に相当する金額とする。

一 取得請求権付株式(法人がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主等が当該法人に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。) 当該取得請求権付株式に係る請求権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該請求権の行使

二 取得条項付株式(法人がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該法人が一定の事由(以下この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件として当該株式の取得をすることができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。) 当該取得条項付株式に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合(その取得の対象となつた種類の株式の全てが取得をされる場合には、その取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式及び新株予約権のみが交付される場合を含む。)の当該取得事由の発生

三 全部取得条項付種類株式(ある種類の株式について、これを発行した法人が株主総会その他これに類するものの決議(以下この号において「取得決議」という。)によつてその全部の取得をする旨の定めがある場合の当該種類の株式をいう。) 当該全部取得条項付種類株式に係る取得決議によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式(当該株式と併せて交付される当該取得をする法人の新株予約権を含む。)以外の資産(当該取得の価格の決定の申立てに基づいて交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されない場合の当該取得決議

四 新株予約権付社債についての社債 当該新株予約権付社債に付された新株予約権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式が交付される場合の当該新株予約権の行使

五 取得条項付新株予約権(新株予約権について、これを発行した法人が一定の事由(以下この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件としてこれを取得することができる旨の定めがある場合の当該新株予約権をいう。以下この号において同じ。)又は取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債 これらの取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる新株予約権者に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該取得事由の発生

15 内国法人が旧受益権(当該内国法人が有していた集団投資信託の受益権をいう。)に係る信託の併合(当該集団投資信託の受益者に当該信託の併合に係る新たな信託の受益権以外の資産(信託の併合に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該受益権の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧受益権の当該信託の併合の直前の帳簿価額に相当する金額とする。

16 内国法人が旧受益権(当該内国法人が有していた集団投資信託の受益権をいう。以下この項において同じ。)に係る信託の分割により承継信託(信託の分割により受託者を同一とする他の信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託をいう。以下この項において同じ。)の受益権その他の資産の交付を受けた場合には、当該旧受益権のうち当該信託の分割により当該承継信託に移転した資産及び負債に対応する部分の譲渡を行つたものとみなして、第一項の規定を適用する。この場合において、その信託の分割(分割信託(信託の分割によりその信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託又は新たな信託の信託財産として移転する信託をいう。)の受益者に承継信託の受益権以外の資産(信託の分割に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されたもの(以下この項において「金銭等交付分割」という。)に限る。)により承継信託の受益権その他の資産の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、その旧受益権の当該信託の分割の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「分割純資産対応帳簿価額」という。)とし、その信託の分割(金銭等交付分割を除く。)により承継信託の受益権の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれもその旧受益権の当該信託の分割の直前の分割純資産対応帳簿価額とする。

17 内国法人が、所有株式(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した他の内国法人(当該内国法人との間に完全支配関係があるものに限る。)の第二十四条第一項各号に掲げる事由(第二項の規定の適用がある合併、第四項に規定する金銭等不交付分割型分割及び第八項に規定する金銭等不交付株式分配を除く。)により金銭その他の資産の交付を受けた場合(当該他の内国法人の同条第一項第二号に掲げる分割型分割、同項第三号に掲げる株式分配、同項第四号に規定する資本の払戻し若しくは解散による残余財産の一部の分配又は口数の定めがない出資についての出資の払戻しに係るものである場合にあつては、その交付を受けた時において当該所有株式を有する場合に限る。)又は当該事由により当該他の内国法人の株式を有しないこととなつた場合(当該他の内国法人の残余財産の分配を受けないことが確定した場合を含む。)における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、同項第二号に掲げる金額(第四項、第八項、次項又は第十九項の規定の適用がある場合には、これらの規定により同号に掲げる金額とされる金額)に相当する金額とする。

18 内国法人が所有株式(当該内国法人が有する株式をいう。)を発行した法人の第二十四条第一項第四号に規定する資本の払戻し又は解散による残余財産の一部の分配(以下この項において「払戻し等」という。)として金銭その他の資産の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、当該所有株式の払戻し等の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とする。

19 内国法人がその出資(口数の定めがないものに限る。以下この項において「所有出資」という。)を有する法人の出資の払戻し(以下この項において「払戻し」という。)として金銭その他の資産の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、当該払戻しの直前の当該所有出資の帳簿価額に当該払戻しの直前の当該所有出資の金額のうちに当該払戻しに係る出資の金額の占める割合を乗じて計算した金額に相当する金額とする。

20 内国法人が、有価証券の空売り(有価証券を有しないでその売付けをし、その後にその有価証券と銘柄を同じくする有価証券の買戻しをして決済をする取引その他財務省令で定める取引をいい、次項に規定する信用取引及び発行日取引に該当するものを除く。)の方法により、有価証券の売付けをし、その後にその有価証券と銘柄を同じくする有価証券の買戻しをして決済をした場合における第一項の規定の適用については、同項に規定する譲渡利益額は第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡損失額は同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡に係る契約をした日はその決済に係る買戻しの契約をした日とする。

一 その売付けをした有価証券の一単位当たりの譲渡に係る対価の額を算出する方法として政令で定める方法により算出した金額にその買戻しをした有価証券の数を乗じて計算した金額

二 その買戻しをした有価証券のその買戻しに係る対価の額

21 内国法人が、金融商品取引法第百五十六条の二十四第一項(免許及び免許の申請)に規定する信用取引又は発行日取引(有価証券が発行される前にその有価証券の売買を行う取引であつて財務省令で定める取引をいう。)の方法により、株式の売付け又は買付けをし、その後にその株式と銘柄を同じくする株式の買付け又は売付けをして決済をした場合における第一項の規定の適用については、同項に規定する譲渡利益額は第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡損失額は同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡に係る契約をした日はその決済に係る買付け又は売付けの契約をした日とする。

一 その売付けをした株式のその売付けに係る対価の額

二 その買付けをした株式のその買付けに係る対価の額

22 内国法人が次条第一項第一号に規定する売買目的有価証券、社債、株式等の振替に関する法律第九十条第一項(定義)に規定する分離適格振替国債である有価証券その他の政令で定める有価証券(以下この項において「特定有価証券」という。)を有する場合において、その特定有価証券について、同号に規定する目的で有価証券の売買を行う業務の全部を廃止したこと、同条第一項に規定する元利分離が行われたことその他の政令で定める事実が生じたときは、政令で定めるところにより、当該事実が生じた時において、当該特定有価証券を譲渡し、かつ、当該特定有価証券以外の有価証券を取得したものとみなして、その内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。

23 内国法人が、自己を合併法人、分割承継法人又は株式交換完全親法人とする合併、分割又は株式交換(以下この項において「合併等」という。)により親法人株式(その内国法人との間に当該内国法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係として政令で定める関係がある法人に該当することが当該合併等に係る契約をする日(以下この項において「契約日」という。)において見込まれる法人の株式をいう。以下この項において同じ。)を交付しようとする場合において、契約日に親法人株式を有していたとき、又は契約日後に当該内国法人を合併法人とする適格合併その他の政令で定める事由により親法人株式の移転を受けたときは、当該契約日又は当該移転を受けた日(以下この項において「契約日等」という。)において、これらの親法人株式(その交付しようとすることが見込まれる数を超える部分の数として政令で定める数に相当するものを除く。以下この項において同じ。)を当該契約日等における価額により譲渡し、かつ、これらの親法人株式をその価額により取得したものとみなして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。

24 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の基礎となる取得価額の算出の方法、有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法の種類、その算出の方法の選定の手続その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

(同族会社等の行為又は計算の否認)

第百三十二条 税務署長は、次に掲げる法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。

一 内国法人である同族会社

二 イからハまでのいずれにも該当する内国法人

イ 三以上の支店、工場その他の事業所を有すること。

ロ その事業所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任その他のその事業所に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人(以下この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること。

ハ ロに規定する事実がある事業所の所長等の有するその内国法人の株式又は出資の数又は金額の合計額がその内国法人の発行済株式又は出資(その内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の三分の二以上に相当すること。

2 前項の場合において、内国法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為又は計算の事実のあつた時の現況によるものとする。

3 第一項の規定は、同項に規定する更正又は決定をする場合において、同項各号に掲げる法人の行為又は計算につき、所得税法第百五十七条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)若しくは相続税法第六十四条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)又は地価税法(平成三年法律第六十九号)第三十二条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)の規定の適用があつたときについて準用する。

 

 

判決の反射的効力を認めたことが違法とされた一事例

 

 

建物収去土地明渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和29年(オ)第110号

【判決日付】      昭和31年7月20日

【判示事項】      判決の反射的効力を認めたことが違法とされた一事例

【判決要旨】      土地の適法な転借人およびその者からその所有の地上建物を賃借する者等は、賃借人の土地明渡義務が判決により確定されている場合においても、これがために当然賃貸人の土地明渡の請求を拒みえないものと解すべきではない。

【参照条文】      民事訴訟法201

             民法612

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集10巻8号965頁

【評釈論文】      別冊ジュリスト5号160頁

             法学協会雑誌74巻5~6号87頁

             民商法雑誌35巻2号123頁

             民商法雑誌36巻6号59頁

 

 

 

反射効(はんしゃこう)とは、当事者間に既判力のあることが、当事者と実体法上特殊な関係にある第三者に、有利または不利な影響を及ぼすことをいう。民事訴訟法学上の概念の一つ。

 

反射効の概念・理論

反射効の理論は民事訴訟法学上のものであるが、その理論的根拠は、保証債務の付随性等実体法に求められることが多い。これに対し、既判力の拡張という形で、反射効を肯定するのとほぼ同様の結論を導く立場もある。

 

反射効が有利に及ぶ場合

主債務者が受けた有利な判決の効果を保証人が援用する、というのが典型とされる。有利な判決の援用は時に攻撃的なものになり、攻撃的な援用を認めるべきではないとの指摘もある。

 

反射効が不利に及ぶ場合

反射効を認める立場によった場合、合名会社に対する判決がその社員に及ぶ、債務者に対する判決がその一般債権者に及ぶ、などとされる。これらは反射効を否定する立場でも、別の理論構成で結論が同じになる場合が多い。これに対し、主債務者の受けた不利な判決を保証人に、賃借人の受けた不利な判決を転借人に、それぞれ及ぼすべきではないとされる。

 

判例

反射効を明確に認めた最高裁判所の判例はない。しかし認めるかのようなことを述べた判例、及び否定した判例がある。

 

最判昭和51年10月21日

民集30巻9号903p。債権者が、主債務者と保証人を共同訴訟で訴えた。主債務者は争ったが保証人が争わなかったため、裁判所は弁論を分離し、先に保証人敗訴の判決が下されて確定した。一方、主債務者との訴訟では、債権者が敗訴した。債権者は保証人に対し、勝訴判決を強制執行しようとしたところ、保証人は請求異議の訴えを起こして争った。その請求異議の訴えに対する上告審判決である。

 

この判決は、「一般に保証人が…主債務者勝訴の確定判決を援用することにより保証人勝訴の判決を導きうると解せられるにしても」と、反射効を認めるかのような表現をしているが、結論としては保証人の請求異議を退けている。理論構成としては、主債務者勝訴の事由が、保証人の訴訟の基準時までに提出可能であったときは、保証人はもはやその事由を主張できないとしたのである。

 

最判昭和53年3月23日

判時886号35p。交通事故被害者が、運行供用者と、道路管理者の国を共同訴訟で訴えた。一審で運行供用者は相殺の抗弁を主張し、その分請求が減額されて確定した。しかし国は一審で運行供用者の相殺の抗弁を援用せず、控訴審になって運行供用者の確定判決を援用する形で、相殺の抗弁相当額の減額を主張した。控訴審は国のこの主張を認めたが、最高裁判所は破棄差戻とした。

 

判決は、他の債務者と債権者の間の訴訟において債権消滅の効果を認めて判決の基礎とするには、相殺が実体法上有効になされたことを確認することを必要とし、相殺の効力を認めた確定判決があっても、その効力は他の債務者には及ばないとした。この判例は反射効を否定した、と一般に理解されている。

 

 

民事訴訟法

(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)

第百十五条 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。

一 当事者

二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人

三 前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人

四 前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者

2 前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。

 

 

民法

(賃借権の譲渡及び転貸の制限)

第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。

 

 

 

       主   文

 

 原判決を破棄する。

 本件を東京高等裁判所に差戻す。

 

       理   由

 

 上告代理人松本乃武雄、同中島登喜治、同根本松男の各上告理由第一点について。

 原審は、訴外株式会社第一製作所が本件係争の土地をその所有者Aの管理人合資会社鹿島中店から賃借した後その目的物件の全部を賃貸人承諾の下に一部宛訴外B、同Cに転貸し転借人Bは同人名義の保存登記を経由した本件係争(一)、(二)の建物を又同Cは同様(三)の建物を夫々その転借土地上に所有していた事実を認定した上「右賃貸借関係を承継した係争土地の新所有者合資会社日本橋東洋は右賃借人の賃料債務不履行により該賃貸借契約が昭和二五年五月八日解除されたことを主張して右賃借人に対しその原状回復義務の履行として係争土地の明渡を求めると共に右Bに対して所有権に基き不法占有を理由として本件係争の(一)、(二)の建物の収去と敷地四五坪の明渡を求め、右訴訟事件(東京地方裁判所昭和二五年(ワ)第二八三七号事件)につき昭和二五年七月一三日に言い渡された賃貸人全部勝訴の第一審判決が上訴の申立なく確定した事実が認められるから、右確定判決の反射的効果として、右訴訟当事者たる賃借人株式会社第一製作所からその土地を転借したCからその転借権と前記(三)の建物の所有権を譲受けたと主張する上告組合、同組合から右建物を賃借してその敷地を建物賃借人として占有すると主張する上告人D及び右訴訟当事者たるBから前記(一)、(二)の建物を賃借しその敷地を建物賃借人として占有すると主張する上告人D、同E、同Fはいずれも右確定判決の趣旨に反して前記土地賃貸借契約の依然として存続することを主張することは許されないし、右(一)、(二)の建物を賃借したと主張するにすぎない上告人D、同E、同Fが前記合資会社日本橋東洋を合併しその一切の権利義務を承継した被上告会社に対しその敷地使用の権限を対抗し得ないことは多言を要しない」として此の点に関する上告人等の主張を排斥して居ることは原判決に照し明かである。けれども、原審認定の如き事実関係の下にある上告人等が原審認定にかかる確定判決によつて当然に原判示の如き法律上の拘束を受けると解すべき法理上の根拠に乏しく、此の点に関する原審の解釈適用は妥当でない。されば、原審が所論権利関係につき実体法上の認定判断を為すことなく此の点に関する上告人等の主張を排斥したのは失当と云うのほかなく、右は原判決主文に影響を及ぼすべきこと明かであつて、此の点に関する論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。

 よつて、その余の論旨につき説明を省略し、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

     最高裁判所第二小法廷

被害者の証人尋問において,捜査段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを許可した裁判所の措置に違法がないとされた事例

 

 

強制わいせつ被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/平成21年(あ)第1125号

【判決日付】      平成23年9月14日

【判示事項】      1 被害者の証人尋問において,捜査段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを許可した裁判所の措置に違法がないとされた事例

             2 証人に示した写真を刑訴規則49条に基づいて証人尋問調書に添付する措置について,当事者の同意は必要か

             3 独立した証拠として採用されていない被害再現写真を示して得られた証言を事実認定の用に供することができるか

【判決要旨】      1 被害者の証人尋問において,検察官が,証人から被害状況等に関する具体的な供述が十分にされた後に,その供述を明確化するため,証拠として採用されていない捜査段階で撮影された被害者による被害再現写真を示すことを求めた場合において,写真の内容が既にされた供述と同趣旨のものであるときは,刑訴規則199条の12に基づきこれを許可した裁判所の措置に違法はない。

             2 証人に示した写真を刑訴規則49条に基づいて証人尋問調書に添付する措置について,当事者の同意は必要ではない。

             3 証人に示された被害再現写真が独立した証拠として採用されていなかったとしても,証人がその写真の内容を実質的に引用しながら証言した場合には,引用された限度において写真の内容は証言の一部となり,そのような証言全体を事実認定の用に供することができる。

【参照条文】      刑事訴訟規則199の12

             刑事訴訟法304

             刑事訴訟規則49

             刑事訴訟法317

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集65巻6号949頁

 

 

刑事訴訟法

第三百四条 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人は、裁判長又は陪席の裁判官が、まず、これを尋問する。

② 検察官、被告人又は弁護人は、前項の尋問が終つた後、裁判長に告げて、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人を尋問することができる。この場合において、その証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の取調が、検察官、被告人又は弁護人の請求にかかるものであるときは、請求をした者が、先に尋問する。

③ 裁判所は、適当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、前二項の尋問の順序を変更することができる。

 

第三百十七条 事実の認定は、証拠による。

 

 

刑事訴訟規則

(調書への引用)

第四十九条 調書には、書面、写真その他裁判所又は裁判官が適当と認めるものを引用し、

訴訟記録に添附して、これを調書の一部とすることができる。

 

(図面等の利用・法第三百四条等)

第百九十九条の十二 訴訟関係人は、証人の供述を明確にするため必要があるときは、裁

判長の許可を受けて、図面、写真、模型、装置等を利用して尋問することができる。

2 前項の場合には、第百九十九条の十第二項の規定を準用する。

 

 

物上保証人に対する抵当権の実行による競売開始決定が債務者に告知された場合と被担保債権の消滅時効の中断

 

 

              所有権移転登記抹消登記手続請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和47年(オ)第723号

【判決日付】      昭和50年11月21日

【判示事項】      物上保証人に対する抵当権の実行による競売開始決定が債務者に告知された場合と被担保債権の消滅時効の中断

【判決要旨】      物上保証人に対する抵当権の実行により、競売裁判所が競売開始決定をし、これを債務者に告知した場合には、被担保債権についての消滅時効は中断する。

【参照条文】      民法147

             民法148

             民法155

             民事訴訟法204

             競売法25

             競売法27

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集29巻10号1537頁

 

 

民法

(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

第百四十七条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

一 裁判上の請求

二 支払督促

三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停

四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

 

(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)

第百四十八条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

一 強制執行

二 担保権の実行

三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売

四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続

2 前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。

 

他の者を搭乗させる意図を秘し,航空会社の搭乗業務を担当する係員に外国行きの自己に対する搭乗券の交付を請求してその交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例

 

 

              詐欺被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/平成20年(あ)第720号

【判決日付】      平成22年7月29日

【判示事項】      他の者を搭乗させる意図を秘し,航空会社の搭乗業務を担当する係員に外国行きの自己に対する搭乗券の交付を請求してその交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例

【判決要旨】      外国行きの自己に対する搭乗券を他の者に渡してその者を搭乗させる意図であるのにこれを秘し,航空会社の搭乗業務を担当する係員に対し乗客として自己の氏名が記載された航空券を呈示して搭乗券の交付を請求し,その交付を受けた行為は,搭乗券の交付を請求する者が航空券記載の乗客本人であることについて厳重な確認が行われていたなどの本件事実関係の下では,刑法246条1項の詐欺罪に当たる。

【参照条文】      刑法246-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集64巻5号829頁

             裁判所時報1513号261頁

 

 

事案の概要

 本件は,被告人が,2回にわたり,共犯者らと共謀の上,中国人を航空機に搭乗させる意図を秘して,共犯者の1名において,係員に当該共犯者名義の搭乗券を請求して交付を受けた行為が詐欺罪に問われた事案である。

 その事案の概要は,被告人は,共犯者らと共謀の上,空港のチェックインカウンターにおいて,共犯者が,航空会社から業務委託を受けている会社の係員に対し,真実は,バンクーバー行き航空便の搭乗券をカナダに不法入国しようとして空港のトランジット・エリア内で待機している中国人に交付し,その中国人を共犯者になりすませて航空機に搭乗させ,カナダに不法入国させる意図であるのに,その情を秘し,あたかも共犯者が搭乗するかのように装い,共犯者に対する航空券及び日本国旅券を呈示して,搭乗券の交付を請求し,係員から共犯者に対する搭乗券の交付を受けたというものである。

 

 

刑法

(詐欺)

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 

 

ジュリスト 2023年9月号(No.1588) 【特集】インボイス制度が始まる

 

有斐閣

2023年08月25日 発売

定価 1,760円(本体 1,600円)

 

 

2023年10月1日より,消費税法においてインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されます。これにより,仕入税額控除の要件等が変わり,事業者に広く大きな影響が及びます。本特集では,開始を目前に控えた本制度の意義や内容について解説するとともに,理論的検討を加え,消費税法制を展望します。新法の要点では,令和6年度の施行が予定されているグローバル・ミニマム課税を取り上げました。特集と併せてお見逃しなく。

 

 

【特集】インボイス制度が始まる

◇インボイス制度の実施とその将来像…西山由美……14

 

◇課税仕入れを巡る問題…藤谷武史……20

 

◇インボイス制度(適格請求書等保存方式)の概要…染谷浩史……26

 

◇登録制度と免税点制度…金井恵美子……32

 

◇インボイス制度と独禁法・下請法・フリーランス法…白石忠志……38

 

 

コメント

インボイス制度の概要と問題点がよくわかります。

 

 

別件逮捕拘留中本件について被疑者を取調べることが違法でないされた事例

 

 

              強盗強姦、強盗殺人、死体遺棄、恐喝未遂、窃盗、森林窃盗、傷害、暴行、横領被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/昭和49年(あ)第2470号

【判決日付】      昭和52年8月9日

【判示事項】      1、いわゆる別件逮捕拘留中本件について被疑者を取調べることが違法でないされた事例

             2、職権により原判決の事実認定の当否について調査し判断を示した事例

【判決要旨】      1、甲事実について逮捕・勾留の理由と必要があり、甲事実と乙事実とが社会的事実として一連の密接な関連がある場合(判文参照)、甲事実について逮捕・勾留中の被疑者を、同事実について取調べるとともに、これに付随して乙事実について取調べても、違法ではない。

             2、省略

【参照条文】      刑事訴訟法60

             刑事訴訟法198

             刑事訴訟法199

             刑事訴訟法411

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集31巻5号821頁

 

 

刑事訴訟法

第六十条 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。

一 被告人が定まつた住居を有しないとき。

二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

② 勾留の期間は、公訴の提起があつた日から二箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、一箇月ごとにこれを更新することができる。但し、第八十九条第一号、第三号、第四号又は第六号にあたる場合を除いては、更新は、一回に限るものとする。

③ 三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる事件については、被告人が定まつた住居を有しない場合に限り、第一項の規定を適用する。

 

第百九十八条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

② 前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。

③ 被疑者の供述は、これを調書に録取することができる。

④ 前項の調書は、これを被疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤がないかどうかを問い、被疑者が増減変更の申立をしたときは、その供述を調書に記載しなければならない。

⑤ 被疑者が、調書に誤のないことを申し立てたときは、これに署名押印することを求めることができる。但し、これを拒絶した場合は、この限りでない。

 

第百九十九条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。

② 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。

③ 検察官又は司法警察員は、第一項の逮捕状を請求する場合において、同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。

 

第四百十一条 上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。

一 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。

二 刑の量定が甚しく不当であること。

三 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。

四 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。

五 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。