他の者を搭乗させる意図を秘し,航空会社の搭乗業務を担当する係員に外国行きの自己に対する搭乗券の交 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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他の者を搭乗させる意図を秘し,航空会社の搭乗業務を担当する係員に外国行きの自己に対する搭乗券の交付を請求してその交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例

 

 

              詐欺被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/平成20年(あ)第720号

【判決日付】      平成22年7月29日

【判示事項】      他の者を搭乗させる意図を秘し,航空会社の搭乗業務を担当する係員に外国行きの自己に対する搭乗券の交付を請求してその交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例

【判決要旨】      外国行きの自己に対する搭乗券を他の者に渡してその者を搭乗させる意図であるのにこれを秘し,航空会社の搭乗業務を担当する係員に対し乗客として自己の氏名が記載された航空券を呈示して搭乗券の交付を請求し,その交付を受けた行為は,搭乗券の交付を請求する者が航空券記載の乗客本人であることについて厳重な確認が行われていたなどの本件事実関係の下では,刑法246条1項の詐欺罪に当たる。

【参照条文】      刑法246-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集64巻5号829頁

             裁判所時報1513号261頁

 

 

事案の概要

 本件は,被告人が,2回にわたり,共犯者らと共謀の上,中国人を航空機に搭乗させる意図を秘して,共犯者の1名において,係員に当該共犯者名義の搭乗券を請求して交付を受けた行為が詐欺罪に問われた事案である。

 その事案の概要は,被告人は,共犯者らと共謀の上,空港のチェックインカウンターにおいて,共犯者が,航空会社から業務委託を受けている会社の係員に対し,真実は,バンクーバー行き航空便の搭乗券をカナダに不法入国しようとして空港のトランジット・エリア内で待機している中国人に交付し,その中国人を共犯者になりすませて航空機に搭乗させ,カナダに不法入国させる意図であるのに,その情を秘し,あたかも共犯者が搭乗するかのように装い,共犯者に対する航空券及び日本国旅券を呈示して,搭乗券の交付を請求し,係員から共犯者に対する搭乗券の交付を受けたというものである。

 

 

刑法

(詐欺)

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。