安倍文殊院は、大化元年(645年)に創建された日本最古に属する寺院です。当寺ではご本尊の大仏師快慶作の獅子に乗る文殊菩薩像が全国的に有名ですが、境内には文殊池に浮かぶ美しい浮御堂や、重要文化財の白山堂、また東西二つの古墳など見所があり、今日はそれらをご紹介します。

↓金閣浮御堂。昭和60年(1985年)に建立された、文殊池の中に建つ美しい金色の六角のお堂です。七まいりと云って、お堂の外側の回廊を7回回ってお札を納めると七難を取り除き福を得ると云われます。


↓御堂正面には辨戝天・(安倍)仲麻呂堂と書かれています。


↓御堂内部の祭壇。中央に辨戝天、向かって左に安倍晴明公、右に安倍仲麻呂公が祀られています。


↓浮御堂前に立つ安倍仲麻呂の望郷詩碑です。「天の原 ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも」の歌はあまりにも有名です。


↓文殊池畔の花壇に毎年の干支が花で描かれます。今年の干支「寅」です。


↓鐘楼です。


↓この稲荷社は、安倍晴明出生の地として、古来より安倍晴明の母親と伝承される白狐・信太森葛葉稲荷をお祀りしています。

 


↑晴明堂。安倍文殊院は安倍晴明の聖地の一つであるところから安倍晴明公をお祀りしてあります。↓


↓安倍晴明がこの場所で天体観測をしたと伝えられることを示した碑と位置を表す銘板です。


↓不動堂。お不動さまを祀るお堂です。


重要文化財の白山堂。室町時代建立の社殿です。ご祭神は菊理媛神(くくりひめのかみ)さまです。


↓たくさんの石仏群を従えた弘法大師さま。弘法大師さまの前には、四国八十八所の御砂が奉納された砂踏み石があります。


↓十一面観音さま。苦しんでいる人をすぐ見つけるため、頭上に11のお顔があり常に全方向を見守ってくださいます。

 


↑上の観音さまの背後に緑色に見えるのは4,500体の奉納仏です。さらに近寄ってみると下の写真のようです。↓

 


↑西古墳。飛鳥時代の古墳で国の「特別史跡」に指定されています。羨道の奥、石室には現在は願掛け不動さまが祀られています。↓


↓東古墳。こちらも飛鳥時代の古墳です。羨道の中ほどに枯れることのない泉があったそうで、この泉の水は「閼伽水(智恵の水)」と言い、法要等に使う清浄な水として使用されたそうです。


↓ウオーナー博士報恩供養塔。ウオーナー博士は米国の美術史家で、太平洋戦争中に日本の文化財を空襲の対象から外すよう進言した人物です。ここの地元の一市民の発起でこの供養塔が建立されたということです。

 

※参拝の感想:本堂拝観料700円(国宝の文殊菩薩さまに直接お目にかかれるのでちょっと高いような気がするがまあ奮発しよう。それでも700円は他の社寺に比べると高いです)、 昭和60年(1985年)建立の浮御堂拝観料は700円(新しい建物で国宝や文化財などもないのに・・・)、両方共通の拝観料は1,200円で、なおかつ駐車料金500円がかり、夫婦で訪れると計2,900円は他寺院に比べると高いと感じました。せっかく文殊菩薩さまを拝んで清々しい気持ちになったのに苦情を言って済みません。