物部の前身が「火の神霊」「火積」ではないか。
彼は天火明命であった。
★前の記事
★目次
☆1 饒速日命と天火明命
☆2 布留神は火の神
☆3 火の神の受難の理由
饒速日命と天火明命
火積はほづみ。
穂積とも書ける。
穂積氏は、大和の豪族であり、饒速日命を祖神とする一族だ。
間違いなく物部氏と同族になるだろう。
物部の祖神は、饒速日命と御炊屋姫。
神話の神は、ほとんどが彼ら二柱の天照であり、彼らの子孫が祀っていたものだと分かった。
彼は、祀る者たちの職業や場所により「星の神」「海の神」「日の神」など、性質を変えられている。
その中に「火の神」があった。
彼の別名に天火明命がある。
*天火明命とは
*籠神社の神であり、絵馬では国照天照彦櫛玉饒速日命。
*住吉大社の宮司家の祖神。
☆子孫が祖神を祀るので、天火明命=住吉神
*高良神は住吉神と同神。
よって、高良神=住吉神=天火明命=饒速日命。
神話で火がつく名、性質を持つ神は、天火明命を意味している。
天加具土命
天火火出見命(火遠理命=山幸彦)ほか
山幸彦は高良神に繋がっている。
火は穂。
その両方の字を持つ神も彼なのだ。
天穂日命(誓約で現れた神)
天忍穂耳命(忍骨命・誓約で現れた神)ほか
天忍穂耳命英彦山の神であり、大己貴神と宗像神から山を譲られている。
*彦山修験道縁起(大己貴神、宗像神)
二つのヒメコソ社から、饒速日命と市杵島姫命、高良神と神功皇后に繋がっていた。
こちらからも、英彦山の天忍穂耳神も繋がっている。
火、穂の神も彼と同神なのだ。
では、何故彼は「火の神」なのか。
布留神は火の神
高良神は安曇磯良神。
磯神=いそのかみ=石上。
高良神(磯良神)である饒速日命は、石上神宮の布留神でもある。
(伊勢は古来、磯宮であり、磯神を祀る宮を意味していた。
天照が磯神=高良神=饒速日命)
布留神、磯神について、物部の子孫の真鍋大覚氏著書「儺の國の星」に、こう記されている。
(「儺の國の星」引用)
布留御魂(ふるのみたま)は隕鉄、布津御魂(ふつのみたま)は砂鉄を精練した剣のことであった。
**
谷神(こくしん)を倭人は石上と書き"いそのかみ"と訓じてきた。
鉄を"ふるみたま"と言う。
暗黒の宇宙の色をそのまま復元した姿であった。
銀河を"うましのみち"と言う。
磯神(いそのかみ)が砂鉄を掬って炭とまぜて鉄を求めた仕事は黒に生まれ、黒を育てて黒を成す過程にほかならなかったのである。
まとめると。
*布留御魂は隕鉄(隕石の鉄)、布津御霊は砂鉄を製錬した剣。
*ふるみたまとは鉄のことであり、暗黒の宇宙の色。
*石上はいそのかみ。
*磯神が、鉄を作った。
かの本には那珂川では天の川を「いそのかわ」と呼んだともあり、磯神は天の神、宇宙の神をも意味していると思われる。
(天御中主神も彼)
石上神宮の布留神は、饒速日命。
いそのかみの名は、「火を操り剣を造った」民が祀る神であったのだろう。
火の民の神が彼なのだ。
火の神の受難の理由
火の神の代表である具土神(カグツチ・軻遇突智)は、受難の連続だ。
その理由が三つある。
☆1 神話に善悪は関係ない
彼を産んだ後にイザナミ神は亡くなる。
それに怒ったイザナギ神に斬られ、そこから多くの神が生まれている。
それらもすべて、彼なのだ。
しかし、神話での善悪は、その神の性質と何ら関わりがない。
同神を暗示する為の物語上の演出でしかない。
☆2 伝承に関わる者を示唆
同神の大国主神の「スサノオ命による試練」は、異類によるものを示唆していた。
彼が「異類を退治していた方の神」であり、その伝承に関わる者が彼だと告げるものであった。
☆3 「譲った者」
また、彼、高良神は筑紫の神。
大和で彼を祀る者たちは、おそらく筑紫から移動している。
為政者は、彼らの子孫から、後に天皇家へ。
これが神話の「国を譲る・大国主神」「大和を譲る・饒速日命」とは、これを意味していると思われる。
これも神話の「火の神の受難」の理由の一つであろう。
彼は大和に移った子孫が祀る「火の神」。
その正体は、饒速日命、武内宿禰、高良神、天火明命、住吉神...。
それは彼の姿の一部に過ぎないのだ。
物部の前身は「火の神霊」「火積」ではないか。
と、X(旧Twitter)のフォロワーTさんからヒントを頂きました。
ありがとうございます。
記事内の考察や写真、イラストなどの使用は著作権のルールに沿ってくださいますようお願いいたします。
*******************************************
X(Twitter)
古代や神のこと、少しずつつぶやきます。
小分けなので分かりやすいかもです
フォローお願いします
https://twitter.com/sakura15335?t=zywdh8uJGIhzvxAk28C_Tg&s=09