真鍋大覚氏が記された「儺の国の星」。
そこに「御炊屋姫」の名の由来となる項がありました。

彼女は饒速日命の后。

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★目次

☆1 儺の國の星 炊屋星

☆2 織姫と彦星、饒速日命と市杵島姫命

☆3 大神神社の御炊社の神

☆4 天照*御炊屋姫と推古天皇

☆5 天津甕星の甕

☆6 香椎と橿原

 

  儺の國の星 炊屋星

 

「儺の国の星 拾遺」(炊屋星・かしきやぼし)の項にはこのような記述があります。

 

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琴座 Lyra(リラ)

推古帝(五九三~六二八)の御名は豊御食炊屋姫(とよみけかしきやひめ)。
織女を雉鳥石星(かしわのほし)或は梶葉星(かぢばぼし)と言う。

舸子場(かしば)とは船著場のことである。
(中略)
 昔は楮(こうぞ)と同じその皮を剥いで衣服の繊維を取っていたところから、この神話伝説が生まれた。
木の皮は細く裂いて水に晒す。
(中略)
 織女を志摩星或は斯和星(しわのほし)と言う。
”かしきやぼし”の略と思われる。

西海では船の用材になる木をすべて”しば”と言う。
芝とは船人の別名にも当てられることが多かった。
 魏志倭人伝の伊都国に泄謨觚(しばこ)、奴国に兜馬觚(しまこ)の名がみえる。
いずれも女王、或は后妃であって海と空の天気の託宣を行う巫人のことであった。

 

(真鍋大覚 著「儺の國の星 拾遺」P86-87)              
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織女星の名という”炊屋星(かしきやぼし)”
御炊屋(三炊屋・みかしきや)姫と織姫が結びついたのはここからでしょう。


「三」は、饒速日命を表します。
娘に三島の名がつく者(*)がいたり、三島神社の多くは饒速日命が祀られています。
(*三島溝杭姫は、後に三炊屋姫自身だと分かります)

 

織姫=炊屋姫。
織女の名から、女王、后妃、巫人をも表す名に繋がるのならば、御炊屋姫にこれほど相応しい名はないかもしれません。
彼女は玉依姫(神の魂を下す(声を聴く)巫女)でもありました。

 

瀬と津は、水の神であることを表し、夫婦神が住吉であり、底筒男神(ツツは星、津は海)、綿津見神との対比。

皇子である”宇摩志麻治(ウマシマジ)”の名の由来は、天の川や銀河のことです。

 

 

夫、饒速日命、彼の別名に「布留、フル」があります。
これも星を表す。
(三は、オリオンの三つ星=住吉神=三島神)

彼らの名が、宇宙の星々に由来するものならば、偶然ではないのでしょう。 

 

  織姫と彦星=饒速日命と市杵島姫命


福岡の七夕神社(媛社(ひめこそ)神社)に祀られているのは、織姫と彦星。
彦星は饒速日命。

 

もう一柱の𣑥幡千千姫は、彼の母とされてますが、母子で七夕の神にはなり得ません

この社には伝承があり、もうひとつのヒメコソ(姫古曽)神社と同神と示唆するものがありました。

 

ここから、織女神=市杵島姫命=御炊屋姫

饒速日命=高良神(住吉神)

 

と辿り着きました。(上の記事に詳細)

 

高良神は、饒速日命でした。

彼女は彼の后の神功皇后です。

 

 

 

  大神神社の御炊社の神

 

また、奈良の大神神社の境内に「御炊(みかしぎ)神社」があります。

 

 

大物主の神饌を用意していたという神。

=転じて神の妻を意味するもの。

 

御祭神は御膳津神(みけつかみ)であり、豊受大神、宇迦能御霊と同神。


大物主神=饒速日命=天照大神。
御炊神=御炊屋姫=豊受大神。

彼女は女神天照とも同神です。

女神天照=市杵島姫命(宗像神)=豊受(籠神社より)

(下の記事参照)

 

女神天照は、瀬織津姫。
饒速日命は住吉の神、海の神であり、瀬の神。
その名の一つに、綿津見大神があります。

瀬織津姫は天照神の后であるという。

彼女は御炊屋姫であり、饒速日命の后。

それは、天照神が、饒速日命ということでもあります。

織物の神に建葉槌がおられます。

彼女は神話では、天津甕星を封印しました。

全て彼らであったのです。


天津甕星は饒速日命。
建葉槌神=織物の神=瀬織津姫=御炊屋姫=市杵島姫命=弁財天

 

神話の神はすべて彼らでありました。

 

 

神話の「まつろわぬ者、災厄を起すもの」は男神天照である彼でした。

男神が隠される理由つけであったのです。

 

御炊屋姫と推古天皇

 

  天照*御炊屋姫と推古天皇

 

饒速日命と御炊屋姫は二柱の天照。

後に彼は隠され、女神だけとなります。

 

記紀の終わりは、両書とも女性天皇。

その内、推古天皇の名は、炊屋姫(かしきやひめ)、豊御食炊屋姫(とよみけかしきやひめ)。

 

おそらく、最高神の天照にあやかった名と思われます。

 

推古天皇の母方は蘇我氏。

祖神は武内宿禰であり、高良神。

物部氏とは同族であるので、彼らの祖神は饒速日命。

高良神こそ、武内宿禰であり、饒速日命。

 

女神天照である御炊屋姫はその后になるのです。

 

一方の持統天皇は、神功皇后の行方をトレースしてるよう。

(下の記事に詳細)

 

 

 

  天津甕星の甕

 

甕(みか)は、神への供物を入れる器。

 

倭大物主櫛甕玉彦は大物主神=三輪の神=饒速日命。

饒速日命の別名に、櫛甕玉彦がある。

 

櫛玉姫は、御炊屋姫。
櫛甕玉姫とも言われる。

 

 

饒速日命の甕は、神の器。

御炊屋姫の甕は、神の魂の依り代である器。

こんな意味でしょうか。

 

あ、そうか。

天津甕星とは、天の神の器の星。


櫛玉比女命神社は、饒速日命の后、御炊屋姫が祀られています。

 

ここは弁財天とも言われて、弁天さんと呼称。



こうして紐解いて行けば、繋がるのです。

 

武甕槌命も饒速日命。

甕の字があります。

漢字一文字で、神を示唆してもいます。 

 

 

 

  香椎と橿原

 

「儺の國の星 拾遺」の炊屋星には、香椎と橿原のかしは、赤緯を観測台であったとあります。


古代における星の巡りはとても重要なもの。

福岡にある神宮皇后が深く係わる「香椎宮(かしいぐう)」。
その場所も、”そう”だったのかも。

もしかすると、福岡の「香椎」は、奈良における「橿原」なのかもしれない。

御炊屋姫に関わりがあるかもしれない「橿原」と、神宮皇后が関わる「香椎」。


ここでも繋がったようです。

 

 

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