読書メーター:あなた、それでも裁判官?(中島久瑠美)
死と紙一重の家庭内暴力から一念発起、弁護士となり「救う側」にまわった女性の自伝。
前半100ページほどは壮絶、凄惨な暴力シーンが続き、何度か読むのをやめようかとも……。
著者は成城の名家で蝶よ花よと育てられ、東大卒業と同時に結婚。(元)夫は裁判官。順風満帆の人生を送るかに見えたのだが……。
結婚したその足で北海道へ赴くと、夫がトンデモナイ顔を見せ始める。
外面はスーパー良いのに、家では「裁判官は神様」と言ってはばからず妻が妊娠中だろうが殴る蹴る怒鳴る。そのうえ生活費も渡さない。まるでドラマの暴君ぶり。それでも夫の仕事への支障を配慮し、暴力の事実を周囲にはもちろん実家にも隠し耐え忍ぶ。
「この社会の片隅には、今の汝以上に悲惨な目に遭っている人がいる。(中略)汝はなぜ、そうした人々の力になれる人間になろうとしないのだ?」とは、大怪我で入院したのち、ようやく逃げ帰った実家にて、夢の中で受けた啓示。
この言葉で「そうか!」と立ち上がれるのはある意味恵まれた人間。それほど強い女性は稀有でしょう。
とにかく全編を通して衝撃的な一冊。
読書メーター:犬の足あと猫のひげ(武田花)
読書メーター:魂でもいいから、そばにいて ─3・11後の霊体験を聞く─(奥野修司)
3.11 東日本大震災で大切な存在――親だったり子どもだったり伴侶だったり――を喪った方々の不思議な体験、いまは「亡き人との再会」のお話。
夢なのか現実なのか、そうした経験を持たない自分にはなんとも分からないものの、「夢でもいいから」「魂だけでもいいから」会いたい、そんな想いは理解できる。
人類や科学は万能ではなく、脳にしろ心にしろ、自分たちが考えている以上に未解明の部分が大きいと聞く。
そう考えると、「魂」というものが、肉体を離れてからも寄り添い続けるようなことが、現実に起きているのかもしれない……とみる余地も広まる。
自分はどちらかというと現実的な人間だと思うのだけど、大切な存在を持つ人間のひとりとして、本書に登場する皆さん、そしてこの世のどこかで同様の体験をしている皆さんの「再会」がホントウであってほしいなと願うような気持ちでいる。