読書メーター:あなた、それでも裁判官?(中島久瑠美) | 虹色スタジアム

読書メーター:あなた、それでも裁判官?(中島久瑠美)

あなた、それでも裁判官?(中島久瑠美)を読んだ本に追加

死と紙一重の家庭内暴力から一念発起、弁護士となり「救う側」にまわった女性の自伝。

前半100ページほどは壮絶、凄惨な暴力シーンが続き、何度か読むのをやめようかとも……。


著者は成城の名家で蝶よ花よと育てられ、東大卒業と同時に結婚。(元)夫は裁判官。順風満帆の人生を送るかに見えたのだが……。

結婚したその足で北海道へ赴くと、夫がトンデモナイ顔を見せ始める。


外面はスーパー良いのに、家では「裁判官は神様」と言ってはばからず妻が妊娠中だろうが殴る蹴る怒鳴る。そのうえ生活費も渡さない。まるでドラマの暴君ぶり。それでも夫の仕事への支障を配慮し、暴力の事実を周囲にはもちろん実家にも隠し耐え忍ぶ。


「この社会の片隅には、今の汝以上に悲惨な目に遭っている人がいる。(中略)汝はなぜ、そうした人々の力になれる人間になろうとしないのだ?」とは、大怪我で入院したのち、ようやく逃げ帰った実家にて、夢の中で受けた啓示。


この言葉で「そうか!」と立ち上がれるのはある意味恵まれた人間。それほど強い女性は稀有でしょう。

とにかく全編を通して衝撃的な一冊。