どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。

ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
「すぱそにっ♥(はぁと)」
「そにアニ オリジナルサウンドトラック」
「ハローグッバイ」歌:榊原ゆい
『「星刻の竜騎士」OP「聖剣なんていらない」/(榊原ゆい)』
『Anison Strings~弦楽四重奏で聴くランティスの歴史』
『僕らは今のなかで』『きっと青春が聞こえる』ラブライブ!


先日、アップした前半はいかがでしたでしょうか?

改めて打ち込み音源の判断の難しさを痛感しました。
生演奏主体の楽曲ですと、割とハイレゾとCDの差は分かり易いのですが、
今回は打ち込みの中でもゲームの世界観を壊さないよう制作されたBGMということで、けっこう難航しました。

それでも、DISC1~2を聴いてみて、だいたい共通して以下の3点が言えると思います。

①.周波数帯の広がりは高域で顕著である。低域も下に伸びているが、CD版との差は意外と小さい
②.平面的だった音場が三次元的な空間を感じられるように変化
③.一音一音が緻密で繊細で丁寧



低域については、CD版になると驚くほどカットされてしまっているケースがよくあります。
アニメのサントラなどで生演奏が多用されているソースでさえそうなのですから、アニソンなどは言うに及ばず。
超低域の出ないミニコンやCDラジオシステムなどでは差が分からないかもしれないのですが、なんか残念だなぁと。
だって、ハイレゾでもCDでも低域の再生周波数は下限20Hzで同じですから。
ミキシングのバランス上、CDでは低域を抑えるという話は聞いたことがありますね。
その観点では本作のCD版は、低域がある程度ちゃんと入ってるという印象でした。


さて、今回は後半ということでDISC3~4から6曲お送りします。

先に明言しておきます。
前回と同じような感想、言葉を使ってしまうことが多いと思います
しかし、できる限り該当の楽曲ならではの特別な違いを見つけられるようにがんばりました。

それでは、お読みくださいませ!



アルバム名:「英雄伝説 閃の軌跡」サウンドトラック・オリジナルマスター
Falcom Sound Team jdk[作曲]

販売:e-onkyo / mora
フォーマット:48kHz/24bit FLAC/WAV



Atrocious Raid
→列車砲の発射を阻止するために、仲間と力を合わせて要塞内を進む際に流れる楽曲だ。
緊迫感と同時に確かな希望も胸に熱くこみ上げる。情感を揺さぶる名曲。

・大幅に解像度が向上。それぞれの音が個別に立っており、音数の多さに負けていない
・空間の広がりが感じられる音場に変化。上下左右、かつ包囲感が加わった。リバーブの効果が忠実に再現できていると思われる
・ベースが引き締まり、クリアになって濁りも軽減されている


ダイニングバー《F》
→最初、Vitaで聞いたとき「全部生演奏!?」と思ってしまった。
実際は、生の質感を重視したサンプリング音源だったわけだが、ダイナミクスが広く、こういう曲がゲーム音楽に紛れているのはニクい演出だなとw
Theジャズバーという感じのクールで渋い楽曲だ。

・CD版で感じられた高域の頭打ち感がなくなり、劇的に空気感が改善した
・情報量が増えたことでサンプリングされた生楽器が実在感を増した
・生演奏っぽさが実際にはここまで作り込まれていたこと(特にドラムやギターの質感向上)には驚いた


Exceed!
→リィンが秘めたる力を初めて作中で解放するシーンで流れるバトル曲。
あまりのカッコよさに、セーブポイントを残しておき、何度も同じイベントを見ては楽曲だけをリピートして聴いていたのを思い出す。
とても熱い楽曲ではあるが、リィンの辛さや葛藤、激情といった複数の感情が同時に入り乱れているような奥の深さを表現しているように思う。

・生ギターのディテールが緻密でかつピュアに蘇った
・CD版の全体的に痩せたような音が肉厚で存在感を主張するエキサイティングな音に変化
・見通しの良さが改善したことで、ベースとバスドラの音が埋もれずにくっきりと定位し聴き取れる


明日を掴むために
→ラストダンジョンで流れる楽曲。ギターとバイオリンが生演奏だ。
生演奏が含まれる楽曲に多い特徴として、1ループがとても長い。
ダンジョンそのものが広大で探索に時間を要すだけに、何度聞いても飽きさせないドラマティックな構成になっている。

・生演奏の質感を残しているハイレゾ版は、一聴して素っ気ないように感じるが、
マスタリングを介さないピュアな音像はシリアス感や緊迫感を増大させているように思う
・音数の多さに抗うような解像度の高さと分離感でもって、ゴチャゴチャしたCD版を大きく超える緻密な音場を魅せてくれた
・奥行きが適切に表現されることで、ダンジョンの深さや広さを忠実に楽曲に反映させていることが分かった。よく聞くとそのバランスは絶妙!
CD版では奥行きがかなり曖昧であり、まるで前と後ろからぎゅっと圧縮されたようで、たいへんもったいない音場だった。


巨イナルチカラ
→事実上のラスボス曲。主人公たちは正体不明の黒い巨体と戦うことになる。
驚くべきことに、その巨体の正体は作中では明かされない。モンスターの名前からだいたい想像は付くのだが、投げっぱなしのEDは正直驚いた。
本物のソプラノコーラス(女性)・テナーコーラス(男性)は圧巻。
コーラスがゲーム音楽として打ち込みにマッチするようにミックスは細心の注意が払われているのが伺える。

コーラスの声がよりなめらかに、かつ緻密になった。高域側が特によく伸びており、ぼんやりとしていたCD版とは大きく説得力が向上
・分離感が高まり空間も広がったことで、壮大な音場を破綻無く描ききっている。CD版は、ある意味でオーバーフローしている印象だ
・多人数コーラスは、べったりと面になっていたCD版から音楽的な融合を残しつつも適度に分離し聞きやすく進化


I miss you
→衝撃のラストで流れるED主題歌。ギターのみ生演奏。
これはリィンに対しての思いを歌った曲だろうと思う。
誰か特定のキャラの心情というより、自分はⅦ組一人一人の気持ちなのではないかと解釈した。
この思いにリィンは閃の軌跡Ⅱでどう答えるのだろうか、楽しみで仕方ない。

・全体的に音場がスッキリとして、各楽器のディテールもより豊かになった。
・CD版は味気なくてまるで圧縮音源のよう。ハイレゾ版を聴くとその情報量の多さに思わずホッとしてしまった
・ボーカルは、息づかい、声の輪郭、情感、どれをとってもCD版とは比較にならないほどの再現度
・ボーカルのアタックと余韻が息を飲むくらい緻密に描写されており、まるで自分の部屋にコテカナが来てくれたよう!



終わりでございます!

ハイレゾ版の感想で前後編をやったのは初となります。
試聴にはとても時間が掛かりました。

だいたい夜10時以降はご近所様を考えて音量を出せないので、
昼間や夕方を選んでは試聴のたびに空調を止めて汗を溢れさせてやっておりました。

ぜひ読者の方には、打ち込みメインのゲーム音楽でもハイレゾの恩恵があることを知って欲しいです。
そして、ハイレゾ化により楽曲本来の音を楽しめる喜びを味わってもらいたいです。

CDでは抜け落ちている、あるいは曖昧になっている情報がそのままの形で聴ける。
それは時として、サウンドチームが楽曲に込めた制作意図まで気づかせてくれました

こんなに素晴らしいことはないじゃあ~りませんか。

末筆ながら、ファルコムのハイレゾ参入を心から祝いたいです。


以上です。

いかがでしたか?

これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
日々精進中の身ですので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。


ともあれ、ハイレゾ音楽の面白さが伝われば嬉しいです。


ハイレゾ再生は、対応ネットワークオーディオプレイヤーからはじまり、
ネットワーク対応のミニコンポ、専用ポータブルプレイヤー、対応AVアンプなどドンドン広がっています。
スマホにいくつか機材をくっつけることでそのクオリティーを手軽に楽しめるようにもなりました。対応スマホも続々発表されています。

パソコンにUSB-DACを付けてヘッドフォンやスピーカーで聴くというスタンダードな方法から、やはりオーディオはオーディオとして独立させたいという願いにも答えることができます。

ぜひ、音高音質音源の再生にチャレンジしてみてくださいね!
音楽生活がもっと豊かに楽しくなることでしょう。


ちなみにPCで聴くためのオススメソフトは、X-アプリです。
オーディオインターフェースやUSB-DACを付けたらWASAPI排他やASIOを「オーディオ出力設定」から忘れずに設定してくださいね!


どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。

ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
「すぱそにっ♥(はぁと)」
「そにアニ オリジナルサウンドトラック」
「ハローグッバイ」歌:榊原ゆい
『「星刻の竜騎士」OP「聖剣なんていらない」/(榊原ゆい)』
『Anison Strings~弦楽四重奏で聴くランティスの歴史』
『僕らは今のなかで』『きっと青春が聞こえる』ラブライブ!


ゲームのサントラは、ハイレゾ配信されている例自体が少ないと思います。

パッと思いつくのは、FINAL FANTASY XIV。
moraで配信されてだいぶ話題になりました。

先日、ゲーム音楽ファン待望のファルコム作品がついにハイレゾ化!
ストーリーRPGとして熱狂的なファンが支える軌跡シリーズの最新作です。

ファルコムのゲームは販売本数こそ大手メーカーに比べれば差がありますが、
ファンがとても熱心に応援しているため数々の賞を総ナメにしています。
特にすごいのはSCEが主催するPSアワードにおいて、ファン投票で決まるユーザーズチョイス賞を4年連続で受賞しています。(4作品中3作品が軌跡シリーズ)
熱いファンに支えられたRPGのサントラがついにハイレゾになるわけです。


アルバム名:「英雄伝説 閃の軌跡」サウンドトラック・オリジナルマスター
Falcom Sound Team jdk[作曲]

販売:e-onkyo / mora
フォーマット:48kHz/24bit FLAC/WAV



まず、感想を書く前に私がTwitterでつぶやいた文章を転載します。

音の粒が緻密で繊細だ。躍動感も格段に向上。透明感がアップし、立体感も増している。低域の重心がグッと低くなって、高域の伸びはナチュラルで気持ちいい。神曲「雨音の学園」は鳥肌立った。打ち込みなのに! コテカナの歌声は劇リアル!  #ハイレゾで英雄伝説閃の軌跡サントラを聴いてみた


e-onkyoのクリアファイルプレゼントの応募にあたって書いたつぶやきです。

どうやらこのキャンペーンは盛り上がりに欠けるようで、7/27現在私の他に二人しか参戦していません。アルバムはあんなに売れてるのに。
プレゼント対象者は、12名様なんですが……orz
みんなもっと気軽につぶやこうよ!w


では、感想を書いていきましょう。
全曲はさすがに読む皆様もしんどいと思うので、いくつか選曲してCD版との比較をお届けします。

前半の今回はDISC1と2の中から7曲を厳選しました。

まだ未購入の方は判断の参考に、
既に聞いている方も「どこに注意して聞けば楽しさが深まるか」の材料にしてみてくださいね♪
(私はスピーカーで聴いています。システム構成は文末に載せています)



明日への鼓動 -Opening size-
小寺可南子[アーティスト], 神藤由東大/一二三恭[作詞], Falcom Sound Team jdk[作曲]

→OP主題歌。ショートバージョン。
ボーカリスト、コテカナはすっかりファルコム楽曲のレギュラーだ。
彼女のボーカルはファンも望んでいるし、まったく違和感が無い。
歌唱力はもちろん表現力も尋常では無くどんな歌でもこなすので、新曲のたびにワクワクさせてくれる。

・音のディテールがとても緻密に、かつ明瞭になった
・分離感が向上。前後感がより明確になり、ボーカルがハッキリと定位する
・音場が上下左右に120%くらい広がった。2割の差は意外と大きい。(筆者比)
・コテカナのボーカルが息づかいまで伝わるように生々しく変化
・リマスターを行わない効果なのか、原音の質感がリアルに残っている。特に生楽器とボーカルは顕著。


自由行動日
→音数が多いため、ハイレゾ版でどれだけそれを破綻無く表現できるかがポイント。
軌跡シリーズ定番となるメインシナリオを進めつつサブクエストをこなすときに流れる楽曲で、全章に渡り頻繁に耳にする。
地方都市の晴天の風景をそのまま曲にしたようなハマりっぷり。とても心地よい。

・解像度や分離感が高い。音がくっきりとまるで形を捉えられるほどに描かれる。特にパーカッションは顕著。
・ストリングスパートが音数の多さに埋もれがちでぼんやりしていたが、音場の最も奥に広がるように定位し心地よく鳴っている
高域がとてもナチュラルになった、より超高域側で切り落とされていたCD版に対して、なだらかに残っている。違和感が無い


異郷の空
→街道を別のポイントまで移動できない本作では、それほど頻繁には流れなかったが、
空間の広大さはフル3Dになって何倍にもふくれあがったため、あちこちにカメラを向けて観察した人も多いのではないだろうか。
生演奏のバイオリンが主メロを担当している。通常BGMでも生楽器が取り入れられる気合いの入りように驚いた記憶がある。

・空間の広がりに驚く。特に高さ方向の表現力は格段に向上。本来の楽曲意図はこうだったのか!と感動
・バイオリンの音の間引き感が無くなり、グッと実在感がアップした。高域側のみならず、中域側でも本来の音を感じられて心地よい
・ゴミゴミとしたCD版から、情報量が増えたことですっきりとした解像度の高い音場に変化
ベースラインがグッと引き締まった。CD版では超低域に掛けてカットされており物足りないが、ハイレゾにおいては本来のバランスで聞こえるような印象(無理に足してはいない


Tie a Link of ARCUS!
→本作で唯一ドラムが生演奏の楽曲。他の楽曲とのバランスを取るためか、割と電子ドラムのような録音と音作りが成されているようだ。
ファルコムならではの熱いバトルを彩る大興奮のメロディーとギタープレイは、閃の軌跡でも健在だ。

・一瞬、仕上げがそっけないように思えるが、生楽器の音が緻密にディテール豊かに表現されており、原音の質感や空気感がより楽しめる
・高域の伸びがアップしているため、ギターやバイオリンの音色がいたって自然に感じられて気持ちよい
・バイオリンの定位が明確になり、よりハッキリと音像を捉えられる。生々しさはCD版の比ではない
・CD版は情報の欠落とマスタリングによる油ぎった感じが相まってグチャッとした音像同士のごった煮だったが、ハイレゾの臨場感とナチュラル感は興奮を倍増!
・最後のギターソロは胸アツが5割増しに!(筆者比)
・ドラムスネア音の立ち上がりと立ち下がりがより繊細で丁寧になって生っぽさが向上


地下に眠る遺構
→ファルコムはダンジョンごとの空気感や容積を曲で表現するのがとても上手いように思う。
本楽曲も奥に長い地下ダンジョンの圧迫感や先の見えない不安感などを見事に表現している。

・奥行き感と上下の高さが格段に向上。見通しの良さも改善。天井から降り注ぐような音場は楽曲の意図をいかに正確に表現できているかの証明だ
・すべての音が繊細で緻密。パーカッションやストリングの一音一音が明瞭で余韻も確かに聴き取れる
・各パートの響きが丁寧に描写されることで不気味さや不安感といったダンジョンの空気が音楽を通してより伝わるようになった


雨音の学院
→筆者が閃の軌跡で最も好きな曲。雨のシーンだけでなく、感動的なイベントシーンでも多用されていた。
ファルコムは楽曲ごとの作曲者を明らかにせず、チームとしてクレジットしているが、ぜひ作曲者名を個別に公表して欲しい。
あの曲もこの人か!、と音楽ファンなら興奮しますよね!?ですよね?w

・空間の広がりと奥行き感が向上
・左右に定位するギターは、高域がグッと伸び、音のディテールがより繊細になって音楽性まで増した印象
・分離感が向上しており、各トラックに神メロがいくつも存在することに改めて気づかされる
シンバルの高域が自然で気持ちよく、曲の中身に入り込みやすくなった。特に1:25あたりからのシンバルは秀逸!


Eliminate Crisis!
→強大で巨大な敵と戦う際に流れるバトル曲。オーケストラ調の壮大なナンバーだ。
従来の作品にも同様の楽曲は存在していたが、フル3Dになったことでスケール感やダイナミズムが増している。
この曲のままでもっとグラフィックが進化してもそのまま通用するくらい完成度が高い。

・小さくまとまっていたCD版がスケール感を増し余裕たっぷりに音場を描写
・奥行き感がやや向上。オーケストラ系の楽曲には必須と言えるので、効果は大きい
・高域がナチュラルに伸びている。楽曲としての説得力が連動して向上
余韻の表現が繊細になったことで打ち込みとはいえ、オーケストラらしさが格段にアップしている



前半はここまで!


後半はDISC3~4にあたる楽曲をお届けします。

コメントで「この曲を書いて欲しい!」というリクエストを受け付けます。
思いついたらぜひどうぞ。


以上です。

いかがでしたか?

これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
日々精進中の身ですので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。


ともあれ、ハイレゾ音楽の面白さが伝われば嬉しいです。


ハイレゾ再生は、対応ネットワークオーディオプレイヤーからはじまり、
ネットワーク対応のミニコンポ、専用ポータブルプレイヤー、対応AVアンプなどドンドン広がっています。
スマホにいくつか機材をくっつけることでそのクオリティーを手軽に楽しめるようにもなりました。対応スマホも続々発表されています。

パソコンにUSB-DACを付けてヘッドフォンやスピーカーで聴くというスタンダードな方法から、やはりオーディオはオーディオとして独立させたいという願いにも答えることができます。

ぜひ、音高音質音源の再生にチャレンジしてみてくださいね!
音楽生活がもっと豊かに楽しくなることでしょう。


ちなみにPCで聴くためのオススメソフトは、X-アプリです。
オーディオインターフェースやUSB-DACを付けたらWASAPI排他やASIOを「オーディオ出力設定」から忘れずに設定してくださいね!

どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。

ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
「すぱそにっ♥(はぁと)」
「そにアニ オリジナルサウンドトラック」
「ハローグッバイ」歌:榊原ゆい
『「星刻の竜騎士」OP「聖剣なんていらない」/(榊原ゆい)』
『Anison Strings~弦楽四重奏で聴くランティスの歴史』


アニソンハイレゾを一気にブレイクさせたのは、
ラブライブ!の楽曲であることは疑いようがありません。

去年の秋、衝撃のリリースから8ヶ月を過ぎ、今やアニソンはハイレゾでリリースされることが特別ではなくなりつつあります。
レーベルも次々と参入し、元々はポニーキャニオンやF.I.X.RECORDSといったごく一部のリリースに限られていたのが賑やかになっています。

ハイレゾが好きで、オーディオ(高品位な再生音楽)に興味があっても「買いたい音源が無い」というリスナーは多かったのではと思います。
今後はさらにレーベルが広がり、サントラからキャラソン、声優ソングといった、アニソン以外のリリースも増えてくれることを願いたいです。

そして、いつかはハイレゾ同時リリースが当たり前。
リスナーは目的によってCDとハイレゾを選ぶ時代になってほしいです。

アニソンファンには、物理的なブックレットやジャケットをコレクションしたいという層がまだ残っていると信じたいです。
やっぱり生のブックレットはWEB閲覧やPDFでは満たせない所有感や満足度があります
だからCDは売れ続ける。(と私は思いたい

たとえば、CD版に『ハイレゾ版 特別割引クーポン付ver'』とかが登場すれば、店頭とネット配信で相乗効果が出ると思うのですが…
まだまだ実際の魅力を知らない人もいるでしょう。
とにかくオーディオは、体験してナンボの世界

ハイレゾの感動やすばらしさを広めていきたいと思います。



さて、今回紹介するのは爆売れ中のこちらの楽曲!


曲名:僕らは今のなかで
μ's[アーティスト]
畑 亜貴[作詞], 森慎太郎[作曲・編曲]
ミキシングエンジニア:淺野宏伸
マスタリングエンジニア:原田光晴

販売:e-onkyo
フォーマット:48kHz/24bit FLAC/WAV


曲名:きっと青春が聞こえる
μ's[アーティスト]
畑 亜貴[作詞], 高田 暁[作曲・編曲]
ミキシングエンジニア:淺野宏伸
マスタリングエンジニア:原田光晴

販売:e-onkyo
フォーマット:48kHz/24bit FLAC/WAV



説明は一切不要ですねw
大人気テレビアニメ「ラブライブ!」一期のOP/ED主題歌です。

ラブライブ!が去年の秋、初めてハイレゾでリリースされたとき
『過去作もいいけど、「僕らは今のなかで」が欲しかった!』と思った人は僕だけではないでしょう。
一期の感動がまだ心に残っていた当時、「新しい音源を欲しい」という思いはとても強かったです。

ついに満を持してのリリース!
しかも、配信ページにあるような特別なリミックスを施してのリリースです。

既に買った人も、これから買おうか迷ってる人も、
私が狂喜乱舞したクオリティーを深く味わって欲しい――
その思いで感想を書いてみました。

なお、私はラブライバーではありません。
CD所有は一期の主題歌のみという完全なビギナーであります。
ちなみに一期の頃からにこ先輩が大好きです。
二期で凛ちゃんに陥落しかけましたが、にこ先輩への思い入れは貫き通しましたね!(何
みんなが呆れて部室をあとにしても僕だけはにこ先輩の猫被りを見続けます。当たり前じゃ無いですか!
アイドル活動に対してストイックなところがまた最高でありますよー!



「僕らは今のなかで」は、CD版との比較を中心に
「きっと青春が聞こえる」は、ハイレゾ版単体の所感をまとめてみました。



【僕らは今の中で】
・ラウドネスはほぼ同等(CD版から音量を変更しなくても連続して聞ける
距離感や定位感、解像度が大幅に向上した。平面的な音場が奥行きを感じさせるように進化。
・ボーカルが立体的で緻密になり、二次元的でのっぺりとした音像がくっきりと捉えられる。まるで手を伸ばせば届きそうな感じ!
・ストリングスがふわりと包み込むように広がり質感も含めて実在感が増した
・周波数帯域が下にも上にも伸びてよりナチュラルになった。無理に付け足すのでは無く、本来の音へ蘇った印象だ
・ベースの肉厚感、ストリングの心地よい倍音、トリミング感の無いそのままのボーカルなど、帯域の広がりとリミックスは様々なプラスを生んだ
・ラウドネスは同じなものの、24bit効果による音の立ち上がりと立ち下がりがより繊細になったことでリアリティーと躍動感は格段にアップ


【きっと青春が聞こえる】
・グッと前に出るボーカルは、μ'sの9人がリスナーのために歌ってくれている臨場感を強調
・一人一人のボーカルが跳ねるような躍動感を持ち音場を満たす
・各楽器(トラック)の音の粒が明瞭でくっきりと浮かぶ
・生バンドのオケが奥に定位し、ボーカルが前列で歌っている音場感
・帯域の広がりは「僕らは今のなかで」と似たような印象を受ける。やや高域が華やかである。


《48kHz/32bit-floatオリジナル → 96kHz/32bit-floatリミックスの恩恵》
※48/24版のランティスでリリースされたアニソンとの比較で感想を述べています。

解像度、分離感が大幅に向上
・音場が上下左右に広がり、奥行きも深く表現豊かに
・96/24ネイティブならではの圧倒的なリアルさ(情報量)はないが、高域の減衰カーブが緩やかなのか、艶っぽさや生っぽさが向上
・リミックスならではといえる、ボーカル処理のリメイクが躍動感と緻密さを向上させ、アニソンの命であるボーカルがもたらす感動を増幅させた



……ということで、とても驚きました。

過去リリースされた48/24版のラブライブ!から飛躍的に向上した音質と音楽的な感動
これらを支えるものは、既にリリースページに佐藤純之介さんが書かれているとおりですが、私からもちょっと述べてみます。


音楽の録音現場(制作現場)でよく選択される32bit浮動小数点数。
音のハコ自体は24bitなのだけれど、純粋な24bitで制作するより音質的に有利だそうです。

・ハイレゾで注目の「32bit-float」で、オーディオの常識が変わる?
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/20131125_624971.html

制作工程で32bit-floatを選ぶと、最終的に24bitでリリースしたときの結果が変わる。
より制作者の意図に沿った音楽が実現できるという感じに捉えればいいでしょうか。


制作環境がProTools HDになったことで、ファイル変換の精度やクオリティーがかなり上がったことも大きいです。
高精度に48kHzをDAしてから高精度に96kHzにADするよりも、ソフト内部で48→96と変換した方が結果がベストになるということです。
私がサウンドPしているBeagle Kickのコンポーザー和田貴史もそのようなことを言っていました。
(音楽的なアプローチあるいは楽曲ごとの判断では、あえてDAしてからADするという過程を踏んだ方がいい場合もあります)

原音原理主義のオーディオマニアからすれば、『原音をアップサンプリングしてリミックス?音が悪くなるんじゃ無いの?』という疑念が出てくるでしょう。
私もこの楽曲を聴くまでは似たような不安を感じていました。
しかし、技術の進歩とエンジニアの手腕によって、オーディオマニアの厳しい評価も、音楽的な感動もまとめて解決してしまった。
大げさかもしれませんが、今回のリミックスはそれほどの強烈なエポックメイキングだと私は感じました。
48/32bit-floatをハイレゾでリリースする際のスタンダードになるかもしれないくらいの。
(96kHz/32bit-floatリミックスの制作コストが掛かることで、制作費回収の見込みが無い音源はリリースされなくなってしまうかもという不安はあります。
サントラなどは48/32bit-floatオリジナルを48/24としてリリースをして欲しいし、リミックスはベストではあってもマストにはして欲しくないなと)


マスタリングについては、ポータブルオーディオをリファンレンス機に使ったことも影響しているのでしょう。
やや派手な音作りになっていると感じました
生の質感を重視する人には、もっとピュアなマスタリングをして欲しかった、という意見があるかもです。
しかし、こればかりは楽曲のジャンルや求められている音楽性を考えると、今のテイクがベストだと私は思います。


以上です。

いかがでしたか?

これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
なので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。


ともあれ、ハイレゾ音楽の面白さが伝われば嬉しいです。


ハイレゾ再生は、対応ポータブルプレイヤーからはじまり、
ネットワーク対応のミニコンポ、専用ポータブルプレイヤー、対応AVアンプなどドンドン広がっています。
スマホにいくつか機材をくっつけることでそのクオリティーを手軽に楽しめるようにもなりました。対応スマホも続々発表されています。

パソコンにUSB-DACを付けてヘッドフォンやスピーカーで聴くというスタンダードな方法から、やはりオーディオはオーディオとして独立させたいという願いにも答えることができます。

ぜひ、音高音質音源の再生にチャレンジしてみてくださいね!
音楽生活がもっと豊かに楽しくなることでしょう。


ちなみにPCで聴くためのオススメソフトは、X-アプリです。
オーディオインターフェースやUSB-DACを付けたらWASAPI排他やASIOを「オーディオ出力設定」から忘れずに設定してくださいね!