2023年 展覧会ベスト10 | パラレル

パラレル

美術鑑賞はパラレルワールドを覗くことです。未知の世界への旅はいかがですか?

ご連絡はこちらまで⇨
yojiohara21@gmail.com

新年明けましておめでとうございます。

 

2023年は、新型コロナが「5類」へ移行したり、夏の平均気温過去最高となったり、何かと話題に事欠かない一年でありました。

今年もアートで楽しんでいければと思っています。

 

昨年は素晴らしい展覧会が数多くありました。

年間ベスト10を選んでみましたので、発表します。

 

2023年 展覧会ベスト10

 

1位 特別展「やまと絵」

特別展「やまと絵ー受け継がれる王朝の美ー」

会期:2023年10月11日(水)〜12月3日(日)

会場:東京国立博物館

 

やまと絵と唐絵、漢画と見比べながら理解を得るところから始めて、平安時代から室町時代の優品を紹介する空前絶後の展覧会です。

その国宝の数々には言葉を失い、いつまででも観続けていたいほどでした。

 

2位 ルーブル美術館展 愛を描く

ルーブル美術館 愛を描く

会期:2023年3月1日(水)〜6月12日(月)

会場:国立新美術館

 

人間の根源的な感情である「愛」は、古代以来、西洋美術の根幹をなすテーマの一つであったといえます。

ギリシア・ローマ神話を題材とする神話画や宗教画など、ルーブル美術館のコレクションから選りすぐられた名画を通じて、西洋絵画における「愛」の諸相を紐解くものです。

質・量ともに満足の展覧会でした。

 

3位 企画展 物語る絵画

企画展 物語る絵画 涅槃図・源氏絵・舞の本・・・

会期:2023年7月15日(土)〜8月20日(日)

会場:根津美術館

 

成立後程なくして絵画化が始まった源氏物語や平家物語などの物語を味わいながら、いにしえに思いを馳せることができる展覧会です。

源氏物語や平家物語が好きな方にはたまらない展覧会でした。

また、それだけではなく、神仏と高僧のものがたりも紹介されており、興味の尽きない時間を過ごせました。

 

4位 特別展 「北宋書画精華」

特別展 北宋書画精華

会期:2023年11月3日(金・祝)〜12月3日(日)

会場:根津美術館

 

昨年は中国絵画の展覧会が多く開催されました。

その代表となる展覧会です。

中国書画史における頂点とされる宋時代。

その重要作が多く紹介されていました。

約80年ぶりに姿を現した《五馬図巻》など、見どころ多数の展覧会でした。

 

5位 静嘉堂@丸の内 開館1周年記念特別展 二つの頂ー宋磁と清朝官窯

静嘉堂@丸の内 開館1周年記念特別展 二つの頂ー宋磁と清朝官窯

会期:2023年10月7日(土) 〜12月17日(日)

会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)

 

中国の陶磁器の二つの頂点といえるのが、宋代の陶磁器と清朝の官窯磁器です。

静嘉堂が誇る中国磁器コレクションの精髄である、宋代と清朝官窯磁器を紹介していました。

陶磁器初心者の方にこそ観て欲しい展覧会でした。

 

6位 江戸時代の美術ー「軽み」の誕生

江戸時代の美術ー「軽み」の誕生

会期:2023年9月16日(土)〜10月22日(日)

会場:出光美術館

 

狩野探幽は「絵はつまりたるがわろき」というすぐれて印象的な言葉を残しています。

つまり、絵の要素全てを画面の中に描きつくすのは好ましくない、ゆとりや隙を感じさせるようにすべきだ、と。

本展では、探幽と江戸狩野派の絵画のみならず、俳諧の世界に親しく接した浮世絵師たちや酒井抱一などの造形表現に注目しつつ、江戸時代の美術をつらぬく「つまらない」美意識の系譜をたどる展覧会でした。

やはり、源氏絵にはつい見入ってしまい、美術館に長時間滞在していました。

 

7位 特別展 京都・南山城の仏像

浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展 京都・南山城の仏像

会期:2023年9月16日(土)〜11月12日(日)

会場:東京国立博物館

 

南山城と呼ばれる、京都府最南端。

京都と奈良の間に位置し、二つの古都の影響と受けた独自の仏教文化が花開きました。

この地には優れた仏像が数多く伝わります。

本展は、南山城に伝わる国宝、重要文化財をはじめとする貴重な仏像を通じて、その歴史や文化の奥深さを辿るものでした。

優品揃いで、現地に行ってみたくなる展覧会でした。

 

8位 〜響きあう東西の美〜ガラス・アートの世界

〜響きあう東西の美〜ガラス・アートの世界

会期:2022年9月28日(水)〜2023年4月16日(日)

会場:箱根ガラスの森美術館

 

芸術における自然表現は、時代の変遷や文化の交流による人々の自然観の変化に影響され、古来より様々な形で試みられてきました。

本展では、自然表現をテーマに、ガラスという共通の素材で異なるアプローチを試みる3人の現代作家の作品を紹介してました。

ガラスは私たちを魅了し続けています。

その魅力にどっぷり浸かれる展覧会でした。

 

9位 深掘り!浮世絵の見方

深堀り!浮世絵の見方

会期:2023年12月1日(金)〜12月24日(日)

会場:太田記念美術館

 

浮世絵鑑賞には「ツボ」があります。

本展では、まずは押さえておきたい初歩的な視点から、浮世絵マニア向けのディープな視点まで、様々な浮世絵の見方を深堀りしていました。

様々な角度からの楽しみ方を教えてくれる、ありそうでなかった展覧会です。

 

10位 みちのく いとしい仏たち

みちのく いとしい仏たち

会期:2023年12月2日(土)〜2024年2月12日(月)

会場:東京ステーションギャラリー

 

民間仏をご存知でしょうか。

その土地の大工さんやお坊さんたちの手による素朴でユニークな仏像・神像のことです。

本展は、青森・岩手・秋田の三県に伝わった、人々の悩みや祈りに耳を傾けてきた個性派揃いの約130点の仏像・神像を紹介し、日本の信仰のかたちについて考察するものです。

その素朴な形から目が離せません。

本展は、2月12日まで開催していますので、ぜひどうぞ。

 

こうしてみると、昨年も多くの優れた展覧会が開催されたのだと思います。

今年も展覧会でゆっくり作品を観ていきたいです。

本年もよろしくお願いします。