こんにちは。
渡邉希久子です。
シリーズ日本の『古事記』です。
日本最古の書物、古事記について書いています。
それも、お仕事で絵本の挿絵をやらせていただくことになり
しっかり知りたいと思ったからです。
さらに言えば、日本人の倫理というのが
神話の中に見え隠れするのではないか
という点に興味を抱いたからです。
イザナギとイザナミ(1)、(2)、(3)
まだの方は先に読んでからの方が理解しやすいかと思います。
また、自分の独自の考えが入っている部分もありますが
どうかそこはご了承くださいませ。
前回の話。
イザナギ、イザナミは、最上位の神様達に
まぐわいの儀式の際、女が先に声を掛けるのがよくない
と、占いの結果を告げられた後
男から先に声を掛け、最初にできた国土が
オノゴロ島という島でした。
古事記現代語訳 こちらの文をお借りしています
そこで、二神はオノゴロ島に帰り降って、天の御柱を先ほどと同じように行きめぐった。そこで、イザナギが先に「あなにやし、えをとめを」(ああ、なんて素敵な女性なんだ)と言い、後からイザナミが「あなにやし、えをとこを」(ああ、なんて素敵な男性なの)と言った。
こう言い終えてから交わり、淡道之穂之狭別島を生んだ。
次に伊予之二名島を生んだ。この島は身体は一つだが顔が四つあり、それぞれの顔に名前がある。すなわち、
伊予国を愛比売といい、
讃岐国を飯依比古といい、
粟国を大宜都比売といい、
土左国を建依別という。
次に隠伎之三子島を生んだ。またの名は天之忍許呂別。
次に筑紫島を生んだ。この島もまた、身体は一つだが顔が四つあり、それぞれの顔に名前がある。すなわち、
筑紫国を白日別といい、
豊国を豊日別といい、
肥国を建日向日豊久士比泥別といい、
熊曾国を建日別という。
次に伊伎島を生んだ。またの名を天比登都柱という。
次に津島を生んだ。またの名を天之狭手依比売という。
次に佐度島を生んだ。
次に大倭豊秋津島を生んだ。またの名を天御虚空豊秋津根別という。
そして、この八つの島をまず生んだことから、この国を大八島国という。
別天津神のアドバイス、男の方から先に声を掛ける
という事に従って※前の章の話
イザナギは先に、イザナミに声を掛けます。
淡道之穂之狭別島 あはぢのほのさわけの島 淡路島
を生んでから
伊予之二名島 いよのふたなの島 四国
を四つの顔がある国として詳しく説明されています。
伊予国 エヒメ 愛媛県
讃岐国謂飯依比古 イヒヨリヒコ 香川県
粟国謂大宜都比売 オホゲツヒメ 徳島県
土左国謂建依別 タケヨリワケ 高知県
ここで、面白いのが、国土の別名にヒコやヒメ、ワケなど
人(神様)の名前が付けられていることです。
※ちなみに、"ワケ"というのは、もともと、古代の天皇や皇子の人名に
使われていたものですが、「別」の意味を持ち、
"ワケ"の名を持つ皇子達が各地に土地を分け与え、世襲的な領土の拡大
と共に、朝廷の支配が全国に広がっていった事が示されているということです。
また、皇室と系譜上の繋がりを持たせようとしたものと考えられています。
ふー、ここだけでも、ちょっと長いですが
次に
隱伎之三子島亦名天之忍許呂別 アメノオシコロワケ 隠岐諸島
筑紫島 九州からまた、四つの区分
筑紫国謂白日別 シラヒワケ 福岡県
豊国謂豊日別 トヨヒワケ 大分県と福岡県の一部
肥国謂建日向日豊久士比泥別 タケヒムカヒトヨクジヒネワケ 佐賀・長崎・熊本県
熊曾国謂建日別 タケヒワケ 宮崎県と鹿児島県
伊伎島亦名謂天比登都柱 アメヒトツバシラ 長崎県壱岐
津島亦名謂天之狹手依比売 アメノサデヨリヒメ 長崎県対馬
佐度島 佐渡島
大倭豊秋津島 アマノミソラトヨアキヅネワケ おほやまととよあきづ島 本州
大八島国 おほやしまの国 日本列島(の一部)
淡路島を生んでからは、四国、九州
という順番で、長崎県の壱岐と対馬の島々
そして、佐渡島
最後に本州を生みます。
そして、これらの日本列島(の一部)を
大八島国 おほやしまの国と名付けました。
これによると、最初が淡路島なので、その後
南の方、四国、九州、で、佐渡?
それ以外はざっくり本州...
この時代の日本の国土の優先順位なんでしょうね。
ではまた!続きます。
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