劇団天動虫 の 稽古場日記 -11ページ目

劇団天動虫 の 稽古場日記

劇団天動虫の稽古場風景・ワークショップ風景・劇団員のつぶやき・公演情報などをお届けします!⭐️

ジョニーです☀️

今日が「夜長姫と耳男」製作秘話の最終回!(笑)


↓前々回


↓前回




初演の「夜長姫と耳男」は19歳の時。


前回書いたように、その頃のジョニーは耳男のごとき未熟で、社会性に乏しく、感情的で、頭もさほど良くなく、ちっぽけな自尊心を大事にまもりながら、そのくせ臆病者であり。


「夜長姫と耳男」を読んでも、耳男自身に起こる激しい感情を「愛」として読解できず、耳男と同じように「恐怖」や「怒り」として理解するしかありませんでした。





本当は、役者は、

まず役を俯瞰で眺めて分析して理解して、

役になりきるのはその後だと思うのですが、

ジョニーはおバカだったので、俯瞰でみるとかできなくて、すぐに耳男に直感で同化しにいってました。

演出家のほあしさんが頼もしいので、間違った方向へはいかなかったと思いますが、今思うと無謀でした。

蛇を捕まえるシーンとか、稽古の時点では本当にいま目の前にみえた蛇に飛びかかるイメージでやっちゃってたので、壁にぶつかるわ、人にぶつかるわ、怪我のもとでした。

すっごく怒られました。

「役者は演じている間、夢中でなりきっている自分と、冷静に眺めている自分、同時にいないとダメなんだよー!」

羊飼いほあしさんの愛のムチでした。

役者はバランスが必要なのです。




ただ、ほあしさんは、私に役の理解を深めさせるにあたって安易な「愛」というワードは一回も使いませんでした。

激しい感情を、適当な言語に当てはめて静かにさせたらもったいなかったんでしょうか?

耳男そのものに近づくため、あえてジョニーのカオスをそのまま舞台に乗せようとしたんでしょうか?






耳男は、感情も激しいわ、やってることも凄惨だわ、エネルギーも強いわ、惚れた相手はこの世のものではないほど美しく残酷な少女だわで、演じるともなれば大変です。

しかも、その様が、この作品の見せ場です。

本気でないと自分もお客さんも白けてしまいます。



蛇を捕まえたり、歯を食い縛ったり、仏像にノミを打ち付けたり、ということで手も足も色んなとこがアザだらけでした。

今はもうそんな風に演じられないかも?

痛いの嫌なので、本気で演じつつも痛くないように工夫すると思います。

(それでも、最終的に痛い思いしないといけないかもしれませんが。)

でも当時は、工夫の余地もなくそれが精一杯だったようです。

若い感じがしますね。



安穏と生かされている自分の日常生活では体験できない状態になるわけで、

しかも、本番の舞台に毎回必ずその状態にならなければならないので、

ある程度、本番前に時間をいただいて心の準備を行っていました。

当時はこの準備にすごく時間がかかって、丸一日かかったり、わりとすぐ準備ができたかと思ったらすぐ空っぽになってしまったり、

もー、難しい。






今では、稽古がはじまってから本番までの間に徐々に高めて、本番の時に少しでもパッとなりきれるように取り組もうとしています。

あ、でも、明るく気楽な役の時は、普段の状態に近いのでここまでの準備はいらないかも?

ただ、なぜか人の命をいただく役を演じる機会が多く、

この時の耳男の経験が、今後にとても役に立っていくことになるわけなのです。



これが私の生涯の宝である、一人芝居「耳男」との出会いでした。



ジョニーです☀️

前回の続きです😊



↓前回




…前後も左右も不覚だった19歳の時に、『夜長姫と耳男』をいただけたことは人生の宝であると思います。



不良少年の行き場のない怒りを、学校の窓ガラスではなくボクシングに導く、という話をよく聞きますが、
この頃の私にも、行き場のない怒り、社会や人生への恨み辛みがあり、
本能的に、発散をするための自己表現の場を演劇に求めていたと思います。






この耳男、
簡単にいうと、この世のものではないほど美しく残酷な13歳の夜長姫、に一目惚れしてしまうわけですが、
頭が悪いので、自分の激しい感情に名前をつけられずにもがき苦しみます。
惚れた相手も相手ですし、自分の心に沸き起こる「これ」が何なのかわからないので、恐いやらなんやらで、この感情と闘うためにすっごく怒り狂いながらメチャクチャ蛇とか殺しつつすっごい恐い仏像つくって夜長姫をやっつけようとします。
そのしっちゃかめっちゃかな様こそが、この作品のすべてです。
そしてはたからみたら、お前それは「愛」とか「恋」だよ、みたいな感じだったりします。


耳男視点で書かれている小説なので、
その感情が「愛」とか「恋」であるだなんて、当然書いてません。
自分が飲み込まれそうな「恐怖」とか、それと闘うための「怒り」とかの方がしっくりきます。





ここでジョニー19歳。
人生経験も少ないですし、
頭もよくないので、
ただ読んだだけだと、耳男の中で起こったことが「愛や恋」だなんて想像ができません。
そのまんま「恐怖」とか「怒り」とかしか受け取れません。

ある意味、本当に耳男になりきるのにうってつけの人物だったわけです。


続く。

ジョニーです☀️

今日は、私が過去に上演した思い出の作品についてお話します!



『夜長姫と耳男』

あらすじをぜひウィキペディアで、
本編をぜひご自分の眼で、
読んでほしい名作です。
共感はしなくてもよいですが、狭い世界観なのに深い業と無限の宇宙を感じるような壮絶さがあり、面白い作品です。






坂口安吾のこの短編小説を、
台本としてあてがわれた時は衝撃でした。

ジョニー19歳の時。

普通なら19ともなればある程度成熟している人も多いかと思いますが、
ジョニーはその頃とても未熟で、社会性に乏しく、感情的で、頭もさほど良くなく、ちっぽけな自尊心を大事にまもりながら、そのくせ臆病者であり。
まさに、「耳男」と同じような雰囲気だったと自分では思っています。

ただ、その頃はまだ演劇というものをよくわかっておらず、
日常を切り取ったコメディや、
戦争反対を訴える朗読や、
歌や躍りを使ったミュージカルや、
そういったものだけが演劇なんだという固定概念があり、
まさか短編小説を演劇にするなんて、
そしてこんななんか凄そうな内容のものを私が演じることになるなんて、
思いもよらなかったのでした。



続く


劇団員ちあきです!🌷

今回私が振り返る作品は…
『僕は僕する』という作品です。


最近はあまり上演していないのですが、

少し前には何回も、内容や出演者を変えて上演してきました。



“寺山修司の言葉をつかって、

ココロとカラダを動かす”


というコンセプトの作品です。

わたしにとっては劇団天動虫で役者として舞台に立つためのスタート地点のような作品で、

とても思い入れが強いです。


じゅ、10年前くらいの写真、、、

この衣装、もう着れません(笑)



『僕は僕する』という公演名ですがどんな物語なのかというと

寺山修司の数々の作品の言葉を自分の心を通して発してみて、そこから今度は身体が動いて、時には眼差しで、呼吸で、

私という全てで舞台に立つ。

そんな作品なんです。

観ているお客様も、何を感じても自由!

きっと、過去の経験、今の気持ちや状況、未来への不安や希望、それぞれのお客様が抱えるものによって、何を感じるか違うのではないかと、

そう思います。


かなり抽象的なんですが、

そういう時間が自分を見つめ直す時間になったりするんだよなぁって私は思います。



わたしって?

わたしのこころってどう動くんだ?

何を感じるんだ?

わたしは何者なんだろう?何になれるんだろう?

こんな湧き上がる気持ちと向き合いながらつくる作品。


私はこんな、わたしとはどんな存在?みたいなことを考えるのが割と好きで(笑)、それこそ学生時代はあれこれ考え悩んだりもしていました。

ですが今、私は会社員として働いてる劇団員なのですが、

日々仕事をして、生活をして、

そんな慌ただしい日常ではなかなかそんなこと考えなくなってしまいました。

でも、映画でも、本でも、そして舞台でも、

芸術って慌ただしい毎日の中では忘れていた気持ちを思い出させてくれたり、立ち止まらせてくれたりするものだなって思っています。


そんな、自分のこころと大事に向き合えるこの作品が私は大好きですし、

何歳になってもまたやりたいなと思っています。



劇団員の平野ぱこです!
私が振り返る公演は
第9回本公演『ヘリカル〜家族の肖像〜』
(2020.9.17.(木)-19(土)小劇場楽園)


コロナ禍
マスク着用、配信での公演……と今までにない環境での公演でした。
安心安全と、良い公演を。
その両方を叶えるためにはどうすべきか……そんな中での試みでした。

マスクも衣装! 可愛いですよね
ひとつひとつ手作りで……
天動虫🐞の魅力は毎公演の衣装もですが、ヘリカルも可愛い〜!


家族のお話でした。
母と娘、父と息子、繋がり伝わっていく家族という血の縁。
いくつかの短いお話を繋げながら、大きなひとつの輪になっていく。


天動虫ならではの複雑に絡み合った……というと難しく聞こえてしまう(笑)
全ての事柄はなにかに繋がっている。
だから一人きりではない。
行ってらっしゃいと行ってきますを言える……


役者という存在を通してそのエネルギーを伝えられる。そんな作品だったなと思います!
そしてコロナ禍でもう演劇ができないのかもしれない、と落ち込んでいた私自身にもとても力を与えてくれた、思いの深い公演でした!
劇団員りさこです🐈

私が振り返る公演は、、、
2021年12月
第10回本公演『お父さんゲーム』✨

コロナ禍の配信公演から、
2年ぶりのお客様にご来場いただいての公演
お客様がいてくださる安心感たるや、、、
いつも本当にありがとうございます!!


男手ひとつで育てられた主人公の女の子、成長する中ですれ違っていってしまったお父さんが遺してくれたものを見つけるハートフルなお話し

私は、お父さんと関わりの深い謎の女の役でした

お父さんの初恋の人?もしかしてお母さん?お父さんの思い出の中でしか現れない役なのですが、登場シーンごとに、曲、衣装、ヘアメイクすべて違ったのです!お父さんの思い出の中なので☺️

でもお父さんの印象の中ではなにか「色」が統一されてたのかなと、そんな思い出がルーツとして今のお父さんの「色」があると思うと、そしてきっとその「色」は子どもたちやお父さんと関わった人たちに引き継がれていくのだろうな、すてきだなって、
そんな「繋がり」が衣装や小物すべてに詰め込まれておりました
とても楽しくて幸せでした〜!


また、30分間、開場から開演までの間、舞台上で6つの箱で遊ぶというミッション😂

雰囲気のあるすてきな照明と音楽の中で、実は家族とごはんを食べたり、寝る前に物思いにふけたり、何気ない幸せな日々を過ごしていたのです!
snsで「気づいたらお風呂入ってた!」と言っていただいた時には、うふふ☺️となっていました
ご感想投稿いただいた皆さまありがとうございました♡


(まなさん劇団員になって初本公演、かわいい♡)


お葬式の日、喪服を着た主人公、
黒と灰色の四角だけのセット、
その中でお葬式とは思えない派手な衣装の明るい皆に、鮮やかな照明、温かい音楽、、、

明るくエネルギーが満ちてるのだけど、
どこか哀愁やさみしさもあって、
深い愛に満ちた空間

いろいろな方に出会い支えていただき、
豪華で華やかな舞台になっても、
変わらない天動虫の空気感もちゃんとあるなって
この作品を、新メンバーとともに、
10回目という節目にできたこと
幸せに思います



劇団天動虫、
新たに動き出します。

いい舞台を創りたい。

そのために、
たくさんの人に出会いたいと思ってます。

本当は、
天動虫の芝居をみたことがある人が
望ましいのですが、
そうでない方が
大多数。
なので、
少しでも天動虫をしってもらうために、
ブログでも企画をおこないます!
役者が、
これまでの公演の話をしていこうと思います。

秘話がきけるかも?

もし、この公演ききたい!って方がいたら、
教えてください!!





【エイプリルフールでした!】
 
こんばんは🌃
劇団天動虫のジョニーです🌻
新年度のはじまり、皆様はいかがおすごしになられましたか?
 
皆様お気付きのことと存じますが…
本日の劇団名改名の件につきましては、
もちろん!
エイプリルフールのジョークでございました!
 
「え?か、改名??」
「なんで、かぶとむし??」
「ちょっと信じちゃった!」
「エイプリルフールですね!」
「僕も改名します」
などなど、心の中でリアクションしてくださった皆様、
ありがとうございました!(笑)
 
皆様の一日一日が、少しでも穏やかで明るい日々でありますように!
改めまして、今後とも
🐞劇団天動虫🐞(てんとうむし!)
をよろしくお願いいたします!
 
 
劇団天動虫 ジョニー🌻
 
 
 
☆☆☆
 
《劇団天動虫》
 
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【🙇大切なお知らせ🙇】

こんにちは☀️
劇団天動虫のジョニーです🌻
今日は4月1日、皆様にとってよい新年度のスタートとなりますように!!
 
ここで、大切なお知らせです。
この度、劇団天動虫が新しい名前へ改名することとなりました。
その名も
 
「劇団かぶと虫」
 
今後も、元気いっぱい飛びまわる劇団でいられるようガンバります!
応援よろしくお願いいたします!
 
 
劇団かぶと虫 ジョニー🌻
 
 
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お久しぶりです!
劇団員の千晶です🌷

7月の公演『秘密』のチケットが発売になりました(*^^*)
観に来ていただけたら嬉しいです…!

今回私は出演はしないのですが、
稽古をみてて思ったことなど書いていきたいなと思います。



今回の公演は“秘密”をテーマに青空文庫から選んだいくつかの作品を

皆ひとりひとりが演じます。


文学作品の公演となると朗読劇を想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、違いますよ〜!!

何ページにも及ぶ、かなり膨大な量をみんな覚えています…(笑)

台詞もあればト書もあり、それが文学作品の面白いところですが、それを演劇として面白く、または分かりやすく表現するのが難しいところ。


作品の雰囲気も、

どんな秘密なのかも、

それぞれ違います。

今は皆それぞれ違った難しさに直面しながら稽古を頑張っているところです(;;)!✨


秘密がもつ魅力。

そしてそれを誰かに打ち明けたり打ち明けられた時の妙な高揚感。

ドキドキするような気持ち。

是非ぜひ濃厚な時間を味わいに来ていただけたらと思います赤薔薇





天動虫の青空文庫公演は観たことないな〜って方も是非1度みてきただきたい〜!目


本を読むことが好きな方も是非!

演劇観たことない方も大歓迎でございますドキドキ



天動虫の青空文庫公演を観たことがある方も、

今回は今までとはちょっと違うかも?な演出になっておりますのでお楽しみに音譜



◆◇◆



劇団天動虫 青空文庫シリーズ2023

「秘密」


劇団天動虫による、カフェ型演劇!役者が集まる場所が劇場になる!!


そこは「秘密」が沢山埋まった場所。


誰かが埋めたはずの「秘密」が、次々に語られていく。


青空文庫から選出した「秘密」にまつわる文豪たちの傑作は、誰かの秘密だったかもしれない。それを目撃できるのは、この場所だけ・・・



◆7月1日(土)~2日(日)

@ニュー風知空知(下北沢)

1(土) 14:00 / 18:00

2(日) 14:00

※開場は開演の30分前


3000円+1ドリンク代別



◆7月8日(土)~9日(日)

@Uptown Koenji Gallery(高円寺)

8(土) 13:00 / 18:00

9(日) 13:00 … 音楽ライブあり!

※開場は開演の30分前

※9(日)は、音楽家「よしこストンペア」とのスペシャルコラボ公演!


8(土):3000円

9(日):4000円



〈チケットフォーム〉

https://www.quartet-online.net/ticket/aozorahimitsu




「秘密」特設ページ

http://g-tentoumushi.com/himitsu