No.2-24 バーとペンションを開きたい
仕事を離れたところで掲げている目標・・・それらもすべて、根っこの部分は仕事に対しての想いと繋がっている。
「バーとペンションを開きたい」。
人が集まる環境、遊びにくる場所を作りたい、という想いの象徴のような目標である。
海が好き、お酒が好き、そして人が好き・・・何より、人に楽しんでもらうこと、それを見ることが大好きな彼女にとって、人が集まるための、“もうひとつのカボダロカ”なのだろう。
「名前ももう決めてある。 “バー・ロカ” と “ペンション・ロカ岬”。どちらも、ずっと前から決めてました」。
仕事として自らを定める環境は…atelier カボダロカ。人生としての自らの居場所は…bar Roca&ペンション ロカ岬。
どちらも、人が集い、楽しみ、思い思いに過ごす場所ーー。そしてそこから新たな未来を見つけていく空間。
そんなすべての夢は、あの日、何も知らずに訪れたポルトガルのあの場所から、始まっているのかもしれない。
No.2-23 目指すは国際的な動き!
色々な想いを抱き、それを自分なりに消化させ、起業家としての事業をスタートさせたばかり。まだ今はリアルではないかもしれないが、今後どこを目指し、ごこへ向かいたいと考えているのだろうか。
「何でもいいから、国際的な動きをしていきたい。せっかく身につけた英語だし、外国人も気軽に声をかけてきてくれる。だからこそ、そこをきっちり繋いでいきたい」。
意図的ではなく必然と呼べる流れで、彼女は少しずつ目指すべき場所への道上を歩き始めている。
昨年からは、神戸外国倶楽部で開催されているチャリティイベント(KGCF)やそれにまつわるパーティに、現在はある国際的なアートイベント(ART MILE)に、どちらもボランティアとして参加している。ときにはカメラマン、ときにはデザイナーとして。またあるときは子どもたちの引率や通訳として。
各国の人と接しているとき、世界の空気が満ちる空間にいるとき、彼女の表情は、変わる。人はあるべき場所に収まった瞬間、一寸の狂いもなく見事にそこにはまるのだ、ということ痛感してしまう。周りからそう見えるということは、彼女自身はもっとリアルに感じているはず。だからこそ、自然と今後の動きを国際的な視野で捉えているのだろう。
そしてそこには、彼女の過去と未来を繋ぐ、大きな可能性が潜んでいるのかもしれない。
No.2-22 周りがやりにくさを感じているんじゃないか…
自分の思った動きがしたい、と起業という選択をした彼女にとって、組織で働くこととの大きな違いはやはりそこに感じているだろうか…。
「組織って、規則が多いじゃないですか。もちろん、人が集まって一緒に働く以上、それは必要なことだと思っていますけど。一人でやるってことは、人の言うことを聞かなくていいし、自分の思うように動ける。それが、組織と一人の違いじゃないですか?」。
【人の言うことを聞かなくていいーー】。
この言葉は自己中心的に捉えられるかもしれないが、彼女の場合は少し違う。先でも紹介したように、彼女自身は組織のなかで働きたくないわけではない。必要としてくれるところがあれば、今からでも行く、そう言っている。だから、ただ人の言うことを聞かずに好き勝手に動きたい、という我儘による発言では、ない。
「私自身がどうこうではなく、自分の望むカタチでの動きを組織のなかでしてしまうと、逆に周りがやりにくさを感じたり迷惑になるんじゃないかなって」。
自分が何かを言われたりすることは、きっとそんなに気にはならないのだと思う。それより、自分の動きややり方によって、周囲がやりにくさを感じているんじゃないか…もしかすると、周りにそういう想いをさせないために、独立という選択をしたのかもしれない。
No.2-21 自分のできることがちゃんとできているか
今、不安や迷い、怖さは存在しているのだろうか。
「自分で始める前は、これでいいのか? ・・・例えば、このデザインでお金をもらってもいいのかな、とか。自分の力量に対しての不安がありました。今は、やればやるだけ伸びる、努力すればいいんだって思っていますけど…」。
立ち上げた事業がうまくいくだろうか、そういった不安を感じることは?
「自分のなかでは、事業が成功することを夢見ているわけではないので…極端な話、つぶれてもかまわない。それよりも、自分のできることがちゃんとできているか、その方が大事なので」。
カタチではなく中身を大切にしているからこその言葉。逆に言えば、自分自身ができることをきちんとやれていれば、事業がダメになることはない、ということでもあるのかもしれない。そのなかで、彼女自身が一番大切にしていることがある。
「人。出会いも含めて、その人自身、人そのものを大事にしています」。
人との出会いや繋がり、そして向き合う相手そのものを、何よりも一番大切に仕事をしていく。その真摯な姿勢は、まっすぐに相手に伝わっていくもの。だからこそ、彼女の周りには自然と人が集まってくるのだろう。
NO.2-20 醍醐味は経験・知恵・知識を自由に発揮できること
1ヶ月に渡る国金とのやり取りを終えると時を同じくして、事務所が決まる。5月から何軒もの事務所を見て回り、やっとatelierとなるべく場所を見つけた彼女。開業から2ヶ月が経っていた。
「事務所を開くということは、思っている以上に大変な作業」。
この言葉は、かかる労力だけのことだけを言っているのでは、ない。事務所を持つ、ということは、一瞬にして自分の手元から多大なお金が出ていってしまう。恐ろしくなるくらいに…。
彼女の場合、物件契約の10日ほど後をatelierオープン日に掲げていたため、急ピッチで準備をしなければならなかった。さらに、電化製品やソファ等を除いて、机やテーブルなどを全部自分の手で作り上げるため、必要な部品を買い揃え、atelierで作業をし、また足りないものを買いに走り、よりイメージに合う、より低コストのものを、と夜になるとネットでの検索を続ける毎日。
そんな日々を繰り返し、その間に仕事もこなし、事務的な手続きも行い…たった10日足らずで完成させ、見事にオープンを迎えたのである。
「ここにいると、すごい眠たくなる」。
自らの手で作り上げたatelierを、こう評する。
その言葉の通り、ひどく心地のいい空間であり、そのすべてが彼女そのもの、と言える。彼女が“アミューズメント癒しパーク・カボダロカ” と呼ぶatelierは、一度足を踏み込むとなぜかまた行きたくなる、 不思議な空気が漂っている。
膨大なエネルギーを要して事務所をオープンさせ、一段落ついた今。自分でやっていくことの大変さを一番感じるのはどんなことなのだろう……。
「お金の計算、かな? 苦手なので(笑)。それから、いつも走り過ぎて痛い目に遭うので…動いた後のケア。
今まではそこをケアしてくれる人が誰かいたけど、一人でやっていくってことはそれも自分でやらなきゃいけない。そこが少し大変、かなぁ…」。
頭で考えるより行動。それが持ち味でもあるが、その分、走り過ぎてしまうことによって受けるダメージもあるのだろう。それでも、自分でやることの醍醐味を、彼女はこう言う。
「自分の今までの経験、知恵や知識を自由に発揮できる」。