今回は後手番の角頭歩戦法対策について書いていきます
角頭歩戦法とは何か?
下図△2四歩のことです

先手が2筋から攻めようと▲2六歩と指しているのに大胆ですよね
この手は随分前からあるのですが、奇襲の意味が強くてあまり注目されてきませんでした
しかし、近年プロ棋戦にも出てきており、無視できない存在となりつつあります
▲25歩には
△同歩▲同飛△88角成▲同銀
△33桂
とします

この△33桂が飛車あたりになるのが角頭歩戦法の特徴です
①▲21飛成は△22飛と飛車交換を強要されて面白くありません
②▲23飛成△22飛▲33竜△29飛成
は先手の竜の位置があまりよくなく後手良し
③▲28飛△22飛▲23角は
△27歩▲同飛△32銀▲24歩
△45角▲28飛△67角成
が厳しいです
以下
▲32角成△同金▲23銀が部分的には上手くいっているのですが、△45桂(下図)と跳ねられては57桂不成と89馬の狙いが残って受けきれません

すぐに▲25歩は相手の術中にハマりました
でも、ここを突けないのはちょっと悔しくないですか?
そこで私は代えて▲78金をオススメします

これは前述した△45角~67角成の筋を消していますし、左銀にヒモをつけることにより強く戦えるようにしています
これに対して
A△33角は▲同角成~23角で馬作りが確定
これは少し先手がよさそう
B△88角成~22飛には
▲65角△74角▲同角△同歩
▲55角△82銀▲25歩△同歩
▲22角成△同銀▲25飛(下図)
が想定されます
これからの将棋ではありますが、歩と飛車を手持ちにして先手が打ち込みを狙いやすい展開で面白いかなと思います

そこで
C△54歩
が考えられます

これは次こそ△88角成~22飛の狙いで、角交換して▲53角としても△42角で受かってしまうのです(26に歩がいて右辺に成れない)
飛車先を受けられてしまうと78金としたかいがあまりないので気合いで▲25歩!と指したいところ
以下
△25同歩▲同飛△88角成▲同銀
△22飛▲23角△14角▲同角成
△同歩▲23角△24歩▲同飛
△13角▲28飛
でどうか
手順中、
△22飛に代えて33桂には78金型を生かして▲28飛でもいいですし、▲23飛成△22飛▲33竜△29飛成▲53桂でも先手良さそうです
▲23角で23歩は飛車に逃げられた後の継続が無さそうですし、24歩は△14角の反撃筋が気持ち悪いです
本譜の41角成からの強襲と34角成とポイントを稼ぐ手のほうが魅力的です
▲28飛で41角成としたプロの実戦があり、これも一考
簡単には潰せれないですがいい勝負でしょう
▲28飛は具体的に良くしにいった手です
△57角成▲24歩△26歩▲同飛
△35馬▲28飛
まではほぼ必然です
後手に馬を作られてつまらないように見えますが、▲24歩としてこちらも34角成から馬作りを見せます
防ぐには△26歩~35馬しかなく、後手は歩切れにされて手の制約が多くなっています

△32銀や32金としても▲同角成~23○でねじこまれて受けに窮します
なので上図からは
a△42金
b△52金
が考えられます
△42金には
▲14角成!△同香▲23歩成
と飛車を詰ますのが有力です

△32金には
▲22と△同銀▲16歩
が素朴ながら厳しい手順
以下
△26歩には▲85飛からサバく順があります
それを消そうと△72銀は
▲15歩△同香▲同香△13歩
▲27香△23歩▲12歩(下図)
と手筋が決まって先手良しです

代えて△33角には
▲同と△同金▲22飛成△同銀
▲23歩
が好手
銀で取ると11飛が生じるので△23同金くらいですが、
▲32角△62玉▲21角成△52金
▲32飛△42飛▲53歩(下図)
が焦点の歩でまた好手

これで角頭歩戦法に自信を持って臨めるかたが1人でも出れば幸いです
閲覧いただきありがとうございました!