虎パパになって19年目!ひとつひとつが宝物

虎パパになって19年目!ひとつひとつが宝物

30才でパパになって19年目
阪神タイガースとBarで過ごす時間が大好物な右耳難聴者。長男は少年野球、中学軟式野球、高校球児を完走して大学ライフへ。かけがえのない子どもと過ごしてきた時間、大好きな居場所や音楽。大切な想いをこのブログに。

今日は母の日
母とふたり、鎌倉日帰り小旅行

光明寺

人であふれる鎌倉駅からバスで光明寺へ

途中、材木座海岸でたくさん人が降りていって、日差しがふりしきる海辺へ


広い門前の広場

重厚な作りの門構えが素晴らしい






緑が映え、水辺が涼やか

離れの大聖閣が輝いてみえる


光明寺の裏手の展望台に上がってみた



見事な富士山の姿

白波が立つ材木座海岸

地元の人が、今日は風が吹いて靄が晴れて視界が良いから、こんなに富士山が見えるのだと教えてくれた



門の造りが素晴らしくて、母と何度も見上げた

ここに来ることができて、本当に良かった


光明寺は、母の思い出の場所

何気ない会話で、自分が鎌倉によく行くことを話したら、鎌倉は母が若い頃に避暑に行っていた思い出の地だったことを知る


風薫るいい季節に鎌倉に、母と行くことができて、本当に良かった。

また行きたい。


最近、自分の視界に「鎌倉」がよく飛び込んでくる。


○DVD

いつか見ようと思って、今日やっと見ることができたDVD 「つつんで ひらいて」

装丁家 菊池信義さんを軸に、紙の本を取り巻く人々を追ったドキュメンタリー

見ていたら菊池さんのお住まいの風景として、

走る藤沢行きの江ノ島電鉄

見たことがある、人が行き交う鎌倉駅前と本屋さん

そして鎌倉の海岸


○ライヴ

神田のライヴハウスに出演されるアーティスト

浮(ブイ)とシャッポ

浮のイントロダクションをSNSで見ていたら、米山ミサさんのソロプロジェクトで、「浮」の名前の由来は、米山さんが通っていた鎌倉の長谷にある実在するカフェの店名。


○下北沢

下北沢のライヴハウスに行こうと、Google mapで経路を調べたら、ライヴハウスの近くの通りの名前は「鎌倉通り」


○レストラン

私の大好きなレストラン

去年の春に世田谷から鎌倉に移転

移転したお店を訪れるたびに、案外、自宅から鎌倉が行きやすいことを知り、何度も鎌倉を訪れるようになって身近になった。

銭洗弁財天、寿福寺、海蔵寺、葛原岡神社、佐助稲荷神社、源氏山公園

和田塚、由比ヶ浜、雪ノ下、扇ガ谷、御成町

亀ケ谷坂切通、化粧坂切通


何かに導かれるように、鎌倉通いが続きそう。




















うちの子どもは高校3年生

4月から都内の大学に通う。

今は、入学式までの長い春休みを使って、自動車教習所に通う日々。

そんな息子が誕生日を迎え18才に。

私のハンドルネームも"虎パパは19年目"に突入。

息子の大学卒業まで親業が続く。

親業卒業も、もう、もうすぐ。


息子の学費やらお昼代やら交通費やら、4月からの教育費の毎月の出費が今までの数倍以上になるのが怖いけど、息子が目標を叶えるまで、親として出来ることを。


2月はうれしいことがたくさんあった。

推しのシンガーソングライター、ギタリストのReiの誕生日。

福岡の大切な友人の誕生日。

息子の18才の誕生日。

そして、大好きなレストランのマスターが、病気療養から帰ってきて、お店を再開したこと。


久しぶりの鎌倉へ

マスターの牡蠣のオイル煮。

たまらない。美味しい。

マスターのこの料理が味わえる、この時がうれしい。


ワインはポルトガルのすっきりな爽やかな香りのロゼ。マスターの料理と抜群に合う。


人参のラペ

たくさん食べられる歓び


イタリア カステルヴェーネレの白ワイン

5つのぶどうのバランスが素晴らしい

3杯もいただいてしまった。


帰りは鎌倉の寺社を巡る。

雨に濡れる樹々、悠然とした門前、水墨画のような景色に咲く、うっとりするような美しい色の梅や花桃。









お賽銭箱の前で、ひとつひとつが叶っていることを報告して、またここに来る時は、望みが叶えられたことをここで報告することを誓って。






2023年大晦日
紅白見て、J-waveでアーティストの奏でる除夜の鐘を聞きながら年越し

今年、やり残したことは?と聞かれて、何も無いと言える年だった。

お正月
コロナにかかって、ベッドで喉の痛みに泣き

3月のUniolla
5月は恵比寿リキッドルームでLOVE PSYCHEDELICOのライヴでパワーをもらい、

夏 高校3年生の息子が、野球部を引退
最後の試合で、たくさんの声援を受けて打席に立つ息子をスタンドから見届けて、最後は敗れて涙を飲み、


鶯谷 Reiのライヴで大好きな時間を過ごし、
六本木 LOVE PSYCHEDELICO
"Two Of Us"のライヴで、感動の涙で頬を濡らし、

息子が大学の推薦入試に合格。
嬉し涙とともに、一足早く、春が来ました。

2024年は、ライヴハウスへ、レストランへ、バーへ、寄席へ、心のままに大好きな場所へたくさん足を運ぼう。 
そして、そこにいる人に音楽に会いに行って、うれしさや歓びをたくさん伝えたい。

10月の誕生日からのライヴ3連続の最後

29日 新宿ピットイン 昼の部
この日はドラマー石若駿の3連続公演の最終日
"Shun Ishiwaka Songbook Band"



石若駿さんのリーダーライヴ

この日は石若さんは終始、鍵盤を。

初めて聴く鍵盤。

丁寧なドラムも好きだけど、鍵盤の音色も素敵だった。


角銅真実さんの空気に溶けていく歌声。


細野晴臣さんのラジオでゲストで出演していて、角銅さんの歌声をいつかライヴ聴いてみたかったから、叶ってうれしかった。


新宿ピットインは本当にいい。

こんなに素晴らしいライヴを毎日、行われているなんて。

ここでバーボンソーダを飲みながら、演奏を聴いている時間が、とてもありがたくて大好き。


ライヴ後。

本当はすぐに帰路に着くつもりだった。

けれど、なんだか新宿から離れがたくて、ふらふらと足は新宿末廣亭へ。




新宿末廣亭の夜の部のトリまで過ごすのは初めてだった。

なんとなく入った寄席で、明日からの月曜日の憂鬱さをかき消したくて、噺家たちの話芸に聞き入っていた。


大トリは柳家喬太郎 演目は「死神」

クライマックスの最後のオチ。

欲にまみれたひとりの中年の男の「死にたくない、死にたくない!」と叫びながら、死神によって命を落とす様の柳家喬太郎の鬼気迫る語り口に、頭に稲妻を落とされたような衝撃を受けた。


ここからいなくなったら楽になれるかもと、まるで麻薬のように頭の中で安易によぎらせては、日々の大小の辛さを紛らわせていた自分がいたことに気付く。


自分も噺の男のように、死が迫れば、死に物狂いで回避しようと、生きていれば当たり前だった生活を逃すまいと必死に足掻く自分がいることに、こんな当たり前のことに気付かされた。


そして、噺家によって、脈々と語り継がれる「死神」という演目が、令和の今もあることの意味を考えた。


最後にふらっと入った寄席で見透かされた性根を抱えて、電車の中で帰れる場所があることを実感しながら、家路に着いた。


帰りの電車待ちのホームで、イヤホンでずっと聴いていた曲

LOVE PSYCHEDELICO

"All the best to you"




誕生日から3日間
怒涛のライヴめぐり

1日目はシンガーソングライター、ギタリストのRei&吉澤嘉代子のライヴを鶯谷、東京キネマ倶楽部で。

2日目は、EXシアター六本木で行われたライヴ
LOVE PSYCHEDELICO with バイオリニスト 美央 "TWO OF US"



今回はギターとバイオリンのみのアコースティックライヴ

今回のようなシンプルな編成のライヴは2019年以来


前回2019年のライヴでのブログ


素晴らしい音響施設のEXシアターで、この日のために用意されたNaokiさん監修のスペシャルなスピーカーが会場を最高の音で包む、なんて贅沢。

だから、バンド編成のライヴと違って、ギターの弦の音色がまるで生き物のように迫ってきて、とても心に迫る素晴らしいライヴだった。


会場に流れるBGMがこのオリジナルスピーカーから降り注ぐから、開演前からとても得した気分で聴き入っていた。

開演前最後の曲が、本能的に大好きなTALKINIG HEADSのあの曲。

心臓の鼓動のようなベースの低音

歌声に合わせて、ここぞでかき鳴らすギター

次第にボリュームが大きくなって、いよいよ開演が近くなるのが分かる。

うわーと高まる会場の雰囲気

私のテンションも、天井までぎゅーんと引き上げられるような感覚になって。


当日の席はD列だったけど、A、B列は無く、まさかの前から2列目のど真ん中、ほぼ最前列。




ステージのKumiさんが、目の前。

序盤はKumiさん、Naokiさんのふたりだけの演奏。

オープニングの曲。

2人のギターが、曲の特長である淡々と刻み続けるメロディを奏で始めて、リズムがスピーカーから会場を満たして、Kumiさんが歌い始める。


いろんな出来事をかいくぐって、いろいろを乗り越えて、ここにいるね

今日、ここに来られて良かったね、元気かい。

それでも僕らは生きていくんだね。


うたのメッセージが一斉に身体に降り注いで、私に届いた途端、号泣。

結局、ライヴの終わりまで涙が止まらなかった。


途中から、今回のライヴのゲストであるバイオリニストの美央さんが加わって、3人がLOVE PSYCHEDELICOの、何度も聴いてきた曲を次々に奏でる。


すると曲に託されたメッセージが、より深く抱きしめられるように届いてくるようで、涙がとめどなくあふれて、ステージの3人をまともに見ていられなくて、ライヴ後半はステージの天井にしか視線がいかなかった。

ひたすら届く歌声とメロディに促されるままに、まるで子どもの時のように無防備に、ライヴ終わりまで感動に貫かれて泣きながら聴いていた。


ステージのKumiさんも、最後は涙で声をつまらせていた。


あの会場での2時間半の体験のおかげで、当分、きちんと生きていくことができる、そんな気がする。






乾いた涙のあとを確かめながら、会場を後にして、昨日も立ち寄った上野の蕎麦屋さんで、地ビールと日本酒を頂いてから家路に着いた。


また明日もライヴで音楽を聴ける、誕生日からの幸福な3日間。


10月の48回目の私の誕生日。
受験生の息子からもらったプレゼントと手紙

親愛なる○○○へ
(ハゲ デブ)
↑照れ隠しにしては辛辣
だけどファーストネームで呼び合う僕らは、まるで兄弟のようにじゃれ合うもんだから、顔を見合わせれば息子は息を吸うかのように、私の三段腹を背後から掴んで「○○○はデブだな!」とゲラゲラ笑う。

やれやれ
こんなふうに笑える、この今がかけがえがない。



今年の誕生日からの3日間
まるで巡り合わせたかのように、楽しみにしていたアーティストのライヴが続いた幸せな3日間だった。


27日 

鶯谷 東京キネマ倶楽部

Rei "Reiny Friday -Rei&Friends- "


大好きなシンガーソングライター、ギタリストのReiのライヴ

今回のfriendsは、私はライヴ初の吉澤嘉代子さん!


SNSで吉澤嘉代子さんの作品"残ってる"を初めて聴いた時。

こんなに本人が感じたことを、曲にして歌にすることができる表現力に感動した。

すぐにスマホにダウンロードして何度も聴いているけど、歌の赤裸々な切なさに、今でも聴いている私が泣きそうになる。

そして、もう一つ"地獄タクシー"

本人が主役のMV。

映像はまさに嘉代子の地獄絵図で、曲の世界とともに作り込まれたショートムービーが大好き。

だからライヴでReiちゃんタクシーの寸劇から、この曲が聴けるって分かった時はうれしくて、思わず絶叫してしまった。


東京キネマ倶楽部のステージの雰囲気

色とりどりの傘がデコレーションされたセット

開演を待つまで見飽きない素敵なステージとBGMを楽しむ。


ライヴの始まり

ステージの2階袖から、傘をさした紅のドレスのReiが、会場を包む雨を確かめるようにギターを抱えて、螺旋階段を降りて登場。

この物語の幕開けが、いつも丁寧に描かれていて大好きな場面。

オープニングの歌声としっとりした雨の雰囲気が、ここに来ることができた"安心"が目に見えて包んでくれるようで感激。


ライヴの後で、内本順一さんのライヴレポートでセットリストが紹介されていて、カヴァーで演奏された曲が、The Beatles "Birthday"だったことを知って、私の誕生日と重なって、あぁうれしかった!


内本順一さんライヴレポート


待望の新曲 "Sunflower"をライヴで聴くことができた。

丁寧に一生懸命に歌うReiがいた。

ライヴ中、Reiのみんなを楽しませたいんだって伝わってくるのがうれしくて、

何よりRei自身が楽しくて歓びにあふれているのが最後まで伝わってきた。


そしてReiが次に"Smile"を歌い始めたとき

思わず付けていたマスクを外して、自分も曲に合わせて歌っていた。

ライヴでいつか気にせず声を出して歌いたかったから、ライヴでReiとリスナーと会場で歌えてうれしかった。


アンコール

吉澤嘉代子 "東京絶景"

ふたりして歌うその歌声から、夜の国道をとめどなく流れる車の群れが見えた。

歌う2人にも、会場のリスナー一人ひとりにも、それぞれの東京の景色があるのだろう。


ラストは"BLACK BANANA"

サビで腕をステージに向かっていっぱいに振り上げながら、音楽を全身で浴びることができて気持ち良かった。








 シンガーソングライターでギタリストのRei と、ギタリストの渡辺香津美がコラボレーションした曲

"CACTUS"を聴いている。


 Rei &渡辺香津美 CACTUS


優しいリズム、贅沢な音。

きらきらしていて、暖かくて、贅沢な空間が広がって、優しく迎え入れてくれる音の空間。

もっと、ずっと、いつまでも、この空間に身を預けていたくなる、そんな空間。

私が大好きな場所は、こんな空間だったんだ。


私の大好きなレストランが、もうすぐ、休業する。

休業期間は、とりあえず年内。

年明けの再開を目指す。


世界一ダンディなソムリエであり、オーナーシェフのマスターと、マスターを敬愛するパートナーの、ふたりのお店。

喧騒から離れたところにある、そのお店の扉を開くと、

琥珀色が素敵な一枚板のカウンター、磨きあげられたたくさんのワイングラス、天井まで続くワインセラー

清潔が行き届いたフロア、ふたりしてワインを選ぶときの囁き声

ふたりが大切にしてきた、美味しいワインと料理を気軽に、いつでも立ち寄れる、そんな空間


都内で開いていたカウンターキッチンのお店の時と同じように、鎌倉に移転してオープンしたこのお店でも、素敵なふたりの顔が見られて、美味しい料理と素晴らしいワインを味わえる、居心地の良い居場所。


ワインは、お店を訪れるたびに、いろんな国の、香りに、色味に、こんな味わいがあるのだと、いつだって新鮮な驚きをくれた。


これから寒くなっていく鎌倉は、どんなだろうね。

初めて迎える冬の鎌倉だね。

季節が変わっていって、風景が変わっていく、お店に来るのが楽しみだよ。


食事の最初の一杯に、久しぶりにシャンパーニュをお願いして、マスターに、無邪気にそんな話をしたら、

入院することになったので、来週からしばらく休業することにしたんです。

これからが楽しみと言ってくれたから、帰り際じゃなくて、今、言ったほうがいいと思って。

いつもと変わらない口調で、だけどきっぱりと。


マスターは闘病生活に入る。

病気はいつだって、突然やってくる。

我が身を通して知っているつもりだけれど、あんまりだ。

これが、現実なのだ。


どうなるのか、分からない。

私は信じる。

年明けに、再開の報を聞くことを。

いつも立ち寄る鎌倉のお寺のお賽銭箱の前で、次にここで手を合わせる時は、全てが叶いましたと氏神様に報告するのだと、心に決めて。

















夏の盛り7月、日曜日の朝

たいてい、この時間は、おにぎり握って、グラウンドに行って息子の野球部の応援に行っていた。

そんなルーティンが無くなって、何十年ぶりかの、何も予定が無い週末。


そうだ。

行きたかった鎌倉のあのお店に行こう。


安住紳一郎アナウンサーのTBSラジオ日曜天国を聴きながら、横須賀線にゆられて。

東京から乗り換えなしで1時間で行けるから、思ったより鎌倉って近いな。


鎌倉駅前はまるで原宿駅か軽井沢駅に来たかのような観光客の人、人、人にびっくり。


向かったのは "料理とワインと、con Giglio"


ソムリエのマスターと、パートナーの2人の大好きなお店

天井が高い店内が心地よい。

いつかテラス席で、ビールかサングリアを飲みたいな。


いただいたのはランチのカレーとワインをボトルで❤️


シャトー ヴィタリス

プイィ フュイッセ

プイィ村の白ワインは、アルコールの上に乗っかるブドウの香りがとても素晴らしい。大好き。


カレー、美味しかった!

スパイシーさは奥深くに隠れながらいい味を効かせて、ココナッツなのかな、コクがあって豊かな優しい味わいのカレー。また食べたくなってきた。


せっかく鎌倉まできたので、道々を散策してみる。


素敵なお店だけど、なんのお店なのか?


銭洗弁財天をお参りして、お札と500円硬貨を洗ってみた。




足を伸ばして源氏山公園へ







葛原岡神社をお参り

艶やかな石板に刻まれた俳句

夏らしい華やかで美しい形の花が、そっと咲いている。




また行こう。

心を洗いに、不浄を落としに。

いざ、鎌倉へ。

私の息子は高校3年生 

硬式野球部の主将として、夏の千葉県高校野球選手権大会の開会式に臨んだ。


素晴らしい球場で、晴天のもとを行進する姿。

夢にまで見た光景だ。


ナインは、最後の夏の甲子園出場を目指して、何よりも一試合でも多く、チームが勝ち進むことを目指して。


最後の公式戦は、聖地 ZOZOマリンスタジアムで。

プロ野球が行われる最高のスタジアムで、野球ができる喜び、それを見守りスタンドで応援できる歓び。


息子の最後の打席で、送りバントを決めてベンチに戻る姿を、スタンドから見守ることができた。


この幸せを、写真や映像でかみしめて言葉にするたびに、今は何とも言えない、寂しさを感じる。


10年間、息子と私は、いつも野球とともにした生活があった。

もう、息子は、あのユニホームを着て、いつものグラウンドに立つことはない。

泥だらけのユニホーム姿、いっぱい履いたシューズ、かっこいいスポーツバッグを背負って自転車に乗って、出かけていくことも、もう無い。


そんな実感が湧いてきた。

こんなに寂しいこととは。


この寂しさは、私だけのもの。

息子にも、家族にも、それぞれ思う感情があって、それぞれが大事にしていくべきもの。

思い出とか記憶とかに名前を変えて、生きていく時の糧になっていくもの。


息子は、今も、悔しさと、野球のために使っていた時間が急に空っぽになって、今は高校最後の文化祭で過ごす時間が流れ込んできていて、戸惑っているみたいだ。


野球をやっているあいだは、野球中心の時間についていく体力的な辛さや、病気や怪我をしないように細心の注意を払う緊張感がいつもあって大変だった。


試合に勝つため、チーム内のレギュラー争いに勝つため、何よりも息子が野球のグラウンドで試合に出てプレーする姿を観たい、ただその一心だった。


そんな日々が終わった。

しばらく、この何とも言えない寂寥感を味わおう。

この時間も、私だけのもの。