賭博と法律(ツイート寄せ集め)
麻雀と法律の関係については、以前『テンピンは合法なのか?』『雀荘は不当に規制されているのか?』という記事を書いていますので、そちらから先に目を通していただけたらと思います。
娯楽と賭博の境界線
01@01zzz
中国では日本よりも『麻雀=賭博』という観念が強い。 法律に関しては、賭博開帳図利(フリー営業)が禁止なのは日本と同じ(むしろ中国の方が取り締まりが厳しい)、個人間(親族・知人同士)の賭博に関してはやり取りする金額が規定(地域差あり)以下であれば合法となる。
2022年02月05日 16:29
01@01zzz
ここで重要なことは『中国では〇〇円以下のやり取りが合法だから日本でもそうあるべき』ではなく、『娯楽と賭博は境界線が曖昧だからと一緒くたに考えるべきではなく、法律で基準が定められているのだからそれに従うべき(その基準が中国と日本で少し異なるだけ)』と僕は理解しているけど。
2022年02月05日 16:42
01@01zzz
もちろん法律に納得がいかなければ規制緩和を訴えることもできるけど、規制緩和を訴えているからといって法律を破ってもいい理由にはならない。(この認識が圧倒的に不足しているし、それが規制緩和が実現しない原因でもある)
2022年02月05日 16:55
01@01zzz
まずは法律の内容を知り、その範囲内で何ができるか考えることが重要になる。 法律を知らないから守らないし、法律を守らないから利用することもできない。
2022年02月05日 18:43
【追記】
01@01zzz
【それぞれの国の娯楽の範囲の定義】 日本:賭ける対象で定義(その場で消費できるものや食事代金など) 中国:動く金額で定義(地域ごとに金額が設定) シンガポール:場所や関係性で定義(誰かの家で行われ、親族や知り合いである必要がある)
2022年03月25日 16:06
『違法だけど健全』という謎概念
01@01zzz
日本国内には様々な賭博が存在するけど、その中でも最も麻雀賭博が(刑法賭博罪以外も含めた)違法行為に対して禁忌感が低いように思う。 公営競技やパチンコはそもそも合法だし、その他の賭博は大っぴらにやりにくいし、賭博開帳図利も罪が重いからやりにくいし、当事者に違法行為という自覚もある。
2022年02月21日 01:20
01@01zzz
この異常さ(法律リテラシーの低さ)というのは麻雀賭博の『違法だけど健全』という独特な概念に象徴されているのではないかと思う。(健全さの基準が自己判断だから、大抵の違法行為が健全の範疇になってしまい違法という認識がなくなってしまう)
2022年02月21日 01:22
賞品提供の法律的な位置付け
01@01zzz
クレーンゲーム景品の上限価格「20年ぶり値上げ」800円→1000円|弁護士ドットコムニュース https://t.co/9Bt2yxjfSa @bengo4topicsより
2022年03月04日 14:41
01@01zzz
ゲームセンター(と雀荘)は風営法の規定で『遊技の結果に応じた賞品の提供』が禁止されている。 しかし、警察の通達で「800円(3月1日から1000円)までは摘発しない」ということになっている。 これは法律上はグレー(法律に裏付けされた合法な行為ではない)ということになる。
2022年03月04日 14:48
01@01zzz
パチンコ・ゲームセンター・雀荘における『遊技の結果に応じた賞品の提供』の法律的な位置付けを整理すると。 ・パチンコの賞品提供は(換金も)合法 ・ゲームセンターのクレーンゲームの賞品は1000円以下ならグレー(1000円より上は違法) ・雀荘の賞品提供は違法
2022年03月04日 14:55
01@01zzz
パチンコの賞品提供にも上限はあるんだけど、個数の上限がない上に換金可能だから実質的に上限はない。 ゲームセンターでクレーンゲームの高額賞品のトラブル(設定機や賞品の受け渡しなど)がよく記事になるけど、あれはトラブル以前に店側が違法ということになる。
2022年03月04日 15:02
01@01zzz
麻雀でお客同士が食事代金やゲーム料金などを賭けてプレイするのは『一時の娯楽に供する物』の範囲内で違法とはならないが、それを店側が主導して行う(ルールを設定して人を集める)のは結果に応じた賞品の提供と同じことで違法となる。
2022年03月04日 15:12
01@01zzz
パチンコの三店方式というのはそれ自体に違法性はない。(パチンコ以外のジャンルでも導入可能) ただし、『遊技の結果に応じた賞品の提供(≒賭博行為)』がパチンコ(理論上は射的や輪投げも可能)以外では合法でないので、他のジャンルで三店方式を導入する意味がない。
2022年03月04日 18:40
01@01zzz
では、ゲーム大会などの賞品を換金することはどうだろうか? 賞品を換金(売却)すること自体は合法だが、大会の賞品に参加費が充てられていた場合はその大会自体が賭博として違法となる。
2022年03月04日 18:55
賭博行為の摘発
01@01zzz
少し前にYouTuberの賭博行為が話題になったが、あれだけ騒がれていても彼らが逮捕されない理由は証拠が不十分だから。 賭博の摘発というのは基本的に証拠が明白(現行犯や内偵捜査済みなど)でないと難しい。
2022年03月12日 10:31
01@01zzz
逆に逮捕された時点で証拠固めはほぼ完璧ということになるが、逮捕されても(初犯などは)起訴されない場合も多い。 ただし、『不起訴=無罪』ではないし(前科はつかなくても前歴はつく)、一般的には逮捕された時点で(それまでの信用が高ければ高いほど)社会的に終わる。
2022年03月12日 10:36
01@01zzz
あと、今後はネットを利用した賭博の摘発が増えてくることが予想されるが、ネットを経由すると証拠が全部残ってしまうので言い逃れができない。
2022年03月12日 11:07
【追記】
01@01zzz
「令和の虎」出演者ら賭けポーカー容疑 経営者など14人書類送検(朝日新聞デジタル) #Yahooニュース https://t.co/G9jBMEdeWF
2022年06月01日 17:06
01@01zzz
令和の虎の件に関しては、お金のやり取りをした証拠や参加者が事実を認めた動画があったからな。 それでも単純賭博が起訴されることは非常にまれだけど、令和の虎自体の注目度が高かったこと、ネットカジノ関連などで賭博への関心の高まりなど、見… https://t.co/OcYop2dlAp
2022年06月01日 17:16
※↑の『起訴』は正しくは『摘発』で、同じ摘発でも身柄を拘束されて警察の取り調べを受けるのが『逮捕(その後は検察に身柄送検)』、拘束はされずにそのまま検察へと事件が引き継がれるのが『書類送検』。
雀荘の既得権とは?(ツイート寄せ集め)
以前書いた『雀荘は不当に規制されているのか?』の続きです。
つまり、風営法において『雀荘の営業で賭博行為が行われるのは最初から織り込み済み』であって、パチンコ店と同様に『遊技の結果に応じた景品の提供』と『風営法の規制による射幸性のコントロール』のような合法的な賭博営業も可能だったかもしれません。
『雀荘と風営法』という項目において上記のような記述をしたのですが、これに対して『雀荘の既得権(風営法成立前から行っていた業務に関しては、成立後も継続可能となる場合があること)』について(現時点ではあくまで仮説ですが)まとめてみました。
01@01zzz
昨日の『雀荘の既得権』の話の続き。(まだ調査が完全に終わってないから仮説という前置きをさせてもらうけど) 風営法が成立した時点で、おそらく雀荘には賭博を合法化させるスキームが存在していなかった。(雀荘内に賭博が蔓延していただけで、賭博をやらせる為の仕組みは存在しなかった)
2022年01月15日 19:36
フリー営業が始まったのが1958年と言われていて(それが一般化したのも1990年頃から?)、風営法の前身である風俗営業取締法が成立した1948年にはまだ(貸し卓営業しか)存在しなかった。
01@01zzz
これは麻雀が賭博として流行した理由からも説明できて、『麻雀は胴元を必要としない賭博だったから、反社会組織や行政組織などの影響を受けにくい自由な賭博だった』というのが大きいと考えられる。 胴元が必要なパチンコは行政組織と結びついて合法化され、その他の賭博は胴元の摘発により衰退した。
2022年01月15日 19:36
雀荘で賭博は行われていたが、それはあくまで客同士が主体であった。(雀荘には賭博営業の既得権は存在しなかった)
01@01zzz
雀荘の賭博合法化(具体的に言うと『景品の提供』)は既得権が存在しないので、どんな主張をしたところで実現は不可能であると考えられる。 しかし、逆に言えば『賭博以外の部分には既得権が存在する可能性がある』とも言える。(例えば宿泊施設が風営法の許可なしに麻雀ルームを設置できるような)
2022年01月15日 19:36
宿泊施設では風営法の成立前から業務として行っていた為に麻雀ルームの設置(4号営業)に許可が必要ない。
01@01zzz
雀荘業界は「風営法の規制は時代に合わないと」主張しているけど、(常識的に考えたら時代に合ってないのは雀荘の営業手法の方で)一方的に要望を突きつけるだけでは行政側からは相手にされない。 雀荘側が賭博を排除する代わりに行政側も規制緩和を考えるという落しどころを作るべきだと思う。
2022年01月15日 19:38
『(既得権の活用ではなく)時代に合わせた規制』で賭博営業の合法化を主張したところで、(現在の社会風潮からも)逆に麻雀賭博に対する風当たりが厳しくなるだけ。
01@01zzz
具体的に言うと、『雀荘の賭博開帳図利行為(レートありフリー営業、参加費を徴収する賞金あり大会)』は言い訳の余地なく違法な上に時代にも合っていないから排除するべき。(それでも『店側が知らないところで客同士が勝手に』という逃げ道は作れる)
2022年01月15日 19:40
『賭博営業合法化』と『風営法の規制緩和』は(パチンコの例から見ても)トレードオフの関係であり、(両方は無理だし賭博営業合法化も無理となったら)風営法の規制緩和を取る以外の選択肢がない。
01@01zzz
これができるのであれば、風営法の規制はかなり緩和されても良い(既得権を主張するだけの方便も用意できる)と思う。
2022年01月15日 19:40
営業時間・18歳未満の立ち入り・遊技料金の上限・接待行為など、雀荘の大多数を占める貸し卓営業を主眼に置いた規制緩和(それを前提とした新しい営業形態)を考えていくべき。
01@01zzz
最大のポイントはこの1点で、『雀荘=賭博の胴元』という思い込みが間違いの始まり。(そこには既得権は存在しないし、あらゆる要望が通らない原因でもある) https://t.co/OcvfVHRO9X
2022年01月15日 20:35
ただ、現状では雀荘組合が組合として機能していない(行政との連携も雀荘同士の連携も取れてない)し警察の見せしめ摘発も効果がないので、『レートありフリー営業は他より売り上げが高い(そのぶん声が大きい)が、その反面で雀荘全体や麻雀全体の足を引っ張っている』という認識を麻雀全体で共有することから始めるしかないのかもしれない。(この動きは雀荘全体で見るとプラスにもマイナスにも作用してほとんどプラスにはならないが、麻雀全体から見ると間違いなく大きなプラスになる)
競技麻雀は競技なのか?
今回は結論から先に書きますが、現行の競技麻雀は(名称が競技なだけで)競技として成立していません。
これは麻雀にとって非常に重要な問題ですが、同時にまったく議論されることがない(何十年も放置され続けている)問題でもあります。
それではこの問題について(細かくはそれぞれ個別に記事を書くとして)大まかに解説していきたいと思います。
麻雀を競技として成立させる意味
まず、麻雀が競技として成立するには、最低でも以下の3つが必要であると考えられます。
・基準として機能する公式ルール(必ずしも統一ルールである必要はない)
・客観的な実力評価(実力の近い者同士でマッチングを行える仕組み)
・上2つに対して責任を負う(国内唯一の)統括組織
これは仕組みができるだけでなく、競技を行う際の共通の価値観として広く定着する必要もあります。
そして、麻雀が競技として成立することで以下のようなメリットがあります。
その1つが『麻雀の実力を客観的に競えること』であり、現行の競技麻雀には(興行として)勝者を決める仕組みは存在しますが(競技として)実力を競う仕組みが存在しません。(参考:『標準ルール&レーティング構想』)
もう1つが『麻雀全体の基準として機能すること』であり、現行の麻雀には基準として機能するようなルールは存在しませんし、麻雀全体を取りまとめたり対外的な窓口となるような主体も存在しません。
ここで重要なことは『すべての麻雀を競技にしてしまう必要はない』『競技の麻雀が基準として機能することにより麻雀全体にも好影響が期待できる』ということです。
麻雀の3つの問題(3つのC)
現在の麻雀には大きく3つの問題が存在しています。
・競技(Competition)の問題:競技麻雀が競技として成立していない問題
・コンプライアンス(Compliance)の問題:麻雀の(賭博以外でも)法律の問題
・コンテンツ(Content)の問題:麻雀のコンテンツ(特に観るコンテンツ)の問題
競技の麻雀は本来なら麻雀全体の基準としての役割を果たすはずですが、歴史的な経緯として『競技の問題が解決されなかった為に他の2つの問題の解決も遅れている』というのが実情です。
コンプライアンスの問題に関しては『競技麻雀に関わる人間が雀荘の違法営業にも関わる』『競技麻雀で参加費を原資とした賭博による大会運営が行われる』など、競技麻雀は法令順守を先導する役割を果たせていません。(参考:『参加費ロンダリングは適法なのか?』)
コンテンツの問題に関しても『競技麻雀をプレイするコンテンツとして普及させられていない』『観戦環境や観戦文化を作り出せていない』など、競技麻雀はコンテンツの発展を先導する役割を果たせていません。(参考:『麻雀の観戦人口(前編)』『麻雀の観戦人口(後編)』『Googleトレンドで『観る雀』を読み解く』)
また、現状では競技麻雀の代わりに(消去法的に)ネット麻雀がその役割を務めているのですが、ネット麻雀は企業が提供する商品であって麻雀全体に対する責任までは負わせられませんし、麻雀の伸びしろを考える上でも競技の問題は解決する必要があると言えます。
麻雀プロ(団体)という存在
現行の麻雀プロ(団体)と競技麻雀は切り離すことができないほど密接な関係にあります。
彼らの主な活動は『競技麻雀を行うこと』『麻雀プロ(団体)をアピールすること』なのですが、競技麻雀が競技として成立していない(ただの有料サークル活動でしかない)問題がそのまま彼ら自身の問題(その存在への疑問)にもなっています。
つまり、彼らは実力を客観的に競う手段を持っておらず(入会時も入会後も実力による選抜が行われない)、麻雀プロ団体に所属していることで競技麻雀における優遇サービスが受けられる(麻雀プロという枠組みには麻雀プロ以外を排除する機能しかない)だけで、(プロの定義に関しては色々あるでしょうからある程度は目をつぶるとしても)この取り組みを競技と定義するのにはいささか無理があります。
また、この状況に対して彼ら自身がどういう認識かというと、『競技麻雀をやっているという自己満足(単なる有料サークル活動以上の何かがあるはずという錯覚)』『知名度や人間関係などのマウント争い(適切な格付け手段がない為に麻雀以外の要素で下駄を履かせ放題)』だけの視野狭窄に陥っています。
まとめ
この問題を解決するには競技麻雀の抜本的な改革が必要なのですが、それを行えるだけの意識も危機感もなく実現はほぼ不可能と言えるのかもしれません。(SNSなどで『麻雀プロの定義』などの無意味な論争がよく起こっているのですが、その問題の根幹部分である『競技麻雀は競技なのか?』まで論争を発展できれば、切っ掛けの切っ掛けくらいにはなるかもしれませんが)
追記
この記事の数日後にほぼ同じタイトルの記事が公開されました。(偶然の一致なのか僕の記事を読んでなのかは不明)
麻雀最強戦〈公式〉@mjsaikyosen
麻雀の歴史⑥ 競技麻雀は「競技」なのか(文・黒木真生)|近代麻雀黒木 #note https://t.co/gpxF5hVHHA
2021年10月04日 10:52
01@01zzz
無料部分を読んだけど、記事の出だしで躓いてる? 競技麻雀と比較すべきは麻雀以外の競技であり、競技麻雀とその他の麻雀を比較したところで、競技に対する客観的な掘り下げができない。 これは数十年前の知識レベルを(わざと)再現してるのか?… https://t.co/n5jxIqqM3f
2021年10月07日 12:57
01@01zzz
まあ、「競技麻雀は競技である」という視点から無理やり書こうとすると、競技麻雀に対する偏った主観を掘り下げるしかないというのも理解はできる。(僕でもそうならざるを得ない)
2021年10月07日 13:20
参加費ロンダリングは適法なのか?
先日、天鳳において『皓王戦』というタイトル戦の開催が発表されました。
僕はその詳細を見て、「この大会のシステムは法律的に大丈夫なんだろうか?(Maru-Janの高額賞金大会と比較して参加費や賞金に対して無頓着すぎないか?)」という疑問を持ちましたので、すぐにつのさんに直接聞いてみたり(eスポーツ業界の取り組みを参考に)法律について調べてみました。
これからネット麻雀を利用した大会も増えてくると考えられますし、『刑法賭博罪と風営法の観点から違法となる可能性とそれを回避する方法』について考えてみたいと思います。
※加筆修正を行いました。(4/1、4/20、4/27)
参加費ロンダリング?
HPの情報とつのさんから聞いた話を総合したところ、以下のことがわかりました。
・参加費2700円、賞金総額130万円
・予選は天鳳(ネット麻雀)で行う
・準決勝と決勝は連盟チャンネルのスタジオ(リアル麻雀)で行う
・賞金は協賛の連盟チャンネルが提供する
・参加費が賞金に充てられている形式とは異なる(?)
(追記)
・連盟チャンネル以外の協賛なしで大会開始
・予選参加人数は約600人
・準決勝と決勝は3日間開催
これらの情報から、皓王戦は『参加費を賞金に充てる違法な大会』ではなく、
『第三者のスポンサーから賞金が提供される適法な大会』でもなく、
『スポンサーが完全な第三者ではない参加費ロンダリング』とでも言うようなシステムであると推測することができました。
このシステムが適法であれば問題ありませんが、違法であった場合は当然ですが採用すべきではありません。
では、実際のところはどうなのでしょうか?
刑法賭博罪の観点から
刑法賭博罪に抵触するかどうかの基準は『参加費が賞金に充てられていたら違法、賞金に充てられていなかったら適法』となりますが、皓王戦のシステムではそれが非常にわかりにくくなっています。
参加費は『約600人参加で160万円』で賞金は『総額130万円』ですが、運営費(特に大部分を占めるであろう『連盟チャンネルのスタジオレンタル料』)がわかりません。
これと似たような状況はeスポーツ業界にもあり、それに対するガイドラインも公開されています。
(2) 参加料を徴収しながら賞金を提供する手段
現時点において、日本全国において行われている大小様々な規模のeスポーツの大会は、運営に携わる主催者の献身的な努力に依るところが大きく、多大な運営費用の負担が生じています。大会主催者のそのような負担を軽減しつつ、賞金制大会をより広い範囲で開催するために、賭博行為に該当しないような形で参加費を徴収するような大会の仕組みが必要であると考えております。そこで、より多くの大会の開催を可能にすべく、参加料を徴収する形で賞金を提供する手段について検討いたしました。
(中略)
① 賞金・賞品が、参加者や主催者以外の第三者(スポンサー)から提供されること
② (大会の主催者が賞金を提供する場合であっても、)参加料が会場費やスタッフの活動費などの大会運営費用にのみ充当され、賞金・賞品に充当されていないこと
そして、上記①、②を明確化するための方法としては、例えば、参加料と賞金等を口座上分別管理する、賞金等が第三者(スポンサー)から直接授与されるようにすることが考えられます。
一般社団法人日本eスポーツ連合オフィシャルサイト『法的課題への取組み状況のご報告』より
このガイドラインは主催者が賭博の胴元とみなされることを回避する手段として有効であると考えられますが、そのポイントは『(参加費が賞金に充てられていないことの証明の為に)主催者からスポンサーへのお金の動きがないことを明確にする』ということです。
もし仮に天鳳から連盟チャンネルへのお金の動きがなければ(連盟チャンネルがスタジオを無償で貸し出す、他のスポンサーがスタジオレンタル料を負担するなどであれば)参加費が賞金に充てられておらず適法となりますが、参加費の額からも天鳳がスタジオレンタル料を支払う前提であると推測されますし他のスポンサーも存在しません。
つまり、皓王戦は『天鳳(主催者)が徴収した参加費を連盟チャンネル(偽装スポンサー)にスタジオレンタル料として支払い、連盟チャンネルが賞金を支払う』というシステムであり、天鳳だけでなく連盟チャンネルも賭博の胴元とみなされる(刑法賭博罪に抵触する)可能性があるということです。
これに対して「天鳳と連盟チャンネルのお金の動きを明確にすれば良いのでは?」「天鳳も連盟チャンネルも赤字になったら賭博の胴元にはならないのでは?」という指摘もあると思いますが、(お金の動きが明確化されても赤字であっても)実際に天鳳から連盟チャンネルにお金が動いている為に『参加費が賞金に充てられていない』という証明をすることができません。
そこで、これを回避する方法として『参加者・天鳳・連盟チャンネルの三者のお金の動きを(どこか1つでも)断つ』ということが考えられます。
・『参加者⇒天鳳』のお金の動きを断つ:参加費を無料にする
・『天鳳⇒連盟チャンネル』のお金の動きを断つ:連盟チャンネルがスタジオを無償で貸し出す、または他の(完全な第三者の)スポンサーが負担する
・『連盟チャンネル⇒参加者』のお金の動きを断つ:賞金(財物)を提供しない、またはタイトル戦の参加権など(非財物)のみを提供する
ただし、これを実行すると『賞金なし、または低額賞金』となり大会の盛り上がりに欠けてしまうかもしれませんが、それは仕方がありません。
元々、皓王戦の『賞金総額130万円』というのは参加費が賞金に充てられることが前提だったはずで、まっとうなスポンサーもいないのに高額な賞金が出る方がおかしいということです。
風営法の観点から
一般的には大会イベントや会場のスタジオは風営法の対象ではありませんが、『場合によっては風営許可が必要(無許可で開催すると違法)になる可能性』があります。
これと似たような状況はeスポーツ業界にもあり、さらに↑で引用したガイドラインだけでは風営法の対象になることを回避できない可能性についても指摘されています。
JeSUが示したガイドラインは、eスポーツ大会の開催にあたって各選手から徴収する参加料が「当該大会を開催するための会場使用料その他大会の設営に要する費用にのみ充当」されるものであり、「参加料は大会設営費用の一部を負担させることを目的とするもの」であるということを明確に担保させることによって、当該大会の「営利性」を否定し、風営法の適用除外をさせようとするものであります。
(中略)
実はその別分野に適用されている適用除外規定にには「イベントの主催者に対して会場設置者が営業所を有償で貸す行為には会場設置者側に営利性が認められる」との規定が併せて定めてあり、この論法だけでは参加費徴収型のeスポーツ大会における風営法上の課題が完全に払しょくできているとは「いえません」。
(中略)
今回JeSUが発表しているガイドラインでもし本当に参加費徴収型のeスポーツ大会が風営法適用除外になるとするのならば、近い未来、会場設置者とイベント主催者を(便宜上)分離し、同会場でグルグルとeスポーツ大会を短期で廻し続けて参加料を徴収するという脱法ゲームセンター(本来は風営許可が必要)が世の中に沢山誕生することになります。
BLOGOS『日本eスポーツ連合(JeSU)は結局、何を間違ったのか』より
これをざっくり説明すると、風営法は『営業の規制を行う法律(営業でなければ規制の対象外)』ですので、『イベントに営利性が認められなければ(参加費がすべて運営費に充てられていれば)風営法の対象外だが、会場を有償で借りる場合には会場設営者の方に営利性が認められて風営法の対象になる可能性がある』ということです。
つまり、皓王戦は参加費の額からもスタジオを有償で借りると推測できますので、スタジオが風営法の対象となる(風営許可が必要になる)可能性があるということです。(スタジオを無償で借りる場合は参加費の額からして利益が出るはずで、イベントが風営法の対象になる可能性がある)
そこで、これを回避する方法として以下のものが考えられます。
・『PCやスマホなどからリモート参加するネット麻雀(&実況解説の撮影)のみ』であれば風営法の対象とはみなされない。
・スタジオを有償で借りる場合、反復継続性が認められなければ風営法の対象とみなされず、『1回につき1日(または1晩)以内で開催される』『6か月に1回以上の頻度で繰り返し開催されない』の条件を満たす。
・スタジオを無償で借りる場合、イベントに営利性が認められなければ風営法の対象とみなされず、『(参加人数の上限をあらかじめ設定しておくなど)参加費が運営費を上回らない仕組み』を作る。
また、なぜこのような面倒臭いことをする必要があるのかと言えば、現行の麻雀専門スタジオは半ば無許可雀荘になっていて、これが適法だとすると撮影機材さえ(極端に言えばスマホ1台でも)設置すれば風営許可が不要な雀荘の営業が可能ということにもなってしまいます。
まとめ
雀荘とは違うからと風営法の許可を取らずに営業を開始する
麻雀の観戦人口(後編)
それでは『麻雀の観戦人口(前編)』の続きで、『麻雀の観戦人口が少ない原因は何なのか?』『麻雀観戦に伸びしろはあるのか?』について考察していきたいと思います。
競技環境の違い
前回では、『麻雀以外のゲームは競技環境がそのまま観戦環境につながっている(未経験者も観戦しやすい環境にある)』と書いたのですが、麻雀はどうなのでしょうか?
残念ながら、『麻雀は競技環境が観戦環境につながっていない(未経験者が観戦しにくい環境にある)』と言わざるを得ません。
・麻雀はルールの認知率が低い(競技経験がないと何をやってるか見てもわかりにくい)
・麻雀は子供でもプレイできる環境が少ない(環境が少ないだけでなくイメージで敬遠される場合も)
・麻雀は競技としてまだ確立されていない(公式ルールや実力評価が確立されていない)
これらは麻雀の競技環境が未熟な部分であると共に、麻雀普及の(未経験者に興味を持ってもらう為の)課題でもあります。
また、麻雀の観戦人口が少ない原因は他にもありますので、リアル麻雀とネット麻雀という観点から挙げていきたいと思います。
リアル麻雀は観戦にあまり向いていない
そもそも、リアル麻雀には『自分がプレイして楽しむもの』という固定観念が強く、観戦という文化がほとんどありません。
直接的に観戦する場合、不完全情報ゲームの性質により全体を同時に見渡すことはできませんし、不正やトラブル防止の為に観戦が禁止されている場合もあります。
間接的に観戦する場合、採譜されていても有効活用されていませんし、麻雀番組のスイッチングで切り替える映像手法は観戦に不適格(競技経験者ですら煩わしさを感じているのに未経験者は完全に置き去り)です。
ネット麻雀は観戦環境が整ってまだ間もない
これに対して、ネット麻雀にはれっきとした観戦文化が存在しています。
しかし、その歴史はまだ浅く、(技術的には東風荘時代から可能でしたが)観戦環境が整ってきたと言えるのは天鳳の『URL牌譜』『ディレイ観戦』、Ustreamやニコ生などの『ライブ配信』が広く認知されだした2008年くらいからでしょうか。
また、現在ではネット麻雀が競技環境の主流にもなっていて、雀魂や麻雀VTuberが(未経験者もターゲットとすることに成功して)麻雀普及の中心を担っています。
AV Watch『麻雀をプロスポーツ化「Mリーグ」。“ゼロギャンブル宣言”で五輪正式種目へ』より
ただし、『リアル麻雀(麻雀プロ)>ネット麻雀』という固定観念もあるせいか、ネット麻雀が観戦環境の主流となるにはまだ時間が掛かりそうです。
麻雀観戦の伸びしろ
つまり、麻雀の観戦人口が少ない原因は、麻雀の観戦環境が以下の状況にあるからだと推測されます。
・未経験者は基本的に観戦しない(できない)
・リアル麻雀には観戦文化がほとんどない
・ネット麻雀には観戦文化があるが(Mリーグなどと比較すると)規模がまだ小さい
これに対して麻雀観戦の伸びしろとしては、『観戦環境をネット麻雀に移行してしまう』というのが最善策だと考えられますが、色々と大人の事情もあるでしょうから次善策としては『麻雀番組の映像手法や企画コンセプトを改善する(観戦環境をネット麻雀に近づける)』ということになるでしょうか。
改善案をいくつか例を挙げてみますが、固定観念さえ外せれば他にも色々とアイディアは出てくると思います。
・神の視点をやめて一人称視点にする(または一人称視点のサブチャンネルを作る)
・1つの映像に対して複数の解説をつける(応援メインや初心者解説メインなどバリエーションを増やす)
・プレイヤーが打ちながら自分で喋る(ネット麻雀も活用してプレイヤーの思考やキャラクターを前面に出していく)
・必ずしもライブ配信にこだわる必要もない(放送時間の不安定さや観るコンテンツとしての質の低さを編集で補う、逆にライブ配信をプレミア的な位置付けに)
・芸能人やVTuberも積極的に起用する(麻雀プロ・芸能人・VTuberなど、それぞれ混同させずに棲み分けをきちんと行う)
・AI戦や国際戦を企画する(「人間頑張れ」「日本頑張れ」という名目で一人称視点へ移行しやすくする)
また、『ルール認知率』『子供のプレイ環境』『競技として確立』に関しては、もう思い切って『既に競技環境の主流がネット麻雀に移行していることを認めて、麻雀普及もネット麻雀に特化する』しかないのではと思います。(参考:『e麻雀の可能性』)
まとめ
麻雀の観戦人口のデータを見て、「麻雀は観戦に向いてない」とか「Mリーグがあるから大丈夫」と言ってしまうのは簡単ですが、単純にそれだけで済むような話でもありません。
いくら競技人口がまだ多いとは言っても、この先には団塊世代のリタイヤによるもう一段階の底が待っていますし、観戦人口も増やす努力をしていかないと競技人口の先細りを止めることができません。(Mリーグ設立が話題となって2018年は競技人口が増えたが、翌年にはすぐ元に戻ってしまっている)
天国へ行くための136の方法『麻雀の市場規模データを更新しました⑨ 〜どっこい生きてる編〜』より
また、MリーグはAbemaというメディアの大きさによって(既存の麻雀番組のシェアを奪う形で)ある程度の視聴数を確保できてはいますが、本来は『北京冬季五輪(2022年開催予定)の種目に麻雀が採用される』という皮算用があったはずで、その目論みが外れた現在ではスローガンである『熱狂を外へ』の足掛かりを失ってしまっている状態です。
「Mリーグ」に関するアンケート調査結果(2019-09-25)より
(別に何がきっかけでも構わないのですけど)これが麻雀業界全体で麻雀のあり方について話し合うきっかけとなってくれればと思います。







