(2023.6.05)

 

 

 とある世界のお話です。

 その世界には、ドラゴンについての伝承が存在していました。

 そのドラゴンは、多数の冒険者達でないと倒せませんが、もし倒せば冒険者達は多くの経験値を得られる、しかし一方で、冒険者達に被害が発生する可能性がある、と伝承されていました。

 

 国王は、ドラゴン討伐を願っていました。

 多数の冒険者達が集まり討伐してくれることを願っていましたが、「被害が発生する可能性」があるとされているため、冒険者達に「義務を課す」ことはしませんでした。

 自ら主体的に判断した結果として、多数の冒険者達が集まることを願っていました。

 しかし、思うように冒険者は集まりませんでした。

 情報提供が不足しているのでは?

 国としてのドラゴン討伐の目的とメリット、それぞれの冒険者における「経験値を得られる」というメリットと「被害が発生する可能性」というリスク、それらについて冒険者達に正確な情報を提供することが必要なのでは?

 しかし、国王には「人は必ずしも合理的には行動しない」との考えがありました。

 例えば「コイントスをして、表が出たら5万円もらえる、裏が出たら5万円払う」の条件では、参加する人より参加しない人が多数となる、つまり人は「メリットよりもリスクの方が大きく感じる」ものだと考えていました。

 国王は、冒険者達に正確な情報を提供したとしても、合理的な比較衡量がなされず、多数の冒険者達が集まることには繋がらないと考えていました。

 よって、国王は考えました。

「主体的な判断」によって集まることになっているのではあるが、それでも、集まった冒険者に報酬を与えればよいのでは?

 報酬によって比較衡量のバランスをメリットに傾ければ、「主体的な判断」によるものとして集まる冒険者が増えるのでは?

 国王は「すべて冒険者は、法の下に平等」であるが、それは「合理的な根拠に基づくものでない限り、法的な差別的取扱いを禁止する」趣旨であると考えていました。

 そして、国としてドラゴン討伐はメリットがあり全体的利益として冒険者達に資するものであるのだから、報酬は「合理的」な根拠に基づくものであると、説明できると考えました。

 そして、その考えによる国策が実施され、集まる冒険者は増加しました。

 それぞれの冒険者が主体的に判断した結果ではありましたが、マクロな視点で言えば、国王が意図して「主体的な判断」に干渉し、コントロールした結果とも言えました。

 

 一方で、報酬が「合理的」と言えるほどに「国としてドラゴン討伐はメリットがある」との国王の考えについて、社会的な合意が十分に形成されていなかったため、冒険者達からは「平等でない」との意見もありました。

 このような「利益誘導」は、冒険者の「主体的な判断」で集まることになっている仕組みの趣旨に反する、との意見もありました。

 また、今後「被害が発生」した場合には、リスクについての情報提供が不十分であったことについて、冒険者達に国への不信が高まる可能性があります。

 

「個人の尊重」とは、一方では「利己主義」を否定し、他方では全体を個人に優先させる「全体主義」を否定することで、すべての人間を自由、平等な人格として尊重しようとするものであり、何にも勝って個人を尊重しようとする原理とされていました。

 しかしこの国の「個人の尊重」は、全体的利益の名のもとに、遠く霞んでいくように見えました。

 また、「個人の尊重」に由来する、「国民主権」と「基本的人権の尊重」も、同様でした。

 

 以前には、予防接種の接種率を上げることに施策の重点を置いたことについて「個人の尊厳の確立を基本原理としている憲法秩序上、特定個人に対し生命ないしそれに比するような重大な健康被害を受忍させることはできないものである。」、「生命身体に特別の犠牲を課すとすれば、それは違憲違法な行為であって、許されないものであるというべきであり、生命身体はいかに補償を伴ってもこれを公共のために用いることはできないものである」と判示されたこともありました。

 また先般は、トマホークなどを活用する他国への反撃能力について、国王答弁「国民の信頼と共感を最優先」しているとは到底言えない「国民主権」を軽視した形で決定されてしまいました。

 

 全体主義に偏重し、国民の主体的な判断に寄与するためではなく、行動を誘導する目的で情報が提供される施策に満ちたこの国は、納得感が得づらく、不信に満ちた世界となっていきました。

 

 

 なお、国王には真の目的があったのですが、できる限りそれを国民に注目されることのないよう配慮されながら、事は進められていきました。

 また、国王のさまざまな判断には、国外を含む、この世界の「陰の実力者」達の意向が大きく影響していたのですが、それを公然と認めることはありませんでした。

 そう。

 国王の考える「全体」を、実質的に大きく占有していたのは、この世界の「陰の実力者」達だったのです。

 

 

 おわり。

 

 

<備考>

○国家賠償請求事件(令和2年6月30日)東京地方裁判所(抜粋要約)
 憲法14条1項は,事柄の性質に即応した合理的な根拠に基づくものでない限り,法的な差別的取扱いを禁止する趣旨であると解すべきとされており(最高裁判所昭和37年)、人は全て法の下に平等に扱われるべきであって、合理的な理由なしに異なる扱いを受けることは同項が定める平等原則に違反する。

 

○第211回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会(令和5年4月25日)より抜粋要約

▽政府参考人

 経費でございますけれども、マイナポイント第一弾、第二弾の予算の合計は約2兆1113億円となります。

 

○第40回 経済・財政一体改革推進委員会(2022年12月12日)議事要旨(抜粋要約)

▽委員

 マイナンバーの活用を進めていくと、究極的には資産や所得の把握にまで及ぶと思うが、これは国民から見ると非常に緊張感の走るものであるため、注意しながら進めていただきたい

▽内閣府

 資産へのマイナンバーの付番については慎重に進めるべきとの御指摘があったが、本人同意を前提とした口座管理法の施行期限が令和6年であり、まずはアレルギーや危機感みたいなものが生じないように、慎重に施行に向けて準備を進めていくと理解。

 

○第211回国会 衆議院 財務金融委員会(令和5年4月26日)より抜粋要約

▽委員

 民主党政権のときに、社会保障・税の一体改革というものを決めまして、そのときにマイナンバー制度の導入というものを進めました。その前提となったのは、やはり資産の把握というものをしっかりとやらなければいけないのではないかと。

 このマイナンバー制度の現状と、そして資産へのひもづけと、そしてその意図については継続されて持たれているかどうか、その点を御答弁をいただきたいと思います。

▽副大臣

 資産の把握を含む応能負担の在り方については、一義的には、社会保障制度や税制等の所管省庁においてその在り方や制度設計が検討されるものと考えております。これらの制度におきましてマイナンバーの利用が必要となる場合には、マイナンバー法の改正やシステム改修等が必要になることから、デジタル庁として、緊密に制度所管省庁と協力をして取り組んでまいりたいと考えております。

▽委員

 財務大臣、この資産へのひもつけ、そして、応能負担、応分負担を資産を持っておられる方々にしていただく、特にシニアの方々に。そういったお考えについては、いかが財務大臣としてはお考えですか。

▽国務大臣

 従来は、やはり年齢で区切って、それで負担のお願いの多寡を決めるというのが昔からのやり方でありましたが、やはり先生の御指摘のとおり、シニアであっても、不動産等を所有している方もあり、様々な金融資産を持っている方もおりまして、私は、基本的に応能負担をしていただくというのはこれは大切なことである、そういうふうに思います。そういう中で、マイナンバーの活用、これは極めて有効な手だてである、そういうふうに思います。

 ただ、いろいろ、国民の皆さんのことを全部把握しているわけではありませんが、どうも自分の口座を全てひもづけをするというようなことに対する抵抗感、そういうものがあるというのも事実であると思います。

 そういうことを、これから政府としても、マイナンバーの活用、それによる応能負担の推進、その重要性、必要性を十分に示して、これを活用していく、応能負担を進めていくこと、これは重要なポイントであると認識しております。

 

⇒マイナンバーについて、日本弁護士連合会の会長声明、意見書(抜粋要約)などには、つぎのような内容が掲載されています。

「個人番号が不正利用されれば,個人データが名寄せされデータマッチング(プロファイリング)されてしまう危険がある。番号法は,このような危険への警戒から,個人番号の秘匿性を強く求め(第12条,第20条等),不正取得等に重い罰則を課し(第48条以下),利用できる場合を厳しく限定している(第9条)。」

リスクがあることを考慮して,番号法第17条第1項は,個々人が個人番号カードを所持することによる利便性と危険性を利益衡量して取得するか否かを決めるという申請主義(任意取得の原則)を採用した。」

「積極的普及には慎重であるべきであって,事実上の強制や一体化する必要性の低い他制度機能の取り込み,制度目的と全く関係のない利益誘導などによって,全国民に個人番号カードを普及させることを目指すような施策を行うべきではない。」

「制度目的と関係のない利益誘導によって,全国民が現行の個人番号カードを使用せざるを得ない状況に追い込むものであり,任意取得の原則に反するものであるから,速やかに中止ないし抜本的な見直しをするよう求める。」

「高額のポイント付与は、同カードを取得しない者に不合理な経済的不利益を与えるなどして、マイナ保険証に誘導し、その原則化を図るものと言える。」

「公金受取口座とマイナンバーのひも付け登録には、名義人の積極的な同意を求めるべきであり、名義人が知らないうちにひも付けされてしまうような方法をとるべきではない。」

○軽減税率制度において個人番号カードを利用することに反対する会長声明(2015年10月1日)

○個人番号カード(マイナンバーカード)普及策の抜本的な見直しを求める意見書(2021年5月7日)

○「マイナ保険証」取得の事実上の強制に反対する会長声明(2022年9月27日)

○マイナンバー(個人番号)利用促進の法改正の再検討を求める会長声明(2023年3月29日)

 より抜粋要約。

 

 

⇒「安保3文書」について、以下は、複数の弁護士会の会長宣言、国会議事録などに掲載されている内容(抜粋要約)です。

「内閣は「安保3文書」を閣議決定(2022.12.16)した。」

「日本は、平和な社会を手放して、戦争当事国への道を突き進むのだろうか」

「今般の「安保3文書」の改定は、解釈改憲の手法で「反撃能力」を保有するものである」

「岸田総理は、今回の「安保3文書」の改定について、戦後政策の大転換と繰り返し発信をしている」

「それほど重大な政策判断を下したにもかかわらず、事前に国会で説明することすらなく、臨時国会閉会後に閣議決定し、通常国会での議論を待たずにアメリカのバイデン大統領と約束をし、既成事実化した」

「国会での審議や国民的な議論が全くなされずに閣議決定がされた」

「このような国家防衛戦略の大転換が国会審議もなく、閣議により決定されたことは、憲法原理の一つである立憲主義、民主主義、国民主権の原理にも反するものである」

「主権者たる国民を代表し、国権の最高機関である国会での議論すら経ないままに、単なる一内閣の閣議決定によって敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有・行使を容認し、対外的な約束までして強行しようとしていることは、立憲主義・法の支配及び民主主義を著しく破壊する行為と言わざるを得ない」

「反撃能力がひとたび行使されれば」

「結果、国民の多大な犠牲と広範な国土の荒廃をもたらしかねない」

覚悟を持たなければならないのは国民である」

「立憲主義を堅持したなかで、いかにして戦争を抑止することができるのかの議論をまず尽くすべき」

「その上で、仮に安保法制や反撃能力の保有が不可避であるならば、それは憲法改正により最終的に国民にその覚悟を問わなければならない事柄である」

「戦争は最大の人権侵害である」

(なお、上記の宣言、議事録は以前の投稿記事『総理「国民の信頼と共感を最優先する政治姿勢」の現実』、『vol.2総理「国民の信頼と共感を最優先」の現実』に掲載したものです。)

 

 

⇒ワクチン接種履歴に対する陽性となる確率の推移と、厚労省の速やかな対応ぶりについて。

○アドバイザリーボード資料から数値を拾い計算した、12歳以上の者が陽性となる確率の推移(2022.8.28まで)

⇒つぎの順に「10万人あたり新規陽性者数」を掲載しています。

▽「期間」、「未接種」、「2回接種」の順。

(2021年)

▽4/12~4/25、48.03.3

▽4/26~5/9、57.4>5.8

▽5/10~5/23、59.3>3.3

⇒ここからしばらくの間のデータを省略しますが、この間に公表される資料において、「未接種」<「2回接種」となることはありませんでした。

(2022年)

▽3/21~3/27、422.5>100.4

▽3/28~4/3、492.0>197.9

▽4/4~4/10、529.4>215.4

⇒ここで接種歴の分類方法が変更されました。(4/10までのデータは接種歴が「未記入」の場合は「未接種」の新規陽性者に分類していたものを、4/11以降のデータは「未記入」の場合は「接種歴不明」の新規陽性者に分類。)

▽4/11~4/17、229.1>218.3(「未接種」における「陽性となる確率」が激減しました。)

▽4/18~4/24、197.9>196.7

▽4/25~5/1、157.7>153.8

▽5/2~5/8、158.6>151.6

▽5/9~5/15、204.3>194.9

▽5/16~5/22、168.4>167.2

▽5/23~5/29、127.7>126.7

▽5/30~6/5、96.2>94.5

▽6/6~6/12、76.4>76.2

▽6/13~6/19、68.7<71.0初めて「未接種」<「2回接種」になりました。)

⇒以降の資料には「本データによりワクチン接種による予防効果が明らかになるものではない。」と追記されました。

▽6/20~6/26、77.2<84.6

▽6/27~7/3、92.5<110.9

▽7/4~7/10、230.3<288.2

▽7/11~7/17、198.7<247.3

▽7/18~7/24、737.8<928.5(8/3資料のデータ)

⇒8/4、当該データの情報源である「発生届出の届出項目」について、「ワクチン接種回数の項目などを削減し、最小限必要な項目のみとすることを可能とする」旨、厚労省から事務連絡されました。

▽7/25~7/31、917.8<1160.0

▽8/1~8/7、909.3<1144.1

▽8/8~8/14、764.7<966.6

▽8/15~8/21、888.8<1128.9

▽8/22~8/28、722.2<876.1

 以降、厚労省は「ワクチン接種歴別の新規陽性者数」のデータを公表していません。

(なお、2022.05.19以降の資料で90歳以上の未接種者数について数値が掲載されておらず計算不能であり、よって数値の比較のため、令和4年は全ての期間において90歳以上を除いて計算しています。)

 

 

⇒心筋炎リーフレットに対する「誤魔化し」との意見について

〇医薬品等行政評価・監視委員会(令和4年3月18日)議事録
▽委員A
「説明資料(心筋炎リーフレット記載のグラフ)に、国内でのCOVID-19による入院患者における心筋炎の発生割合、比較しているのですが、まず、この比較の表自体が非常にナンセンスというか、ミスリーディングです。」
「要するに、リスクを考える場合には、COVID-19を発症して入院するリスクを掛けて比較しないと、意味をなさない比較であるということなのです。」
「この図が独り歩きして、マスコミなどでも使われていて、非常にミスリーディングです。」
「ですので、この資料に関しては削除するなりこういう比較は適切でないとお認めいただけないかというのが一つです。」
「むしろ先ほど出していただいた、一般における心筋炎の発生率と接種後の発生割合を比較(O/E解析)するほうが非常にリーズナブルな比較であるということです。」
とにかく、この図を使うのは明らかに誤っていると思いますが、いかがでしょうか。」
▽予防接種室ワクチン対策専門官
「御指摘のように、データにつきましては、直接的に比較できるデータがなかなかない中、制限がありながらも、あくまで参考となるデータとしてお示ししたものでございます。」
「副反応合同部会におきましても、そのデータが本質的に持つ制限も御理解いただいた上で、リスク・ベネフィットとして御評価いただけるものとして御判断いただいたところでございます。」
▽委員長
「どうしましょう。」
「多分、Aさんとしては満足しない回答かと思いますが。」
▽委員A
「時間がありませんので、私の意見として、それを申しておきます。」
▽委員長
「端的に、こういうミスリーディングな資料が独り歩きしてしまうことのリスクはありますね、ということ。」
▽委員B
「私がこれ(リーフレット)を見るとしたら、利己的な理由によって考えます。」
「利己的な理由で、私が得するのかどうかといったときに見るとすれば、これはミスリードになります。」
「A委員が言ったとおり、データについては、ちゃんと科学的に比較できるデータを出した上で、それでも打ってくださいと言うことにしないと。」
「リードするときに、利己的には損かもしれないけれども打ってね、というのと、このように打っても得をしますよというのは、ごまかしになってしまうのです。」
 

 

⇒新型コロナの重症化率の公表時期と、コロナ特例について。

 基本的対処方針(令和4年11月25日変更決定)には令和4年「3~4月」のデータが掲載されており、「5~6月」のデータは反映されませんでした。

 そして、令和4年12月21日、「5~6月」と「7~8月」のデータが同時に公表されました。

○アドバイザリーボード (令和4年12月21日) 資料

60歳未満60・70歳代80歳以上)の順

季節性インフルエンザ

 重症化率(0.03%0.37%2.17%

 致死率(0.01%0.19%1.73%

 

新型コロナ:令和4年「5~6月

 重症化率(0.01%0.34%1.66%

 致死率(0.00%0.14%1.53%

新型コロナ:令和4年「7~8月

 重症化率(0.01%0.26%1.86%

 致死率(0.00%0.18%1.69%

 

 その後、基本的対処方針(令和5年1月27日変更決定)には「3~4月」と「7~8月」のデータが掲載されることとなりました。

 そして同日、つぎのとおり5類感染症に変更する方針が決定されました。

○新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて(令和5年1月27日)感染症部会

 新型コロナウイルス感染症は、感染症法に基づく私権制限に見合った「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」がある状態とは考えられないことから、新型インフルエンザ等感染症に該当しないものとし、5類感染症に位置づけるべきである。

○新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更等に関する対応方針について(令和5年1月27日)新型コロナ感染症対策本部決定

「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて」(令和5年1月27日感染症部会)を踏まえ、オミクロン株とは大きく病原性が異なる変異株が出現するなどの特段の事情が生じない限り、5月8日から新型コロナウイルス感染症について、感染症法上の新型インフルエンザ等感染症に該当しないものとし、5類感染症に位置づける

 

 そして、5月8日から、新型コロナは5類感染症に位置づけられ、対策本部/基本的対処方針(マスク推奨など)は廃止されました。

 結局「5~6月」のデータが基本的対処方針に反映されることはありませんでした。

 そして、つぎの資料があります。

○歴史的転機における財政(令和5年5月29日)財政制度等審議会(参考資料)より抜粋要約

 当審議会において繰り返し指摘してきた、コロナ特例からの「正常化」については、最後に医療分野の特例が大きく残っている状態

▽歴史の転換点における財政運営(令和4年5月25日)財政制度等審議会(抄)

<新型コロナにおける財政措置について>

 財政支出の効果について当審議会でたびたび議論になったものが、令和2年度以来の新型コロナの中での財政支出である。

 これまで医療提供体制等の強化のために主なものだけで16兆円程度の国費による支援が行われてきた結果として、地域医療の確保に当然に責任を果たすべき国公立病院で、コロナ前から一転し、好調な決算となっている事実は指摘しておかなければならない。これなどは、病床確保料などの財政支援の在り方についての問題の所在を示唆するものである

 

 

○立憲主義の堅持と日本国憲法の基本原理の尊重を求める宣言(2005年11月11日)日本弁護士連合会(抜粋要約)
 改憲論の中には(省略)憲法の「公共の福祉」概念が人権相互の調整原理と解されることを批判し、「公益や公の秩序」、「国民の責務」などの概念を導入して、国家的利益や全体的利益を優先させ、人権を制限しようとするものがある。しかし、「公益及び公の秩序」、「国民の責務」などの個々の基本的人権を超越した抽象的な概念を人権の制約根拠とすることを認めれば、基本的人権の制約は容易となり、人権制約の合憲性についての司法審査もその機能を著しく低下させることとなる。

個人の尊重」とは、人間社会における価値の根源が個人にあるとし、何にも勝って個人を尊重しようとするものである。一方では利己主義を否定し、他方では全体主義を否定することで、すべての人間を自由・平等な人格として尊重しようとするものであり、個人主義とも言われる。日本国憲法も「すべて国民は、個人として尊重される」と規定している(憲法13条)。そして、憲法の基本原理である国民主権基本的人権の尊重も、ともにこの「個人の尊重」に由来しており、さらに、個人の自由と生存は平和なくしては確保されないという意味において、平和主義も「個人の尊重」に由来するとともに国民主権及び基本的人権の尊重と密接に結びついている。

国民主権」とは、国政についての最高決定権が国民にあり、国の政治のあり方を最終的に決定するのは国民である、とする考え方である。

 日本国憲法は、立憲主義の理念に基づき、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」と定め(憲法11条、97条)、憲法改正によっても変えることのできない権利として基本的人権を保障している。

 

(2024.7.3)

 

 

 想像上の内容です。(文末備考の国会議事録などの内容に基づきます。)

 

Aさん「一緒に○○食べようよ。健康にプラスになるらしいよ。」

Bさん「うん。…あれ?中に▽▽が入ってるよ。▽▽も健康にプラスになるの?」

Aさん「▽▽をしっかり支えていくことが、ひいては健康志向の方々も含め、社会全体の受益にかなう、このように関係性を整理してございます。」

Bさん「…はぁ?突然何言ってんの?そんなこと言ってたら◇◇だって××だって、もはや何でもアリになるじゃん。それよりAさんダイエットしてなかった?」

Aさん「▽▽は実質的にゼロカロリーなんだよ。」

Bさん「本当に?▽▽は高カロリーなイメージがあるのだけど。」

Aさん「▽▽は○○と一体として摂取するものであり、○○のうち▽▽に係る部分を取り出して高カロリーか否かを論ずることはできないと考える。」

Bさん「…はぁ?また何言ってんの?▽▽は本当にゼロカロリーなの?」

Aさん「実質的には、ゼロカロリーなんだよ。」

Bさん「実質的には?どういうこと?」

Aさん「私は事前に運動してカロリーを消費してきたから、その範囲内ならば、食べても実質的にはゼロカロリーなんだよ。」

Bさん「…もしかして、▽▽自体がゼロカロリーという訳ではないってこと?」

Aさん「もちろん、そうだよ。」

Bさん「はぁ…。」

 

 おわり

 

 

<備考>

○第213回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会(令和6年3月26日)

▽国務大臣

 給付と負担の関係性ということでありますが、支援金制度のそもそもの趣旨になりますけれども、支援金制度は、児童手当の拡充等を始め、子育て世帯をしっかりと社会全体で支えていく制度でございます。

 子供、子育て世帯をしっかり支えて少子化の対策を図っていくことによって社会保険制度全体を持続可能なものにしていくということは、我が国の喫緊の大変重要な課題になってございます。

 これをしっかりと手当てをして子育て世帯を支えていくということが、ひいては高齢者の方々も含め社会全体の受益にかなう、このように関係性を整理してございます。

 

○(令和6年3月26日)子ども・子育て支援納付金を医療保険者から徴収することに関する質問主意書(衆議院議員)

 子ども・子育て支援納付金は、健康保険の被保険者が反対給付として徴収されるものではない。したがって、医療保険者が被保険者等から徴収する保険料のうち当該納付に要する費用については憲法八十四条に規定する租税に当たるというべきと考えるが、政府の見解は如何に。

▽上記質問に対する答弁書

 内閣総理大臣 岸田文雄

 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案第二条の規定による改正後の健康保険法第百五十五条第一項の保険料は、「健康保険事業に要する費用に充てるため」、一体として徴収するものであり、当該保険料のうち子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用に係る部分を取り出して憲法第八十四条に規定する租税に当たるか否かを論ずることはできないと考える。

 

○(令和6年4月11日)第213回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会厚生労働委員会連合審査会
▽委員
 社会保険制度の持続可能性を高めるためとか、子育て世帯を支えることがひいては高齢者を含む社会全体の利益になるなんて言い出したら、それこそ何でもありですよ。これでは風が吹けばおけ屋がもうかると同じです。
 例えば、住宅政策だって、防衛政策だって、何でも子育て支援にひっかければ、ひいては社会全体のためになるんだ、だから保険料で出してもいいんだ、こういうことになっちゃうんじゃないですか。大臣、いかがですか。
▽国務大臣

(省略)保険料の反対給付性につきましては、健康保険上の保険給付や各事業等との個別の一対一対応で判断されるものではなく、全体として判断されるものでございます。

 

○(令和6年4月3日)第213回国会 衆議院 厚生労働委員会

▽政府参考人

 支援金は医療保険料と併せて拠出いただくものですが、あくまでも医療保険料とは別物であり、医療給付の対価として徴収されるという位置づけではない、こういう性格がございます。

 

○(令和6年4月5日)緊急声明 「子育て支援金」制度の撤回を求める(制度・規制改革学会)

 少子化対策は医療保険にとっての受益であるというのはもはや屁理屈である。これを認めれば、観光振興も環境対策も健康にプラスの効果を与え、医療保険の受益となるなどもはや何でもありとなる。将来の各種施策の財源確保にも禍根を残す大失策になりかねない

 政府は「実質的な追加負担は生じない」と主張するが、この政策で保険料負担が増える以上、詭弁である

 

○(令和6年2月26日)第213回国会 衆議院 予算委員会

▽委員

 総理の理解では、国民が毎月支払う社会保険料が上がることは国民にとっての実質的な負担ではないということですかと聞いたんです。

 政府のおっしゃっている国民負担が生じないというのはどういう定義かというと、国民に実質的な負担は生じないとは、社会保障に係る国民負担率が上がらないことなんです。国民負担率が上がらないことをもって、実質的な負担は生じないと言っているんですね。

 国民が毎月支払う社会保険料が上がることは国民にとっての実質的な負担ではないと政府も総理もおっしゃっているんです。

▽岸田内閣総理大臣

 今の御質問の中で、国民負担率が上がらないというのが、実質的な負担を生じないという点、これはそのとおりだと思います。

 ただ、保険料が上がる、上がらないの部分については、歳出改革によって社会保険の負担を軽減する、この効果を生じさせると申し上げております。その軽減の範囲内で支援金を創設するということでありますので、一人一人の負担ということを考えた場合に、毎月の支払いが増えるということについては当たらないと思います。

 ただ、もちろん、収入によって、あるいは加入している保険の種類によって具体的な数字の凸凹は当然生じますが、全体として、今申し上げた形で、国民負担率は増えないということを説明させていただいております。

▽委員

 つまり、国民が毎月支払う社会保険料が上がることは国民にとっての実質的な負担ではないと、政府も総理も認識しているんです。まずはこれを確認させていただきたいと思います。

 

○(令和6年2月27日)第213回国会 衆議院 予算委員会第五分科会

▽分科員

 実質負担なしと総理は言うけれども、負担金じゃないですか、実質負担は増えるじゃないですか。給料が上がらない人、給料をもらっていない人、年金受給者とか、実質負担増だけじゃないですか。言い方をごまかすのは、本当にちょっとやめていただいた方がいいと思いますよ。

 

⇒当記事は、上記を含む前回投稿記事の対話体まとめです。

(2024.7.2)

 

 

⇒まず、日本の「税制の基礎」について。

○財務省HP(抜粋要約)

 アメリカの影響下にあった第二次世界大戦後、直接税を中心とする恒久的・安定的な税体系を目指すシャウプ勧告(連合国軍最高司令官の要請により来日したカール・シャウプ博士を中心とする使節団により作成され、昭和24年9月に日本の税制の包括的な改革案として発表された。)に基づいた税制が昭和25年に施行され、現在の我が国の税制の基礎となりました。

 

⇒タイトルについての内容(抜粋要約、時系列)は、つぎのとおりです。

⇒最初に、「保険料」と「保険税」について。

○(昭和24年10月7日)第5回国会 衆議院 厚生委員会

▽説明員

 保険関係のシヤウプの今度の勧告につきまして、勧告の意のある所を申し上げます。これは保険だけの問題でございますが、御承知のように社会保障税という項がございまして、それを見ますと、現在厚生省でとつております保険料と、労働省がとつております保険料があるわけであります。そういうふうに徴収事務が個々にわかれておりますことは非常に不便でございますので、これを大蔵省に委託しまして、一本に徴税官署で、つまり税務署でまとめて源泉課税式にとるべきであるという勧告がございました。

 

○(昭和24年12月23日)第7回国会 衆議院 厚生委員会

▽政府委員

 保險料という形ですと、町村としても税金の方を先に納め、保險料はどうしてもあとになる実情でございますので、実質においては、ほとんど税金と変わらないので、この際これを国民保險税にしたらどうだろうか、こういうような話も進めておるのであります。大体地方財政委員会の方は了承してくれておりまして、今関係方面と折衝しておるようなわけであります。

 

○(昭和25年2月8日)第7回国会 参議院 厚生委員会

▽政府委員

 国民健康保險を税にしたらどうか、これは今までの市町村長の要望でもありますし、各国民健康保險組合の連合会における年来の主張なんであります。そこで国民健康保險税という新らしい税を起すという案を作つて、折角今までうまく行つておつたのでありますが、引かかつて落ちておるような恰好でありまして、善後策を講じております。

 

○(昭和25年2月13日)第7回国会 参議院 地方行政委員会

▽政府委員

 昭和25年度地方予算推計概算額というのによりまして概略御説明を申上げたいと思います。

 それでは歳入の方から申上げますと、地方税でありますが、(省略)119億という数字は、これは国民健康保険税というものを目的税として新らしく起しまして、税収入の中に考えたいということであつたのでございますが、これは司令部との折衝過程におきまして、そのような税を起しますことが困難のようなことになつておりまするので、この数字は御考慮に入れて頂かないでよかろうと思います。

 

○(昭和25年2月14日)第7回国会 参議院 厚生委員会

▽委員

 保險税というものは厚生省としてはおやりになる考えであるのか、その点をもう一度お伺い申上げたいと思います。

▽政府委員

 国民保險の問題は、私共は飽くまで税でやる方がいいというふうに今でも思つておりますけれども、恐らく今度の国会では御審議願えないのじやないか、こういうふうに考えております。

 

○(昭和25年3月28日)第7回国会 参議院 地方行政委員会

▽委員

 最初政府から我々に提示された地方税の改正案の中には、国民健康保険税ということが、目的税の税目の中に加えられておつたんでありますが、何故に政府はそれを削除せられたのであるか。

▽政府委員

 国民健康保険税を設けようとする考のありましたその理由は、一つは昨年から市町村が国民健康保険事業を行うことになつたわけであります。ところがその費用というものを保険料で賄つて行く。保険料という恰好ではなかなか徴収が困難でありますので、いろいろな他の理由もあるわけでありますけれども、予定の収入が得られないために、殆んどの市町村では国民健康保険事業を行いながら、その運営に非常な困難を来たしているわけであります。そこでもう少しこの収入を確実に得て行くようにして行きたいというふうな考えが一つあつたわけであります。もう一つは又国民健康保険料というふうなものが多くの租税と別な姿において存在しながら、而も実費は租税と全く同じである、こういうことでありますと、住民の租税負担を合理化する場合には合理的に把握できない。これが又そういう意味で非常な支障を起しておりますので、やはり税の形は実質に従つて切替えて行くべきであるというふうな考え方もあつたわけであります。ところが半面、国民健康保険税として、国民健康保険事業の費用を賄つて行くとするなら、その国民健康保険税というものは、むしろ市町村税として設けるよりも、国民全体が連帯してその仕事の運営を助くべきである。従つて市町村税としては国民健康保険料の形において徴収することは穏当ではないという考え方があります。或いは又国民健康保険税とされた場合には、国民健康保険料として徴収されるよりも、なかなか強い力を以て住民に臨むような姿になつて参るわけであります。その場合にその市町村が国民健康保険事業をやるかやらないかということが、単にその市町村の議会の多数決によつて決められ、それだけで以て住民全体が、好むと好まざるとに拘らず、国民健康保険税を或る程度の能力において課せられて来るということは穏当ではないのであつて、むしろ国民健康保健税の形において徴収して行こうとするなら、国民健康保険事業を市町村がやるかやらんかということ自体を、自分の議会の議決ではなしに、市町村の住民投票によつて決すべきである。こういうふうな意見もあつたわけであります。そういうまあいろいろな意見がありまして、遂にこの問題を解決するに時間がありませんので、遺憾ながら新しい地方税法案の中に国民健康保険税を採上げることができなくなつたわけであります。

 

○(昭和26年2月2日)第10回国会 参議院 厚生委員会

▽説明員

 国民健康保険法の一部を改正する法律案、これは御承知の、例の国民健康保険税目的税をこしらえるということでございます。御承知のように国民健康保険組合が非常に運営に難澁いたしております大きな原因でありますところのものは、保険料の徴収が困難であることである。その辺のところの救済の措置として目的税をこしらえる。そのための一連の改正でございます。

 

○(昭和26年2月27日)第10回国会 衆議院 地方行政委員会

▽国務大臣

 地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

(省略)改正の第五は、国民健康保険税の創設であります。従来、国民健康保険事業を行う市町村は、保険料を徴収していたのでありますが、この保険料の徴収成績が必ずしも良好でなく、ために国民健康保険財政は、その運営に困難の度を加え、ひいては市町村の一般財政に重大な圧力を加えているのであります。この点にかんがみまして、保健料にかえて国民健康保険税を市町村の目的税として創設し、もつて国民健康保険事業の有します相互扶助の精神の徹底化をはかりますとともに、国民健康保険財政の確立をはかることにいたしたのであります。このことは国民健康保険事業を行う市町村年来の要望でありますし、かつはまた社会保障制度の確立のためにも、大なる貢献をなすべきことが期待されるのであります。この国民健康保険税は、新税ではありますが、従来の保険料にかえて創設されるものでありますがゆえに、住民の負担としては、何ら増減するものではないのであります。

 

○(昭和26年3月8日)第10回国会 衆議院 地方行政委員会

▽政府委員

(地方税法の一部を改正する法律案について)

「国民健康保険を行う市町村は、国民健康保険に要する費用に充てるため、国民健康保険の被保険者である世帯主に対し、国民健康保険税を課することができる。」(省略)課すか課さないかは、当該市町村の選択によつて決まることであります。

 

○(昭和26年3月26日)第10回国会 参議院 地方行政委員会

▽政府委員

 国民健康保険法によつて特別会計を設定しなければならない、こういうことになつて参りますので、従つて目的税たる国民健康保険税によつて得ました財源特別会計としてこれを運用して行くと、こういうことになるわけであります。

 

○(昭和26年3月27日)第10回国会 参議院 地方行政委員会

▽政府委員

 今度の改正案におきましては、保険料を保険税にすることによつて、従来大体7割くらいしか入らないものが大体1割以上はたくさん入るのじやないかという見込を立つております。それによりまして、保険の収入を確保したいというのが狙いでございます。

 

○(昭和26年3月31日)地方税法の一部を改正する法律が成立
 

保険料にあわせて徴収をする老人保健法における拠出金が「保険料」なのか「税金」なのか、などについて。

○(昭和56年10月22日)第95回国会 衆議院 社会労働委員会

▽委員

 税金の中においては生計費に課税をしないという最低課税の原則があるわけです。保険料は受益者負担ですからそれ以下にもかかってくるわけです。パートにも全部かかるわけです。年金生活者にもかかってくるわけだ、頭割りの負担が中心ですから。ですから、これに負担の限界というものがある。負担の不公平というものがある。

 この拠出金というものは保険料であるのか、賦課金であるとすれば一方的な税金に類するものであるのか、どっちであるのか。

▽政府委員

 この老人保健法におきまする拠出金というものを一体どういう性格のものとして考えるかというのはいろいろむずかしい議論があろうかと思いますけれども、老人医療費を国民みんなで公平に分担をしていこう、そのための国民の負担金であり、拠出金である。従来そういった制度はございませんでした。こういった制度の仕組み自体が今までにない仕組みでございますので、この拠出金というものの法的な性格をどう考えるかということについてはまたいろいろ議論があろうかと思いますが、ただ、その拠出金は、従来の保険料と同時にそれにあわせて徴収をする、その一部を老人保健基金に拠出していただく、こういう仕組みをとっております。

 そういったことから考えまして、これまでの保険料と実際上本質的に全く別なものだというふうには私は考えておりません税金ということでもございませんどちらかというと、むしろ従来の保険料に近い性格を持った賦課金ではないかというふうに思っております。

▽委員

 法制局はどう思うか。

(省略)

▽政府委員

(拠出金につきましては)社会保険料的要素のあることは否定できないと思いますけれども、しかしながら、本法によります医療の実施の仕組み全体を考えますと、医療保険各法で現在取っております社会保険料と同一の性格のものである、ここまでは言い切れないだろうということでございます。

▽委員

 それならそれは何ですか。社会保険でもない、同一のものではないと。何ですか。

▽政府委員

 先ほど審議官からもお答えがございましたように、新しい仕組みということでございますので、それに相応した性格のものであろう、こういうことでございます。

▽委員

 そんなものは答弁じゃないですよ。

 委員長に要求します。あんな答弁なんかないですよ。社会保険料のようでもあるがそれではないんだというような答弁があるか。

▽委員長代理

 つけ加えて御答弁はないのですか。信ずるとおりを答弁しなさい。

▽政府委員

 今回の法案で徴収されます保険料、老人保健の拠出金の性格でございますけれども、これを一概に社会保険料であるとかあるいは税金であるとか、こういうふうにきわめて明確にといいますか、割り切るような性格のものではない、こういうふうなことを申し上げたわけであります。

 

○(昭和57年4月27日)第96回国会 参議院 社会労働委員会

▽委員

 昨年、内閣法制局は次のように答弁をしているわけですね。「社会保険料的要素があることは否定できない」と思いますけれども、しかしながら、本法案によります「医療の実施の仕組み全体」を考えますと、医療保険各法で従来取っております社会保険料と同一性格のものである、ここまでは言い切れぬだろうということでございます。こう答弁しているんですね。社会保険料と同一でないものを健康保険各法で徴収すること、このことは法理論的におかしいんではないかと、私はこう考えるんです。

(省略)

▽政府委員

 昨年の10月のときのお尋ねが拠出金についてのお尋ねでございました。拠出金に重点をしぼりましてお答え申し上げたわけでございますが、老人保健法案におきましては、仕組みとして、拠出金と老人保険料と二段階の法律の仕組みをとっておるわけでございます。したがいまして、拠出金につきまして申し上げれば、社会保険の診料報酬支払い基金、これと各保険者との間の公的な債権債務関係である。で、現在のいわゆる現行医療保険各制度の場合には各保険者とその被保険者との間の公的な債権債務者関係である。こういった意味で、拠出金はいまの保険料と法的には全く同一のものとは言い切れない、こういう趣旨で申し上げたわけでございまして、私どもも決してこれが全然無関係のものであるとか、同一でないということを申し上げるつもりはございません

(省略)

▽委員

 新しい制度のこの老人保険料も、憲法八十四条で定める「あらたに租税を課し、又は現行の租税を變更するには、法律又は法律の定める條件によることを必要とする。」、こういう憲法八十四条ですけれども、租税法定主義の広義、広い意味ですね、この租税と理解していいのかどうかですね。この点はどうでしょう。

▽政府委員

 老人保健制度におきます老人保険料、これは憲法八十四条に言う租税ではない。したがって、その規定の直接の適用はない。かように考えておりますけれども、強制的な賦課金であると、こういうことを考えますと、当然租税法定主義の精神にのっとりまして、法律に基づいて必要な定めをする、こういうことは当然であろうかと思います。

(省略)

▽政府委員

 先ほど、租税法定主義の直接の適用はないと申し上げましたけれども、また同時に、租税法定主義の精神にのっとって当然これは進めていくべきものと、かように考えているというふうにお答え申し上げました。その場合の租税法定主義というものの考え方でございますけれども、率あるいは額そのものを法律に規定していくという考え方以外にも、あるいは率、金額、そういうものの算定方法を明定していく、こういうことも許されると一般には解されております。したがって、いま、この法案にございますようないわゆる保険料率の定め方、これも租税法定主義の精神に反するものではないと、かように考えております。

 

○(昭和60年11月28日)第103回国会 衆議院 大蔵委員会地方行政委員会文教委員会農林水産委員会社会労働委員会運輸委員会連合審査会

▽中曽根内閣総理大臣

 税というものに対する感覚と保険金というものに対する感覚が非常に違うわけでございます。私は違うと思うのです。そういう意味において、税と言うと、ややもすると何となしに官僚的な、取られてしまうという印象を持っておる。保険金の場合は、自分に返ってくるものを安全保障のために今出しておくんだ、そういうふうな自助努力的な印象があると思うのです。

▽委員

 老人保健法の問題にいたしましても、保険料の上に拠出金を取るわけですよ。自分が納めた保険料で相互扶助をするという考え方を出て、税金化して拠出金をどんどん取っているんだよ。

 

○(昭和61年9月18日)第107回国会 参議院 本会議

▽議員

 老人医療費の各制度が負担している拠出金に関する改正でありますが、(省略)この案分率改正による被用者側拠出金の増額分は、62年度約4000億円、料率にして千分の五にも相当すると試算され、サラリーマンに対する事実上の増税とも言い得るのであります。

 

○(昭和61年10月30日)第107回国会 衆議院 社会労働委員会

▽委員

 老人保健制度を設けるのはいいとしても、その費用について被用者保険から保険料で出していく、こういう考え方は、一方では税金を減す、だけれども、これが保険料に転嫁されれば、保険料を払うサラリーマンとか事業主は実際に増税になるわけですよ。

 

○(昭和61年11月27日)第107回国会 衆議院 内閣委員会

▽委員

 一方では所得税減税、所得税減税と言いながら、片っ方では拠出金制度を変えて保険料を増やしていく、青天井でふえていく。

 今度の拠出金の取り方というのは、社会保険制度のメリット、自主性、保険料を出した者がお互いに給付を出して支え合っていくというコンビネーションを崩してしまう(省略)実質上の増税であって、「増税なき財政再建」という行政改革の趣旨に全く反するということを、断言して演説をしておりました。

 

○(平成18年3月1日)最高裁判所大法廷(旭川市国民健康保険料賦課処分取消等請求事件)

▽裁判要旨

 1 市町村が行う国民健康保険の保険料については,これに憲法84条の規定が直接に適用されることはないが,同条の趣旨が及ぶと解すべきであるところ,国民健康保険法81条の委任に基づき条例において賦課要件がどの程度明確に定められるべきかは,賦課徴収の強制の度合いのほか,社会保険としての国民健康保険の目的,特質等をも総合考慮して判断する必要がある。

2 旭川市国民健康保険条例が,8条において,国民健康保険の保険料率の算定の基礎となる賦課総額の算定基準を定めた上で,12条3項において,旭川市長に対し,保険料率を同基準に基づいて決定して告示の方式により公示することを委任したことは,国民健康保険法81条に違反せず,憲法84条の趣旨に反しない

3 旭川市長が旭川市国民健康保険条例12条3項の規定に基づき平成6年度から同8年度までの各年度の国民健康保険の保険料率を各年度の賦課期日後に告示したことは,憲法84条の趣旨に反しない

▽裁判官滝井繁男の補足意見。

 保険料は,疾病等という個人の自助では対応することが困難なリスクを集団として引き受けることによって,医療という社会生活において不可欠なサービスを国民が等しく受けることができるように作られた制度の下で,それを維持するためその利益を受ける者にその対価として支払うものとして定められているものである。

 市町村が行う国民健康保険においては,これを税として徴収することが選択的に認められているが,そのことによって保険料として支払われているもののもつ性格自体が変わるものではない

 

⇒「老人保健拠出金が後期高齢者支援金に変わる」との説明について。

○(平成20年3月26日)第169回国会 衆議院 厚生労働委員会

▽委員

 この4月から後期高齢者医療制度がスタートいたします。(省略)後期高齢者医療制度というものが国保の財政、国民健康保険の財政にどのような影響を与えるのか、この点について簡単に説明いただきたいと思います。

▽政府参考人

 まず一つは、老人保健拠出金が後期高齢者支援金に変わるということがございます。この場合、老健拠出金の方は高齢者に係る医療給付費の5割であるのに対しまして、高齢者支援金の方は4割でございますので、拠出額が減少するということがございます。

 

⇒改めて、「保険料」と「税金」について。

○(令和5年3月14日)第211回国会 参議院 財政金融委員会

▽委員

 支払に法的な義務がある税と社会保険料ではどういうふうに異なるのかということについて、どちらも法的には払わなければいけないということでありますが、そのことについて、まず厚生労働政務官、そして財務省に伺いたいと思います。

▽政府参考人

 まず、社会保険料との違いも踏まえて、税の方の性格について御説明申し上げますと、講学上、租税に関しましては、国又は地方公共団体が特別の給付に対する反対給付としてではなく公共サービスを提供するための資金を調達する目的で、法律の定めに基づいて私人に課する金銭給付であるというふうに定義されているものと承知をいたしております。

▽政府参考人

 続きまして、社会保険料についてお答えをさせていただきます。

 社会保険制度は、傷病等のリスクに備えましてあらかじめ保険料を負担することで、保険事故に対して必要な給付を受ける仕組みでございまして、社会保険料につきましてはその拠出と保険給付が対価的な関係にあるというふうに考えてございます。

▽委員

 そういう説明になるんだろうと思います。

 一方で、ちょっといろいろ調べてみたら、国民健康保険料という名目で国民健康保険のお金を徴収する場合と、国民健康保険税という形で徴収する場合がそれぞれの自治体に委ねられているというふうに思いますが、そうした理解でよろしいでしょうか。

▽政府参考人

 市町村が国民健康保険料として徴収するか国民健康保険税として徴収するかにつきましては、市町村の判断により、条例においていずれかを選択することとされております。

▽委員

 そこの中身は、保険に加入している人からするとどっちも国民健康保険に加入しているんですが、取られる名目が税か保険料かで名前が違うというだけかなと思ったら、実は国民健康保険税の方が、税なので先取特権があるとかですね、いろんな面で徴収がしやすいということになっております。

 

○(令和5年11月13日)第212回国会 参議院 行政監視委員会

▽委員

 名目上税金ではないけれど実質税金である負担についての質問です。

 子ども・子育て拠出金は、税という名前は付いておりませんが、国の制度として企業が徴収されているものです。つまり、税金と言って過言ではないと思います。

 このように、名目上税金ではないけれど実質税金である代表例として社会保険料が挙げられます。この社会保険料、アメリカでは給与明細税と呼ばれており、名実共に立派な税金です。なぜ日本では税金ではないのか、国民の皆様にいま一度考えていただきたいと思います。

 直近では、先日、こども政策担当大臣が、少子化対策の財源として、支援金制度を創設する旨を提示しました。このように、これも名前に税と書いておりませんが、実質税金ではないかと思われます。

▽大臣政務官

 講学上、税とは、国又は地方公共団体が、特別の給付に対する反対給付としてではなく公共サービスを提供するための資金を調達する目的で、法律の定めに基づいて私人に課す金銭給付と定義付けられているものと承知しております。

 それに対して、例えば、御指摘のありました子ども・子育て拠出金であれば、特定の事業目的のために連帯して費用を負担し合う仕組みと位置付けられておりまして、税とは性格が異なるものとされていると承知をしております。

 したがって、拠出金や負担金などについては、支払が義務付けられていることをもって税と呼称することは適切ではなく、その在り方は各拠出金などの所管官庁において検討されるべきものと考えております。

▽委員

 北朝鮮は、全ての税金を何とか料、何とか収入金と呼ぶことにして、1974年に税金を廃止したということです。例えば、法人税は国家企業利益金、企業団体利益金など、消費税は取引収入金、サービス料金です。

 

⇒「こども・子育て支援金制度」と、タイトルの「何でもアリ」について。

○(令和5年12月22日)こども未来戦略(閣議決定)

 歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で、2026年度から段階的に 2028年度にかけて支援金制度を構築することとし、2028年度に1.0兆円程度の確保を図る。

 

○(令和6年1月31日)第213回国会 衆議院 本会議

▽内閣総理大臣(岸田文雄君)

 子ども・子育て支援金制度についてお尋ねがありました。

 支援金制度は、歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で構築することにより、全体として実質的な負担が生じないこととしております。

 

○(令和6年2月6日)第213回国会 衆議院 予算委員会

▽岸田内閣総理大臣

 社会保険制度は社会連帯の理念を基盤として共に支え合う仕組みです。支援金は医療保険料と併せて拠出いただくものでありますが、これも、こうした連帯によって、将来を担う子供たちや子育て世帯を全世代、全経済主体で支える仕組みとして検討中であり、支援金は保険料として整理されるものであると考えています。

 

○(令和6年2月26日)第213回国会 衆議院 予算委員会

▽委員

 政府のおっしゃっている、国民に実質的な負担は生じないとは、社会保障に係る国民負担率が上がらないことなんです。国民負担率が上がらないことをもって、実質的な負担は生じないと言っているんですね。

 国民が毎月支払う社会保険料が上がることは国民にとっての実質的な負担ではないと政府も総理もおっしゃっているんです。

▽岸田内閣総理大臣

 今の御質問の中で、国民負担率が上がらないというのが、実質的な負担を生じないという点、これはそのとおりだと思います。

 ただ、保険料が上がる、上がらないの部分については、歳出改革によって社会保険の負担を軽減する、この効果を生じさせると申し上げております。その軽減の範囲内で支援金を創設するということでありますので、一人一人の負担ということを考えた場合に、毎月の支払いが増えるということについては当たらないと思います。

 ただ、もちろん、収入によって、あるいは加入している保険の種類によって具体的な数字の凸凹は当然生じますが、全体として、今申し上げた形で、国民負担率は増えないということを説明させていただいております。

▽委員

 つまり、国民が毎月支払う社会保険料が上がることは国民にとっての実質的な負担ではないと、政府も総理も認識しているんです。まずはこれを確認させていただきたいと思います。

 

○(令和6年2月27日)第213回国会 衆議院 予算委員会第五分科会

▽分科員

 実質負担なしと総理は言うけれども、負担金じゃないですか、実質負担は増えるじゃないですか。給料が上がらない人、給料をもらっていない人、年金受給者とか、実質負担増だけじゃないですか。言い方をごまかすのは、本当にちょっとやめていただいた方がいいと思いますよ。

(省略)

▽国務大臣

 健康保険制度の中では、疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関する給付を中心としつつも、国民の生活の安定と福祉の向上を目的として、予防的かつ広範な事業も含んでおりまして、後期高齢者支援金や出産一時支援金など、世代を超えた支え合いの仕組みが組み込まれております。

 このため、将来の健康保険制度の担い手の育成を支援をして、健康保険制度の持続可能性を確保するという観点から、今般、子供、子育て支援金に関わる料率の設定をして、その支援金の徴収は制度の目的の範囲の中であるというふうに私どもは考えております。

 今後とも、社会保険料については、各社会保険制度の目的に沿った形で、それぞれ制度において徴収されるものでございまして、この考え方にのっとって、引き続き適切に対応していきたいと思います。

▽分科員

 今、驚くべき答弁ですよ、厚生労働大臣。そんなことを言っていたら、何でも流用できちゃうじゃないですか。今のロジックでいったら、年金保険料だって将来の年金の払い手を確保するためにとか、雇用保険だって言えちゃいますよ。今のようなロジックでやるんだったら、全部流用できちゃいますよ

 今後、同じような形で、健康保険のみならず、年金保険、介護保険、雇用保険、こういった保険も今のような形で、それぞれ、年金の担い手、雇用の担い手、介護のまさに支え手、こういった方々を確保するためには流用することはあり得るんですか

▽国務大臣

 私は今、今後のことを申しているわけではなくて、この支援金というものの性格について申し上げているわけであります。

 したがって、今後のことについては、将来どういう形のものが改めて検討されるか、今ここの場で申し上げることはできないと思います。

 

○(令和6年2月29日)第213回国会 衆議院 予算委員会公聴会

▽公述人

 支援金制度を導入しても国民負担率は上がらないというのは何事ですかということで、これは詭弁としか言いようがないですね。

 私は別に、負担が上がることはいいと思うんですね。ちゃんとした制度をつくるのであれば、負担をお願いしますというのはありだと思うんですが、上がらないという説明をされると、これは何か非常に不誠実極まりないというか。

 まず、首相がそういうことを言った理由としては、賃金が上がります、それから歳出削減しますということなんですが、賃金上昇というのは支援金と関係ないですね。賃金上昇は賃金上昇でそれは結構なので、支援金と合わせる必要はないわけでございまして、賃金上昇で支援金の負担がないと言うんだったら、国防費増もウクライナの支援も何でもありになってしまいますので、これは関係ないということを言わなきゃいけません。

(省略)それから、医療保険に上乗せという制度なんですが、これは我が国が社会保障を営々と築いてきたこの社会保険制度という仕組みをぶち壊そうというようなそういう制度で、本当にこれでいいのか考え直した方がいいというのが私の意見でございます。

 言わずもがなですけれども、社会保険というのは目的を定めてあるわけですね。医療なら医療、介護なら介護と定めていて、そこで必要な受益に対する負担があるから取りますと、受益と負担がリンクしているというのが原則でございます。余分なことをやろうと思うと負担が上がるから、それはちょっと待ってくれとか、緊張感が働く。財政を健全化するためには、目的があって、そのために費用を取るんだというのがリンクしているのが、非常にそこがキーである制度なんですが、そこに全く違う子育て支援みたいなものを入れるということは、社会保険の受益と負担のリンクを外すということだけじゃなくて、そこにいろいろなし崩しになる、経営の健全化という観点から、何か根本の制度をぶち壊しかねない制度であるということですね。

 

○(令和6年3月6日)第213回国会 参議院 予算委員会

▽内閣総理大臣(岸田文雄君)

 この医療保険料そのものを別に使ったならば、これは流用ということなんでしょう。しかし、先ほどから申し上げておりますように、この医療保険とは、これ支援金、これは全く別のものであり、併せて徴収するということであって、医療保険料を流用するというものではない、これはしっかり確認しておかなければなりません。

 

○(令和6年3月8日)子ども・子育て支援金と租税の関係に関する質問主意書(衆議院議員)

 国民健康保険料賦課処分取消等請求事件における、平成18年3月1日最高裁判決では、以下のとおり判示されている。

「国又は地方公共団体が、課税権に基づき、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてでなく、一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法84条に規定する租税に当たるというべきである。」

 これを踏まえ、今国会に提出されている「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」において創設が検討されている「子ども・子育て支援金」租税ではないのか。最高裁判決との関係を明確にした上で答弁ありたい。

▽上記質問に対する答弁書

 内閣総理大臣 岸田文雄

 子ども・子育て支援法に規定する子ども・子育て支援納付金は健康保険者等から、同法第七十一条の三第一項各号に掲げる費用に充てるため徴収するものであり、当該健康保険者等は子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用を含む健康保険の事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収するものである。

 平成18年3月1日最高裁判所大法廷判決においては、国民健康保険の保険料について、「憲法84条の規定が直接に適用されることはないというべきである」と判示されている

 

○第213回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会(令和6年3月26日)

▽国務大臣

 給付と負担の関係性ということでありますが、支援金制度のそもそもの趣旨になりますけれども、支援金制度は、児童手当の拡充等を始め、子育て世帯をしっかりと社会全体で支えていく制度でございます。

 子供、子育て世帯をしっかり支えて少子化の対策を図っていくことによって社会保険制度全体を持続可能なものにしていくということは、我が国の喫緊の大変重要な課題になってございます。

 これをしっかりと手当てをして子育て世帯を支えていくということが、ひいては高齢者の方々も含め社会全体の受益にかなう、このように関係性を整理してございます。

▽委員

 今の御答弁をある意味しんしゃくして読み取ると、健康保険制度の持続可能性のためだとか、少子化対策が何とか解決されて人口減少が解決されてとかということをおっしゃっているんだと思いますけれども、余りに遠いですよ、その関係は。普通は直接の給付でしょう。直接の給付との関係ですよ。それが、今回の話ですと、すごくその関係性が遠いんですよ。

 そんなことを言ったら、じゃ、賃金を上げるために何かいろいろなことを出したら、全て回り回って全部これは何かプラスなんだと言って、それを受益なんだと言ったら、もう何でもありになっちゃいますよ。

(省略)

▽委員

 子ども・子育て支援金を充当する事業というのは健康保険事業なんでしょうか。健康保険法の第百五十五条を見ますと、健康保険事業に要する費用として保険料を徴収するというのが定められているんですね。つまり、保険料として徴収をされたお金というのは基本的に健康保険事業に使わなければいけないという法のたてつけになっていますが、子ども・子育て支援金は健康保険事業なのか、教えてください。

▽政府参考人

 まず、結論的に申し上げまして、この支援金を充てる事業というものは、概念上、健康保険事業の範疇に含まれるものと考えております。

 御指摘のとおり、現在、健康保険法第百五十五条におきましては、「健康保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収する。」というふうに書いてございます。この中で、健康保険事業に要する費用は、幾つか、介護納付金ですとか、後期高齢者支援金ですとか、そういったものが含まれるというふうに書いてございます。

 今回、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案におきまして、健康保険法を改正させていただきます。この改正部分におきまして、今申し上げましたような介護納付金等々と同様に、この健康保険事業に要する費用の中に、子ども・子育て支援納付金に要する、支援金の納付に要する費用、これを含ませる改正案を入れてございます。

▽委員

 続いて、ちょっと角度を変えて大臣にもお伺いしたいと思います。

 これは、百五十五条ではなくて、健康保険法の第一条。この第一条の中では、この健康保険法という法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行うものだというふうに書いてあるんですね。

 今回、この第一条は改正される予定がありません。ということは、つまり、子ども・子育て支援金というのは、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行うためのものなんだということになるわけですけれども、その理解でいいんでしょうか。

▽国務大臣

 委員の御指摘は、支援金制度が健康保険法の目的の範囲内であるかとのお尋ねと理解をいたしますが、健康保険法の目的には、先ほど委員が挙げられた文言の後に、「もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」という文言があるのですが、健康保険法の目的には国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することが含まれていることや、支援金制度は、将来の健康保険制度の担い手の育成を支援し、健康保険制度の持続可能性を高めるという観点から、同法の目的の範囲内であると考えております。(発言する者あり)

▽委員

 今、無理があるんじゃないかという声も出ましたが、今大臣が答弁された第一条の前段には、業務災害以外の疾病、負傷、死亡、出産に関する保険給付を行うということ、そして、それをもって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的としているということで、これは前段が手段後半は目的なんですね。

 ですから、手段の部分を変えずに、目的に合致しているからいいんだということにしてしまうと、では、条文の前半部分が何でもいいということになってしまうので、それはちょっと法律の拡大解釈なのではないかなというふうに思うわけです。

 ですから、私としては、第一条も併せて改正しないとおかしいんじゃないかと。具体的に申し上げれば、現状、業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産。これに加えて、子育てに関する記述を追記をしないと、健康保険法第一条の手段を規定している部分、子育てに対する保険給付を行うというふうに書いておかないと、法律の条文に書いてあるものが形骸化してしまって、何でもありというふうになってしまいかねない懸念があるんですが、そういう改正をすべきではないでしょうか。

▽国務大臣

 支援金制度は、社会連帯の理念を基盤に、子供や子育て世帯を少子化対策で受益がある全世代、全経済主体で支える仕組み、これは繰り返し申し上げてございます。

 そして、現行の医療保険制度におきましても、病気やけがに限らず、出産や死亡に関する給付など幅広い給付のほか、保険給付ではない疾病予防等の広範な事業、これが行われておりまして、またさらに、後期高齢者支援金など世代を超えた支え合いの仕組みが組み込まれているなど、給付と負担の関係は様々であると承知をしております。

 さらに、少子化、人口減少に歯止めをかけることは、将来の健康保険制度の担い手の育成を支援し、その持続可能性の確保に資するものであることから、支援金は健康保険法の目的の範囲内であり、改正は不要であると考えております。

 

○(令和6年3月26日)子ども・子育て支援納付金を医療保険者から徴収することに関する質問主意書(衆議院議員)

一 健康保険法は、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行うもの(同法第一条)であり、給付の内容及び費用の負担の適正化並びに国民が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない(同法第二条)と規定しているところ、医療保険者から子ども・子育て支援納付金を徴収することは健康保険法の立法目的と異なると考えるが、政府の見解は如何に。

二 国民健康保険料賦課処分取消等請求事件に係る平成十八年三月一日最高裁判所大法廷判決においては、「国又は地方公共団体が、課税権に基づき、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてでなく、一定の要件に該当するすべての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法八十四条に規定する租税に当たるというべきである」と判示しつつも、当該事件における国民健康保険の保険料について、「憲法八十四条の規定が直接に適用されることはないというべきである」と判示したのは、「被保険者において保険給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるものである」との理由である。一方で、子ども・子育て支援納付金は、健康保険の被保険者が反対給付として徴収されるものではない。したがって、医療保険者が被保険者等から徴収する保険料のうち当該納付に要する費用については憲法八十四条に規定する租税に当たるというべきと考えるが、政府の見解は如何に。

▽上記質問に対する答弁書

 内閣総理大臣 岸田文雄

一について

 健康保険制度は、健康保険法第五十二条等に規定する保険給付のほか、被保険者等の健康の保持増進のために必要な事業その他の法律の規定に基づく事業を行うことにより、健康保険法第一条等に規定する目的を達成しようとするものである。

二について

 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案第二条の規定による改正後の健康保険法第百五十五条第一項の保険料は、「健康保険事業に要する費用に充てるため」、一体として徴収するものであり、当該保険料のうち子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用に係る部分を取り出して憲法第八十四条に規定する租税に当たるか否かを論ずることはできないと考える。

 

○(令和6年4月3日)第213回国会 衆議院 厚生労働委員会

▽政府参考人

 子ども・子育て支援金につきましては、医療保険制度における保険料として各保険者が賦課徴収するものでございますけれども、他の社会保険制度に比べて賦課対象が広いからという理由で医療保険の賦課徴収ルートを活用するとした経緯がございます。
 それから、支援金は医療保険料と併せて拠出いただくものですが、あくまでも医療保険料とは別物であり、医療給付の対価として徴収されるという位置づけではない、こういう性格がございます。
 

○(令和6年4月3日)第213回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会

▽委員

 社会保険制度というのは、まさに給付と負担、受益と負担の対応関係が明確だからつくってきているわけです。だから、あのような負担構造で上限もある。ある程度逆進性が強いといろいろ批判されている。そのとおりですよ、逆進性が高いわけです。なぜ逆進性が高い負担構造が許容されてきたかというと、受益が明確だからですよ。

 でも、今あったように、少子化対策は受益が明確じゃないんです。受益が明確じゃないのに、なぜ、このような社会保険料という形でその財源を確保することが正当化されるのか。やはりそこは拙速ではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

▽国務大臣

 まさに、我が国は今危機的な状況にあるということだと考えております。その危機的な状況にある少子化に対して、加速化プランを決定し、速やかに実行することこそが必要であり、その際、制度が安定的に維持される枠組みを構築する、そのことが、これから結婚、出産を考える若い世代が将来のライフプランを考える上で重要であると考えております。

 したがって、昨日総理からもお答えしたとおり、拙速であるというふうには考えておりません。

▽委員

 昨日、大臣に再三これは本会議場で聞きました。今あったように、とにかく、支援金について、受益と拠出との対応関係が不明確という御指摘は当たらない、拙速ではない、結論は総理は明確におっしゃいます。理由は書いていないんですよ。

 だから、もし少子化対策に社会保険料を使えるというんだったら、(産業政策も社会保障の枠内だとして)熊本の半導体工場にだって使えますよ。それぐらい、受益と負担の関係、受益が本当にあるのかということは分からないと私は思うわけです。

 

○(令和6年4月5日)緊急声明 「子育て支援金」制度の撤回を求める(制度・規制改革学会)

 政府は、少子化対策の財源として「子育て支援金」の新設を提案し、今国会に関連法案を提出した。健康保険料に上乗せして国民と産業界から徴収するとの案だが、根本的な欠陥がある

▽健康保険から取ることは根本的に間違い

・そもそも健康保険は、疾病のリスクに備える社会保険である。少子化対策への流用は、その本来の目的から外れる。

・何ら合理的理由がないにもかかわらず、こうした提案がなされるのは、「取りやすいところから取る」ということにほかならない。

・少子化対策は医療保険にとっての受益であるというのはもはや屁理屈である。これを認めれば、観光振興も環境対策も健康にプラスの効果を与え、医療保険の受益となるなどもはや何でもありとなる。将来の各種施策の財源確保にも禍根を残す大失策になりかねない

▽負担は生じる

・政府は「実質的な追加負担は生じない」と主張するが、この政策で保険料負担が増える以上、詭弁である

・上乗せ分は世代一律ではなく、現役世代に偏って負担が増す。高齢世代の負担がわずかであることは不公平であり、かつ、子どもを産み育てる世代の支援という少子化対策と逆行する。

 

○(令和6年4月9日)第213回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
▽参考人
 本当は子ども・子育て支援金というのは税ですよ、税だけれども、社会保険料だと言い繕う、そして、家計と企業に負担が生じるけれども、実質的な負担はないと言う全てが詭弁になってくるわけです。

 

○(令和6年4月11日)第213回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会厚生労働委員会連合審査会
▽委員
 社会保険制度の持続可能性を高めるためとか、子育て世帯を支えることがひいては高齢者を含む社会全体の利益になるなんて言い出したら、それこそ何でもありですよ。これでは風が吹けばおけ屋がもうかると同じです。
 例えば、住宅政策だって、防衛政策だって、何でも子育て支援にひっかければ、ひいては社会全体のためになるんだ、だから保険料で出してもいいんだ、こういうことになっちゃうんじゃないですか。大臣、いかがですか。
▽国務大臣

 現行の医療保険制度におきましては、保険料が充てられている費用として、子育てを終えた方は支給の対象とならない出産育児一時金や保険給付に該当しない保健事業があるほか、後期高齢者支援金や出産育児支援金はそれぞれ、それによる直接的な給付のない現役世代、後期高齢者の保険料を充ててございますし、また、介護納付金は、社会連帯等の観点から、医療保険とは異なる制度への拠出に充てているところでありまして、給付と負担の関係は様々、今、現時点でも様々あります。
 平成十八年の最高裁判決におきましては、保険料が出産育児一時金や後期高齢者支援金の前身である老人保健拠出金にも充てられていた中で、国民健康保険の保険料全体について反対給付性があるとして、憲法第八十四条の直接的な適用はない、つまり、税ではないと判示されているものと承知をしてございます。
 したがいまして、保険料の反対給付性につきましては、健康保険上の保険給付や各事業等との個別の一対一対応で判断されるものではなく、全体として判断されるものでございます。
▽委員

 さっきも言いましたけれども、ひいては社会全体の利益になるなんて言ったら、何でもありになっちゃうんですよ。
 

○(令和6年4月16日)第213回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会

▽政府参考人

 子育てに対して社会保険の活用をするということはこれまでしておりませんでした。したがって、今回は新しい提案でございます。

 

○(令和6年6月5日)「支援金制度」 子ども・子育て支援法などの改正法 成立(NHK)
 子ども・子育て支援法などの改正法が、参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。

 

 

 以上です。

(2023.4.14)

 

 

⇒つぎのように報じられていました。

○旧優生保護法訴訟1審判決と逆に 国に賠償命じる判決 大阪高裁(2023年3月23日)NHK(抜粋要約)

 旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたとして、兵庫県の5人が国に賠償を求めた裁判で、2審の大阪高等裁判所は、訴えを退けた1審判決とは逆に、国に賠償を命じました。一連の裁判で国の賠償責任を認めた判決は、7件目です。

 いずれも聴覚障害のある2組の夫婦と、先天性の脳性まひが原因で体に障害のある女性1人の合わせて5人は、昭和30年代から40年代にかけて旧優生保護法に基づく不妊手術を強制され、子どもを産み育てる権利を奪われたなどとして、国に賠償を求める訴えを起こしました。

 おととし、1審の神戸地方裁判所は、旧優生保護法を憲法違反としつつも、不妊手術から20年を過ぎての提訴に「賠償請求できる権利は消滅している」として訴えを退け、原告が控訴していました。

 23日の2審の判決で、大阪高等裁判所の裁判長は、旧優生保護法について「特定の障害や疾患のある人を『不良』とみなし、生殖機能を回復不可能にする手術によって子どもを産み育てる意思決定の機会を奪うもので、極めて非人道的だ」として、明らかに憲法違反だと指摘しました。

 そのうえで、国が差別や偏見を助長したなどとして「賠償を求める権利が消滅する『除斥期間』の適用は制限すべきだ」とする判断を示して、1審とは逆に夫婦2組と女性1人に、それぞれ1650万円、合わせて4950万円を支払うよう国に命じました。

 原告弁護団の団長を務める弁護士は「被害は手術を受けた人だけではない。国は障害を持った人が負い目を持って生きる社会をつくってきた。優生保護の問題は終わっていない」と訴えていました。

 去年2月、大阪高裁が、旧優生保護法を憲法に違反すると判断した上で、国に賠償を命じる初めての判決を言い渡しました。

 判決では、「国が障害者に対する差別・偏見を正当化し、助長してきたとみられる」と指摘し、原告たちが長年、裁判を起こすのが困難な環境に置かれていたとして「除斥期間の適用をそのまま認めることは著しく正義・公平の理念に反する」と判断しました。

 これ以降、国に賠償を命じる司法判断が、今月16日の札幌高裁など全国で相次ぎ今回で7件目となり、2審の高裁段階ではすべて訴えを認めています。

 いずれの判決も国の救済策の手術を受けた人に対して支給される一時金320万円を大きく上回る額の賠償を命じていて、救済制度の見直しを求める声が高まることも予想されます。

 

 

⇒「優生保護法」について、つぎの国会議事録があります。

○第198回国会 衆議院 文部科学委員会(令和元年5月31日)より抜粋要約

▽委員

 5月28日に憲法違反だと仙台地裁に認定をされた旧優生保護法、これは議員立法として成立をしているんです。全会一致で成立している、誰も異論を唱えなかった。

 時代の空気というのは恐ろしいなと思うのは、この議員立法を主導したお二人が「優生保護法解説」というコンメンタールを書いていらっしゃって、この中で、「従来唱えられた産児制限は、優秀者の家庭に於ては容易に理解実行せらるるも、子孫の教養等については凡そ無関心な劣悪者即ち低脳者低格者のそれに於てはこれを用いることをしないから、その結果は、前者の子孫が逓減するに反して、後者のそれは益々増加の一途を辿り、恰も放置された田畑に於ける作物雑草との関係の如くなり、国民全体として観るときは、素質の低下即ち民族の逆淘汰を来すこと火を睹るより明らかである。」、国民を優秀者と劣悪者に分けるという恐るべき差別と偏見の思想がこのコンメンタールの中にいっぱい書いてあるんですよ。

 

 

⇒「優生保護法」について、つぎの判例(抜粋要約)があります。

○大阪高等裁判所(令和4年2月22日)損害賠償請求控訴事件

▽当裁判所の判断

 旧優生保護法4条ないし13条の立法目的は、専ら優生上の見地から不良の子孫の出生を防止するというもの(同法1条)であるが、これは特定の障害ないし疾患を有する者を一律に「不良」であると断定するものであり、それ自体非人道的かつ差別的であって、個人の尊重という日本国憲法の基本理念に照らし是認できないものといわざるを得ない。本件各規定は、このように立法目的の合理性を欠いている上、手段の合理性をも欠いており、特定の障害等を有する者に対して優生手術を受けることを強制するもので、子を産み育てるか否かについて意思決定をする自由及び意思に反して身体への侵襲を受けない自由を明らかに侵害するとともに、特定の障害等を有する者に対して合理的な根拠のない差別的取扱いをするものであるから、公共の福祉による制約として正当化できるものではなく、明らかに憲法13条、14条1項に反して違憲である。

 

 

○大阪地方裁判所(令和4年9月22日)損害賠償請求事件(抜粋要約)

▽当裁判所の判断

<認定事実>

 旧優生保護法は、昭和23年7月13日、成立した。

 旧優生保護法は、戦後の食糧不足の状況の中、国会に提出されて審議された法案で、立案者の一人が、提案の理由について、「対策として考えらるることは産児制限問題であります。併しこれは余程注意せんと、子供の将来を考えるような比較的優秀な階級の人々が普通産児制限を行い、無自覚者や低脳者などはこれを行わんために、国民素質の低下すなわち民族の逆淘汰が現れてくるおそれがあります。」、「先天性の遺伝病者の出生を抑制することが、国民の急速なる増加を防ぐ上からも、また民族の逆淘汰を防止する点からいっても、極めて必要であると思いますので、ここに優生保護法案を提出した次第であります。」などと説明していた。

 昭和45年当時の高等学校用の保健体育の教科書には、国民優生の意義について説明する部分があり、その中で、「劣悪な遺伝素質をもっている人びとに対しては、できるかぎり受胎調節をすすめ、必要な場合は、優生保護法により、受胎・出産を制限することができる。また、国民優生思想の普及により、人びとがすすんで国民優生政策に協力し、劣悪な遺伝病を防ぐことがのぞましい。」との記載がされている。

 昭和47年当時の高等学校用の保健体育の教科書にも、国民優生の意義についての説明の中で、「劣悪な遺伝は社会生活を乱し、国民の健康の水準を低下させる。」、「劣悪な遺伝を除去し、健全な社会を築くために優生保護法があり」、「国民優生の目標は、国民の資質向上を図ることで、母体の健康および経済的保護と、不良な子孫の出生を予防するという二つの目的が含まれる。第1の目的は、家族計画により達成される。第2の目的は、国民優生本来のもので、精神分裂症、躁鬱病、先天性白内障、全色盲、血友病、遺伝性奇形などの悪質な遺伝性疾病が子孫にあらわれるのを予防するために、優生保護法により、優生手術や人工妊娠中絶を行ないうることとなった」、「すぐれた才能の人が正しい結婚によって優秀な子孫をもうけた例は少なくない。逆に、悪質の遺伝によって精神病者や犯罪者を出した例もある。」、「国民優生においては、とくに悪質な遺伝性疾患が伝えられることを防止することが重要とされている。遺伝性疾患のなかでも、精神分裂症や躁うつ病などの精神病・精神病質・精神薄弱などはその影響が大きい。遺伝性の身体疾患としては、色盲・血友病・先天性ろうあ・多指症・小頭症などがある。アルコール中毒も劣悪な子供を出生させるのでとくに注意しなければならない。」、「優生結婚の立場からは自らの家系の遺伝病患者の有無を確かめるとともに、相手の家系についてもこのことをよく確かめることが先決問題である。」などの記載がされている。

 知的障害者の支援団体の当時の機関紙「手をつなぐ」においても、昭和31年から昭和46年にかけて、複数回にわたり、知的障害者の出産を認めず、知的障害者同士の結婚について不妊手術を条件とする学識者による記事や「不幸な子どもを産まない運動」を肯定的に取り上げた当時の厚生省の技官による記事等が掲載されていた。

 婦人生活社が昭和47年2月に発行した大衆雑誌「婦人生活」に掲載された国立遺伝研究所人類遺伝部長による「結婚生活と遺伝」と題する記事中には、「一人の異常児はその子や家族の不幸だけでなく、社会全体の負担になることも考えれば、私たちは良識をもって、少しでもこの不幸を少なくする義務があります」、「悪性遺伝を防ぐためには、配偶者を選ぶ段階で充分に注意してほしいのです」等の記述がある。

 優生保護法の一部を改正する法律は、平成8年6月18日に成立した。

 上記改正法の法案審議に際しては、立案者の一人が「本案は、現行の優生保護法の目的その他の規定のうち不良な子孫の出生を防止するという優生思想に基づく部分が障害者に対する差別となっていること等にかんがみ、所要の規定を整備しようとするもの」などと説明した。

<争点>

(旧優生保護法4条ないし13条の違憲性について)

 子を産み育てるか否かは、個人の生き方や身体の健康、家族としての在り方のみならず、生命の根源にも関わる個人の尊厳に直結する事項である。したがって、子を産み育てるか否かについて意思決定をする自由は、個人の人格的な生存に不可欠なものとして、私生活上の自由の中でも特に保障される権利の一つというべきであり、幸福追求権ないし人格権の一内容を構成する権利として憲法13条に基づいて保障されるというべきである。

 また、人がその意思に反して身体への侵襲を受けない自由もまた個人の人格的生存に不可欠な利益であることは明らかであり、人格権の一内容を構成する権利として憲法13条によって保障されているというべきである。

(立法不作為の違法性について)

 日本国憲法は、個人の尊重を基本理念として、特定の障害ないし疾患を有する者も人は平等に取り扱われることを明らかにしているものであり、被告は、その趣旨を踏まえた施策を推進していくべき地位にあったにもかかわらず、前記認定事実のとおり、非人道的な優生手術を制度化して、優生思想に基づく優生政策を積極的に推進し、これによって、高等学校で用いられる教科書や大衆雑誌にも優生思想や優生政策を推奨する記事が掲載されるなど、広く優生思想及び優生政策の正当性を国民に認識させる状況を作出したことが認められる。

 そうすると、国家によるこのような立法及びこれに基づく施策が、広く国民に対し、旧優生保護法の規定の法的効果をも超えた社会的・心理的影響を与え、同法の優生手術の対象となった障害ないし疾患につき、かねてからあった差別・偏見を正当化・固定化した上、これを相当に助長してきたものとみるのが相当である。

 

 

○静岡地方裁判所(令和5年2月24日)旧優生保護法被害損害賠償請求事件(抜粋要約)

▽当裁判所の判断

<認定事実>

(優生保護法4条に基づく優生手術の実施が推進されていたこと)

 厚生事務次官は、昭和28年6月12日付け厚生省発衛第150号において、優生保護法4条に基づく優生手術について、「本人の意見に反してもこれを行うことができる」、「許される強制の方法は、手術に当って必要な最小限度のものでなければならないので、なるべく有形力の行使はつつしまなければならないが、それぞれの具体的な場合に応じては、真にやむを得ない限度において身体の拘束麻酔薬施用又は欺罔(欺くこと、騙すこと)等の手段を用いることも許される場合があると解しても差し支えない」という内容を含む通知を発出した。

 厚生省は、昭和32年4月、各都道府県に対し、優生保護法に基づく優生手術の実施件数を増やすように求める通知を発出した。

(優生保護法の改正及びその後の動向について)

 優生保護法について、平成8年6月18日、同法の一部を改正する法律が成立し、優生保護法1条などの「不良な子孫の出生を防止する」といういわゆる優生思想に基づく部分が障害者に対する差別となっていること等に鑑み、法律の題名につき「優生保護法」を「母体保護法」、法律中の「優生手術」を「不妊手術」に改め、遺伝性疾患等の防止の優生手術及び精神病者等に対する本人の同意によらない優生手術に関する規定を削除するなどの改正がされた。

 平成8年改正では、優生保護法に基づく優生手術が違憲であることについて言及はなく、優生手術による被害の実態調査や被害者に対する通知など被害救済に関する措置は行われていない。

 一時金支給法は、平成31年4月24日、議員立法により成立し、同日、公布、施行された。

 一時金支給法は、昭和23年9月11日から平成8年9月25日までの間に施行された優生保護法について、前文において、同法に基づき、あるいは同法の存在を背景として、多くの人々が優生手術等を強いられ、心身に多大な苦痛を受けたことについて、真摯に反省し、心から深くおわびをして、国がこの問題に誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、一時金支給法を制定したことをうたい、優生保護法に基づく優生手術等を受けた者等の請求に基づき一時金の支給をすること、同請求は、施行日(平成31年4月24日)から起算して5年を経過したときはすることができないこと、国は、優生保護法に基づく優生手術等に関する調査その他の措置を講じ、また、国は、一時金支給法の趣旨及び内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解を得るよう努めることなどを規定している。

 

 

⇒「優生保護法」について、つぎの日本弁護士連合会の決議提案理由(抜粋要約)があります。

○旧優生保護法下において実施された優生手術等に関する全面的な被害回復の措置を求める決議(2022年9月30日)日本弁護士連合会

▽提案理由

 旧優生保護法では、遺伝性疾患、ハンセン病、精神障害がある人等に対して、手術を受ける本人の同意がなくとも、審査によって強制的に優生手術等を実施することができると規定されていた。さらには、優生手術等の実施に当たり、必要があれば、身体の拘束麻酔薬の使用欺罔等の手段を用いることも許容されていた。

 旧優生保護法では、本人を麻酔で眠らせたり、病気で手術を行うのだと騙したりして、優生手術等を行うことが可能であったため、多くの被害者に対して、十分な説明がされることなく優生手術等が実施された。

 厚生労働省の把握する統計によれば、優生手術の被害者は約2万5000人、人工妊娠中絶の被害者は約5万9000人であり、合計約8万4000人の被害者がいるとされている。

 旧優生保護法は、制定から改正までの48年の間に、多数の被害者を生んだだけでなく、優生政策の推進により、教科書等に「劣悪な遺伝を除去し、健全な社会を築くために優生保護法がある」等の旧優生保護法を肯定する内容の記載がなされ、学校教育の現場にも優生思想を広めた。

 旧優生保護法によってもたらされた優生思想に基づく差別・偏見は、同法が改正された後も、社会に深く根を張っている

 今もなお、障害のある人等に対して、障害を理由として結婚を認めない、周囲からの圧力により出産を妨げる、人工妊娠中絶の勧奨ないし強要(医師からの勧奨を含む。)を行うなどの事例が報告されている。

 

 

⇒ここから、「産児制限」と少子化について。

〇国立社会保障・人口問題研究所HPより抜粋要約

1.過剰人口問題から静止人口論へ

 戦後まもないわが国では、第1次ベビーブームにともない出生数が急増した。これは人口収容能力を超える過剰人口問題として認識され、産児制限と海外移住の両面から政策的対応が行われた。産児制限についてその後の経過を記すと、1948年には優生保護法が成立・施行され、翌1949年には「経済的理由」による中絶を容認する規定が追加された。これを受けて避妊方法の普及を含む受胎調整運動が強力に推進されると、1950年代には合計特殊出生率(1人の女性が生涯に平均して産む子ども数の推計値)が4人台から2人台へと急落した。

2.出生力の低下と少子化対策論

 出生力低下によって21世紀において人口減少社会が到来することが予測されると、人口問題は産業および社会保障制度の持続可能性との関連で論じられるとともに、出生力の回復を促す方向での本格的な政策的対応が要請されるようになった。

 1997年に人口問題審議会は、原理的な問題「少子化・人口減少は悪いことか?/少子化・人口減少に対して公的な施策を講じるべきか?/少子化・人口減少対策に本当に効果はあるのか?」に立ち返って、少子化の要因とその背景、少子化がもたらす人口減少社会への対応のあり方等についての様々な論点や考え方を整理し、国民の選択を促した。

 それによれば、未婚率の上昇(晩婚化の進行と生涯未婚率の上昇)が少子化の主たる要因であり、少子化は経済・社会面に概ねマイナスの影響をもたらすとした上で、少子化の影響のみならず少子化の要因にも政策的対応を行うべきであるとした。

 

⇒1997年、上記の人口問題審議会によると、少子化の主たる要因を、未婚率の上昇としています。

⇒なお、人口動態の変化の一般論としては、つぎの「人口転換理論」があります。

〇H14国土交通白書(抜粋要約)

 人口動態の変化は、経済社会の発展に伴い、多産多死から多産少死を経て、やがて少産少死に至る過程を示す。このような3段階からなる人口変動のパターンは、人口転換理論と呼ばれている。

 

〇平成16年版少子化社会白書(抜粋要約)

▽人口転換理論(コラム)

 18世紀以降の欧米諸国では、経済発展により死亡率が低下し、19世紀後半からは出生率も低下し始め、1930年代には出生率、死亡率ともに低い社会が実現した。このようなプロセスを説明する理論として「人口転換理論」が登場した。現在では、様々な研究や議論があるが、伝統的に説明されている理論を簡単にまとめると、人口増加のペースは、経済社会の発展に伴い、「多産多死」(高出生・高死亡)から「多産少死」(高出生・低死亡)を経て、やがて「少産少死」(低出生・低死亡)に至るというものである。その背景をまとめると次のようになる。

 まず、工業化が始まる前の伝統的農業社会では、飢饉、疫病、戦争等のために死亡率が高い状態にある。その一方で、農業が主体である社会であるために、労働力確保の観点から高い出生率が維持されている。このほかに、宗教や社会制度などによって高出生率が維持されることもある。その結果、近代化前の社会では死亡率と出生率が高く(多産多死)、大きな変動を保ちつつ、平均的には人口増加率は低い状態にある。

 次に、工業化・都市化が進むと、人口増加の状況は変化する。所得水準の上昇、医学や公衆衛生の発達により、乳児死亡率などが低下することで、社会全体の死亡率が低下する。しかし、出生率は依然として高水準にある。その結果、高い出生率と低い死亡率の社会(多産少死)が実現し、人口は増加する。

 その後、出生率も死亡率に追いつくように低下し、出生率、死亡率ともに低い社会(少産少死)が実現する。その背景として、出生数を減らしても家族・社会の存続が可能となること、子供の養育コストの増大、結婚・出産に対する価値観の変化、避妊など出生抑制技術の普及などを考えることができる。

「少産少死」の段階になると人口動態は安定するものと考えられていたが、最初に「少産少死」に達した欧米諸国では、人口置き換え水準よりも低くなるという一層の出生率低下がみられる。これは、「第二の人口転換」という言葉で呼ばれ、近年注目されている。この現象は、効果的な避妊法の普及、晩婚・晩産化の進展などがもたらしたものであるが、その背景には、結婚や家庭に対する個人や夫婦の価値観の変化があるとされている。わが国も、こうした「第二の人口転換」に至っている状況にある。

 

 

⇒2007年、「少子化」の原因などについて、つぎの質問主意書、答弁書(抜粋要約)があります。

〇少子化問題に関する質問主意書(平成19年2月5日)衆議院議員

四 安倍総理は「少子化」はなぜ、問題だと考えるのか。

五 安倍総理は「少子化」の原因はどこにあると考えるのか。

七 「少子化」が解決するというのはどういうことか、明らかにされたい。

 

▽上記質問に対する答弁書(平成19年2月13日)

 内閣総理大臣 安倍晋三

四について

 我が国における少子化の急速な進行は、我が国の人口構造にひずみを生じさせ、社会や経済、地域の持続可能性を基盤から揺るがす事態をもたらし、経済成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会における活力の低下等、21世紀の国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらしかねない大きな問題であると考えている。

五について

 少子化の主な原因は、未婚化や晩婚化の進行夫婦が持つ子どもの数の減少であると考えている。この背景には、核家族化や都市化による家庭の養育力の低下、育児の孤立、育児の負担感が大きいこと、家庭生活との両立が困難な職場の在り方、結婚や家族に関する意識の変化、若年失業の増大など若者の社会的自立を難しくしている社会経済状況等があると考えている。

七について

 お尋ねの「「少子化」が解決する」とは、少子化社会対策基本法の前文に定められているとおり、家庭や子育てに夢を持ち、かつ、次代の社会を担う子どもを安心して生み、育てることができる環境を整備し、子どもがひとしく心身ともに健やかに育ち、子どもを生み、育てる者が真に誇りと喜びを感じることのできる社会を実現し、少子化の進展に歯止めをかけることであると考えている。

 

 

⇒2023年、「少子化」の背景などについて、つぎの質問主意書、答弁書(抜粋要約)があります。

○少子化と社会保障に関する質問主意書(令和5年3月29日)衆議院議員

 日本では、少子化が急激に進んでいる。厚生労働省が発表した2022年の日本の出生数(速報値)は79万9728人と7年連続で過去最少を記録し、同年の自然増減数(速報値)はマイナス78万2305人と、過去最大の減少となった。出生数の速報値には、日本で出産した外国人、外国で出産した日本人の数を含むため、日本で生まれた日本人だけに限れば、もっと少なく、少子化の深刻さは明らかである。

 国立社会保障・人口問題研究所の2017年の発表によると、速報値による出生数が80万人を下回るのは2033年であり、予想より10年早い。政府は、その原因をどう分析しているのか。

 

▽上記質問に対する答弁書(令和5年4月7日)

 内閣総理大臣 岸田文雄

 お尋ねの「速報値による出生数が80万人を下回るのは2033年であり、予想より10年早い。政府は、その原因をどう分析しているのか」については、令和5年3月3日の参議院予算委員会において、岸田内閣総理大臣が「少子化の背景には、経済的な不安定さ、出会いの機会の減少、男女の仕事と子育ての両立の難しさ、家事、育児の負担が依然として女性に偏っている状況、子育て中の孤立感や負担感、子育てや教育に係る費用負担の重さなど、個々人のこの結婚や出産、子育てのこの希望の実現を阻む様々な要因、これが複雑に絡み合っていると分析をしています」と答弁しているとおりである。

 

 

⇒なお現在、日本における「年少人口の割合」は、「世界的にみても小さく」なっています。

○少子化社会対策白書(令和4年版)より抜粋要約

▽世界と比較して年少人口割合が小さい日本

 世界全域の年少人口割合(国連推計)は、25.4%であるが、我が国の総人口に占める年少人口の割合は、11.9%と世界的にみても小さくなっている。

 

⇒平成17年度において、日本は先進諸国の中でも「最も早く人口減少に転じ、減少の勢いも最も大きい」と報告されていました。

〇年次経済財政報告(平成17年度)内閣府(抜粋要約)

▽「人口の波」と経済構造の変化

 先進諸国においても今後、人口の減少や人口増加率の鈍化が見込まれているものの、我が国は、その中でも最も早く人口減少に転じ、減少の勢いも最も大きい

 労働力人口が減少していくということは経済成長の源泉の一つが縮小していくということを意味する。

 戦後のベビーブームは他の先進諸国にも共通の現象であるが、我が国の場合、特にアメリカと比較して、ベビーブームに該当する期間が比較的短く、ベビーブーム後の人口が相対的に急激に減少したこと(いわばブームの「尖り度」が強いこと)に特徴がある。このため、諸外国に比べ、少子化の進行とあいまって、我が国の生産年齢人口シェアの低下および65歳以上人口のシェア上昇は相対的に早期にかつ急激に生じる。従って、労働力人口についても、我が国では高年齢層の労働力率が他の先進諸国と比べて高い水準にあるものの、団塊世代の高齢化という人口要因の大きさによって、比較的早く、大きな規模で減少していくことが予想される。

 

⇒ではなぜ日本は、「ベビーブームに該当する期間が比較的短く」なったのでしょうか?

 

 

⇒ここから、1つの見方について。

⇒まず、つぎのように報じられていました。

〇日本の少子化は「人災」だった(上)戦後ベビーブーム突如終焉(2016.2.20)産経新聞(抜粋要約)

 それにしても日本の出生数の減少ペースは速い。戦後のピークである昭和24(1949)年の約270万人と比較すると、70年弱で約3分の1に減った。しかも、その推移を追いかけると、気になる変化が見つかる。24年の翌年は出生数が一挙に36万人も減り、第1次ベビーブームが突如終わっているのだ。

 明らかに不自然である。当時の資料を調べてみたところ、意外な事実が明らかになってきた。

 戦後、占領政策を実施した連合国軍総司令部(GHQ)が、堕胎や避妊による「産児制限」を仕向けていたのだ。日本の少子化は、GHQによって引き起こされた“人災”だったともいえる。

 焼け野原からの再出発となった日本は、復員や旧植民地からの引き揚げ者が相次ぎ深刻な食糧難に直面した。一方でベビーブームが起こり、増え続ける人口への懸念が広まっていた。

 GHQは当初、無関心を装っていたが、21年5月に「食糧メーデー」が起こると態度を一変させた。労働運動の広がりによる共産化への警戒だった。

 発展途上国の人口急増が共産主義に結びつくという見方は戦前から強かったが、「人口が急増している日本も例外ではない」と認識したのである。

 懸念はもう一つあった。米国は国土面積が狭い割に多くの人口を抱える日本を戦前から注視していた。

 GHQの報告書を翻訳した『GHQ日本占領史第4巻 人口』(日本図書センター)には、日本の開戦理由を「人口を養うに必要な資源獲得のための軍事力による領土拡張を擁護し、同時に、増加する人口を養うための彼らの帝国主義的政策を宣伝した」とする分析結果が残されている。

 GHQの人口問題の専門家らは、戦後も「日本の人口増加に歯止めがかからなければ、将来、膨張主義が復活する」と警告した。

 だが、人口の多寡が「国力」を意味した戦前・戦中において、人為的に人口を減らす産児制限は“禁断の政策”であった。各国政府はこれを認めず、米国でもキリスト教団体を中心に反対論が強かった。

 占領国が人口抑制を強要した場合、国際社会から強い非難を受けることは必然だった。そこで、GHQは日本人自身の手で産児制限を普及させることにしたのである。

 目に留まったのは、戦前、産児制限の普及運動に取り組んでいた加藤シヅエ氏たちだった。

 産児制限を合法化し日本に定着させる推進役となることを期待し、女性の立候補が認められた昭和21(1946)年の戦後初の総選挙で、加藤氏らを後押ししたのである。

 GHQがこだわったのが、産児制限を認める法案を議員提出とすることだった。「日本人自身の意思で法制化した」とする必要に迫られていたのである。

 当然のことながら、占領下とはいえ日本政府は産児制限の受け入れを拒絶した。芦田均厚相は、20年12月15日の貴族院本会議で「一度出生率が減少傾向になった場合には、人口増加の傾向に回復することは困難である。人口が過剰であるからといって、すぐに政府が公然と産児制限を認めることは、慎重に考慮を要することだ」と答弁している。

 人口の多寡が「国力」を意味した戦前・戦中において、産児制限は「民族の自殺」であり、将来的な国家の滅亡につながると考えられていた。

 衆院議員に当選した加藤氏や医師出身議員らは精力的に動いた。GHQ公衆衛生福祉局のクロフォード・サムス局長が記者会見で産児制限を強く促したこともあり、23年6月、日本政府の慎重姿勢をよそに人工妊娠中絶を認める優生保護法が成立した。

 だが、この法律は中絶の門戸を広く開くものではなかった。「貧困」を理由とすることを認めなかったからだ。加藤氏らは「産児制限は文明人の有する当然の自由で、国民の基本的人権だ」と法改正を訴えた。

 一方、米国の人口学者らは「日本が産児制限政策にためらい、帝国主義への回帰を忘れられず、人口増加を目指している」との報告書をまとめた。

 闇堕胎による女性の健康被害が社会問題化したこともあり、ついに吉田茂内閣はそれまでの政府方針を転換した。24年4月、産児制限拡大を検討するため人口問題審議会の設置を閣議決定した。これを受け、同年6月には優生保護法に改正が加えられ、日本は「経済的理由」で中絶が認められる国となった。結果として、第1次ベビーブームは突如終焉したのである。

 主権回復から間もない27年5月に同法は再び改正され、「経済的理由」に該当するかどうかの判断は医師に委ねられた。それは、現在に至る長い少子化の歴史の始まりでもあった。

 

 

⇒また、つぎのとおり「人工妊娠中絶を極めて世界的なレベルで、結果的にその違法性を阻却した世界で最初の国の一つに日本がなって、そして、これは非常にドラマチックに日本の人口の下降現象が起き上がった」などとの国会議事録があります。

○第159回国会 衆議院 憲法調査会(平成16年4月15日)より抜粋要約

▽参考人

 アメリカがした実験の一つは、日本に優生保護法をつくったということです。

 これはもちろん、戦前に国民優生法というのがありまして、これをなくしまして、戦後に優生保護法というのをつくるわけですが、この優生保護法というのは、私たち日本人は、これの持っている国際的な意味合いを余り感じないままに法律として受け入れてきたわけですね。つまり、簡単に言いますと、刑法にあります堕胎罪の違法性を阻却して、優生保護法の適用によって人工妊娠中絶を可能にしたわけです。

 これは、アメリカ占領治下に可能になった法律でありますので、アメリカの戦後の統治の文献などを読みますと、日本にやらせてはいけないことの一つとして、人口の増加ということがあります。人口を極力抑えるということも踏まえて、そして、この優生保護法がマッカーサーの監督下にできることになるわけですが、これについては、アメリカ側から、大変な反発が起きるんですね。

 特にバージニア州のカトリックの方々からマッカーサーに対していろいろな手紙が来ます。このような優生保護法を日本でつくったら、あなたは日本人をジェノサイドしたゼネラルと呼ばれるだろう。ジェノサイドゼネラルと呼ばれることになると。日本人の人口を集団的に、大きいスケールでいわば滅ぼしていく人工妊娠中絶をやめるようにという投書がアメリカから来るんですね。

 日本側は、論議がないんですね。これはいろいろなことがございまして、戦時下の状態の中でどうしても、生活困窮、要するに、背に腹はかえられないということで、苦しい中でいろいろな決断をしなくちゃいけないということが先に立ちましたが、アメリカ側から見ると、これはジェノサイドゼネラルということで、アキューズされるんですね。

 日本では御存じのように、太田典礼とかあるいは加藤シヅエとかそういう方々が、当時の衆議院議員の方々ですが、国会に出して、そしてこの法律を通した。

 そういう形で、いわば人工妊娠中絶を極めて世界的なレベルで、結果的にその違法性を阻却した世界で最初の国の一つに日本がなって、そして、これは非常にドラマチックに日本の人口の下降現象が起き上がったわけでございます。

 マッカーサー司令部のジョンズ・ホプキンス大学のトンプソンという、これは元来人口制御論者なんですけれども、日本の人口をふやさないという論者ですが、この人がつくったドキュメントがあって、それを全部マッカーサーが回収して、我が占領軍は関係ないという形で、日本人がつくったという形になっていますが、そのことにつきましても私は論文に書いております。

 

 

⇒また、つぎのとおり「優生保護法が成立したり、あるいは様々な政府としてのキャンペーンのような、出生率を少し引き下げるような方向でのキャンペーンのようなものがあったことも事実」、「この間、ベビーブームとその直後では出生率が4割ぐらい低下している」などとの国会議事録があります。

○第161回国会 参議院 少子高齢社会に関する調査会(平成16年11月10日)より抜粋要約

▽参考人

 これまでの日本経済は、常にプラスの、しかもかなり大幅な、いわゆる右肩上がりの成長を続けてきたわけでありますが、今後数年の間に全く逆方向の右肩下がりの縮小に向かわざるを得ないというふうに考えております。

 その理由は、労働力の急激な縮小でございます。それではなぜそれほど労働力が急激に減少するのかということでございます。

 日本の人口構造、極めて特有な人口構造を持っておりまして、いわゆる二つの山、第一次ベビーブームと第二次ベビーブームがあるわけでございますが、そうした人口構造は各国には見られないわけであります。これには、1950年代の初頭にかなり大規模な産児制限が行われた、その結果としてこの真ん中に谷ができた、そのために2つの山ができたというのが実態でございますけれども、今後の労働力の減少がこの図からお分かりいただけると思います。すなわち、右側の山、これ第一次ベビーブームでありますが、これは現在労働力を構成しております。しかし、この第一次ベビーブームの山は今後5年から10年の間には急速にリタイアしていって労働力から抜けていく。それに取って代わるのがこの産児制限の行われた比較的人口が希薄な年齢階層、つまり谷が山に取って代わることが労働力の急減の理由でありまして、そうした大幅な労働力の急減のために技術の進歩をもってしてもカバーし切れず、日本経済は縮小してしまうということでございます。

▽参考人

 私は、この子供の出生というのは基本的に個人の自由意思の問題でありまして、ですから、例えば子供を持ちたいという女性、子供を持ちたいという夫婦が何らかのその社会的な制約、それはもちろん所得なんかもありましょうし様々な制度もありましょうし、そういったことで子供を持てないということであればこれは非常に問題でありまして、それは社会政策として対応していくべきだったと考えておるわけですね。

 しかしながら、例えば、経済において労働力が不足するからとか、あるいは国力に影響するとか、そういったことでその出生率を上げるべきだという考えにはどうも私としてはくみしたくない。つまりは、そうした子供を産むための様々な社会的制約を取り払った後で、そして人々の自由意思によって一定の出生率が決まってきたときには、私はそれはそれとして受容した上で、それに合った経済システムなり社会財政制度なりといったものを作っていく方が、政策としては本筋ではないかなというふうに考えております。

▽議員

 参考人の方から産児制限が日本であったというお話がございましたけれども、それは優生保護法の中で、あれですかね、経済的事由、中絶が認められたことを指していらっしゃるのかなと思うんですが、あれは、産児制限とあえてそういう言葉を使われたことをちょっとお伺いしたいと思います。

▽参考人

 先ほどの日本の人口構造、特有の人口構造の理由として産児制限があったということを申し上げましたが、それについての御質問であろうと思いますけれども、これは出生率ですね、それからその例えば優生保護法との因果関係を科学的に立証した研究は私の知る限りでは特にございませんけれども、ただ、当時の様々な資料からしますと、このような高い出生率では、現在の食料事情であるとかそうしたことから見て、日本の社会として極めて問題であるというような指摘がなされて、その結果、優生保護法が成立したり、あるいは様々な政府としてのキャンペーンのような、出生率を少し引き下げるような方向でのキャンペーンのようなものがあったことも事実ですし。

 ですから、この間、ベビーブームとその直後では出生率が4割ぐらい低下しているわけでありますが、それが単純に国民の自由な意思の自然の結果であったとは言い難い。やはりそこにある程度政策的な要素が入っていたということは私は否定し難いんではないかというふうに考えておりますが。

 

⇒現在、日本における「年少人口の割合」は、「世界的にみても小さく」なっていますが、「国民の自由な意思の自然の結果」とは言えないのかもしれません。

 

 

⇒なお、人口対策として、出産や子育てを「強制」したりそれを「強く奨励」するような政策をとることは許されない、と提言されています。

〇子育て支援政策に関する提言(平成14年11月20日)子育て支援政策研究会(抜粋要約)

 子どもをつくるかつくらないかといったことは、すぐれて個人の選択に委ねられるべきことであって、個人の選択をなによりも重視する民主主義、市場経済体制では国家や社会の介入すべきでない領域である。人口対策として、出産や子育てを強制したりそれを強く奨励するような政策をとることは許されない。あくまで子育て支援は、子どもを産み育てることのリスクを軽減し、あるいは個人の意に反して子供を持てないような社会的な条件を取り除いて、人々の自由な選択を可能にしようという政策でなければならない。

 

⇒また「結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくもの」であり、「プレッシャーを与えたりすることがあってはならない」とされています。

○少子化社会対策大綱(令和2年5月29日)閣議決定(抜粋要約)

 男女が互いの生き方を尊重しつつ、主体的な選択により、希望する時期に結婚でき、かつ、希望するタイミングで希望する数の子供を持てる社会をつくることを、少子化対策における基本的な目標とする。

 もとより、結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであり、個々人の決定に特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりすることがあってはならないことに十分留意する。

 

 

 最後に。

 上記においてつぎの内容を掲載しました。

「国家によるこのような立法及びこれに基づく施策が、広く国民に対し、旧優生保護法の規定の法的効果をも超えた社会的・心理的影響を与え、同法の優生手術の対象となった障害ないし疾患につき、かねてからあった差別・偏見を正当化・固定化した上、これを相当に助長してきたものとみるのが相当である。」

優生政策の推進により、教科書等に「劣悪な遺伝を除去し、健全な社会を築くために優生保護法がある」等の旧優生保護法を肯定する内容の記載がなされ、学校教育の現場にも優生思想を広めた。」

 

 現在でもなお、優生思想に基づく差別・偏見は社会に根強く存在しており、「国家による立法、施策」の影響は、無意識の影響も含め、「障害者が子どもを作っても育てられない」、「生まれた子どもが不幸になる」などの声の、その「数」として顕れているのかもしれません。

 戦前は「産めよ増やせよ」と人口増加策が採られていました。

 1974年には、人口問題審議会は「人口白書」で、「出生抑制にいっそうの努力を注ぐべきである」と主張していました。

 また、厚生白書(昭和49年版)でも、「現在から将来へかけての日本人口を考える場合には、食糧資源、環境悪化等との関連から、地球規模的な観点に立って、人口増加の抑制について再考せざるをえなくなっている」とありました。

 歴史上「子どもを産む」ことが、社会的に推奨されたり抑制されたりしてきました。

 以前、厚生労働大臣が「一五から五〇歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと発言したこともありました。

個人の尊重」は憲法の基本原理です。

「コロナ騒動」により全体主義的な風潮が強まり、また「異次元の少子化対策」などの表現が飛び出すこの時勢だからこそ、「個人の尊重」の視点はより一層、大切にされる必要があるのではないかと感じています。

 

 

 以上です。

(2024.7.1)

 

 

 つぎの国会議事録(抜粋要約)があります。

○(令和6年4月18日)第213回国会 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会

▽委員

 自民党さんのタスクフォースの中で、子供に漏れなくマイナカードを取得させよと呼びかけています。それから、児童健診や体力調査のデータをマイナカードにひもづけして管理することを検討せよ、一人一人にIDを付与してビッグデータに、こうしたことを、一昨年ですけれども、提言をされているわけですよね。

▽政府参考人

 こども大綱におきましては、政府全体の方針が明確に定められております。その基本方針のまず一番目に、「こども・若者を権利の主体として認識し、その多様な人格・個性を尊重し、権利を保障し、こども・若者の今とこれからの最善の利益を図る」と。データ連携事業も、まさに子供が困ったことにならないように、できる限り早期に支援の手を差し伸べるための事業でございまして、本末転倒にならないようにするのが当然でございます。

▽委員

 だけれども、紹介した自民党さんのタスクフォースの考え方はそれとは全く違うと思うんですね。子供の情報をどう利活用するか、そういう発想ではないでしょうか。

 

 

⇒上記の「子供の情報をどう利活用するか」について、つぎのとおり(抜粋要約、時系列)です。

○(平成28年5月18日)経済財政諮問会議(議事要旨)

▽民間議員

 レセプトデータは、健診データを一緒に組み合わせてビッグデータの分析やAIに活用でき、最終的には第4次産業革命の大きなステップになる。これは日本でしかできない。ぜひとも健診データの構築をお願いしたい。

 

○(平成30年6月14日)第196回国会 参議院 内閣委員会

▽国務大臣

 これからはデータ駆動型の社会になっていきます。様々なデータを安全な形でしっかりと集め、それを例えばリアルなデータとして物づくりの現場で活用していく、さらには、予防であったりデータヘルス、こういう世界をつくっていく、そういったことは極めて重要であると思っております。

 

○(平成30年11月20日)経済財政諮問会(議事要旨)

▽民間議員

 今後、健診を受けていく上で、保険証機能をマイナンバーの中に入れ込み、健診データを通年で管理することで、マイナンバーの普及にも活用してはどうか。

 

○(令和元年5月31日)経済財政諮問会(議事要旨)

▽民間議員

 個々人が生まれてから学校、職場に至るまで健診・検診情報の全てを2022年度までに電子化し、蓄積を推進するとともに、予防等に活用すべき。学校などは、デジタルデータになっていないところも多く、これを早くデジタルデータにするということが必要。また、このようなデータを蓄積できるのは世界でも日本以外になく、そういった意味で、大変な飛躍ができる大きなチャンスでもある。マイナポータルを活用するPHRとの関係を含めて対応を整理し、本年末までに工程化していただきたい。

 さらに、6月を目途に立ち上げることを予定しているPHR検討会において、しっかりと匿名化したデータをオープンにして、予防等に活用できることを含め、是非、検討を進めていただきたい。

 

○(令和3年7月13日)知的財産推進計画2021(知的財産戦略本部)

 社会のデジタル化に伴いデータは智恵・価値・競争力の源泉となり、欧州や米国を始め諸外国はデジタル社会においてデータが国の豊かさや国際競争力の基盤であると捉え、新たにデータ戦略を策定しこれを強力に推進している。

 21世紀の最重要知財となったデータは、流通し、利活用されて初めて情報財として価値を発揮し、財産価値を高めるものであるため、データ流通・利活用を推進するための環境整備は、知財戦略としても喫緊の課題である。

 

○(令和3年12月)教育データの利活用 に関する各種取組状況(文部科学省)

ビッグデータの利活用(公教育データの二次利用)※二次利用(政策・研究目的

 学習者本人が意図しない形での不利益な取扱い等がされないことが必要。

▽生涯を通じたデータ利活用(個人活用データ)

 本人の望まない形でデータが流通・利用されることを懸念する声もある。

 

○(令和4年3月8日)第208回国会 参議院 文教科学委員会

▽国務大臣

 現在、政府では、生涯にわたる個人健康情報、マイナポータルを用いて、電子記録として本人や家族が正確にこの把握を活用するための仕組みでございますPHRの構築を進めているところでございます。

 このような方針の下、既に特定健診や乳幼児健診の情報については本人や家族が閲覧できる仕組みが整備されておりますが、今年度からは、個人情報にも配慮して、学校健診診断についても仕組みの構築に向けて実証事業に着手しているところでありまして、来年度予算においても関係の経費を計上いたしているところでございます。

 

○(令和4年6月2日)地方創生の着実な推進について(自由民主党)

 小中学校などにおけるマイナンバーカードの取得の促進を検討すべき。また、教育分野におけるマイナンバーカードの利用を積極的に検討すべき。個人IDを利用することにより、児童検診や体力調査のデータをマイナンバーカードと紐付けし、管理することを検討すべき。また、学校DXにおける活用も含めて検討すべき。児童生徒にもれなくマイナンバーカードを取得してもらい、教育分野で積極的に活用すべきとの意見もあった。

▽取り組むべき施策

 デジタル庁を中心とした教育分野における PDS(personal data store)の在り方の検討(一人一人に教育 ID を付与しフィードバックが受けられるようにするとともに、ビッグデータとして利用できる基盤となる信頼される仕組みの構築)

 

 

 以上です。

 

 

<備考>

○(令和6年6月11日)個人情報漏えいや紛失 昨年度約1万2000件 調査開始以降最多に(NHK)

 政府は11日の閣議で個人情報保護委員会の年次報告(令和5年度)を決定しました。

 マイナンバー関連の個人情報の漏えいや紛失は334件で、このうち、1度に100人を超える情報を紛失するなどの「重大な事態」に該当するものは67件と、いずれも前の年度の2倍近くに増えました。個人情報保護委員会は「マイナンバーカードが普及しトラブルが相次いだことも件数の増加につながっている」としています。

○(令和6年6月11日)漏えい1万2千件、過去最多に 個人情報保護委23年度報告(時事通信)

 マイナンバーの漏えい事案は334件で、前年度比約95%増。同委によると、増加要因はいずれも人為的ミスが多発したためだという。

(2024.6.30)

 

 タイトルについての内容(抜粋要約)はつぎのとおりです。

 

○(令和6年6月4日)厚生労働大臣会見概要

▽記者

 マイナカードの使用自体は任意だと思いますが、今配られているチラシやポスターには、資格確認書保険資格が示せるということは記載されていません。この内容は適切だとお考えでしょうか

▽大臣

 まずはマイナ保険証を使っていただくために、アナログからデジタルに変わるということは大変、心のバリアのようなものはあると私は思います。特に私くらいの年代になりますと、保険証といえば、どこでも保険証があれば日本では医療機関にかかれるという1つの安心感のシンボルのようなものでもありました。ただ、それを改めてマイナ保険証というデジタル化の仕組みに組み替えることによって、そのアナログ的手法からデジタルに変わるということが、今日本の社会全体に求められています。このことをやはり丁寧に、そうした世代の方々にも理解していただくよう、こうしたマイナ保険証の普及に取り組むということが私どもの基本的な考え方であり、ただ、実際にこれには時期的な限度もございますので、12月2日という1つの期日を付け、できる限り多くの皆様方にマイナ保険証の利用にご参加いただきたいという思いでさせていただいております

 

 

⇒上記の「資格確認書で保険資格が示せる」について。

○(令和6年5月31日)マイナ保険証の利用促進等について(市町村セミナー)厚労省

▽令和6年秋の健康保険証廃止以降の資格確認書の取扱い

 当分の間、マイナ保険証を保有していない方全てに資格確認書を申請によらず交付

▽資格確認書の切れ目のない交付について

 つぎの方々などについて、申請によらず資格確認書を交付する。

「マイナンバーカードを取得していない方

「マイナ保険証の利用登録をしていない方

「マイナ保険証の利用登録を解除した方

「マイナンバーカードを返納した方

「電子証明書の更新を失念した方

令和6年10月頃~)マイナ保険証の利用登録について、解除申請を受け付ける

※なお施行後最大1年間は、現行の健康保険証が使用可能。(有効期限まで)

 

 

⇒上記の「(令和6年10月頃~)解除申請を受け付ける」、すなわち現時点では利用登録の解除申請を受け付けていないことについて、経緯(抜粋要約、時系列)はつぎのとおりです。

○住民のマイナカードに誤って保険証機能を登録「想定外」解除できず(令和4年9月23日)京都新聞

 住民のマイナンバーカードを誤って健康保険証として使える「マイナ保険証」に登録していたことが分かった。市は住民に謝罪した。国によると、登録は解除できないという。

 いったん登録したマイナ保険証が削除できないことに関し、厚生労働省は「削除手順を整備していない。ひも付けによる不利益がなく、こうした要望が出ると想定していなかった」と説明している。

 

○第210回国会 衆議院 総務委員会(令和4年12月6日)

▽委員

 9月23日付京都新聞には、「住民のマイナカードに誤って保険証機能を登録、想定外、解除できず」という報道がありました。

▽政府参考人

 一旦利用登録された後の取消し処理、これはできない取扱いとなってございまして、システムの仕組み上もできないこととなってございます。

 マイナンバーカードによるオンライン資格確認の利用は強制されるものではないということでございまして、取消し処理ができないことによる不利益は生じないものと考えてございます。

▽委員

 本人は登録しないでほしいと言っているんですから、不利益は生じています。

 

○マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会(令和5年8月8日)資料

 マイナンバーカードの健康保険証利用登録は「任意の手続」であることを踏まえ、利用登録の解除を希望する方については、資格確認書の申請を条件とした上で、任意に解除の手続を行うことができるよう、システム改修を行う。

 

○第212回国会 衆議院 総務委員会(令和5年11月7日)

▽政府参考人

 マイナンバーカードの健康保険証としての利用登録につきましては、現在システム上、一度登録した後の解除ができない仕組みとなってございますけれども、国会での御指摘をいただいたことなども踏まえて検討いたしまして、マイナンバーカードの健康保険証利用登録は任意の手続であるということを踏まえまして、利用登録の解除を希望する方については任意に解除の手続を行うことができるようシステム改修を行うこととされたものでございます。

▽委員

 任意だから当たり前ですね。

 いつから解除できるんですか。

▽政府参考人

 これから必要なシステム改修のための費用を確保いたしました上で、必要な検討を行って、来年秋の保険証の廃止までには、解除を希望される方が任意に解除の手続を行っていただけるよう進めてまいりたいというふうに考えてございます。

▽委員

 なぜ最初に解除できないようなシステムを作ったのか。それには予算も使っているでしょう。そして、解除しようと思ったら新たなシステム開発が必要で、新たな予算も必要だ、こういうお答えなんですね。

 一番最初にそういうシステムを発注したのはどこなのか。そういう政策決定をやった決裁文書を出していただきたいんですけれども、お答えいただけますか。

▽政府参考人

 当時の関係資料でございますけれども、具体的に、お求めの内容を見させていただきまして、適切に対応させていただきたいと考えてございます。

 

○第212回国会 衆議院 総務委員会(令和5年11月24日)

▽委員

 今回の補正予算にマイナンバーカードの健康保険証利用の登録を解除するシステム改修予算が含まれていると聞いておりますが、その額は幾らですか。

▽政府参考人

 今般の補正予算案では、マイナ保険証の利用登録解除を可能とするシステム改修を含めまして、保険証の廃止に向けた準備のため、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けた各保険者や実施機関のシステム改修経費として、資格確認書や資格情報のお知らせを交付する機能などの改修に必要な経費としまして、249億円を計上しているところでございます。

▽委員

 その中で切り分けてくれと言ったんですが、切り分けられないという答弁ですから、249億円がかかるという前提で話を進めさせていただきます。

 それでは、最初にマイナンバーカードの保険証利用登録のシステムを作ったときの額は一体幾らだったのか。平成29年度から令和3年度までの合計で、答えていただけますか。

▽政府参考人

 制度設計当初のオンライン資格確認等システムなどの開発につきましては、今お話のございました平成29年度から令和3年度にかけて実施してございまして、その総額は468億円でございます。

▽委員

 468億円です。

 先日の当委員会で、マイナンバーカードの健康保険証利用登録の解除任意の手続であるということを踏まえてそうする、こうおっしゃいましたね。

 そこで聞くんですけれども、では、最初にマイナンバーカードの保険証利用登録のシステムを作った時点で既に任意の制度ではなかったですか。このときは任意じゃなかったんですか

▽政府参考人

 マイナンバーカードの健康保険証としての利用登録でございますが、これは当初より任意の手続として設けられてございます。

▽委員

 そうなんですよね。最初から任意の制度なんですよ。ですから当然、最初から利用登録をすることも解除することもできるようなシステムでなければおかしいですね。今明らかにしたように、470億円近いお金をかけておきながら、最初から解除の仕組みを設けていなかったがために、今回、新たに、切り分けようがないんですから、250億円の経費をかけてシステム改修をしなければならない。これは私は二重投資だと。

 最初にどういう発注がされたのか、なぜ登録はできても解除はできないというシステムを、まずは470億円もかけて作ったのかということは、説明責任を負って果たしていただきたい。

 

 

⇒冒頭の大臣会見「日本の社会全体に求められています」について、国会議事録など(抜粋要約、時系列)の内容はつぎのとおりです。

○(平成28年5月18日)経済財政諮問会議(議事要旨)

▽民間議員(新浪)

 レセプトデータは、健診データを一緒に組み合わせてビッグデータの分析やAIに活用でき、最終的には第4次産業革命の大きなステップになる。これは日本でしかできない。ぜひとも健診データの構築をお願いしたい。

 

○(平成28年8月8日)経済財政諮問会議(議事要旨)

▽民間議員(新浪)

 経済の成長はあくまでも民間である。民間からの投資が増えていくよう、構造改革を進めていくべきである。例えば、健康立国に関係して、医療・介護はビッグデータやAIなど、第4次産業革命を活用でき、爆発的な投資の可能性がある。

 

○(平成30年6月14日)第196回国会 参議院 内閣委員会

▽国務大臣

 これからはデータ駆動型の社会になっていきます。様々なデータを安全な形でしっかりと集め、それを例えばリアルなデータとして物づくりの現場で活用していく、さらには、予防であったりデータヘルス、こういう世界をつくっていく、そういったことは極めて重要であると思っております。

 

○(平成30年11月20日)経済財政諮問会(議事要旨)

▽民間議員(新浪)

 今後、健診を受けていく上で、保険証機能をマイナンバーの中に入れ込み、健診データを通年で管理することで、マイナンバーの普及にも活用してはどうか。

 

○(平成30年12月10日)経済財政諮問会(議事要旨)

▽民間議員(新浪)

 経済・財政一体改革を推進していく上で、是非お願いしたいのがマイナンバーカードの普及である。マイナンバーカードが普及しないと、これらの改革工程も進まない。ましてや、電子政府や地方行政におけるDX、また、データヘルスや、ゆくゆくは応能負担などの全世代型社会保障の推進においては、マイナンバーカードの活用が不可欠

 

○(平成31年3月7日)第198回国会 参議院 予算委員会

▽国務大臣

 日本独自の動きではありますが、民間においても既に個人データの保護を図りつつ利活用を促進するための取組がもうスタートしています。例えば、情報銀行や情報取引市場は、本人が自分の情報をコントロールすることを可能としながらもデータ流通の促進を図る、これは日本初の新しいモデルだと思います。

 

○(平成31年3月14日)第198回国会 参議院 経済産業委員会

▽政府参考人

 民間のビジネスということでございますけれども、個人からパーソナルデータを預かって、その当該個人の関与の下に第三者へ提供することを可能にする情報銀行などの取組が既に進んでおります。

 こうした民間ベースの動向ですとか、あるいは海外の動向も参考にしながら、データの移転あるいは開放のルールの在り方について今後検討していくことにしております。

 

○(令和元年5月31日)経済財政諮問会(議事要旨)

▽民間議員(新浪)

 個々人が生まれてから学校、職場に至るまで健診・検診情報の全てを2022年度までに電子化し、蓄積を推進するとともに、予防等に活用すべき。学校などは、デジタルデータになっていないところも多く、これを早くデジタルデータにするということが必要。また、このようなデータを蓄積できるのは世界でも日本以外になく、そういった意味で、大変な飛躍ができる大きなチャンスでもある。マイナポータルを活用するPHRとの関係を含めて対応を整理し、本年末までに工程化していただきたい。

 さらに、6月を目途に立ち上げることを予定しているPHR検討会において、しっかりと匿名化したデータをオープンにして、予防等に活用できることを含め、是非、検討を進めていただきたい。

 

○(令和2年5月29日)経済財政諮問会(議事要旨)

▽民間議員(新浪)

 まず、マイナンバーカードの普及が重要であり、しっかりと国民に広報するとともに、カード所持のインセンティブを高めるため、マイナンバーカードと保険証の完全一体化について完了年度を決めてしっかりと進めていただきたい。

 

○(令和3年4月14日)第204回国会 参議院 本会議

▽国務大臣

 データは新たな価値を生むものであり、個人情報を含むデータについても、データガバナンスの確立を図りつつ活用していくことが重要です。

 民間の取組である情報銀行は、個人の同意の下、パーソナルデータを預かりデータを活用する我が国発の仕組みであり、データの提供履歴を本人が確認することが可能となっています。

 

○(令和3年6月18日)成長戦略フォローアップ(首相官邸HP)

 デジタル社会に不可欠なデータの利活用を促進し、データ流通量の増加を図るため、情報銀行によるデータの加工・仲介・分析機能の強化に向けた環境整備を2021年度に行い、その成果を踏まえて、2022年度中に情報銀行と自治体・地域事業者とのデータ連携による地域活性化や情報銀行をハブとしたデータポータビリティの実現に向けた検討を行い、データ連携に係る要件や仕様を取りまとめるとともに、必要な認定指針の見直しを行う。

 

○(令和3年7月13日)知的財産推進計画2021(知的財産戦略本部)

 社会のデジタル化に伴いデータは智恵・価値・競争力の源泉となり、欧州や米国を始め諸外国はデジタル社会においてデータが国の豊かさや国際競争力の基盤であると捉え、新たにデータ戦略を策定しこれを強力に推進している。

 21世紀の最重要知財となったデータは、流通し、利活用されて初めて情報財として価値を発揮し、財産価値を高めるものであるため、データ流通・利活用を推進するための環境整備は、知財戦略としても喫緊の課題である。

 

○(令和4年3月8日)第208回国会 参議院 文教科学委員会

▽国務大臣

 現在、政府では、生涯にわたる個人健康情報マイナポータルを用いて、電子記録として本人や家族が正確にこの把握を活用するための仕組みでございますPHRの構築を進めているところでございます。

 このような方針の下、既に特定健診や乳幼児健診の情報については本人や家族が閲覧できる仕組みが整備されておりますが、今年度からは、個人情報にも配慮して、学校健診診断についても仕組みの構築に向けて実証事業に着手しているところでありまして、来年度予算においても関係の経費を計上いたしているところでございます。

 

○(令和4年4月6日)第208回国会 衆議院 厚生労働委員会

▽国務大臣

 保健医療分野におけるデータの利活用は非常に重要な課題であると考えています。

 厚生労働省では、人々が自身の健康医療情報を日常生活の改善につなげるPHRなど、データヘルス改革として保健医療分野におけるデータの利活用を推進してきているところであります。

 引き続き、官民におけるデータ利活用の環境整備を進めてまいりたいと思います。

 

○(令和4年6月7日)経済財政運営と改革の基本方針2022(閣議決定)

 2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、さらにオンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す。

 全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化等及び診療報酬改定DXの取組を、行政と関係業界(医療界、医学界、産業界)が一丸となって進めるとともに、医療情報の利活用について法制上の措置等を講ずる。

 

○(令和4年10月18日)第210回国会 衆議院 予算委員会

▽岸田内閣総理大臣

 国民の皆様にマイナンバーカードで受診していただくことで、健康、医療に関する多くのデータに基づいたよりよい医療を受けていただくことが可能になるなど、カードと健康保険証の一体化には様々なメリットがあると思っております。そして、こうしたメリットをより多くの国民、関係者の皆様に早くお届けできるよう、カードと健康保険証の一体化を進めるため、令和6年秋の健康保険証の廃止を目指すことといたしました。

 

○(令和4年11月2日)経済財政諮問会議(資料)

 医薬品産業の創薬力、研究開発力を高めるため、膨大な医療情報をビッグデータとして活用する、更なる環境整備を進め、新たな産業基盤にしていくべき

 相続や所有者不明土地への対応という観点からも、固定資産等、実物資産情報とマイナンバーとの連携についても検討すべき。

 2024年中の施行が予定される口座管理法では、預貯金口座へのマイナンバー付番が促進されることとなっているが、仮に付番が進捗しない場合には更なる対応が必要となる可能性もある。

 

○第211回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会(令和5年3月14日)

▽国務大臣

 昨年12月策定のデジタル田園都市国家構想総合戦略では、医療全般にわたる情報について共有、交換できる全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化、こういった医療・介護分野でのDXに関する具体的施策を位置づけたところであります。

 

○(令和5年3月15日)情報銀行で病歴や健診結果も 総務省会議、活用認める(日本経済新聞)

 総務省は15日、個人の情報を預かり企業に提供する「情報銀行」で扱える健康・医療分野のデータを拡大する指針案を示した。病歴や投薬記録、健康診断結果など、個人の健康に関わる機微なデータの収集を可能にする。用途は健康サービスのように個人に明確なメリットがあったり、公益性があったりする事業に限定する方針だ。

 情報銀行では現在、健康・医療分野で扱えるデータは体重や血圧、心拍数、酸素飽和度などに限られている。

 病歴や投薬記録、健康診断結果といった機微なデータを解禁することで、活用の幅は広がる

 健康・医療情報が流出した場合、悪用されれば個人に大きな損害が生じる恐れがある。総務省の有識者会議では利用が無制限に広がらないよう、情報の用途に制限を設けるかどうかや、対象とする情報の範囲をどう定めるかについて慎重に議論してきた。

 

○(令和5年3月16日)第211回国会 衆議院 本会議

▽国務大臣

 医療データの利活用についてお尋ねがありました。

 電子カルテ情報を含む保健医療情報については、個人のデータを自ら一元的に把握できるようになることで国民の更なる健康増進に寄与すること、データの二次利用による創薬が可能になることなどを目指して、全国医療情報プラットフォームの創設に向けた検討を進めているところであります。

 

○(令和5年4月25日)令和臨調、社会保障の財源確保にマイナンバー活用を(産経ニュース)

 経済・労働界や学識者の有志による「令和国民会議」(令和臨調)は25日、社会保障制度の改革に関する提言を発表した。

 マイナンバー制度の活用で個人の所得や資産を把握して「応能負担」を強化し、所得の公正な再分配で医療や介護、子育てなどの財源を確保するよう求めた。

 

○(令和5年4月26日)口座ひもづけ、国民に抵抗感あるのは事実=マイナンバーで財務相(ロイター編集)

 鈴木俊一財務相は26日の衆院財務金融委員会で、応能負担との関連でマイナンバー制度の活用は極めて有効な手立てだと指摘した上で、国民の間で「自分の口座を全てひもづけすることに対する抵抗感があるのも事実」との認識を示した。

 前原誠司委員(国民民主)の質問に答えた。

 鈴木財務相は、シニア層が不動産やさまざまな金融資産を保有しているケースがあることに言及し、「基本的に応能負担してもらうのは大切なことだ」と述べた。マイナンバー活用による応能負担の推進について「その重要性や必要性を十分に示して、応能負担を進めていくことは重要なポイントだ」と語った。

 

○(令和5年4月28日)社会保障ワーキング・グループ(議事要旨)

▽厚生労働省

 金融資産を全面的に把握する際にはやはり介護保険者である市町村が正確に情報を把握できるように、あるいは公平性の観点からもマイナンバーの動きというのがやはり重要になってくるかと考えている。そういった全体の制度の状況も見ながら、金融資産を勘案することについての是非も含めて議論していきたいと考えている。

 

○(令和5年5月16日)第211回国会 参議院 内閣委員会

▽委員

 いわゆる次世代医療基盤法改正案について質問に入らせていただきます。

(省略)

▽政府参考人

 仮名加工医療情報につきましては、匿名加工医療情報と比較した場合に、ほかの情報と照合することによりまして個人を特定することが可能な場合があるということで、悪意のある利用者がほかの情報と照合することで本人を特定し、権利利益の侵害を行うおそれがあることが否定できません

(省略)

▽委員 

 医療分野の研究開発によって国民の健康増進が図られ、難病の治療法確立などの技術進歩がもたらされる可能性を否定はいたしません。ただ、そのために、生命、身体に関する極めて機微な個人情報である医療情報が保護されないリスクを放置することは許されません。

 国が医療情報を守り抜いてくれるという信頼感が醸成できていない中で、医療ビジネスの発展のみに焦点を当て、利益追求を優先する本法律案には反対します。

 

○(令和5年5月17日)次世代医療基盤法の一部を改正する法律が成立。

 

○(令和5年6月2日)医療DXの推進に関する工程表(医療DX推進本部決定)

 民間事業者との連携も図りつつ、保健医療データの二次利用により、創薬、治験等の医薬産業やヘルスケア産業の振興に資することが可能となり、結果として、国民の健康寿命の延伸に貢献する。

 まずは、2023年4月に、保険医療機関・薬局にオンライン資格確認等システムの導入を原則義務化するとともに、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を加速し、2024年秋に健康保険証を廃止する。こうした取組を通じて、医療等の情報を共有する全国的な基盤を構築する。

 マイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認は、医療DXの基盤である。

 誕生から現在までの生涯にわたる保健・医療・介護の情報を PHRとして自分自身で一元的に把握可能となり、個人の健康増進に寄与する。またその際に、ライフログデータ(個人の生活や活動をデジタル記録したデータ)の標準化等の環境整備が進むことにより、こうしたライフログデータ等の活用が可能になれば、疾病の予防などにもつながる。

 オンライン資格確認等システムを拡充し、保健・医療・介護の情報を共有可能な「全国医療情報プラットフォーム」を構築する。

 全国医療情報プラットフォームにおいて共有される医療情報の二次利用については、そのデータ提供の方針、信頼性の確保のあり方、連結の方法、審査の体制、法制上ありうる課題その他医療情報の二次活用にあたり必要となる論点について整理し、幅広く検討するため、2023年度中に検討体制を構築する。

 

○(令和5年6月7日)経済財政運営と改革の基本方針2023(仮称)原案

 マイナンバーの今後の利用範囲拡大や不動産登記法改正の施行状況等を踏まえながら、登記とマイナンバーの紐付けも検討。

 

○(令和5年6月9日)知的財産推進計画2023(知的財産戦略本部)

 データは智恵・価値・競争力の源泉であるとともに、課題先進国である日本の社会課題を解決する切り札と位置付けられる。

 

○(令和5年6月16日)経済財政運営と改革の基本方針2023(閣議決定)

 マイナンバーカードによるオンライン資格確認の用途拡大や正確なデータ登録の取組を進め、2024年秋に健康保険証を廃止する。

 レセプト・特定健診情報等に加え、介護保険、母子保健、予防接種、電子処方箋、電子カルテ等の医療介護全般にわたる情報を共有・交換できる「全国医療情報プラットフォーム」の創設及び電子カルテ情報の標準化等を進めるとともに、PHRとして本人が検査結果等を確認し、自らの健康づくりに活用できる仕組みを整備する。

 その他、新しい医療技術の開発や創薬のための医療情報の二次利活用、「診療報酬改定DX」による医療機関等の間接コスト等の軽減を進める。

 

○(令和5年6月28日)新浪(経済同友会代表幹事)記者会見発言要旨(公益社団法人経済同友会HP)文責: 経済同友会事務局

(現行の)健康保険証廃止が2024年の秋と聞いているが、これに間に合うように仕上げることだ。私達民間からすれば「納期」は非常に重要であり、(期日を)守ってやり遂げることは日本の重要な文化である。健康保険証の廃止については必ず実現するよう、これを「納期」として向けてしっかりとやっていただきたい。

 

○(令和5年10月23日)岸田内閣総理大臣所信表明演説

「経済、経済、経済」、私は、何よりも経済に重点を置いていきます。

 

○(令和6年1月19日)社会保障審議会医療保険部会(資料)

 国が先頭に立って、医療機関・薬局、保険者、経済界が一丸となり、より多くの国民の皆様にマイナ保険証を利用し、メリットを実感していただけるよう、あらゆる手段を通じてマイナ保険証の利用促進を行っていく。

 

○(令和6年4月2日)経済財政諮問会議(議事要旨)

▽民間議員(新浪)

 マイナンバーを活用して、ストックを加味した応能負担の実現も、しっかりやるべき。

 

○(令和6年4月26日)大臣会見概要

▽大臣

 昨日、自民党の「医療・介護保険における金融所得勘案PT」の第1回会合が開催されたことは存じ上げております。医療・介護保険における金融所得の勘案は、昨年末に閣議決定された、全世代型社会保障構築のための改革工程において、「能力に応じた全世代の支え合い」の観点から、2028年度までに実施について検討する項目に位置づけられています。昨日のPTは議論のキックオフと承知しており、政府としても金融所得の捕捉に関する実務上の課題なども踏まえ、負担能力に応じた負担として、金融所得をどのように取り扱うべきか、自民党における議論も注視しつつ、引き続き考えていきたいと思います。また金融資産の勘案については、「改革工程」においても検討課題として挙げられていますが、預貯金口座へのマイナンバー付番の状況等も踏まえ、ごく丁寧な検討が必要と考えています。

 

○(令和6年5月21日)我が国の財政運営の進むべき方向(財政制度等審議会)

 医療保険・介護保険における負担の在り方全般について、マイナンバーを活用預貯金口座への付番についても進めていく必要がある。)して、金融資産の保有状況も勘案して、負担能力を判定するための具体的な制度設計について検討を進めていくべきである。

 

○(令和6年6月21日)経済財政運営と改革の基本方針2024

 医療・介護の担い手を確保し、より質の高い効率的な医療・介護を提供する体制を構築するとともに、医療データを活用し、医療のイノベーションを促進するため、必要な支援を行いつつ、政府を挙げて医療・介護DXを確実かつ着実に推進する。このためマイナ保険証の利用の促進を図るとともに、現行の健康保険証について2024年12月2日からの発行を終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行する。「医療DXの推進に関する工程表」に基づき、「全国医療情報プラットフォーム」を構築するほか、電子カルテの導入や電子カルテ情報の標準化、診療報酬改定DX、PHRの整備・普及を強力に進める。当該プラットフォームで共有される情報を新しい医療技術の開発や創薬等のために二次利用する環境整備、医療介護の公的データベースのデータ利活用を促進するとともに、研究者、企業等が質の高いデータを安全かつ効率的に利活用できる基盤を構築する。

 

 

 以上です。

(2024.6.29)

 

 

(令和6年6月14日)「令和6年版男女共同参画白書」が閣議決定・公表されました。

 タイトルについての内容(白書より抜粋要約)はつぎのとおりです。

 

 コロナの感染拡大は女性の雇用と仕事に大きな影響を与えた。特に、サービス業、ケア・健康などの分野の女性が深刻な影響を受けた。学校や保育施設、介護サービスの運営に支障を来し、通常、無償の育児・介護・家事労働の主な責任を担っている多くの女性が、子供や他の家族の世話をするために、労働市場から退出したり、労働時間を短縮したりすることになった。

 また、感染拡大下では、様々な種類や形態のジェンダーに基づく暴力が深刻化すると同時に、女性の経済的安定が脅かされたことや外出制限などの障壁により、被害者が暴力を報告することがより難しくなった。

 

 およそ30年間で、母子世帯は約1.4倍に増加。(母子世帯はひとり親世帯の88.9%

 ひとり親世帯の就業率は8割超と高いが、母子世帯ではそのうち46.5%が非正規であり、平均年間就労収入が236万円と低い。(正規雇用労働者:344万円、パート・アルバイト等:150万円

 なお、父子世帯の平均年間就労収入は496万円(正規雇用労働者:523万円、パート・アルバイト等:192万円

 離婚相手からの養育費受領率は、母子世帯で28.1%にとどまっている

 ひとり親世帯の貧困率を国際比較すると、数値のあるOECD加盟36か国中32位

 

出産・育児のため」、「介護・看護のため」を理由とする離職者は、いずれも女性の割合が高い。

 女性の年齢階級別正規雇用比率は25~29歳の59.1%をピークに低下(L字カーブ)。

「L字カーブ」の存在に象徴されるように、様々なライフイベントに際し、キャリア形成との二者択一を迫られるのは、依然として多くが女性であり、その背景には、長時間労働を前提とした雇用慣行や女性への家事・育児等の無償労働時間の偏り、それらの根底にある固定的な性別役割分担意識などの構造的な課題が存在している。

 令和5年の男性一般労働者の給与水準を100としたとき、女性一般労働者給与水準は74.8で、前年に比べ0.9ポイント減少

 また、一般労働者のうち、正社員・正職員の男女の所定内給与額をみると、男性の給与水準を100としたときの女性の給与水準は77.5となり、前年に比べ0.7ポイント減少

 男女の所定内給与の格差を年齢階級別にみると、同じ雇用形態でも男女間に給与差があり、その差は年齢とともに拡大する傾向がある。

 男性に比べ女性の方が雇用者に占める非正規雇用労働者の割合が高いことが、女性が貧困に陥りやすい背景の一つとなっている。

 末子の年齢が6歳未満の共働き夫婦の妻と夫の平日の生活時間をみると、家事関連時間が女性に、仕事時間は男性に大きく偏っている

 無償の育児・介護・家事労働の女性への偏りは、女性の社会参画への大きな障害であり、無償の育児・介護・家事労働の認識・削減・再分配は、社会全体で取り組むべき課題である。

 女性がキャリアを中断しないことは、男女間賃金格差の是正及び女性の経済的自立にもつながる。女性が不本意に離職することなく、キャリアを形成していくためには、仕事と家事・育児等の両立支援に加えて、女性特有の症状を踏まえた健康への理解・支援等の「健康との両立」も求められる。

「昭和モデル」下においては、正規雇用労働者の多くは男性であり、会社に貢献することが美徳とされ、長時間働き、会社の命に従って転勤することは当然であった。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という固定的性別役割分担意識があり、家事・育児等や自身の健康管理を専業主婦である妻に任せ、夫は仕事にまい進すべきという風潮があった。

 依然として根強く残っている長時間労働の是正等、「昭和モデル」の働き方を改め、希望する誰もが、フレックスタイム制や時差出勤、テレワークなどの柔軟な働き方を選択できるようにしていく必要がある。

 

 月経時の不調に対して、我が国では「生理休暇」の制度があるが、取得率は極めて低くなっている。「生理休暇を申請することは、自らの月経周期を明かすことになるため、言い出しにくい」という声があるほか、女性のみに付与された休暇であるため、男性が多い職場ではなおさら取得しにくい、「生理休暇」は必ずしも有給ではないため、年次有給休暇が優先して使用されているなどの理由があるものと推察される。

 日本では、労働基準法第68条において「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。」と規定している。

(生理休暇制度の概要⇒休暇日数の上限:法律上制限なし、有給・無給の別:事業者判断 、医師の診断書等の事実証明の要否:原則不要

 日本における生理休暇の取得率について、厚生労働省「雇用均等基本調査」によると、女性労働者のうち、生理休暇を請求した者の割合は、平成9年度に3.3%であったが、令和2年度においては0.9%に減少している。

 

 管理的職業従事者に占める女性の割合は、諸外国ではおおむね30%以上となっているが、日本は令和5年は14.6%となっており、諸外国と比べて低い水準となっている。

 常用労働者100人以上を雇用する企業の労働者のうち役職者に占める女性の割合は、上位の役職ほど女性の割合が低く、令和5年は、係長級23.5%、課長級13.2%、部長級8.3%

 令和5年4月1日現在で、都道府県職員の各役職段階に占める女性の割合は、本庁係長相当職22.2%、本庁課長補佐相当職22.6%、本庁課長相当職14.4%、本庁部局長・次長相当職8.6%

 市区町村職員の各役職段階に占める女性の割合は、本庁係長相当職35.9%、本庁課長補佐相当職30.5%、本庁課長相当職19.5%、本庁部局長・次長相当職11.9%

 

 女性の8.1%は不同意性交等の被害にあった経験がある。

 加害者は、交際相手、元交際相手、職場の関係者、配偶者など、大多数は被害者が知っている人となっており、まったく知らない人からの被害は10.0%。

 不同意性交等の被害について、女性の55.4%が、誰にも相談していない

 被害にあったときの状況について、女性は「驚きや混乱等で体が動かなかった」が最も多かった。

 不同意性交等の認知件数は、令和5年は2,711件で、前年に比べ1,056件(63.8%)増加

 不同意わいせつの認知件数は、令和5年は6,096件で、前年に比べ1,388件(29.5%)増加

 依然、弱い立場に置かれた子供・若者が、性犯罪・性暴力の被害に遭う事案が後を絶たない。

 

 女性と女児の安全と、平等かつ意義ある社会参加の促進のためには、社会規範を変え、差別的な社会慣習を無くすよう努めなければならない。

 

 

 以上です。

 

 

<備考>

⇒国会議事録などの内容(抜粋要約、時系列)はつぎのとおりです。

○(平成16年11月30日)第161回国会 参議院 厚生労働委員会

▽委員

 内閣府による調査によりますと、女性は家庭、男性は仕事という固定的性別役割分担意識が、欧米諸国では賛成、どちらかといえば賛成とする割合は小さく、特にスウェーデンでは男女とも10%以下であるのに対しまして、日本では賛成が男性46.5%、女性が36.8%と割合が大きくなっております。このことからも、日本の社会は女性は家庭、男性は仕事という伝統的意識がまだ強く、このような社会では仕事と子育ての両立は難しいと思われます。

▽国務大臣

 固定的性別役割分担意識は縮まってきているとはいえ依然として根強く存在している中で、男性は職場優先の働き方を求められ子育てに十分な時間や力を注ぐことができない一方で、今度は女性の方には出産、育児に伴う負担が極めて大きくなっておりまして、そういう意味で男女とも子育てに対する満足感を低くしているんではないかと、こういうふうに考えるところでございます。

 

○(平成17年2月21日)第162回国会 参議院 憲法調査会公聴会

▽公述人

 男女差別の根本的な要因とは何かという御質問だったかと思うんですけれども、一つは、やはり男性が主とした稼ぎ手、仕事をする、そして女性は補助的な、家事、育児をして補助的に働く、そういった性別役割分担意識と申しますか、そういったものが日本ではまだ色濃く残っているということだと思います。それから、やはり男性の方が女性よりも一人前である、女性の発言なりその人格というのは劣っているという、そういった意識が日本ではまだまだ非常に強い、この二つかなというふうに思っております。

 

○(平成22年12月17日)第3次男女共同参画基本計画
 男女共同参画の実現の大きな障害の一つは、人々の意識の中に長い時間をかけて形作られてきた性別に基づく固定的性別役割分担意識である。このような意識は時代とともに変わりつつあるものの、依然として根強く残っており、特に男性により強く残っている。

 

○(平成27年6月3日)第189回国会 衆議院 内閣委員会

▽国務大臣

 女性管理職の未婚率は男性管理職と比べて高いというふうに私も承知をしております。

 さまざまな要因があると考えられますが、いわゆる固定的性別役割分担意識が残る中で、長時間労働により仕事上の負担が大きい場合は家庭生活との両立が困難になるため、結果的に結婚を諦めざるを得なかった、あるいはお子さんを授かるという選択ができにくかった、そういうことも現にあるというふうに思います。はっきり申し上げれば、本人の希望というよりは、事実上の二者択一の選択を迫られてきたという経過があるというふうに思います。

 

○(平成27年7月31日)第189回国会 参議院 本会議

▽国務大臣

 働きたいという希望を持っていても就職できていない女性が約300万人いらっしゃるなど、働く場面において女性の力が十分発揮されているとは言えません。この理由、背景には、男女共に長時間労働であること、子育て環境が十分でないなど、仕事と家庭生活との両立が困難な場合があること、また、ロールモデルとなる女性の管理職が少なくキャリアプランを具体的にイメージしにくいこと、固定化した性別役割分担意識がまだ残っていることなどがあると認識をいたしております。

 これまで、我が国においては、家事や育児、家族の介護等の家庭的責任の多くを実質的に女性が担っていることによって、女性が職業生活において活躍することが困難になる場合が多かったと考えます。

 

○(平成27年12月25日)第4次男女共同参画基本計画
 我が国において女性の活躍を阻害している要因には、高度経済成長期を通じて形成されてきた固定的な性別役割分担意識、性差に関する偏見や様々な社会制度・慣行があると考えられる。
 我が国においては、固定的な性別役割分担意識や性差に関する偏見を背景に、男性中心型労働慣行が維持されていることなどにより、男性の十分な分担が必ずしも得られず、家事や子育て等における女性の負担が重くなっているのが実態であり、その結果、女性が職場において活躍することが困難になる場合が多い。一方、男性は、家事に不慣れ等の状況や、孤立した介護生活となっている例もある。
 

○(令和元年5月23日)第198回国会 参議院 厚生労働委員会

▽参考人

 根底にあるのは性別役割分担意識です。

 育児、介護といった無償のケア労働の多くが女性によって担われています。そのような現状をそのままにし、女性の側だけになお活躍を求めるのではなく、男性の意識、働き方を大きく見直していくことが真の女性活躍、男女平等に欠かせないことを申し添えておきます。

 

○(令和2年5月28日)第201回国会 参議院 内閣委員会

▽国務大臣

 新型コロナウイルス感染拡大の影響によりまして、平時の固定的な性別役割分担意識、これが反映をしまして、増大する家事、そして子育て、介護などの負担が女性に集中することや、生活不安、ストレスからのDV等の増加、深刻化などが懸念されております。

 非正規雇用労働者に占める女性の割合が相対的に高いことや、特に大きな打撃を受けている飲食、そして観光やサービス分野では、雇用者に占める女性の割合が高いこと等により、女性がより深刻な雇用の危機にさらされていることも大変懸念をされております。

 

○(令和2年11月6日)第203回国会 衆議院 内閣委員会

▽国務大臣

 現在、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、女性に強くあらわれています。

 

○(令和2年11月17日)第203回国会 参議院 厚生労働委員会

▽政府参考人

 男性片働き世帯が多い時代に形成されたいわゆる男性中心型労働慣行や固定的な性別役割分担意識を背景に、家事、育児等の多くを女性が担っている実態がございます。

 

○(令和2年12月25日)第5次男女共同参画基本計画
 男性にも女性にも「主たる稼ぎ手は男性である」といった固定的な性別役割分担意識が残っていることを示す調査結果もある。
 それ以外にも、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の存在により、無意識のうちに、性別による差別・区別が生じることもある。働き方・暮らし方の変革の実現にとって、こうした固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みが大きな障壁となっている。
 非常時には、平常時における固定的な性別役割分担意識を反映して、増大する家事・育児・介護等の女性への集中や、配偶者等からの暴力や性被害・性暴力が生じるといったジェンダー課題が拡大・強化される。
 新型コロナウイルスによる感染症の拡大は、社会的に弱い立場にある者に、より深刻な影響をもたらしている。また、平時の固定的な性別役割分担意識を反映したジェンダーに起因する諸課題が一層顕在化し、必要な支援も明らかになってきている。

 

○(令和3年1月28日)第204回国会 参議院 予算委員会

▽国務大臣

 新型コロナ感染症拡大によりまして、女性に対しての影響というのは大変深刻だというふうに受け止めております。

 特に非正規雇用労働者を中心に、女性の雇用への影響が大きく、昨年4月の女性の就業者数が前月比で約70万人減少しているというような状況であります。

 そして生活面で厳しい状況にあると認識しております。

 また、DVの相談件数が増加しているということ、女性の自殺者数が大幅に増加しているということを大変重く受け止めております。

 

○(令和3年2月16日)第204回国会 衆議院 予算委員会

▽参考人

 女性活躍推進法が施行されたこともあって、確かに女性の雇用は増えてきたというふうに思います。ただ、増えたものの、その多くはやはり非正規雇用となっています。

 その原因なんですが、まず一つは、第一子を出産した女性の約5割が仕事を辞めてしまうという実態があります。仕事を辞めて、結果、しばらく辞めた後、復帰をするときに正社員になれず非正規雇用になるというのが非常に多いです。それから、最初に仕事に就く場合、正社員になれず、非正規でやむなく仕事をせざるを得ない女性たちも30%程度いるというふうに言われています。

 ですので、狭き門の中で女性が働かなければいけない、あるいは、仕事と育児や家事を両立するために、日本の社会はまだ男性中心型雇用慣行、労働時間が長いとか、それから固定的性別役割分担意識が強いとかというところがあって、なかなか女性が正社員で働けない環境があるというふうに思っています。

 

○(令和3年4月13日)第204回国会 参議院 厚生労働委員会

▽参考人

 育児休業取得率は、女性が80%台で推移している一方、男性は7%台にとどまっています。これは、根強い固定的性別役割分担意識が、社会、企業のみならず当事者にも影響しているものと思われます。

 

○(令和3年7月)厚生労働白書(令和3年版)

 新型コロナの影響は、非正規雇用の労働者数の減少という形で現れたが、その傾向は、女性に顕著に現れた。

 就労と家庭生活の両面で、女性に集中的に負荷がかかることとなり、その結果、女性の精神面にも大きな影響を及ぼしていることがうかがえる。

 自殺者の動向を見ても、令和2年7月以降、女性の増加が顕著となっている。

「同居人のいる女性」と「無職の女性」の自殺が自殺率を押し上げており、経済生活問題、DV被害、育児の悩みなど、様々な問題が深刻化している可能性が指摘されている。

 ひとり親家庭については、母子世帯が123.2万世帯、父子世帯が18.7万世帯となっている。

 元々経済的に厳しい状況にあるひとり親家庭は、新型コロナによって、より深刻な影響を受けたのではないかと懸念されている。

▽コラム「女性の声

・配偶者と暮らす女性より

 コロナでパートの仕事がなくなり、夫からは、怠けるなと毎日怒鳴られる。こんな生活がずっと続くなら、もう消えてしまいたい

・シングルマザーの母親より

 子どもが発達障害で、子育てがとても大変なのに、ステイホームでママ友とも会えず、実家にも帰れない。子どもの検診もなくなって、独りでどうやって子育てをしていけばいいのか分からない。死んで楽になりたい。

・夫が県外に出稼ぎに行っているが、コロナで帰ることができず、出産に立ち会えてもらえなかったことが悲しかった。出産後も夫は帰ってくることができず、育児が不安で、もう死んでしまいたい。

・上の子に障害があり、新たに子どもを出産し、育児をしていた女性より

 実家が感染拡大地域となり、子育ての支援に来られなくなってしまった。子育てをする中、急に恐怖を感じるようになり、死んだ方がいいと考えるようになった。

 

○(令和3年12月16日)第207回国会 参議院 予算委員会

▽国務大臣

 令和2年の自殺者数は11年ぶりに増加しておりまして、女性、過去最多となっております。

 

○(令和4年2月9日)第208回国会 衆議院 内閣委員会

▽国務大臣

 女性の自殺者がこのコロナ禍の状況で急増している、これは非常に痛ましいことでございます。

 様々な理由があるんですが、やはり経済的な理由、つまり、コロナ禍によって職を失ったり、元々非正規が女性は多いわけですから、そういう中で、とりわけ飲食とかサービス業が閉ざされることによって職を失って、結果としてそこで死を選んでしまう方がいるということを聞きました。

 新型コロナが拡大する以前からの平時の問題として、女性は男性に比べて非正規雇用労働者の割合が高い、そして、男女間の賃金格差も、正社員同士、非正規雇用労働者同士で比較しても存在して、同じ職業、勤続年数においても差がある。固定的な性別役割意識を背景に、家事、育児、介護を女性が多く担い、働く場合には家計の補助と位置づけられていたなど、様々な課題が認識されていたんですが、結果として、コロナ禍で緊急事態になったときには、飲食、宿泊業の非正規雇用者を中心として女性の就業者数が減少した。

 また、全国一斉休校というのは、子供たちを持つ親からすると、母親と父親がいても、やはり母親が仕事を休んで子供に付き添わなきゃならないというのが平時からの日本の現実なんですね。

 そういうことがより明らかになってきたんだと思います。

 

○(令和4年2月10日)第208回国会 衆議院 内閣委員会

▽国務大臣

 引き続き、女性が家事、育児の多くを担っている傾向というのは変わっていません。また、令和二年度のDVの相談件数というのは令和元年度の約1.6倍になっていまして、令和三年度も毎月1万4千から1万5千件台と高水準で推移していますので、この背景には、やはりコロナ禍の生活不安やストレス、外出自粛による在宅時間の増加等があるものと考えられます。

 女性の自殺者は例年より大幅に増加し、無職者のうち主婦の自殺も増加したほか、雇用者の自殺も大幅に増加しました。コロナ禍において、人と接する機会や場が少なくなり、経済的にも不安定な生活を強いられる女性が増えていることに加え、今申し上げたように、DVの増加等も原因として考えられます。

 また、こうしたことの背景には、コロナによる経済や生活への直接的な影響だけでなく、元々平時において男女共同参画が進んでいなかったこと、これがコロナの影響により顕在化したことがあると考えています。

 

○(令和4年2月15日)第208回国会 衆議院 予算委員会公聴会

▽公述人

 日本の男女間賃金格差は国際的に見ても大きく、その要因は勤務年数や管理職比率の差異となっておりますけれども、その背景には、固定的性別役割分担意識による職務配置や仕事の考え方、キャリア形成による男女の偏り等があります。

 

○(令和4年3月25日)第208回国会 参議院 厚生労働委員会

▽参考人

 男性の育児休業取得が進まない背景には、固定的性別役割分担意識が根源にあると考えられます。

 

○(令和4年3月31日)第208回国会 参議院 内閣委員会

▽国務大臣

 女性はマイノリティーと言われていますけれども、実際に人口でいうと国の51%が女性、有権者に至っては約52%を占めています。決してマイノリティーではないんですが、各分野において指導的地位に就く女性が少ない、この現状が問題であると思います。その要因としては、アンコンシャスバイアスとか、やはりずっと続いている固定的な性別役割分担意識、こういうものが要因であろうと言われています。

 

○(令和4年6月)男女共同参画白書(令和4年版)

 新型コロナ感染拡大の影響は、男女ともに大きいが、特に女性の就業や生活への影響は甚大である。

 飲食・宿泊業等をはじめ、女性の就業者が多いサービス業を直撃し、非正規雇用労働者を中心に雇用情勢が急速に悪化したほか、女性の自殺者数が急増した。

 DV相談件数の増加や、女性の貧困の問題等が可視化され、我が国において男女共同参画が進んでいなかったことが改めて顕在化した

 こうした問題の背景には、ひとり親世帯や単独世帯の増加等、家族の姿が変化しているにもかかわらず、男女間の賃金格差や働き方等の慣行、人々の意識、様々な政策や制度等が、依然として戦後の高度成長期、昭和時代のままとなっていることが指摘されている。

 例えば、男女間の賃金格差を見ると、同じ正社員でも年齢とともに男女間の賃金格差が拡大する傾向があり、また、平均的に見ると、大卒女性の正社員の給与は高卒男性とほぼ同水準である。

 実態とかい離した制度・慣行、無意識の偏見を含む固定的な性別役割分担意識等に基づく構造的な問題などが指摘されている。

 令和3年の正社員・正職員の男女の所定内給与額は、男性の給与水準を100とした場合、女性の給与水準は77.6。

 フルタイム労働者において、男性の賃金の中央値を100とした場合、女性の賃金の中央値は77.5。

 

○(令和4年8月17日)コロナで自殺者8000人増、20代女性最多、経済的困難が要因の1つか、東大などのチーム試算

 チームの東大准教授は「男性より非正規雇用が多い女性は経済的影響を受けやすく、若者の方が行動制限などで孤独に追い込まれている可能性がある」としている。

 政府の統計で国内の自殺者は、男性は12年連続で減少する一方、女性は2年続けて増加。

 

○(令和4年10月2日)コロナ禍で女性だけ自殺が増えている、なぜ?(NHK)

 年間の自殺者数は2010年以降減少傾向となり、2021年は2万1007人でした。

 東京大学の准教授などのグループは、コロナ禍がなかった場合の自殺者の数を試算し、実際の自殺者数と比較するシミュレーションを定期的に行っています。

 公表された最新の分析では、コロナ禍が広がった2020年3月から2022年7月までの2年5か月で、自殺した人の数が約8500人増えたとするシミュレーション結果となっています。

 最も多いのは20代の女性で約1100人に上っています。

 20歳未満の女性も同じ年代の男性と比べて多く、約300人でした。

▽東京大学准教授

 人と人との接触の減少や家庭内で過ごす時間の増加など生活様式の変化が何らかの精神的なストレスにつながっていると推測される。

▽九州大学講師

 母親が育児や介護などの役割を引き受ける日本社会の中にある固定的なジェンダーの問題が、コロナ禍の生活の変化で女性へのしわ寄せにつながっているのではないか。

 

○(令和4年10月27日)第210回国会 参議院 内閣委員会

▽国務大臣

 女性活躍、男女共同参画は、全ての人が生きがいを感じられる、個性と多様性を尊重する社会を実現するために極めて重要です。我が国の経済社会の持続的発展にも資するものです。

 しかしながら、我が国の女性活躍、男女共同参画は諸外国と比べて立ち遅れており、その背景にある男女間の賃金格差や固定的な性別役割分担意識など、構造的な問題に対応していく必要があります。

 

○(令和4年10月28日)第210回国会 衆議院 内閣委員会

▽委員

 女性の自殺は過去最高を数えています。非正規労働の7割は女性、そして、男女の賃金格差はひどく、一人親の2人に1人が貧困という状態です。その状態の中で自民党政権が繰り返してきたのが消費税増税でした。

 

○(令和4年11月4日)第210回国会 衆議院 内閣委員会

▽委員

 例えばお茶くみであったり受付嬢であったり、様々な職業の中で女性というのは安い労働力ではないかというふうな社会的な風潮というのは昭和の時代から残っていると認識しています。

▽国務大臣

 御指摘のとおり、男女共同参画が進まない要因の一つに、固定的な性別役割分担意識や性差による偏見、固定観念、無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャスバイアスがあることが挙げられております。

 昨年内閣府が行った調査によりますれば、例えば、男性は仕事をして家計を支えるべきだですとか、育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきではないなどの項目で、回答者の多くに性別による無意識の思い込みがあることが分かりました。

 

○(令和4年11月9日)第210回国会 参議院 憲法審査会

▽委員

 女性の貧困と自死が加速。2021年、横浜市が行ったロスジェネ、非正規女性の調査。年収はほぼ2人に1人が200万円未満、貯蓄は10万円未満が最も多い。収入の低さから病院にもなかなか行けないという実態が明らかに。

 

○(令和5年2月22日)第211回国会 参議院 国民生活・経済及び地方に関する調査会

▽委員

 財務省のレポートによれば、出産一年前の収入を基準としたときに、出産一年後の収入は67.8%減少することが分かっております。

 

○(令和5年3月14日)女性の自殺、3年連続増(共同通信)

 2022年の女性の自殺者数が7135人に上り、3年連続で増加したことが、警察庁の自殺統計(確定値)に基づく厚生労働省のまとめで分かった。小中高生は514人と過去最多だった。

 

○(令和5年6月)男女共同参画白書(令和5年8月)厚生労働白書、経済財政白書

 我が国の家族の姿は変化しており、近年では単独世帯が全世帯の約4割を占めるようになった。

 2021年、ひとり親世帯のうち母子世帯が約9割を占める。

 ひとり親世帯の相対的貧困率は約48%。

 離婚した母子家庭が養育費を受けている割合は28.1%にとどまっている。

 母子世帯の母自身の平均年間収入は272万円(父子世帯は518万円)であり、児童のいる世帯の1世帯当たり平均所得金額813.5万円と比べて低い水準となっている。

 母子世帯の母は86.3%が就業、このうち「パート・アルバイト等」が38.8%、「正規の職員・従業員」が48.8%。

 一方、父子世帯の父は88.1%が就業、このうち「パート・アルバイト等」が4.9%、「正規の職員・従業員」が69.9%、「自営業」が14.8%。

 同じ雇用形態でも男女間に給与差があり、その差は年齢とともに上昇する傾向がある。

 2022年の年齢階級別に男女の年収差をみると、20~29歳の年齢階級で、女性の年収は男性対比で約22%低く、30~39歳では約36%低く、50~59歳では約43%低くなっている。

 こうした年収差は、女性の方が男性よりも労働時間が短いだけでなく、女性の時給が男性よりも低いことにも起因している。

 時給の男女差が生じる背景としては、第一に、女性の方が正規雇用の割合が低い。

 第二に、管理職割合に大きな男女差がある。勤続年数を揃えてみても、月給ベースで男女間賃金格差が残る下で、管理職割合にも大きな男女差が残っている。

 内閣府の調査によれば、職場の役割分担に関するつぎの項目については、女性よりも男性の方が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」との傾向が強い。

「職場では、女性は男性のサポートにまわるべきだ」

「同程度の実力なら、まず男性から昇進させたり管理職に登用するものだ」

「女性社員の昇格や管理職への登用のための教育・訓練は必要ない」

「男性は出産休暇/育児休業を取るべきでない」

「仕事より育児を優先する男性は、仕事へのやる気が低い」

 男女別の1日の時間の使い方のデータを見ると、現在でも有償労働(仕事)時間が男性、無償労働(家事関連)時間が女性に大きく偏っている

 2021年時点で、6歳未満の子供を持つ妻・夫の家事関連時間の妻の分担割合を見ると、妻が無業(専業主婦)の場合は家事関連時間の84.0%、有業(共働き)であっても77.4%を妻が担っている。

 家事・育児等の負担が女性に偏ること、長時間労働の慣行が変わらないことで、我が国の女性の社会での活躍の遅れや、男女間賃金格差など、社会に様々な歪みが生じている。

 また、生活時間の国際比較を行うと、我が国においては、諸外国に比べて男性の有償労働時間が極端に長く、無償労働時間が極めて短いことが特徴であり、このことが我が国の女性の社会での活躍、男性の家庭や地域での活躍を阻害する一因になっていると考えられる。

 女性は男性と比較して正規雇用比率が低く、2022年、女性雇用者の半分以上が非正規雇用労働者となっている。一方で、男性雇用者の約8割が正規雇用労働者となっている。

 女性の年齢階級別正規雇用比率は25~29歳の59.7%をピークに低下している。

 結婚し、さらに子供が生まれると、女性は家事・育児と仕事を両立することを目的に働き方を変える場合が多く、その結果、我が国では女性の非正規雇用労働者の割合が大きいのが現状である。

 現在、我が国の女性においては、子育てを行うことと、キャリアの追求のどちらかを選択しなければならない場合が多く見受けられる。

 我が国では、出産後の無償労働時間は、女性で増えやすい。

 子供が生まれたことにより、仕事との向き合い方を変え、仕事の時間を制限するのは、男性と比べて女性が多い。

 結婚後、特に子供を持った後は、女性がライフスタイルを変え、夕方以降の家事・育児等を一人で担い、男性は労働時間が増える傾向にある。

 出産を機とした離職は、女性の勤続年数が男性よりも短くなる一因になっている。

 出産を機に、女性の労働供給量が男性に比べ抑制されることで生じうる所得の減少や昇進の遅れは、女性にとってハードルである。

 国際比較の観点からは、我が国では家事・育児負担が女性に偏る傾向が強い中で、男性の育休取得率が低く、家計のベビーシッターの利用割合も低い。

「生涯を独身で過ごすというのは、望ましい生き方ではない」という考えを支持する割合は、2015年には男性で64.7%、女性で58.2%であったが、2021年には男性で51.1%、女性で39.3%と、いずれも大幅に低下。

「結婚したら子どもは持つべきだ」という考えを支持する割合も、2015年には男性で75.4%、女性で67.4%であったが、2021年には男性で55.0%、女性で36.6%と大幅に低下。

 50歳時点の未婚率は、1970年時点で男性1.7%、女性3.3%だったが、2020年には男性28.2%、女性17.8%まで上昇。

 今後も緩やかに上昇し、2040年には男性で29.5%、女性で18.7%になると推計されている。

 男性では、年収が下がるほど未婚率が高くなる。

 一方、女性では、年収200万円未満と比べると年収200万円以上の方が未婚率が高い。

 年収と未婚率の関係には、男女差があることがうかがえる。

 管理的職業従事者に占める女性の割合は、諸外国ではおおむね30%以上となっているところ、2022年、我が国は12.9%と、諸外国と比べて低い水準となっている。

 中学校及び高等学校の校長に占める女性の割合は1割未満。

 大学・大学院の教授等に占める女性割合は2割未満。

 我が国では理工系学部の卒業者では、女性割合の低さが際立っている。固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みが、影響を及ぼしている可能性がある。

 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターへの相談件数は、年々増加。

 女性の約4人に1人は、配偶者から暴力を受けたことがあり、女性の約10人に1人は何度も被害を受けている。

 女性の約14人に1人は無理やりに性交等された経験がある。

 加害者は、交際相手、配偶者、職場の関係者など、大多数は被害者が知っている人となっており、全く知らない人からの被害は1割程度。

 性暴力被害について、女性の6割程度が、誰にも相談していない。

 被害にあったときの状況について、女性は「相手から、不意をつかれ、突然に襲いかかられた」が最も多かった。

 新型コロナの流行により、困難な問題を抱える女性の課題は顕在化してきた。

 例えば、在宅時間の増加などに伴うDVの問題、外出自粛が求められた中で家庭に居場所がない若年女性の存在、大きく影響を受けた飲食・宿泊業などの非正規雇用労働者等に女性の割合が高いことによる、生活困窮の問題などがある。

 女性、特に非正規雇用の女性に大きな影響をもたらしており、解雇や労働時間の減少など雇用に大きな変化が起きた者の割合は、女性は26.3%と約4人に1人となっている。

 我が国の自殺者数は、2010年以降は10年連続の減少となり、2019年の年間自殺者数は統計開始以来最小となった。

 しかし2020年は、特に女性や小中高生の自殺者数が増え、総数21,081人は11年ぶりに前年を上回った。

 2021年には、総数21,007人は前年から減少したものの、女性の自殺者数は増加し、小中高生の自殺者数は過去2番目の水準となった。

 そして2022年には、総数21,881人は前年から増加し、女性は3年連続の増加となっている。また、小中高生の自殺者数は514人と過去最多となっている。

 

○(令和5年10月26日)第212回国会 参議院 本会議

▽議員

 男女別の賃金公表制度の結果、日本経団連役員企業の女性の賃金は男性の4から8割と軒並み低く、企業規模が大きくなるほど男女格差が大きいことも判明しています。大企業は、コース別採用や全国転勤等を要件とした雇用管理、派遣、非正規化など様々な形で安上がりの労働力として女性差別を続け、女性の低賃金構造を温存してきました。

 

○(令和5年12月22日)こども未来戦略~次元の異なる少子化対策の実現に向けて

 日本の夫の家事・育児関連時間は2時間程度と国際的に見ても低水準である。

 こどもがいる共働きの夫婦について平日の帰宅時間は、女性よりも男性の方が遅い傾向にあり、保育所の迎え、夕食、入浴、就寝などの育児負担が女性に集中する「ワンオペ」になっている傾向もある。

 今も根強い固定的な性別役割分担意識から脱却し、社会全体の意識の変革や働き方改革を正面に据えた総合的な対策をあらゆる政策手段を用いて実施していく必要がある。

 

○(令和6年1月9日)提言書「人口ビジョン2100」人口戦略会議

 多くの若者世代が、子どもを持つことをリスクや負担として捉えている状況があります。

 その背景の一つには、今や共働き世帯が全体の7割を超えていますが、今なお女性が出産に伴い、退職したり、短時間勤務へ切り替えたりせざるを得ないため、収入が大幅に減少することがあります。

 女性が出産退職する理由として多くあげられるのは、非正規雇用の場合は「育休など制度がなかった」であり、正規雇用の場合は「育児と両立できる働き方ではなかった」「職場に両立を支援する雰囲気がなかった」などです。

 また、子育て世帯が2人目の子どもを持つことを躊躇する理由として、夫の育児・家事時間が短く、育児参加が期待できないことがあげられています。

 このような状況は、いわば“昭和のライフスタイル”を前提とした制度や社会規範が、今日に至るまでそのまま維持されてきたことが背景にあります。

 核家族化が進み、地域のつながりも希薄となる中で、孤立感や不安感を抱く妊婦・子育て家庭が増加しています。

 ひとり親家庭、特に母子家庭は、貧困リスクが高いのが実情であり、支援施策の抜本的な拡充を図るべきです。

(2024.6.28)

 

 

 タイトルについての内容(抜粋要約)はつぎのとおりです。

 

○(令和6年6月14日)厚生労働大臣会見概要

▽記者

 2022年2月には、米国ワシントン州のスポ―ケンの病院で生後45日の乳児が、コロナワクチン接種者の血液を輸血して24日後に左膝から心臓まで続く巨大な血栓症が生じて死亡する事例が発生したことも明らかになっています。

▽大臣

 血液製剤の安全性については、医薬品医療機器等法に基づき医師や製造販売業者から常に国内外の情報を収集しています。これまでに新型コロナワクチン接種者の献血血液由来であることを原因として血液製剤の副作用が生じたとする報告は承知していません。

 

 

⇒「長く大きな血栓」について、例えばつぎの症例経過(副反応疑い報告)があります。

▽29歳の妊婦

 病歴等:有害な妊娠転帰のリスク因子、例えば 高血圧、糖尿病、家族歴など、特になかった。血清学的検査は、全て異常なしであった。

 2月4日 妊娠日(判明した受診日)

 8月17日(妊娠33週)左股関節、左足に違和感、痛みを感じる。

 その後、妊婦検診にて症状を伝えた。骨には異常なし。

 妊婦にありがちな症状と言われた。

 8月28日(妊娠35週)妊婦患者は新型コロナワクチン1回目接種を受けた。

 8月29日(ワクチン接種1日後)昼頃から左股関節、左足の痛みが強くなり、しびれの症状も発現。

 歩行が困難になった。トイレにも行き辛く、 食事も摂れなくなった。

 8月31日(ワクチン接種3日後)日ごとに悪化し、ほぼ寝たきり状態であった。

 9月1日(ワクチン接種4日後)かかりつけの産科病院に連絡した。救急車を呼び、総合病院Aに行くよう指示を受けた。

 総合病院Aでの診療の結果、骨には異常なし。

 妊婦にありがちな症状と診断された。

 特に異常なしと言われた。

 整形外科の医師がいない為、次の日再度、整形外科を受診するように言われた。痛み止めの点滴をし、薬を処方され、帰宅した。

 しかし夜、痛み、しびれの症状が一段と強くなった。

 痛みに耐えられず、胎児の事も心配になり、産科病院にて再度診察をした。

 この時も、妊婦にありがちな股関節症ではないかと診断された。

 食事も摂れていなかったため、補液と痛み止めの点滴をするため、産科病院に入院した。

 9月2日(ワクチン接種5日後)超音波検査で、左大腿部の腫れに、血栓が疑われた。

 よって朝、総合病院Aに救急搬送された。

 超音波検査の結果、大きな血栓が認められた。

 医大Bに救急搬送された。

 医大Bにて採血・超音波検査の結果、臍(へそ)の下から左膝裏にかけて、長く大きな血栓が認められた。

 深部静脈血栓症合併妊娠と判明した。

 患者は入院し、ヘパリンの24時間持続点滴を開始した。

 ICU(9/2~9/10)を訪問した。

 9月3日(ワクチン接種6日後)点滴の効果が出ず、ヘパリンの単位数が増えた。

 9月8日(ワクチン接種11日後)下大静脈フィルター留置術を受けた。

(下大静脈フィルターは、大きな血栓肺へ移動肺動脈が詰まること、すなわち肺塞栓症などの予防のために、腹部の静脈に挿入。)

 9月9日(ワクチン接種12日後)全身麻酔の帝王切開術で、出産した。(分娩予定日は10/1であった。)

 在胎週数は、36週であった。

 出産時、新生児仮死(蘇生)であった。

 NICUに5日間入院した。

 奇形/異常はなかった。

 性別は、女児であった。

 9月13日(ワクチン接種16日後)患者(母)は、CTの結果、肺塞栓症と判明した。

 事象、深部静脈血栓症の転帰は軽快で、その他の事象の転帰は不明であった。

 重篤性、ワクチンと事象の因果関係は提供されなかった。

 

 

 以上です。

(2024.6.26)

 

 

 タイトルについての内容(抜粋要約、時系列)はつぎのとおりです。(文末備考の記事等の内容全体をまとめたものです。)

 

○(令和3年8~9月)鹿児島の新型コロナ宿泊療養施設で、県医師会の男性職員が、看護師の女性に複数回の性的行為を行なう。

 

○(令和3年12月1日)被害者の女性の雇用主が、県医師会の男性職員に事実確認し、事件発覚。

⇒後に、男性職員とその父(鹿児島中央署に勤務していた警部補)が鹿児島中央署に相談。

 

○(令和3年12月5日)男性職員が文書を作成し、被害者の女性の雇用主に提示。

⇒男性職員が「罪状」と題して、「自らの理性を抑えることが出来ず、衝動的な行動に至ってしまった事実に対し、刑法第一七七条に規定されております、強制性交等罪であることを認めます」とする手書き文書を作成し、女性の雇用主にその画像だけを送信。

 

○(令和4年1月7日)被害者の女性が鹿児島中央署に告訴状を提出したものの、警察官が受け取りを拒否

⇒後に、国会において、委員「当初、被害看護師が弁護士が書いた告訴状を持って告訴をしようと警察署に行ったところ、対応した女性警察官はむしろ被害女性を責めて、告訴を思いとどまらせるような言動を4時間繰り返しまして、受理しなかったということなんです。この警察署は、加害側の医師会職員の父親が勤務していた警察署なんですね。」

⇒後に、被害者の女性の弁護士「女性が告訴に訪れた際に対応した警察官は挨拶もなく、告訴状を受け取ろうとも、事情を聞こうともせず、散々消極的なこと、「事件にならない」という趣旨のことを言われた」

 

○(令和4年1月17日)被害者の女性が男性職員を強制性交の疑いで刑事告訴。

 

○(令和4年2月)県医師会が調査委員会を設置。

 

○(令和4年9月27日)県医師会が記者会見で「合意があった」と述べ、男性職員の停職3カ月の懲戒処分発表。

 

○(令和4年9月28日)コロナ療養施設で女性看護師と複数回の性的関係 鹿児島県医師会の男性職員を停職3か月(南日本新聞)

 合意の有無を巡り両者に意見の食い違いがあったが、調査委委員の鹿児島県医師会の顧問弁護士は「メールや電話の受発信履歴など客観的証拠を総合的に検討し、合意に基づくものと判断した」と説明した。

 

○(令和4年10月末)男性職員が依願退職。

 

○(令和5年2月1日)女性が男性元職員に損害賠償を求めて鹿児島地裁に提訴。

 

○(令和5年3月8日)第211回国会 参議院 予算委員会

▽委員

 NHK、読売新聞、南日本新聞の記事でございます。コロナの宿泊療養施設での不適切行為についての記事なんですね。鹿児島県医師会の職員が宿泊療養施設のホテルで看護師と何度も性行為を行っていたという記事なんです。しかも、看護師の同意はなくて、性的暴行だとして刑事告訴されているんです。

(省略)

 この報道を受けて鹿児島県が医師会に行った対応を御存じでしょうか。情報公開によりまして、口頭注意、そして報告書提出後の指摘事項の存在が明らかになっています。

▽政府参考人

 議員御指摘の口頭注意としましては、県の医師会の対応につきまして、事案発生後の報告時に謝罪がない等、事態の重大さを真摯に受け止めた上で適切な対応を取るといった姿勢が感じられなかった、関係者からの聞き取りをする前から事案に係る発言があるなど予断を持って調査が進められた、当該発言をした理事を調査委員会の委員としたまま調査を終えており、調査の進め方に問題があったといった内容があったものと承知をしております。

 また、報告書提出後の医師会の対応についての指摘につきましては、医師会が行った記者会見の内容と報告書の内容には齟齬があった、医師会が処分を決定するに当たり、情状酌量の判断として当該職員が一定の社会的な制裁を受けたとしているが、何をもってそのように言えるのか疑問であるといった内容があったものと承知をしております。

▽委員

 ありがとうございます。そのとおりなんですね。

 医師会は、被害者から聞き取りをする前から医師会の理事が県に説明をして、予断を持って調査が進められておりまして、医師会が被害を矮小化している現実が公文書に記されているような状態なんです。

(省略)

 当初、被害看護師が弁護士が書いた告訴状を持って告訴をしようと警察署に行ったところ、対応した女性警察官はむしろ被害女性を責めて、告訴を思いとどまらせるような言動を4時間繰り返しまして、受理しなかったということなんです。

 この警察署は、加害側の医師会職員の父親が勤務していた警察署なんですね。何度も女性警察官は部屋を出て上司の判断を仰いでいたというふうに聞いております。極め付けは、帰り際に、被害女性に対して告訴しませんよねということで念押しをしたということなんです。

 

○(令和5年5月)看護師の女性の雇用主は、面識のなかった鹿児島県警の藤井巡査長(⇐後に、県警の内部文書を第三者に流出した疑いで逮捕される)から突然「会いたい」という申し出があり面会した。職場に訪ねてきた藤井巡査長は、概ねつぎのとおり述べた。「(強制性交事件で)被害に遭われた女性に関しては、本当にうちの警察はよろしくない対応を取って、誠に申し訳ありません。私はいち警察官で、県警を代表する立場の人間ではないけれども、本当に申し訳ないと思う。それを謝りたいと思って来ました」。

 

○(令和5年6月9日)鹿児島県警が県医師会の男性元職員を強制性交の疑いで書類送検。

 

○(令和5年6月12日)藤井巡査長が県警の内部文書を第三者に送信した疑い。

 

○(令和5年10月25日)鹿児島県警、腐敗の証明|背景に「警察一家」擁護と特定団体との癒着(ハンター)

 ハンターが入手したのは鹿児島県警の内部文書「告訴・告発事件処理簿一覧表」2枚。いずれも同じ案件に絡むもので、本筋は昨年男性Sが強制性交の疑いで告訴された事件

 Sの父親は、今年3月まで鹿児島中央署に勤務していた現職の警部補。

 

○(令和5年11月17日)「独自入手」鹿児島県警で組織的隠蔽加速|捜査記録「速やかに廃棄」指示(ハンター)

 鹿児島県警察が、一般の事件も含めた対応の記録を積極的に破棄するよう現場の警察官らに指示していたことがわかった。県警刑事企画課が課員向けの内部文書で「速やかな廃棄」を指示していた。

 ハンター編集部が入手した問題の文書は、鹿児島県警の「刑事企画課だより」(10月2日付)。(⇐藤井巡査長が流出させた資料の一部。)

「現に保管している事件記録の写しについても、保管の必要性を適宜判断し、保管の理由が説明できず、不要と判断されるものは速やかに廃棄しましょう」

「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!

「取調べ内容を記録する紙は、必要に応じて組織的に管理する場合があるため、大学ノートではなく、取り外しが可能なルーズリーフを使用しましょう

 

○(令和5年11月)「刑事企画課だより」は、ネットに流出して県警内部でも問題視され、11月に「国賠請求や再審請求への対応に必要な文書は廃棄せずに保管管理する必要がある」といった内容に改められた。

 

○(令和5年12月22日)鹿児島地検が県医師会の元職員を嫌疑不十分で不起訴処分。

 

○(令和6年1月31日)被害者女性が不起訴処分を不服として、鹿児島県検察審査会に審査請求。

 

○(令和6年3月11日)藤井巡査長が県警の内部文書を、再度、第三者に送信した疑い。

 

○(令和6年3月12日)鹿児島県警 性的暴行事件など4つの事件 個人情報流出(NHK)

 鹿児島県警察本部は、新型コロナウイルスの患者の宿泊療養施設で起きた性的暴行事件など、4つの事件の当事者の名前を含む個人情報が外部に流出していたことを明らかにしました。

 鹿児島県警察本部によりますと、流出していたのは「告訴・告発事件処理簿一覧表」と呼ばれる内部文書です。

 この中には、新型コロナの患者の宿泊療養施設で起きた性的暴行事件で、告訴した人や、告訴されたあと不起訴となった人の名前などもあり、去年10月、この事件の警察の捜査に問題があったとするネットメディアの記事で個人情報を黒塗りにした状態で掲載され、流出が発覚したということです。

 

○(令和6年3月28日)鹿児島県警を退職後の本田前部長(⇐後に、国家公務員法違反の疑いで逮捕)が内部告発文書を投函した疑い。

⇒当時公表されていなかった、鹿児島県警枕崎署の鳥越巡査部長の盗撮事件や霧島署員のストーカー事案に関する書類など。

 

○(令和6年3月29日)強制性交事件「もみ消し」の代償(1)|鹿児島県警情報漏洩の真相(ハンター)

 鹿児島県警の捜査資料が大量に流出した。原因を作ったのは、“ある事件”のもみ消しを図ったとみられる井上県警刑事部長による不当な捜査指揮だ。

 “ある事件”とは、2021年に起きた鹿児島県医師会の男性職員を被疑者とする強制性交事件のことである。

 被害を受けたのは、鹿児島県が新型コロナウイルスの感染者を収容するため設置した宿泊施設に派遣されていた女性スタッフだった。

 

○(令和6年4月3日)札幌のジャーナリスト小笠原さんに県警の不祥事隠蔽を告発する匿名の投書が届く。(⇐本田前部長が3/28に投函した投書)

⇒後に、6月5日の法廷で本田前部長は次のように述べた。

「私は、退職後、この不祥事をまとめた文書を、とある記者に送ることにしました。記者であれば、個人情報なども適切に扱ってくれると思っていました。マスコミが記事にしてくれることで、明るみに出なかった不祥事を、明らかにしてもらえると思っていました。私が退職した後も、この組織に残る後輩がいます。不祥事を明らかにしてもらうことで、あとに残る後輩にとって、良い組織になってもらいたいという気持ちでした」

⇒後に、札幌のジャーナリスト小笠原さん。

「結構な厚さがあるんですけれども、1枚目に“闇を暴いてください”と書いてあって」

 小笠原さんは、本田前部長とは面識がなかった。「九州の「ハンター」というサイトに鹿児島県警絡みの記事を書いたことがあるので、それをご覧になって名前を覚えていたんだろうか」

「(文書が届いたのが)4月3日で「ハンター」にメールで送り共有したのも、その日の午後。それから5日後の4月8日に「ハンター」の編集部に、鹿児島県警が強制捜査をかける…いわゆる家宅捜索に入った」

「いろいろな取材の秘密が詰まっているパソコンであるとか、スマホであるとか、その中に私がハンターに送ったデータがあって、今回の本田前部長の逮捕につながったのでは…」

 小笠原さんは、本田前部長が法廷で内部告発の送り先が小笠原さんであると実名をあげた後、報道機関の問い合わせを受けて初めて、差出人が本田前部長であると知った

 

○(令和6年4月8日)強制性交事件「もみ消し」の代償(2)|疑われる鹿児島県警と県医師会の「共謀」(ハンター)

 特に酷かったのは、9月27日に医師会が開いた会見で、池田会長と同会の顧問弁護士が、世間に向けて「合意に基づく性行為」を断言していたこと

 この時期は、まだ具体的な事件捜査が行われておらず、検察でも裁判所でもない医師会が事件の裁定を下すのは法を無視した暴走でしかない。

 

○(令和6年4月8日

▽鹿児島県警が、藤井巡査長を地方公務員法違反(捜査情報など職務上知り得た秘密を漏らした)の疑いで逮捕。

▽鹿児島県警が、強制性交被害を訴えた女性の雇用主のスマホを押収

⇒4月8日、女性の雇用主が鹿児島市内の駐車場で車に乗ろうとした瞬間、バタバタと駆け寄ってきた県警捜査員4、5人に取り囲まれた。「スマホを置いていってください」。令状を示され、スマホを押収された。藤井巡査長の情報漏洩事件の参考人として県警の聴取を受けた。

▽鹿児島県警が、福岡で「ハンター」を家宅捜索し、パソコン、スマホなどを押収

⇒4月8日午前8時半「ガサ」は突然始まった。調査報道を行なうニュースサイト「ハンター」代表、中願寺さんの自宅兼事務所に、鹿児島県警の捜査員10人が現れた。「上がるな」。中願寺さんが言うと、捜査員は「ガサ状がありますから」。令状を読み上げないまま室内へ上がり込んできた。弁護士に電話しようと手にしたスマホは、捜査員に腕を押さえつけられ、取り上げられた。「令状を読み上げ始めたが「こっちは素人じゃない。いいから令状を見せろ」と言った。令状は結局最後まで読み上げられず、手にひらひらと持ったまま、見せてもくれなかった」(中願寺さん)。

 鹿児島では同じ日、県警の捜査情報などを「第三者」に流出した地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで、藤井巡査長が逮捕された。中願寺さんはその関係先として家宅捜索され、参考人として取り調べを受けた。

 県警はパソコンも押収した。中には、取材で集めた情報、取材先とやり取りしたメール、ジャーナリストの生命線である「取材源の秘匿」にかかわる情報が詰まっている。中願寺さんは叫んだ。「パソコンすぐに返さないなら業務妨害で訴えるぞ」

 翌日、パソコンは返された。(処理簿などデータが返却時には削除されていた。)パソコン画面のデスクトップに、匿名の内部告発文書(⇐本田前部長が投函した文書)の写しを保存していた。鹿児島県警の職員がストーカーや盗撮など犯罪を疑われる行為を働き、幹部も報告を受けているのに立件も公表も処分もされていない、内部しか知り得ない情報が詳細に記されていた。

 鹿児島県警は、この内部告発文書をハンターで押収したパソコンから見つけたのを端緒に、本田前部長を割り出したとみられる。

 

○(令和6年5月13日)鹿児島県警が枕崎警察署の鳥越巡査部長を建造物侵入などの容疑で逮捕。昨年12月、県内の女性トイレに侵入して個室内の女性を盗撮した疑い。

 

○(令和6年5月31日)鹿児島県警が本田前部長を国家公務員法違反の疑いで逮捕。

 

○(令和6年6月5日)本田前部長が法廷で、鳥越巡査部長による盗撮事件の捜査をめぐり「野川本部長が警察官による不祥事を隠蔽しようとする姿に愕然とした。公益を守るため、記者に捜査資料を送りました」と述べ、内部告発の送り先は、小笠原さんであると実名をあげた。

 

○(令和6年6月6日)鹿児島県警「情報漏洩」の真相(1)|盗撮事件、幹部が「静観」指示か(ハンター)

闇を暴いてください。」差出人不明の郵便物の1枚目には、そう大きく印字されていた。

 鹿児島県警は5月13日、枕崎警察署の鳥越巡査部長を建造物侵入などの容疑で逮捕した。

 取材結果や関係者の証言などによれば、この件は一度内部で握り潰されていた。当事者逮捕により事態が明るみに出る結果となったが、それまで少なくとも半年間は一切が伏せられていたわけだ。

 

○(令和6年6月7日)野川本部長「私が隠ぺいの意図を持って指示を行ったということは、一切ございません」。

 

○(令和6年6月11日)「疑惑の県警」報道機関を強制捜査し、内部告発した取材源を特定!鹿児島県警「前代未聞の暴挙」は憲法違反だ(slow news)

 報道機関に警察が捜索に入って取材資料を差し押さえ、それを端緒に、報道機関の取材源を特定して逮捕する、などということは、言論の自由を保障する民主主義国では通常ありえません。社会における公共情報の流通を大きく萎縮させて、民主主義を機能しづらくすることになるのが明らかだと考えられてきたからです。

 取材源の秘匿は、報道界にあって、「報道機関が何より優先すべき責務であり、個々の記者にとっては、取材活動の根幹をなす究極の職業倫理である」と考えられてきている。

 社団法人日本新聞協会と社団法人日本民間放送連盟は次のように述べている。

「報道機関で取材活動に従事するすべての記者にとって、「取材源(情報源)の秘匿」は、いかなる犠牲を払っても堅守すべきジャーナリズムの鉄則である。隠された事実・真実は、記者と情報提供者との間に取材源を明らかにしないという信頼関係があって初めてもたらされる」

 最高裁は「取材源の秘密は、取材の自由を確保するために必要なものとして、重要な社会的価値を有する」と述べつつ、やや留保を置いている。しかし、最高裁を含め裁判所がどのような判断を出しても出さなくても、それとは無関係に、「上級審等がいかなる判断を下そうとも、取材源を守る姿勢は最後まで貫き通すことを改めて確認しておく」というのが、日本新聞協会と日本民間放送連盟の公式見解となっている。

 法務大臣ら政府当局者は「いわゆるニュース・ソースの秘匿性というようなことにつきましても、検察当局として十分これを尊重しなければならぬ」との考え方を繰り返し明らかにしてきている。

 

○(令和6年6月13日)中願寺さんが、家宅捜索で令状を示されなかったことに加え、同意していない取材データを削除されたとして、弁護士を通じて鹿児島県警に苦情申出書を提出。

 

○(令和6年6月14日)鹿児島県警の報道弾圧に抗議する(下)|2件の公益通報と強制性交事件(ハンター)

 鹿児島県警の警察官による「公益通報」が、2件立て続けに表面化した。1件目は井上前刑事部長の不当な捜査指揮の証拠となる「告訴・告発事件処理簿一覧表」、2件目は野川県警本部長による警察官の犯罪行為隠蔽を告発する内容だった。

 一連の事案の発端となったのは、新型コロナ療養施設内において起きた県医師会の元職員による強制性交事件だ。この件を追い続ける過程で、「告訴・告発事件処理簿一覧表」が不当捜査の証拠として登場し、配信記事を読んでいた本田前部長が本サイトと北海道のジャーナリストに信頼を寄せ、内部通報に及んだものと考える。

 鹿児島県警によるハンターへの強制捜査は報道弾圧である。本稿をもって正式な抗議とするが、筆者がそれ以上に声を大にして訴えたいのは、強制性交事件の事実上のもみ消しがいかに不当なものであるかということ。たしかに報道弾圧は大問題だが、筆者はガサ入れを受けようが逮捕されようが、一向にかまわない。一人でも多くのジャーナリストや政治家が、卑劣な人間たちに踏みにじられてきた女性に救いの手を差し伸べてくれることをお願いしたい。

 

○(令和6年6月14日)「社説」捜査書類の管理 「適宜廃棄」は冤罪を生む(西日本新聞)

 正義に反する言語道断の愚行である。

 問題の文書は昨年10月2日付の「刑事企画課だより」だ。

 鹿児島県警が捜査書類の適宜廃棄を促す内部文書を作成し、捜査員に周知していたことが発覚した。

 再審請求などで、弁護側の証拠に利用されるのを防ぐ目的も書かれている。

 インターネットメディアに「組織的な隠蔽の奨励」などと報道された直後、問題の部分を訂正したというが、責任は免れまい。

 

○(令和6年6月14日)「取材源の秘匿」脅かし「権限のないデータ消去」も…鹿児島県警の捜索(TBS)

 報道機関にとって「取材源の秘匿」は「いかなる犠牲を払っても守るべきジャーナリズムの鉄則」で、日本新聞協会と日本民間放送連盟はその旨を発した2006年の声明で「隠された事実・真実は、記者と情報提供者との間に『取材源を明らかにしない』という信頼関係があって初めてもたらされる。その約束を記者の側から破るのは、情報提供の道を自ら閉ざし、勇気と良識をもつ情報提供者を見殺しにすることにほかならないからである」と表明しています。憲法が保障する「報道の自由」の根幹の一つで、捜査機関も最大限尊重し、慎重に対応してきました。日本は民主主義国家だからです。

 ところが今回、鹿児島県警は家宅捜索で押収した資料から、捜索容疑以外の取材源まで洗い出し、本田前部長を逮捕しました。強制捜査でネタ元を突き止める。明らかに一線を超えたやり方で、こんなことが許されたら、日本は報道の自由が担保されない国になります。

 

○(令和6年6月17日)(社説)捜査書類 廃棄のすすめ 許されぬ(朝日新聞)

 鹿児島県警が、刑事手続きの中で検察庁に送らなかった捜査書類などについて、速やかな廃棄を促す文書を作って職員に呼びかけていた。

 警察に不都合になるおそれがあるものは、なかったことにしてしまおうという趣旨にとれる。

 修正したからいいという話ではない。誰が発案し、どう了承されたのか。反対する声はなかったのか。詳細な説明と、県警として意識を改めるための具体策を示すべきだ。

 自らに不利になりかねない証拠を隠し、捨てようとする姿勢こそが冤罪を招く。

 

○(令和6年6月18日)〈鹿児島県警・情報漏えい〉「警察そのものがよくない」“第一の漏洩”「医師会職員の強制性交事件」の不審捜査で逮捕された元巡査長は被害女性側に謝罪していた(集英社オンライン)

 目を引くのは、初公判も迎えていない藤井被告が既に保釈されていることだ。

「警察組織にたてついた人物の身柄拘束がこれほど早く解かれたことに注目しています。警察や検察が満足する供述を藤井被告がしているということでしょう。公判で本当の動機を言うかどうかはわからなくなってきたと思います」(社会部デスク)

 

○(令和6年6月19日)鹿児島県警「不祥事隠ぺい疑惑」ニュースサイトへの“家宅捜索”も…元生活安全部長の“告発“は、「守秘義務違反」か「公益通報」なのか?(弁護士JPNEWS)

 本稿記者の取材に応じた鹿児島県警は、ハンターへの家宅捜索後、パソコン内のデータを削除したことについて「通常、資料などのデータを消すときは、許可をもらうはず」と答え、「証拠隠滅かどうかは回答を差し控える」とした。

 

○(令和6年6月19日)日本ペンクラブ声明「取材源秘匿・内部通報者保護制度を脅かす鹿児島県警の強制捜査を強く非難する」

 一般社団法人日本ペンクラブ会長

 伝えられるところでは、鹿児島県警は4月に報道機関を強制捜査し、取材情報が入ったパソコン等を押収、そのデータをもとに内部通報者を特定し、5月に国家公務員法違反の疑いで逮捕した。ジャーナリストにとって、情報源の秘匿は最高位の倫理であることはいうまでもないが、公権力も表現の自由を実効的に保障するものとして、強制力を持って取材源を開示させるようなことは控えてきた経緯がある。

 今回の行為は、そうした慣例を毀損するものであり、あわせて、報道機関への情報提供を強制捜査の対象にしたことは、内部通報者保護制度の趣旨からすると、民主主義社会の根幹を脅かす極めて深刻な事態だ。こうした報道機関への脅威を深く憂慮するとともに、各メディアの積極的な取材報道を期待する。

 日本ペンクラブは、今回の警察の行動を強く非難するとともに、事態を決して前例としないことを求めるものである。

 

○(令和6年6月19日)鹿児島県警による「情報源暴き」に抗議する

 日本新聞労働組合連合(新聞労連)中央執行委員長

 公務員による情報漏洩に関連して警察がメディアを家宅捜索し、押収した資料を基に情報源を逮捕する。情報提供者のメディアへの信頼を守り、正確な情報に基づく市民の「知る権利」報道の自由を確保するために必要な記者の職業倫理として「情報源の秘匿」が重要視されてきた民主主義社会では許されない権力の暴走です。メディアを捜査対象とした鹿児島県警と、捜索を許可して捜査権の濫用にお墨付きを与えた裁判官に強く抗議します。

 新聞労連の「新聞人の良心宣言」(1997年)は、公的機関や大資本などの権力を監視し、その圧力から独立するために「情報源の秘匿を約束した場合はその義務を負う」「取材活動によって収集した情報を権力のために提供しない」と規定しています。

 

○(令和6年6月19日)鹿児島県警察による捜査書類の廃棄を促す文書の作成・配布に関する会長声明

 日本弁護士連合会会長

 本年6月、鹿児島県警察が、再審や国家賠償請求訴訟で利用されるのを防ぐために捜査書類の廃棄を促す内部向けの文書を執務資料として作成し、県警察本部や警察署内で配布していたことが明らかとなった。

 本文書は、重要な公文書である捜査書類を、捜査機関の一方的かつ恣意的な判断によって廃棄することを推奨するものであり、刑事訴訟法が定める証拠開示制度を実質的に画餅に等しくするものであって、到底容認することができない。また、本文書の内容は、捜査の違法性・不当性が問題となった場合における真相解明を遠ざけるものでもあり、捜査書類の廃棄が現実になされれば、被告人の公平・公正な裁判を受ける権利という憲法上の基本的人権を侵害することにもなりかねない。

 さらに、本文書の内容は、えん罪被害からの救済を阻害するという点からも極めて問題である。

 捜査書類は、真実発見のために不可欠な公共財である。

 

 

 以上です。

 

 

<備考>

○(令和4年9月28日)コロナ療養施設で女性看護師と複数回の性的関係 鹿児島県医師会の男性職員を停職3か月(南日本新聞)

○(令和5年1月4日)去年6月に書類送検の県医師会元職員 先月不起訴処分に(NHK)

○(令和5年3月8日)第211回国会 参議院 予算委員会

○(令和5年5月25日)第211回国会 参議院 内閣委員会

○(令和5年10月25日)鹿児島県警、腐敗の証明|背景に「警察一家」擁護と特定団体との癒着(ハンター)

○(令和5年11月17日)「独自入手」鹿児島県警で組織的隠蔽加速|捜査記録「速やかに廃棄」指示(ハンター)

○(令和6年3月1日)コロナ療養施設で強制性交捜査 鹿児島県警内部資料が流出か 被害者側「謝罪申し出あった」南日本新聞

○(令和6年3月12日)鹿児島県警 性的暴行事件など4つの事件 個人情報流出(NHK)

○(令和6年3月13日)鹿児島県警の一覧表が漏洩か 捜査を疑問視するウェブメディアが掲載(朝日新聞)

○(令和6年3月18日)刑事事件当事者の個人情報流出 ほかにも内部文書多数流出か(NHK)

○(令和6年3月22日)第213回国会 参議院 内閣委員会

○(令和6年3月29日)強制性交事件「もみ消し」の代償(1)|鹿児島県警情報漏洩の真相(ハンター)

○(令和6年4月8日)強制性交事件「もみ消し」の代償(2)|疑われる鹿児島県警と県医師会の「共謀」(ハンター)

○(令和6年6月6日)鹿児島県警「情報漏洩」の真相(1)|盗撮事件、幹部が「静観」指示か(ハンター)

○(令和6年6月8日)捜査資料の廃棄促す文書作成か 鹿児島県警、照会に「担当者不在」(毎日新聞)

○(令和6年6月11日)松村内閣府特命担当大臣記者会見要旨

○(令和6年6月11日)(社説)鹿児島県警 疑惑の解明と説明を(朝日新聞)

○(令和6年6月11日)「疑惑の県警」報道機関を強制捜査し、内部告発した取材源を特定!鹿児島県警「前代未聞の暴挙」は憲法違反だ(slow news)

○(令和6年6月11日)「内容改め再発出」と国家公安委員長 鹿児島県警の捜査書類保管(毎日新聞)

○(令和6年6月14日)<社説>捜査書類の管理 冤罪招く「廃棄の助長」(東京新聞)

○(令和6年6月14日)鹿児島県警の報道弾圧に抗議する(下)|2件の公益通報と強制性交事件(ハンター)

○(令和6年6月14日)「社説」捜査書類の管理 「適宜廃棄」は冤罪を生む(西日本新聞)

○(令和6年6月14日)「取材源の秘匿」脅かし「権限のないデータ消去」も…鹿児島県警の捜索(TBS)

○(令和6年6月14日)鹿児島県警が不正追及のメディアに強制捜査 踏みにじられた「取材の自由」(上)週刊金曜日オンライン

○(令和6年6月16日)鹿児島県警 書類廃棄促すかのような文書 大崎事件弁護団が抗議(NHK)

○(令和6年6月17日)(社説)捜査書類 廃棄のすすめ 許されぬ(朝日新聞)

○(令和6年6月18日)〈鹿児島県警・情報漏えい〉「警察そのものがよくない」“第一の漏洩”「医師会職員の強制性交事件」の不審捜査で逮捕された元巡査長は被害女性側に謝罪していた(集英社オンライン)

○(令和6年6月19日)新聞労連が「権力の暴走」と抗議声明 鹿児島県警の家宅捜索問題(毎日新聞)

○(令和6年6月19日)鹿児島県警「不祥事隠ぺい疑惑」ニュースサイトへの“家宅捜索”も…元生活安全部長の“告発“は、「守秘義務違反」か「公益通報」なのか?(弁護士JPNEWS)

○(令和6年6月19日)日本ペンクラブ声明「取材源秘匿・内部通報者保護制度を脅かす鹿児島県警の強制捜査を強く非難する」

○(令和6年6月19日)鹿児島県警による「情報源暴き」に抗議する(日本新聞労働組合連合)

○(令和6年6月19日)鹿児島県警察による捜査書類の廃棄を促す文書の作成・配布に関する会長声明(日本弁護士連合会会長)

(2023.7.03)

(2024.6.24)更新

※当記事の容量の関係により(1/2)、(2/2)の2部構成にしたうえで同時に投稿しています。

 

(6/20)新たに42件の死亡一時金(葬祭料)が認定されており、これまでの死亡についての認定は計668件となっています。

 

<認定一覧(接種後死亡)>計668件

○疾病・障害認定審査会(新型コロナワクチン分)審議結果

⇒つぎの順に掲載しています。

▽性別、接種時年齢(請求内容)疾病名/障害名

(関連する基礎疾患/既往症) の順

 

▽男、13歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽女、14歳(死亡一時金・葬祭料)急性肺水腫

(記載なし)

▽男、15歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(左小脳半球動静脈奇形、脳動静脈奇形による脳出血)

▽男、16歳(死亡一時金・葬祭料)敗血症性ショック

(意識消失既往)

▽女、16歳(死亡一時金・葬祭料)肺性心

(重症新生児仮死、脳性麻痺)

▽男、19歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽男、19歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽女、20歳(死亡一時金・葬祭料)急性腎不全

(多嚢胞性脳軟化症、脳性麻痺、精神発達遅延、摂食障害)

▽男、20歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(出生時不整脈)

▽男、20歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動、低酸素脳症、肺炎、敗血症

(記載なし)

▽男、21歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽女、23歳(死亡一時金・葬祭料)脳室内出血

(肥満、知的障害)

▽男、24歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽男、24歳(死亡一時金・葬祭料)心臓性突然死の疑い

(記載なし)

▽女、24歳(死亡一時金・葬祭料)血栓性血小板減少性紫斑病

(口蓋裂術後、知的障害)

▽男、25歳(死亡一時金)突然死

(シュワルツ・ヤンペル症候群)

▽女、26歳(死亡一時金・葬祭料)小脳出血、くも膜下出血

(記載なし)

▽男、26歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈

(記載なし)

▽男、26歳(死亡一時金)突然死

(記載なし)

▽男、27歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(心室中隔欠損症、心房細動)

▽男、27歳(死亡一時金・葬祭料)急性心機能不全症

(記載なし)

▽男、27歳(死亡一時金・葬祭料)低酸素脳症、心室細動、劇症型心筋炎

(記載なし)

▽男、28歳(葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、28歳(死亡一時金・葬祭料)急性うっ血性心不全

(記載なし)

▽女、28歳(死亡一時金・葬祭料)脳幹出血・心筋炎

(てんかん)

▽男、28歳(死亡一時金心臓突然死

(高血圧、高脂血症、Brugada症候群の疑い)

▽男、28歳(葬祭料心臓突然死

(高血圧、高脂血症、Brugada症候群の疑い)

▽男、29歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動

(記載なし)

▽男、29歳(死亡一時金・葬祭料)誤嚥性肺炎

(脳性麻痺、てんかん)

▽男、30歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(心室内伝導路障害、房室接合部調律)

▽男、30歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、30歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈の疑い

(肥満、脂質異常症)

▽男、31歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、31歳(葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、31歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、32歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動

(記載なし)

▽男、32歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(不整脈、肺気胸、非アルコール性脂肪肝)

▽男、33歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、35歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患疑い

(冠状動脈硬化症)

▽男、36歳(死亡一時金・葬祭料)急性循環不全

(記載なし)

▽男、36歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽男、36歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽女、36歳(葬祭料)慢性心不全の増悪

(パニック障害、肥満)

▽男、37歳(死亡一時金・葬祭料)急性心機能不全の疑い

(記載なし)

▽男、38歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、38歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動

(記載なし)

▽男、38歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈

(記載なし)

▽男、38歳(死亡一時金・葬祭料)左被殻出血

(高血圧症、慢性糸球体腎炎)

▽男、38歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽男、39歳(死亡一時金・葬祭料)急性循環不全

(記載なし)

▽男、39歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、39歳(葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、40歳(葬祭料)虚血性心不全

(記載なし)

▽男、40歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈

(記載なし)

▽男、41歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(IgA腎症、慢性腎臓病(生体腎移植後))

▽男、41歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(高血圧症)

▽男、41歳(死亡一時金・葬祭料)呼吸不全

(多発性筋炎)

▽女、42歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全

(糖尿病、高血圧、高度肥満)

▽男、42歳(死亡一時金・葬祭料)敗血症性ショック

(TAFRO症候群)

▽男、42歳(死亡一時金・葬祭料)心臓突然死

(記載なし)

▽男、42歳(死亡一時金・葬祭料)急性うっ血性心不全

(高コレステロール血症)

▽男、43歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈

(記載なし)

▽女、43歳(死亡一時金・葬祭料)低酸素脳症

(記載なし)

▽男、43歳(葬祭料)突然死

(Ⅱ型糖尿病、慢性肝障害、うつ病、肥満)

▽女、44歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血、左前大脳動脈瘤

(高血圧症)

▽男、44歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(記載なし)

▽男、44歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動

(高血圧、脂肪肝)

▽男、44歳(葬祭料)急性心筋梗塞の疑い

(慢性腎不全、高血圧)

▽女、44歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心不全

(記載なし)

▽女、45歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧)

▽男、45歳(死亡一時金・葬祭料)窒息、てんかん発作

(クローン病、クモ膜下出血、症候性てんかん)

▽女、46歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(左椎骨動脈瘤)

▽男、46歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈

(記載なし)

▽男、46歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(記載なし)

▽男、47歳(葬祭料)右中大脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血

(記載なし)

▽男、47歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(記載なし)

▽男、47歳(死亡一時金・葬祭料)急性心機能不全症

(記載なし)

▽女、47歳(死亡一時金・葬祭料)全身性毛細血管漏出症候群(新型コロナウイルス感染症後)

(低血圧症)

▽男、47歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(心不全、高血圧症、糖尿病、高脂血症、腎機能低下、急性心筋梗塞)

▽女、47歳(死亡一時金・葬祭料)多臓器不全、劇症型心筋炎、急性散在性脳脊髄炎

(記載なし)

▽男、48歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血、脳動脈瘤破裂

(記載なし)

▽男、48歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽男、48歳(死亡一時金・葬祭料)脳幹部出血

(高血圧)

▽女、48歳(死亡一時金・葬祭料)糖尿病性ケトアシドーシス

(Ⅰ型糖尿病)

▽男、48歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(腎硬化症)

▽女、49歳(葬祭料)誤嚥性肺炎の急性増悪

(統合失調症)

▽男、49歳(死亡一時金・葬祭料)心臓性急死

(完全右脚ブロック)

▽男、50歳(死亡一時金・葬祭料)心臓突然死

(高脂血症)

▽男、50歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、50歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(高血圧)

▽女、50歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(高血圧症(未治療))

▽男、51歳(葬祭料)急性心不全

(記載なし)

▽男、51歳(死亡一時金・葬祭料)脳幹部出血

(高血圧症)

▽男、51歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(糖尿病)

▽女、51歳(死亡一時金・葬祭料)肺水腫、心機能不全

(統合失調症)

▽男、51歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、高度肥満症、高血圧症、心房細動、脂質異常症)

▽女、51歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、52歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞

(記載なし)

▽女、52歳(死亡一時金・葬祭料)痙攣、急性循環不全

(脳性麻痺、心因反応)

▽男、52歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(高血圧、高脂血症)

▽男、52歳(死亡一時金)虚血性心筋障害

(高血圧)

▽女、52歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、52歳(死亡一時金・葬祭料)心臓死の疑い

(糖尿病の疑い)

▽女、52歳(死亡一時金)致死性不整脈の疑い

(統合失調症、子宮頸がん)

▽男、52歳(死亡一時金・葬祭料)心筋梗塞再発疑い

(心筋梗塞、心房細動)

▽男、53歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞

(急性心筋梗塞)

▽男、53歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(脂質異常症)

▽女、53歳(死亡一時金・葬祭料)急性循環不全

(記載なし)

▽男、53歳(死亡一時金・葬祭料)急性循環不全

(慢性心不全)

▽男、53歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(糖尿病、高コレステロール血症、高血圧症)

▽男、54歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(高血圧)

▽男、54歳(死亡一時金・葬祭料)急性大動脈解離

(高血圧症)

▽男、54歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎の増悪

(間質性肺炎、関節リウマチ)

▽男、54歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈

(糖尿病、脂質異常症)

▽女、54歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、55歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患

(高血圧症、脂質異常症、心房細動、発作性頻拍、高度肥満)

▽女、55歳(葬祭料)腸管浮腫、下痢、脱水症、電解質異常、循環不全

(るいそう、甲状腺機能低下症)

▽男、55歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(高血圧症、左被殻出血)

▽女、55歳(死亡一時金・葬祭料)脳幹出血

(記載なし)

▽男、55歳(死亡一時金・葬祭料)重症くも膜下出血、右椎骨動脈解離

(糖尿病、肺気腫の疑い)

▽女、55歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽男、55歳(死亡一時金・葬祭料)急性大動脈解離

(高血圧)

▽男、56歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(高血圧、高コレステロール血症、狭心症、糖尿病)

▽女、56歳(死亡一時金・葬祭料)心タンポナーデ

(記載なし)

▽男、56歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、56歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、56歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧症、2型糖尿病、脂質異常症)

▽男、56歳(葬祭料)突然死

(高血圧、脳梗塞(麻痺の残存なし))

▽男、56歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、56歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(気管支喘息、ニコチン依存症)

▽男、56歳(葬祭料)突然死

(高血圧、脂質異常症、肝機能障害)

▽男、56歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧症)

▽男、57歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈

(高血圧、糖尿病)

▽男、57歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(高血圧症)

▽男、57歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(冠攣縮性狭心症、高血圧症、脂質異常症)

▽男、57歳(死亡一時金・葬祭料)劇症型心筋炎

(記載なし)

▽男、57歳(死亡一時金・葬祭料)腹部大動脈瘤破裂

(記載なし)

▽男、57歳(死亡一時金・葬祭料)橋出血

(末期腎不全、糖尿病、高血圧症)

▽男、57歳(死亡一時金・葬祭料)急性心臓死

(拡張型心筋症)

▽女、58歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、58歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(高血圧)

▽男、58歳(死亡一時金・葬祭料)急性大動脈解離

(大動脈2尖弁)

▽男、58歳(死亡一時金・葬祭料)急性心機能不全

(全身動脈硬化症、心肥大)

▽女、59歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、59歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞の疑い

(糖尿病、高血圧症)

▽女、59歳(死亡一時金)低心拍出症候群

(脱分化型脂肪肉腫)

▽男、59歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞の疑い

(高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病)

▽男、59歳(死亡一時金・葬祭料)心嚢血腫、急性心筋梗塞

(記載なし)

▽男、59歳(死亡一時金・葬祭料)心タンポナーデ

(高血圧症)

▽男、60歳(死亡一時金・葬祭料)心筋梗塞

(高血圧症)

▽男、60歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、胆管炎、膵石症、アルコール性膵炎)

▽男、61歳(死亡一時金・葬祭料)急性肺動脈血栓塞栓症

(高脂血症、高血圧症、アテローム血栓性脳梗塞)

▽女、61歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病性腎症、2型糖尿病、高血圧症、陳旧性脳梗塞、慢性C型肝炎、自己免疫性肝炎、左腎癌)

▽女、61歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、高血圧症)

▽男、61歳(死亡一時金・葬祭料)心筋梗塞

(肥満、脂質異常、高血圧、Ⅰ度房室ブ ロック)

▽男、62歳(死亡一時金・葬祭料)急性心臓死

(糖尿病)

▽男、62歳(死亡一時金・葬祭料)心不全

(大動脈解離術後、高血圧)

▽男、62歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(心筋梗塞、糖尿病)

▽女、62歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎、皮膚筋炎

(皮膚筋炎)

▽女、62歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、うつ病)

▽男、62歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(小脳出血(頭蓋内血種除去術)、高次脳機能障害、胃瘻造設(摂食障害)、胆石、胆管結石、肝機能障害、胸水)

▽女、62歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(高血圧)

▽女、62歳(死亡一時金・葬祭料)右脳出血

(左脳出血、右不全麻痺、もやもや病、脂質異常症)

▽女、62歳(葬祭料)代謝性アシドーシス

(糖尿病)

▽男、62歳(死亡一時金・葬祭料)左小脳出血

(記載なし)

▽男、63歳(死亡一時金・葬祭料)急性循環不全

(2型糖尿病)

▽女、63歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、63歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(脳梗塞、高血圧症)

▽男、63歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、糖尿病)

▽男、63歳(死亡一時金・葬祭料)多臓器不全

(外傷後てんかん)

▽女、63歳(死亡一時金・葬祭料)上行大動脈解離

(記載なし)

▽男、63歳(死亡一時金・葬祭料)敗血症性ショック、劇症型肝炎の疑い

(記載なし)

▽男、63歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患

(腎臓病、心臓病)

▽女、64歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞、心室中隔穿孔、多臓器不全、DIC、敗血症、間質性肺炎

(高血圧症、脂質異常症、糖尿病)

▽男、64歳(死亡一時金・葬祭料)心筋梗塞

(記載なし)

▽女、64歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、糖尿病、高脂血症、狭心症)

▽女、64歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(心臓病、高血圧)

▽男、64歳(死亡一時金・葬祭料)急性心臓死

(高血圧症、心室性期外収縮)

▽女、64歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(汎下垂体機能低下症(尿崩症、甲状腺機能低下、GH分泌不全)、間質性肺炎、脂質異常症)

▽男、64歳(死亡一時金・葬祭料)TAFRO症候群

(記載なし)

▽女、64歳(死亡一時金・葬祭料)右脳皮質下出血

(高血圧症)

▽女、64歳(死亡一時金・葬祭料)急性うっ血性心不全

(記載なし)

▽男、65歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞、急性大動脈解離

(記載なし)

▽男、65歳(死亡一時金・葬祭料)小脳出血

(高血圧)

▽女、65歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎、肺炎、急性心不全

(2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症)

▽男、65歳(死亡一時金・葬祭料)多臓器不全

(尿路結石)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(低酸素性脳症)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、高血圧症、脂質異常症)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)高血圧、脳幹出血

(記載なし)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞、心房細動

(急性心筋梗塞、心房細動、高血圧症)

▽女、66歳(死亡一時金・葬祭料)心タンポナーデ

(糖尿病、内臓脂肪型肥満、高血圧)

▽女、66歳(死亡一時金・葬祭料)頚部動脈解離

(記載なし)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)心臓突然死

(糖尿病、弁膜症)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、非持続性心室頻拍、陳旧性心筋梗塞)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)左脳出血

(高血圧症)

▽男、66歳(葬祭料)致死性不整脈の疑い

(陳旧性前壁中隔心筋梗塞)

▽女、66歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(脳梗塞)

▽女、66歳(死亡一時金・葬祭料)血球貪食症候群、発熱性好中球減少症

(記載なし)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(多発性骨髄腫)

▽女、66歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、糖尿病、脂質異常症)

▽女、66歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患、冠状動脈硬化症

(脳幹部脳梗塞、高血圧、高血糖)

▽女、66歳(死亡一時金・葬祭料)急性くも膜下出血

(記載なし)

▽男、66歳(死亡一時金・葬祭料)心疾患の疑い

(高血圧症、高脂血症)

▽男、66,67歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(アルコール性肝炎、アルコール飲酒歴)

▽女、67歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全

(非代償性肝硬変)

▽男、67歳(死亡一時金・葬祭料)致死的不整脈

(右腎癌術後、慢性腎不全、高コレステロール血症、腹部大動脈瘤)

▽男、67歳(死亡一時金・葬祭料)脳幹出血

(2型糖尿病、高血圧)

▽男、67歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(糖尿病)

▽男、67歳(死亡一時金・葬祭料)うっ血性心不全

(記載なし)

▽男、67歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞、脳梗塞

(高血圧、糖尿病、脂質異常症)

▽女、67歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧症、ラクナ梗塞)

▽女、67歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(記載なし)

▽男、67歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(慢性閉塞性肺疾患、慢性呼吸不全(在宅酸素療法中))

▽男、67歳(死亡一時金)虚血性心不全の疑い

(高血圧)

▽男、67歳(死亡一時金・葬祭料)心臓突然死

(糖尿病、高血圧、喘息)

▽女、68歳(死亡一時金・葬祭料)うっ血性心不全

(糖尿病、高血圧症)

▽男、68歳(死亡一時金)心室性不整脈

(高血圧、糖尿病、高脂血症、夜間無呼吸症候群、軽度肥満)

▽女、68歳(死亡一時金・葬祭料)気管支喘息、好酸球性心筋炎

(高血圧症、脂質異常症)

▽女、68歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(パーキンソン病、高血圧、糖尿病)

▽男、68歳(死亡一時金・葬祭料)心筋梗塞の疑い

(拡張型心筋症、心房細動、心房中隔欠損症、2型糖尿病)

▽男、68歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧症、気管支喘息)

▽男、68歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、高血圧症、アルコール依存症)

▽女、68歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(2型糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、脂質異常症)

▽女、68歳(死亡一時金・葬祭料)劇症型心筋炎

(高血圧症)

▽男、68歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(アルコール性肝硬変(腹水貯留))

▽女、68歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、68歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(不安定型狭心症、発作性心房細動、高血圧症、高コレステロール血症)

▽女、68歳(死亡一時金・葬祭料)心嚢血腫、急性心筋梗塞

(左中耳悪性リンパ腫、持続性心房細動)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)高血圧、嘔吐、めまい、突然死

(脳梗塞、腹部大動脈瘤、労作性狭心症、上室性期外収縮、COPD)

▽女、69歳(死亡一時金・葬祭料)急性膵炎、消化管捻転、敗血症、多臓器不全

(胃潰瘍、幽門側胃切除術後)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞

(記載なし)

▽女、69歳(死亡一時金・葬祭料)慢性腎臓病急性増悪

(糖尿病、糖尿病性腎症、慢性腎不全、脳梗塞後、発作性心房細動、心不全、冠動脈バイパス術・インターベーション術後、両側下肢閉塞性動脈硬化症)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)大動脈解離

(高脂血症、高血圧症、糖尿病)

▽女、69歳(死亡一時金)ショック、呼吸不全

(高血圧症、高コレステロール血症、気管支喘息)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)心不全

(高血圧症、心不全、脂質異常症、高尿酸血症、COPD、高度肥満)

▽女、69歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、高脂血症、クッシング病、上行下行大動脈解離疑い)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧症、2型糖尿病)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)皮膚筋炎、間質性肺炎

(記載なし)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)急性心臓死

(不整脈、大動脈弁狭窄症、冠攣縮性狭心症)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)腸閉塞

(ギラン・バレー症候群、高血圧、アルコール性肝障害、アルコール依存症)

▽男、69歳(死亡一時金・葬祭料)心臓突然死

(記載なし)

▽女、69歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(慢性胃炎、胃潰瘍、末梢めまい症)

▽女、69歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全

(慢性心不全、陳旧性心筋梗塞、脂質異常症、三尖弁閉鎖不全症、2型糖尿病)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)低血糖、突然死

(慢性胃炎)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全疑い

(慢性心不全、心室性不整脈、高血圧症、脂質異常症、慢性腎不全)

▽女、70歳(死亡一時金・葬祭料)突然死、DIC

(腎不全、IgA腎症、高血圧症、糖尿病)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈、急性心筋梗塞

(心筋梗塞、高血圧症、糖尿病、糖尿病性腎症)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)心臓突然死

(心筋梗塞、高血圧、高脂血症)

▽女、70歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、70歳(葬祭料)突然死

(慢性腎不全)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血の疑い

(高血圧症、高脂血症)

▽男、70歳(葬祭料)急性心筋梗塞の疑い

(記載なし)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽女、70歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(閉塞性動脈硬化症、陳旧性心筋梗塞、糖尿病、高脂血症、高血圧症)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(記載なし)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)多臓器不全

(記載なし)

▽男、70歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(陳旧性心筋梗塞、心原性脳塞栓症、高血圧)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)脳塞栓症

(バセドウ病、高血圧、高脂血症、不整脈、肝硬変)

▽女、71歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心不全の疑い

(糖尿病、早期糖尿病性腎症)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)誤嚥性肺炎

(肺癌、転移性脳腫瘍、右麻痺、誤嚥性肺炎)

▽女、71歳(死亡一時金・葬祭料)発熱、呼吸苦、突然死

(慢性腎不全、狭心症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症)

▽女、71歳(死亡一時金・葬祭料)血小板減少症を伴う血栓症、急性腎不全

(関節リウマチ、シェーグレン症候群、多発性骨髄腫もしくはMGUS)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)呼吸不全、ギラン・バレー症候群疑い

(記載なし)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧症)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)脳幹梗塞の疑い

(C型肝炎、肝硬変、難治性腹水、慢性腎不全、高血圧症)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)急性心臓死

(徐脈性心房細動(ペースメーカー植え 込み術後))

▽男、71歳(死亡一時金)ANCA関連血管炎

(記載なし)

▽男、71歳(死亡一時金・葬祭料)急性呼吸窮迫症候群、重度僧帽弁閉鎖不全症、急性心筋梗塞

(脂質異常症、耐糖能異常)

▽女、71歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞

(高血圧)

▽女、72歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧症、動脈硬化症)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)血小板減少性紫斑病、脳出血

(記載なし)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)免疫性血小板減少症の疑い、脳静脈洞血栓症

(慢性腎不全、アルコール依存症、Wernicke脳症、前交通動脈脳動脈瘤、高血圧症、高尿酸血症、慢性閉塞性肺疾患)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎の増悪、消化管穿孔、たこつぼ型心筋症

(非小細胞肺癌、間質性肺炎)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎の増悪

(間質性肺炎、肺高血圧、心房細動、慢性心不全、高血圧、骨髄異形成症候群)

▽女、72歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、脂質異常症、糖尿病、狭心症)

▽女、72歳(葬祭料)急性心筋炎

(記載なし)

▽女、72歳(死亡一時金・葬祭料)脳皮質下出血、血小板減少症増悪

(血小板減少症、うっ血性心不全、脂質異常症、高血圧症)

▽女、72歳(死亡一時金・葬祭料)出血性ショック

(心疾患、腎臓病、パーキンソン病、腎盂腎炎)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)慢性閉塞性肺疾患の急性増悪

(特発性肺線維症、慢性閉塞性肺疾患)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(2型糖尿病、高血圧、アルコール性肝硬変)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)急性心機能不全

(高血圧、陳旧性心筋梗塞)

▽女、72歳(死亡一時金・葬祭料)急性肺動脈血栓症

(高血圧症、肥満、耐糖能異常、心房細動、慢性腎不全、心不全)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)IgA血管炎

(記載なし)

▽男、72歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(高血圧)

▽女、72歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(狭心症、慢性腎不全(血液透析中)、透析シャント閉塞)

▽女、72歳(死亡一時金)突然死

(糖尿病、高血圧症、高脂血症)

▽女、72歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈

(不整脈、高血圧、高脂血症)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)嘔吐、出血性ショック

(肺真菌症、腎不全後の移植)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、末期腎不全、高血圧症、ネフローゼ症候群)

▽女、73歳(死亡一時金・葬祭料)急性虚血性心不全疑い

(糖尿病)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(糖尿病、COPD、心室期外収縮)

▽男、73歳(死亡一時金)急性心不全

(糖尿病、脳梗塞後遺症、高血圧症)

▽女、73歳(死亡一時金・葬祭料)慢性心不全急性増悪、重症肺炎

(高血圧症、動脈硬化)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)慢性心不全急性増悪

(高血圧、心房細動、心筋梗塞、僧帽弁閉 鎖不全症術後、大動脈弁閉鎖不全症術後、心不全)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞

(糖尿病、高血圧)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動

(高血圧症)

▽女、73歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、高血圧性心疾患疑い)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、痙攣)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全

(糖尿病)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(高血圧)

▽女、73歳(死亡一時金・葬祭料)急性呼吸不全の疑い

(気管支喘息、脂質異常症、高血圧、心房細動、動脈硬化疑い)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎急性増悪

(COVID-19肺炎、間質性肺炎、高血圧、慢性呼吸不全)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞

(両肩帯状疱疹、前立腺肥大)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(心電図異常)

▽女、73歳(葬祭料)脳出血

(高血圧症、狭心症、脂質異常症、不整脈)

▽女、73歳(死亡一時金)突然死

(高血圧、糖尿病)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)大動脈解離

(脳梗塞、糖尿病)

▽男、73歳(死亡一時金・葬祭料)心疾患の疑い

(高血圧、慢性腎不全、左椎骨動脈閉塞)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)右視床出血、脳梗塞

(高血圧症、心房細動、慢性心不全)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)急性大動脈解離

(急性膿胸)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎急性増悪

(肺癌、間質性肺炎)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(心不全、慢性腎不全、高血圧症、糖尿病、脂質異常症)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)心不全

(高血圧、糖尿病、脂質異常症)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)亜急性心筋梗塞

(高血圧)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血

(肝硬変、前大脳動脈瘤)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)多臓器不全、急性心筋梗塞、消化管出血

(狭心症、慢性心不全、持続性心房細動)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)小脳梗塞

(記載なし)

▽女、74歳(死亡一時金・葬祭料)大動脈解離

(記載なし)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)多臓器不全

(慢性心不全、右胸水貯留、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、糖尿病性腎症)

▽女、74歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎の疑い

(記載なし)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(慢性腎不全、糖尿病性腎症、血小板減少性紫斑病)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動、冠攣縮性狭心症

(記載なし)

▽女、74歳(死亡一時金・葬祭料)敗血症

(自己免疫性肝炎)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)急性広範前壁心筋梗塞の疑い

(糖尿病、脳梗塞、頚椎損傷、腎機能異常)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病)

▽女、74歳(死亡一時金・葬祭料)心筋梗塞

(糖尿病)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)心筋梗塞の疑い

(糖尿病)

▽男、74歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患

(記載なし)

▽女、74歳(葬祭料)間質性肺炎の急性増悪、皮膚筋炎性間質性肺炎

(高血圧)

▽女、74歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞疑い

(高血圧)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)アナフィラキシー疑い、喉頭浮腫、低酸素性脳症

(陳旧性脳梗塞、誤嚥性肺炎)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)急性大動脈解離

(腹部解離性大動脈瘤、高血圧症)

▽女、75歳(死亡一時金・葬祭料)免疫性血小板減少性紫斑病

(記載なし)

▽女、75歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動

(慢性心不全、陳旧性心筋梗塞)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎の急性増悪

(間質性肺炎、僧帽弁閉鎖不全症、慢性心不全)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全

(高血圧、糖尿病、閉塞性冠動脈硬化症、慢性腎不全、心室頻拍)

▽女、75歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患

(高血圧症、脂質異常症、肥満)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)慢性呼吸不全急性増悪

(慢性閉塞性肺疾患、慢性心不全、大腸癌)

▽女、75歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(糖尿病、胆管炎疑い、右尿管結石、菌血症)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(肺気腫)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)肺塞栓症の疑い

(高血圧症、脳梗塞)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎急性増悪

(特発性間質性肺炎)

▽女、75歳(死亡一時金・葬祭料)多発性脳梗塞、髄膜炎、急性散在性脳脊髄炎

(全身性強皮症、シェーグレン症候群)

▽男、75歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(誤嚥性肺炎、高血圧)

▽女、75歳(葬祭料)突然死

(高血圧)

▽女、76歳(死亡一時金・葬祭料)くも膜下出血、脳動脈瘤

(高血圧症、脳動脈瘤)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)脳幹梗塞、小脳梗塞

(心房細動)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動

(糖尿病、高血圧、肝脂肪付着、発作性心房細動)

▽女、76歳(死亡一時金・葬祭料)低酸素性脳症、腸管壊死

(脳梗塞、症候性てんかん、心房細動、閉塞性肥大型心筋症、間質性肺炎)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全

(心臓冠動脈バイパス術後、糖尿病、高血圧、狭心症、慢性動脈閉塞症)

▽女、76歳(葬祭料)くも膜下出血

(記載なし)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(2型糖尿病、高コレステロール血症、心房粗動)

▽女、76歳(死亡一時金・葬祭料)心臓突然死疑い

(記載なし)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患の疑い

(糖尿病、慢性胃炎、統合失調症)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(肺高血圧症)

▽女、76歳(死亡一時金)くも膜下出血

(記載なし)

▽女、76歳(死亡一時金・葬祭料)急性肺血栓塞栓症

(ANCA関連血管炎、急性進行性糸球体腎炎、慢性腎不全、間質性肺炎、脳梗塞、一過性全健忘、肺炎)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)細菌性肺炎

(記載なし)

▽男、76歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患

(高血圧、高脂血症、糖尿病)

▽女、76歳(葬祭料)心筋梗塞

(IgA腎症、高血圧、脂質異常症、境界型糖尿病の疑い、大腿部皮膚腫瘤(化膿性肉芽腫、線維性組織球腫))

▽女、76歳(死亡一時金・葬祭料)心筋梗塞

(脂質異常症、うつ病、ADHD)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)慢性閉塞性肺疾患の増悪、肺炎

(肺癌、閉塞性肺疾患、大腸癌)

▽男、77歳(葬祭料)慢性心不全の急性増悪

(糖尿病、糖尿病性腎症、高血圧症、僧帽弁狭窄症、閉塞性動脈硬化症)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)脳出血

(慢性腎不全(透析導入)、高血圧症、大腿骨転子部骨折の術後)

▽女、77歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞、出血性静脈性脳梗塞、脳静脈洞血栓症、心筋梗塞

(高血圧症、進行胃癌)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)脳梗塞

(高血圧、急性心不全)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎の急性増悪

(間質性肺炎疑い、非結核性抗酸菌症疑い)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎

(虚血性疾患症、心室細動)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全の疑い

(脳梗塞、糖尿病、脂質異常症)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(パーキンソン、進行性核上性麻痺、境界性糖尿病)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)誤嚥性肺炎、脳出血後遺症

(高血圧症、糖尿病、脳梗塞、高脂血症)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)関節リウマチ性間質性肺炎の急性憎悪

(関節リウマチ、肺MAC症)

▽男、77歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全

(脂質異常症、糖尿病)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、糖尿病性腎症第4期、心房細動、左脚ブロック、高血圧症)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)発熱、急性心筋梗塞、急性心不全

(高血圧症、糖尿病)

▽女、78歳(葬祭料)虚血性心不全の疑い

(高血圧)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患

(高血圧、冠動脈ステント留置後、閉塞性動脈硬化症)

▽女、78歳(葬祭料)突然死

(高血圧症、高コレステロール血症)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)転落による頸髄挫傷

(糖尿病)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)アナフィラキシー疑い、喉頭浮腫

(陳旧性心筋梗塞)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞、菌血症

(2型糖尿病、脂質異常症)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、高脂血症)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、高血圧症)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)肺水腫、肥大型心筋症

(誤嚥性肺炎、廃用症候群、高血圧症、気管支拡張症、蘇生後低酸素性脳症)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(てんかん)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(便秘症)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)腹部大動脈瘤破裂の疑い

(高脂血症)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(糖尿病、高血圧)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)慢性呼吸不全急性増悪

(慢性気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)小脳出血

(心房細動、高血圧)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)慢性腎不全、急性増悪

(糖尿病、糖尿病性腎症、慢性腎不全)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(2型糖尿病、重症高血圧症、脂質異常症、両糖尿病性網膜症、慢性腎不全、糖尿病性腎症、狭心症、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧、慢性腎臓病、2型糖尿病、脂質異常症)

▽女、78歳(死亡一時金・葬祭料)急性心臓死疑い

(高血圧)

▽男、78歳(死亡一時金・葬祭料)心疾患の疑い

(前立腺癌)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)胸腹部大動脈解離

(記載なし)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(記載なし)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)肺動脈血栓塞栓症、下肢深部静脈血栓症

(糖尿病、肝疾患、心機能低下)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)左被殻出血、脳ヘルニア

(高血圧症)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)発熱、急性循環不全

(高血圧症、嚥下障害)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)急性心臓死

(心不全の疑い、脂質異常症、高血圧、糖代謝異常)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)致死性不整脈、心原性肺水腫

(陳旧性心筋梗塞、狭心症、高血圧症)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)脳卒中

(脂質異常症、不整脈)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋炎

(高血圧、高脂血症)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)急性心筋梗塞

(COPD、高血圧)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)心室細動

(心不全、心房細動)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(無症候性心筋虚血)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)急性大動脈解離

(糖尿病、脂質異常症、慢性腎不全)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)虚血性心疾患

(虚血性心疾患、高血圧)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(脳挫傷)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)誤嚥性肺炎

(脳梗塞、糖尿病、高血圧)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(内頸動脈狭窄症、血栓症)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)誤嚥の疑い、突然死

(高血圧症、乳癌、アルツハイマー型認知症)

▽女、79歳(葬祭料)突然死

(脳梗塞、左心耳巨大血栓症手術、肥大型心筋症、心房細動、高血圧、糖尿病)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(心臓病、腎臓病)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(頸部頸動脈硬化症、高脂血症)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)肺炎

(膠原病、肺塞栓症)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(高血圧症)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)心疾患の疑い

(弓部・腹部大動脈瘤)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)血球貧食症候群、敗血症

(成人T細胞白血病)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)うっ血性心不全の疑い

(糖尿病)

▽女、79歳(死亡一時金・葬祭料)突然死

(胃炎、慢性気管支炎、ビタミンB1欠乏症、高カルシウム血症、低リン血症)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)急性心不全

(腎不全、高カリウム血症、心房細動、うっ血性心不全、弁膜症、肺高血圧症)

▽男、79歳(死亡一時金・葬祭料)間質性肺炎

(COPD)

 

 以降の内容は(2/2)に掲載しています。