(2024.7.1)

 

 

 つぎの国会議事録(抜粋要約)があります。

○(令和6年4月18日)第213回国会 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会

▽委員

 自民党さんのタスクフォースの中で、子供に漏れなくマイナカードを取得させよと呼びかけています。それから、児童健診や体力調査のデータをマイナカードにひもづけして管理することを検討せよ、一人一人にIDを付与してビッグデータに、こうしたことを、一昨年ですけれども、提言をされているわけですよね。

▽政府参考人

 こども大綱におきましては、政府全体の方針が明確に定められております。その基本方針のまず一番目に、「こども・若者を権利の主体として認識し、その多様な人格・個性を尊重し、権利を保障し、こども・若者の今とこれからの最善の利益を図る」と。データ連携事業も、まさに子供が困ったことにならないように、できる限り早期に支援の手を差し伸べるための事業でございまして、本末転倒にならないようにするのが当然でございます。

▽委員

 だけれども、紹介した自民党さんのタスクフォースの考え方はそれとは全く違うと思うんですね。子供の情報をどう利活用するか、そういう発想ではないでしょうか。

 

 

⇒上記の「子供の情報をどう利活用するか」について、つぎのとおり(抜粋要約、時系列)です。

○(平成28年5月18日)経済財政諮問会議(議事要旨)

▽民間議員

 レセプトデータは、健診データを一緒に組み合わせてビッグデータの分析やAIに活用でき、最終的には第4次産業革命の大きなステップになる。これは日本でしかできない。ぜひとも健診データの構築をお願いしたい。

 

○(平成30年6月14日)第196回国会 参議院 内閣委員会

▽国務大臣

 これからはデータ駆動型の社会になっていきます。様々なデータを安全な形でしっかりと集め、それを例えばリアルなデータとして物づくりの現場で活用していく、さらには、予防であったりデータヘルス、こういう世界をつくっていく、そういったことは極めて重要であると思っております。

 

○(平成30年11月20日)経済財政諮問会(議事要旨)

▽民間議員

 今後、健診を受けていく上で、保険証機能をマイナンバーの中に入れ込み、健診データを通年で管理することで、マイナンバーの普及にも活用してはどうか。

 

○(令和元年5月31日)経済財政諮問会(議事要旨)

▽民間議員

 個々人が生まれてから学校、職場に至るまで健診・検診情報の全てを2022年度までに電子化し、蓄積を推進するとともに、予防等に活用すべき。学校などは、デジタルデータになっていないところも多く、これを早くデジタルデータにするということが必要。また、このようなデータを蓄積できるのは世界でも日本以外になく、そういった意味で、大変な飛躍ができる大きなチャンスでもある。マイナポータルを活用するPHRとの関係を含めて対応を整理し、本年末までに工程化していただきたい。

 さらに、6月を目途に立ち上げることを予定しているPHR検討会において、しっかりと匿名化したデータをオープンにして、予防等に活用できることを含め、是非、検討を進めていただきたい。

 

○(令和3年7月13日)知的財産推進計画2021(知的財産戦略本部)

 社会のデジタル化に伴いデータは智恵・価値・競争力の源泉となり、欧州や米国を始め諸外国はデジタル社会においてデータが国の豊かさや国際競争力の基盤であると捉え、新たにデータ戦略を策定しこれを強力に推進している。

 21世紀の最重要知財となったデータは、流通し、利活用されて初めて情報財として価値を発揮し、財産価値を高めるものであるため、データ流通・利活用を推進するための環境整備は、知財戦略としても喫緊の課題である。

 

○(令和3年12月)教育データの利活用 に関する各種取組状況(文部科学省)

ビッグデータの利活用(公教育データの二次利用)※二次利用(政策・研究目的

 学習者本人が意図しない形での不利益な取扱い等がされないことが必要。

▽生涯を通じたデータ利活用(個人活用データ)

 本人の望まない形でデータが流通・利用されることを懸念する声もある。

 

○(令和4年3月8日)第208回国会 参議院 文教科学委員会

▽国務大臣

 現在、政府では、生涯にわたる個人健康情報、マイナポータルを用いて、電子記録として本人や家族が正確にこの把握を活用するための仕組みでございますPHRの構築を進めているところでございます。

 このような方針の下、既に特定健診や乳幼児健診の情報については本人や家族が閲覧できる仕組みが整備されておりますが、今年度からは、個人情報にも配慮して、学校健診診断についても仕組みの構築に向けて実証事業に着手しているところでありまして、来年度予算においても関係の経費を計上いたしているところでございます。

 

○(令和4年6月2日)地方創生の着実な推進について(自由民主党)

 小中学校などにおけるマイナンバーカードの取得の促進を検討すべき。また、教育分野におけるマイナンバーカードの利用を積極的に検討すべき。個人IDを利用することにより、児童検診や体力調査のデータをマイナンバーカードと紐付けし、管理することを検討すべき。また、学校DXにおける活用も含めて検討すべき。児童生徒にもれなくマイナンバーカードを取得してもらい、教育分野で積極的に活用すべきとの意見もあった。

▽取り組むべき施策

 デジタル庁を中心とした教育分野における PDS(personal data store)の在り方の検討(一人一人に教育 ID を付与しフィードバックが受けられるようにするとともに、ビッグデータとして利用できる基盤となる信頼される仕組みの構築)

 

 

 以上です。

 

 

<備考>

○(令和6年6月11日)個人情報漏えいや紛失 昨年度約1万2000件 調査開始以降最多に(NHK)

 政府は11日の閣議で個人情報保護委員会の年次報告(令和5年度)を決定しました。

 マイナンバー関連の個人情報の漏えいや紛失は334件で、このうち、1度に100人を超える情報を紛失するなどの「重大な事態」に該当するものは67件と、いずれも前の年度の2倍近くに増えました。個人情報保護委員会は「マイナンバーカードが普及しトラブルが相次いだことも件数の増加につながっている」としています。

○(令和6年6月11日)漏えい1万2千件、過去最多に 個人情報保護委23年度報告(時事通信)

 マイナンバーの漏えい事案は334件で、前年度比約95%増。同委によると、増加要因はいずれも人為的ミスが多発したためだという。