八尾市 久宝寺緑地・寺内町 | れぽれろのブログ

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大阪府内の緑地公園探訪探訪シリーズ。
5月1日の土曜日、八尾市にある久宝寺緑地(きゅうほうじりょくち)に遊びに行き、合わせてその周辺の寺内町を散歩してきまいた。
緊急事態宣言下でのゴールデンウィークとなり、遊興施設や商業施設は軒並みお休み。しかし公園や神社仏閣は平常通り訪れることができます。人々と距離を取りつつ、のんびりお散歩することができました。

大阪市の周辺には、北の服部緑地(豊中市)、北東の鶴見緑地(大阪市鶴見区・守口市)、南東の久宝寺緑地(八尾市)、南の大泉緑地(堺市北区)の4つの緑地公園があります。
当ブログでは昨年の6月に服部緑地を訪れ(→こちら)、昨年の11月に大泉緑地を訪れました(→こちら)。今回はその続きです。
これら4つの緑地は元々は戦前に防空緑地として計画された地点で、1941年の防空法の改正に伴い、都市空襲の際の延焼防止や避難場所として設定されていた場所でした。
戦後にこれらの場所はそろって緑地公園となり、合わせて4つの緑地公園の周囲を囲むように中央環状線(府道2号線)が整備され、ちょうど大阪府の都心部と郊外を分ける部分に4つの緑地公園がある、という形になりました。

久宝寺緑地が戦後本格的に緑地公園化するのは1967年ごろのこと。この時期に緑地の造成工事が開始され、1971年に陸上競技場とプールが完成し、現在に至ります。
中央環状線の付近に存在する他の3つの緑地公園とは異なり、中央環状線が公園のど真ん中を走っているというのが久宝寺緑地の面白い特徴。中央環状線が建設されたのは1964年ですので、道路が先に存在し、その周囲に公園が整備されたという順序のようです。

久宝寺緑地の最寄り駅はJR関西本線(大和路線)の久宝寺駅。
この日は久宝寺緑地と合わせて、その東側にある久宝寺の地内町も散歩してきました。
以下、写真と覚書です。


入口。

南東側の入口です。(JR久宝寺駅最寄りの入口)
お花畑がお出迎え。


公園内の緑の様子。



 

人は少なく、のんびり散歩することができます。




ちょうど新緑が綺麗な季節で、歩いていると非常に心地よいです。



この日は日中は風がたいへん強く、木々は風で揺れていました。

この草の様子で風の強さが分かるでしょうか?


花壇も良い雰囲気。



八つ橋風の散歩道。



池のそばにはサギがいました。

近づいても微動だにしませんでした。魚を狙っているのかな?


ハトのカップル。

仲良くお話しているように見えます。


こちらが久宝寺緑地のど真ん中を突っ切る近畿道(天理吹田線)の高架。


 

近畿道の高架下の道路と合わせて中央環状線(府道2号線)となっています。

近畿道と合わせてこの部分は片側6車線、両側12車線です。
大阪府の中央環状線は日本一幅が広い道路と言われており、場所によっては最大12車線、最大幅員122mになるという、驚異の道路です。
しかし久宝寺緑地の場合は、公園部分と道路部分がきっちり分けれているため、公園を歩いている分にはさほど違和感はありません。先に道路が存在し、後からその周辺に本格的に緑地を整備したため、違和感が少ないのだと思います。
過去に取り上げた大阪市の城北公園も園内に道路が存在する公園でしたが、城北公園の方は公園が古くから存在し、後付けで公園内に道路(高架)を通したため、こちらはかなり違和感のある公園になってしまっていました。


こちらは「まいまい広場」と言われるスポット。

写真の通り、カタツムリ(マイマイ)がたくさん存在する場所でした。
このようなカタツムリが装飾された遊具がたくさんありました。


かと思うとカタツムリ以外の謎の生命体も。


 

巨大なカエルもいました。

危うし子供たち。カエルに飲み込まれそうになっています。
カエルはカタツムリを食べると言われますが、同じ公園に同居していて大丈夫なのでしょうか 笑。


その様子を見守るコガエル。


 

われらがくまモンもマスクを推奨しています。



さて、こちらはシャクヤク園です。

4月下旬から5月にかけては、ちょうどシャクヤク園が開いている季節。
まだ咲いていない花もたくさんありましたので、この日は見ごろには少し早かったかもしれません。
上の写真は「春の粧(はるのよそおい)」という品種です。


こちらは「紅小町」という品種。

シャクヤクは概ね赤系と白系に分かれ、花びらがシンプルに開くタイプと複雑な形状のものに分かれるようです。
こちらの紅小町は一重咲きのシンプルなもの。


こちらは「火祭」という品種で、形状はやや複雑です。


 

白いタイプ、「高峰の雪」。

これも花弁は一重咲き。
この「高峰の雪」は肥後シャクヤクと言われるタイプなのだそうです。
シャクヤクは江戸時代に武士階級により育てられるようになったお花で、とくに肥後熊本藩では江戸時代後期には武士のたしなみとしてシャクヤクの園芸が重要視され、中でも珍重された銘柄が肥後六花と呼ばれているのだそうです。この「高峰の雪」もそんな肥後シャクヤクの1つ。
くまモンも存在する、熊本推しの久宝寺緑地。


こちらは「氷点」。

この花びらはバラ咲と言われ、複雑な形状です。
個人的にはこのタイプの白のシャクヤクが一番お気に入り度は高いかも。


「チャーリーホワイト」。

和風の命名が多い中、珍しい横文字の品種です。
この花びらは手まり咲で、やはり複雑な形状です。

綺麗なシャクヤクを堪能できました。

シャクヤクといえば、綺麗な女性を表現した「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」という言い回しが有名ですが、自分が小学生のときに朝日小学生新聞で連載されていた「落第忍者乱太郎」という漫画の「立てば食欲、座れば布団、歩く姿はブリの腹」という馬鹿馬鹿しい言い回しを自分はしつこく覚えており、どうしてもこれを思い出して空虚な笑いに陥ってしまします 笑。
(「落第忍者乱太郎」はその後「忍たま乱太郎」としてアニメ化されたのも有名な話。アニメでこの言い回しが登場しているかどうかは分かりません 笑。)


こちらは台風21号のメモリアルツリーであるユーカリ。

2018年の台風21号は大阪府に甚大な被害をもたらしました。
この台風により園内のユーカリの木も倒れてしまいましたが、せめて切り株だけでも残してほしいという要望から、メモリアルツリーとして保存したという経緯があるようです。
こうして新しい史跡ができ、歴史が積み重ねられて行きます。



以上が久宝寺緑地の様子でした。

続いて久宝寺寺内町の様子。
ほっとするまち 久宝寺。



久宝寺緑地の東側の旧寺内町地域には、こんな感じの建物と町並みが残されています。


 

この左側の建物は高田家住宅。

江戸時代の家屋で、登録有形文化財に指定されています。


良い感じの町並みです。

 

久宝寺は浄土真宗本願寺派の顕証寺の寺内町で、四方に堀と土居が巡らされ、南北に綺麗に区画された町並みが今も残っている場所です。(ちなみに久宝寺というお寺は現存していません。)


道の表示。

右が八尾・信貴山、左が平野・大阪となっています。


こちらは許麻神社(こまじんじゃ)。

寺内町の中にあった神社です。
鯉のぼりが良い感じに飾られ、季節感のある写真が撮れました。面白そうに泳いでいます。


カエルの形をした手洗い場。

緑地と合わせてカエルを推しています。


神社お馴染みの皇紀二千六百年記念碑(1940年)。



こちらが上に書いた浄土真宗の顕証寺です。


 

山門をくぐると親鸞像と蓮如像がお出迎え。



左右に親鸞と蓮如という真宗ツートップの像がおられました。


お寺の本堂では子供たちが遊んでいました。

おおらかなお寺で良いですね。


こちらは寺内町の東の方にあった忠魂碑。

どこにでも現れる忠魂碑。
戦没者の名前が刻まれ祀られており、昭和29年(1954年)の表示があります。第二次大戦の戦没者ということで良いのかな?



ということで、久宝寺緑地と地内町の様子でした。

緑地シリーズは残りは鶴見緑地となります。
ここは過去にも何度か訪れたことがありますが、追ってもう一度訪れてみようと思っています。