今回は大阪市内にあるいくつかの公園を取り上げます。
少し古いですが、昨年の年末ごろのお散歩記録です。
大阪市のホームページによると、大阪市内には全部で991の公園があります。
一般に公園は総合公園、地区公園、近隣公園、街区公園など、規模や目的によって種類が分かれています。ざっくりいうと、総合公園は敷地が広く規模の大きな公園で、地区公園、近隣公園となるに従って規模が小さくなり、街区公園は街中の小さな公園という分類になります。
大阪市の991の公園のうちほとんどが街区公園でその数は858、近隣公園は76、地区公園は27、総合公園は7となっています。
過去に当ブログでも取り上げた有名なところでは、桜之宮公園・靭公園・城北公園は総合公園、扇町公園・毛馬公園・真田山公園は地区公園となります。この他、大阪城公園は歴史公園、鶴見緑地は広域公園、長居公園は運動公園、天王寺公園は動植物公園と、大きめの公園は用途によって分類が異なるようです。
今回は2つの総合公園と、地区公園・街区公園それぞれ1つずつ、計4つの公園の記録です。
(1)八幡屋公園
まずは港区にある八幡屋公園から。
八幡屋公園は靭公園・城北公園などと同じく総合公園であり、敷地も広く規模もそれなりに大きいです。
最寄り駅は大阪メトロ中央線の朝潮橋駅です。
入口の様子。
12月中旬に訪れましたので、まだ紅葉がわずかに残っています。
八幡屋公園は1923年(大正12年)に大阪市立運動場として建設されました。
大正時代当時港区は人口が増加、積極的に開発が進められたこの時期に建設された運動場です。1925年(大正14年)には同じ港区に市岡パラダイスという遊園地も建設されましたが、こちらは現存していません。
戦後はスポーツ施設が長居公園に集約されたこともあり、大阪市立運動場は運動場としての機能は縮小、一時見本市の会場として使われ、その後1972年に八幡屋交通公園として再スタートしました。
八幡屋交通公園では市電の展示などが行われていたようですが、1996年に大手前の大阪市中央体育館(現在のNHK大阪の位置にあった)と大阪プール(元々は扇町公園にあった)がこの地に移転して以降、八幡屋公園は再びスポーツの公園となっています。
現在は大阪市中央体育館は丸善インテックアリーナ大阪という名称になっています。
こちらが体育館、丸善インテックアリーナ大阪の入口。
ドーム状の建物で、上に木々が生い茂っています。この建物の上部は外から登ることができます。
公園内に体育館が建設されると、当然公園のお散歩スペースが少なくなります。これを解決するため、体育館の上側にお散歩コースが設けられ、誰でもお散歩を楽しむことができるようになっています。
狭くなった敷地を有効に利用する、合理的なアイデアだと思います。(大阪市は高速道路の高架下に船場センタービル建設するような例をはじめ、狭い土地を有効利用するアイデアが多いように思います。)
google mapで体育館を上部から見た様子。
さながら古墳のようです 笑。
体育館の上部に上ってみます。
こんな感じの曲線の上り坂が続きます。
木々も良い雰囲気。
頂上付近から海側を撮影した様子。
中央やや左奥に見えるのが南港のコスモタワー、右奥に見えるのが天保山の大観覧車です。
インテックアリーナ大阪はメインの巨大な体育館と小さなサブアリーナに別れています。
こちらはサブアリーナの上部の様子。
サブアリーナ側も登ることができます。
さてこちらは大阪プール。
上述の通り、1996年に扇町公園から移転。
現在でも扇町公園には小規模なプールは残っているようです。
ルーブル美術館のようなピラミッド。(こちらの方が規模はショボい 笑。)
こちらは公園敷地内にあった巨大なクジラ型の遊具。
ソーシャルディスタンスを推奨するゆるキャラたち。
右は体育館のゆるキャラ「マイマイ」、メインアリーナとサブアリーナが図案化されています。
左は大阪プールのゆるキャラ「おさプー」です。
(2)桃ヶ池公園
続いては阿倍野区の桃ヶ池公園です。
最寄り駅は大阪メトロ谷町線の田辺駅。
桃ヶ池公園は地区公園となっており、総合公園である八幡屋公園に比べて規模は小さく、公園としては中程度の規模になります。
桃ヶ池公園はその名の通り、桃ヶ池と言う池が敷地の多くを占めます。
公園の入り口。
池がメインの公園ですが、普通の公園にある遊具などもあります。
雰囲気の良いフェニックスの木と広場。
桃ヶ池公園はやはり池がメインです。
JR阪和線と阪神高速14号松原線が交差する場所にあるので、この写真の通り高架が目立ちます。
全般的には良い雰囲気の池です。
桃ヶ池は古くから存在していた池で、かつては股ヶ池、百ヶ池とも書かれたようです。一説によると人間の股の形に似ているからその名が付けられたのだとか。現在は地図上や公園名としては「桃」の表記で統一されています。
古代は聖徳太子の時代にこの地に怪物の死体が現れ、聖徳太子が死体を埋めましたが以降も怪異が絶えず、池の近辺に怪物をお祀りしたという謂れがあります。その後時代を経て戦国時代にも人々の夢に蛟龍が現れ、祀りを祈願したという言い伝えもあります。
死後いつまでもお祀りを依頼する、寂しがり屋の怪物だったようです 笑。
こちらが公園内にあった股ヶ池明神。
怪物とも関係あるのかな。
敷地内には股池改修記念碑が残っていました。
こちらも表記は「桃」ではなく「股」。
池にはカモがいました。
のんびり泳いでいます。
かもパトは楽しいです。
(3)北畠公園
続いては同じく阿倍野区、王寺町にある北畠公園です。
北畠公園は分類としては街区公園となり、規模は小さいです。
最寄り駅は阪堺電車の北畠駅です。
公園の前の道路には、北畠顕家卿之墓の案内が見えます。
公園の様子。
小さな公園です。
左奥に見えるのが北畠顕家のお墓と言われています。あとはベンチと砂場が少しあるのみ
お墓の様子。
大阪は南朝方の地です。
北畠顕家は神皇正統記で有名な北畠親房(南朝方)の息子。南北朝の戦いに参戦し、天王寺の戦いで北朝方に敗れ20歳の若さで戦死し、その後英雄という扱いになりました。
この付近の北畠という地名もおそらく北畠顕家と関係があります。北畠は帝塚山と並ぶ大阪市南部のかつての高級住宅街です。
北畠公園から南に少し歩くと、三菱UFJ銀行北畠支店があります。
ここはかつて三菱銀行時代に、いわゆる三菱銀行人質事件が発生した場所です。
1979年、猟銃を持った男がこの銀行に押し入り、店内にいた行員と客を人質にして身代金を要求した事件。何人かの人質は殺され、犯人も最後は射殺されたという凄惨な事件です。
現在もその当時の建物がそのまま残っていると言われています。
ここからさらに南に歩くと、2年前の桜の時期に取り上げた万代池に辿り着きます。
(4)南港中央公園
最後は住之江区、大阪湾の埋め立て地区である咲州にある南港中央公園です。
最寄り駅はニュートラムのポートタウン東駅。
こちらは総合公園となっており敷地は広く、野球場などもある規模の大きい公園です。
公園の入り口付近の様子。
こちらも12月中旬の訪問ですので、紅葉が残っていました。
良い雰囲気です。(やや季節外れですが 笑。)
戦後の埋め立て以降にできた新しい公園ですので、とくに古い謂れや碑などもありませんが、木々の雰囲気は良く、単純に散歩するにはちょうどよい公園です。
上の八幡屋公園とは異なり、コスモタワーもすぐ近くにに見えます。
展望台と遊具施設。
展望台はコロナを理由に立入禁止になっていました。
屋外で風通しも良いこの規模の施設を立入禁止とするのは、合理的理由よりも自粛感の空気を醸成させてステイホームを促す効果を狙っているのだと思いますが、どこまで効果があるのかは不明です。(ひょっとしたらあまり深く考えずに閉鎖しているのかも。)
左に見えるテトラポット型の謎の遊具も気になります。
鐘の樹。
金の生る木、ではなく、鐘の木のオブジェのようです 笑。
ということで、4つの公園を取り上げてみました。
大阪市には991もの公園がありますので、これ以外の公園もまた訪れてみようと思っています。