片頭痛治療をどのように進めるか? | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これからは、片頭痛治療をどのように進めていくかを、ザックバランに肩のこらないような切り口で、述べていくことにしましょう。
 順番はアトランダムになりますが、一番最後に、締めくくりで整理する予定です。


 前回も述べましたように慢性頭痛治療を行う上での生活指導の基本は「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、姿勢を正しくし、適当に運動し、リラックスすること」です。このような極めて単純なことです。


 規則正しい生活とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。
 食事をバランスよく摂ることは、ミトコンドリアがエネルギー産生を行うためと、脳内セロトニン産生を行うために必須の条件になります。
 睡眠を十分にとることは、日中に傷ついたミトコンドリアの修復に不可欠であり、早寝・早起きはセロトニン神経の活性化に大切になります。
 姿勢を正しくすることは、背筋を伸ばすことでミトコンドリアを活性化させます。
 リラックスすることは、自律神経を調整するために必要で、ストレス耐性の体づくりにはセロトニン活性化が不可欠となってきます。


 このように、これらの生活指導内容そのものは、ミトコンドリアの働きをよくさせ、脳内セロトニンを増やすための指導だったはずのものです。


 しかし、現代社会では、このような単純なことすらできない生活環境にあります。
  規則正しい生活が、毎日行える方は極めて少なく、極めて稀ではないでしょうか。
  睡眠が十分にとれる人も極めて少ないのではないでしょうか。
  現代は交通機関が極めて発達し、車社会です。このため、歩くことが少なく運動不足は日常的になっています。  
  現代社会は、極めてストレスが多いのが特徴です、リラックス可能な状況にはありまえん。
 また、IT万能の世界です。パソコンの操作は日常業務に組み込まれ、仕事が終わればスマホとにらめっこをされる方々が増え、日常的に前屈みの姿勢を強制され、姿勢を悪くさせる生活環境に満ち溢れています。
 また、私達が口にする食品の成分は以前とはまったく変化しています。食品添加物の問題、食品の精製・加工過程の問題もあります。
 また、マグネシウムが不足しやすい生活環境に置かれています。
 このように「食事をバランスよく摂る」ことが如何に難しくなっているかが想像されるはずです。


  こうした「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、姿勢を正しくし、適当に運動し、リラックスすること」といった口で言えば極めて単純なことが簡単には行えないような時代です。


 このような困難な時代であるが故に、これを如何にして行っていくのかが問われており、工夫が必要になっています。


 そこで、慢性頭痛を根治させるための原則は、規則正しい生活を心がけることです。

 このための大事なことは、睡眠、運動、食事の3つのです。

 

 すなわち、睡眠を十分にとり、適度に運動し、食事をバランスよく摂取することです。このなかの1つでも欠けますと、慢性頭痛は改善できないことになります。
 ということは、片頭痛がなななか改善できないと悩まれる場合は、最低限度、睡眠を十分にとり、適度に運動し、食事をバランスよく摂取できているのかを振り返ってみることです。

 なかには、睡眠も十分とれており、適度に運動もしているはずなのに、いつまでも片頭痛がよくならない場合には、食事に問題があると考えなくてはなりません。
 自分では、食事をバランスよく摂取できていると思われていても、バランスよく摂取できていないものと思われます。最初にも述べましたように、現代社会は、食事がバランスよく摂れない状況にあります。とくに、マグネシウムが不足しやすい生活環境にあります。
 マグネシウム不足は、モロにミトコンドリアの機能に影響を及ぼします。
 また、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがうまくいっていないことが関係しているのかもしれません。
 あるいは、抗酸化食品である野菜・果物の摂取不足があるのかもしれません。
 また、知らず知らずのうちに、有害物質を口にしているのかもしれません。こうした場合、日頃からデトックスを心がけているかどうかを反省しなくてはなりません。
 このように、食事に関しては、点検項目が多く一番苦労させられる部分になります。
 ということは、食事の問題点は、ミトコンドリアの機能に直接影響を及ぼすことが理解されるはずです。


 こういったこととは、まったく別に、以下のようなことも最初に念頭に置く必要があります。


 先程述べましたように、睡眠を十分にとり、適度に運動し、食事をバランスよく摂取しながら、片頭痛が一向に改善されないこともあります。
 これは、自分では、この3つがクリア出来ていると思っていても、現代社会では、こうしたことが十分に行えていない可能性も当然のこととしてあります。
 こうした際には、何から手をつけてよいのか困惑させられます。余りにも点検項目が多すぎて、根治を目指す気力も失せてしまいかねる場合も当然のこととしてあります。
 こうした場合、これまでも述べたことなのですが、片頭痛の発症要因が何なのかを考えてみることです。


 私は、片頭痛を発症させる要因は、大雑把に分けて、3つあるものと考えています。それは・・

 


    1.ミトコンドリアの問題
    2.脳内セロトニンの問題
    3.「体の歪み(ストレートネック)」の問題
   

   
  この3つです。これらは、本来なら3つとも連携して、すべて繋がっているはずのものです。しかし、片頭痛個々の患者さんを診てみますと、個々の患者さんの片頭痛の発症要因は、この3つのなかのどれかが主要因となっているように思っています。
   
   
 多くの患者さんは、ミトコンドリアの問題が主要因になっているように思っています。先述のように食事摂取の問題から引き起こされてくることが原因となったり、生まれつき母親から引き継がれたミトコンドリアの活性低下が原因かもしれません。
  大半の女性の片頭痛はこのようなタイプと思われます。
  このような代表的な例が、以下のような方々と思われます。
    
    
         「生理痛」と「月経時片頭痛」の異同
          
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-11945913540.html
       
 
      ”頭痛”はなぜ女性に多い?
            
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12025990955.html
 

 
 次は、脳内セロトニンの低下が主要因になっている場合です。
 とくに、男性の片頭痛の場合に考えなくてはなりません。
 男性の場合、片頭痛発症のキッカケとなるものはストレスが重要な位置を占めています。
 ストレスによって交感神経の緊張が持続すると、血管が収縮して低体温になり、高血糖になって、解糖系のエネルギ―が主体となってきます。低体温、低酸素、高血糖の状態です。このようにして、ミトコンドリアが機能しなくなります。
 また、ストレスはマグネシウムを枯渇させ、活性酸素が過剰に産生され、これも影響してきます。

 https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12290495989.html  を参照。
 ストレスは脳内セロトニンを枯渇させることになります。男性ではこの関与が大きいのです。この両者によって、片頭痛を発症させることになります。
  この典型例は、私の片頭痛でした。その詳細をご覧下さい。


    実は、私も片頭痛持ちでした
      
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11949839076.html


    同様なことは、山崎有為さんの「頭痛解体新書」 で示されます。

   
    そして、「体の歪み(ストレートネック)」が主要因の典型例は、小橋雄太さんのイミグラン錠副作用なしで片頭痛を治しちゃえ」で示されます。 https://ameblo.jp/henzutsunaosu/
   

  ブログ「イミグラン錠・副作用なしで偏頭痛を治しちゃえ」のブログの開設者の小橋雄太さんは、10年以上、閃輝暗点を伴う片頭痛に悩まされ、おまけに”トリプタン製剤”が全く効かない「トリプタン・ノンレスポンダー」でした。このため、頭痛発作時の前日と当日の発作時の状況を詳細に記録を繰り返していくことによって「体の歪み」に頭痛発作の引き金があることに気付いて、当初は整体師さんの指導を受け、この指導を毎日忠実に守り・実行することによって片頭痛を改善されたようです。


 また、ムチウチを契機として発症してくるのは、このタイプと思われます。


 日常生活に感じる極く軽度の頭痛を時々感じていた段階から、一足飛びに、ムチウチや首の外傷(打撲程度のものを含めて)を契機に、それもこれらを受傷後、かなり経過して、このような外傷を受けたことすら忘れた時点で、片頭痛を発症したり、さらに片頭痛まで移行した段階でも、発作頻度もほとんど年に数回しかなかた方々が、このような外傷の後になって急激に、発作の頻度が増え、さらに発作そのものの程度が以前とは比べものにならない程、増強してくる場合が多くみられます。
 このような例は、ムチウチの場合は、すでに常識的なことになっていますが、ムチウチでなく、偶然、頭をぶつけたり、スキーをして転倒して、頭は打たなくても、首をひねったりするとか、野球でスライデイングをした拍子に首をひねったりすることも含まれています。
 本人は、こうしたことを殆ど問題にされないため、既往歴を聞く際に、具体的な例を挙げながら確認しませんと聞き出すことが困難な場合も多いようです。
 そして、このような外傷を契機に片頭痛が出現したり、増悪する方々には、片頭痛の遺伝素因のある方は当然のこととしてありますが、このような片頭痛の遺伝素因が見られない場合が多いのも特徴のような印象を持っています。
  このような方々は、男性に多いのですが(スポーツ外傷が、男性に多いのは当然のことですが)こうした片頭痛が出現したり、増悪する時期が30歳を超えているのも特徴のように思われます。


 男性では、一般的な片頭痛の発症年齢は20歳前後とされていることからすれば、遅い時期に発症してきていると思わなくてはなりません。
 こうした頸部外傷さらにムチウチ受傷後に片頭痛が出現したり、増悪する方々に共通していることは、全員に「体の歪み(ストレートネック)」を認めることです。
 そして、閃輝暗点を前兆として伴っている方が多いようです。

 

 

 このように、片頭痛の発症要因には、3つが主要因としてあるように思われます。

 

 
 これを見分ける方法として、片頭痛発作時の予兆や前兆を確認することです。


 片頭痛発作時には、前兆のかなり前に予兆と呼ばれる症状があります。
  例えば、あくびが出るとか,異常にお腹がすくとか,イライラするとか,眠くなるなどの症状です。発作が鎮まった後も気分の変調があったりします。これらは、すべて脳内セロトニンの低下による症状です。
  とくに、脳内セロトニンの低下が主要因になっている場合に出現してくることが多いようです。


 そして、ミトコンドリアの問題が主要因となっている場合は、前兆として閃輝暗点を伴ったり、上記のような予兆がみられることもあります。


 ところが、「体の歪み(ストレートネック)」が主要因になっている場合は、前兆として閃輝暗点が出現することはありますが、多くの場合、予兆はみられず、当初、肩が異様にこった感じがし、はじめは緊張型頭痛のような症状が次第の増強し、いつのまにか片頭痛へと進展することが多いように思われます。
 そして、片頭痛発作が、天気に左右され、遙か彼方に発生した低気圧によって発作が誘発されたり、平生から、めまい、ふらつき、肩こりが酷かったり、腰痛を伴っている場合も多いようです。


 また、片頭痛が増悪してくる際に、先述のムチウチや頭部外傷などを契機とした場合は、この「体の歪み(ストレートネック)」が主要因になっていることが多いようです。
 さらに、脳内セロトニンの低下が主要因となる場合は、片頭痛が増悪するまでの数年間の間に過剰なストレスが加わって起きてくる場合は、これがヒントになります。
 また、ミトコンドリアが主要因となる場合は、頭痛発作時に頻回に市販の鎮痛薬を繰り返して服用しているうちにいつの間にか片頭痛へと移行してくるパターンが多いようです。


 このように、発作時の予兆・前兆の有無、さらに片頭痛が増悪してきたきっかけとなる生活習慣の問題点やムチウチ・頭部外傷などの有無が、こうした片頭痛発症の主要因を探る手がかりになってきます。


 こういったことから、自分で冷静にこれまでの自分の頭痛発作がどのような経過を辿って現在に至ってきたのかを内省することが極めて重要になってきます。このようなことは、あなたでしか分からないことであり、医師はこのようなことは把握できません。
 ということは、片頭痛発症の主要因を探ることができるのはあなたしかいないことになります。
 さらに、先述のような予兆・前兆の有無を確認しながら総合的に判断していく必要があります。
 その上で、まず、優先して行うべきことを決めていくことが重要になってきます。


 ミトコンドリアが主要因と思われる場合は、まず、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の提唱される「3つの約束」をまず、行うべきです。
  脳内セロトニンの低下が主要因と思われる場合は、まず、「セロトニン生活」を励行することです。男性の場合はまずこれを行うべきです。
 「体の歪み(ストレートネック)」が主要因と思われる場合は、まず、「体の歪み(ストレートネック)」の是正を行っていくべきです。

    このようにして、あなたの片頭痛発症の主要因が
 

  
    1.ミトコンドリアの問題
    2.脳内セロトニンの問題
    3.「体の歪み(ストレートネック)」の問題
   

   
 なのかを判断し、これに従って以下のガイドラインに沿ってまず改善・是正していくことになります。
   
   
        後編・片頭痛治療のてびき
            
http://taku1902.jp/sub544.pdf


            「生活習慣改善のポイント」
         
http://taku1902.jp/sub545.pdf

 
 このようにして、最優先課題をもとにして、効率よく問題解決を行っていく必要があります。これらを行うにしても、最低でも効果が現れるまでには3カ月は必要とされますので、効率よく行うべきです。


 このようにしながら、今後に残された行うべきことを、ガイドラインで把握することによって、その段階の生活習慣と照らし合わせてみて、欠けている部分を模索しながら改善すべきことを絞っていくことが大切になってきます。
 最初から、すべてのことを行おうとすれば、全てが中途半端になってしまい、元の木阿弥になりかねませんので注意が必要です。