2006 年の4月下旬、私は初ブルトラウトを釣ったフレイザーリバーパークでデューワームのブッコミ釣りをしていた。この日は大変風が強く、加えて河口に近いので海からの逆流と、沖を通る大型船の作り出す波のせいで、川は荒海のような様相を呈していた。

タックルはシマノスチールヘッド&トラウトロッドに 4000 番スピニングリール、 6ポンドライン、ナツメおもり、スイベル、ヘラ改良スレ4号 (ハリス 0.5 号) を使った。

沖合まで目一杯投げ、そのまま岩の隙間にロッドを差して弁当の半分を平らげた。ロッドの先が断続的に動いていたが、激しい流れのせいだと思い、食べ終わるまで放っておいた。そして弁当を片付けて竿を取り、糸フケを取ろうとリールを巻き始めると、ブルブルッと言う魚の感触が伝わってきた。

それほど大きくはない。ヌマガレイかブルヘッド (パシフィックスタグホーンスカルピン) だと思い、ゆっくり寄せてきた。おもりが水面から出て、ハリスが左右に動いている。さて何だろうと浅瀬まで来た魚を見ると、カレイでもブルヘッドでもなかった。直感的にコイ科だとわかったが、一瞬フナだと思った。ごぼう抜きしてハリスの下で踊っている魚を見て、ウグイか?と次に思った。そしてようやくそれがピーマウスだと気がついた。

うまっこのブログ
初めて釣ったピーマウス


事前に調べていた通り、口は確かに赤みがかっていたが、思っていたより丸い体型だった。それにしてもウグイそっくりだ。オンタリオでもずいぶんウグイ似の魚に出会ったが、それよりもさらに似ている。調べたら婚姻色の出方までそっくりだった。

うまっこのブログ
2006 年5月にフレイザーリバー支流で釣ったピーマウス


ピーマウスの近影


コイ目コイ科 Mylocheilus 属。一属一種の魚である。ピーマウス (peamouth) という名前は豆粒のように小さな口という意味らしい。最大全長 36 センチ。河川や湖の水生植物の多い浅場に多く見られる。無脊椎動物食性だが時には小魚も食べる。カナダではブリティッシュコロンビア州のみに分布している。


2014 年8月にブリティッシュコロンビア州のオカナガン湖で釣ったピーマウス



2015年6月にアイダホ州のクリアーウォーターリバーで釣れた、婚姻色の出たピーマウス


2014年9月にフレイザーリバーでレパードデースの外道として釣れたピーマウス




ピーマウスのハビタット