佐藤泰志の「オーバー・フェンス」を(再び)読んだ! | とんとん・にっき

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佐藤泰志の「オーバー・フェンス」を(再び)読みました。「黄金の服」(小学館文庫:2011年5月15日初版第1刷発行)は、一度、読み終わったのですが、パソコンが壊れて記事がアップできなかったものです。そのなかの「オーバーフェンス」が、山下敦弘監督によって映画化されるというので、再び読んでみました。佐藤泰志の「オーバー・フェンス」は、わずか91ページほどの短篇です。


主人公が、妻子と別れて、故郷の函館に戻ってきて、職業訓練校に通う日々、各科との対抗野球に建築科として一丸となってはげみ、訓練校の同級生の紹介で「聡(さとし)」と知りあい、愛し合うようになる、といった物語です。


僕にあるものは、アパートでの僕ひとりの夜、それだけときめている350ミリリットルの二本の缶ビール、五月半ばの湿気のない風、この町へ来て、まだ一度しか会っていない妹夫婦と、五日間世話になった両親、グラウンドと実習室と15人の建築科の生徒、4人の教官、海峡と山。失くしたものは、と考えようとしてやめた。今はもう意味もない。


函館出身の佐藤泰志の原作で映画化されたのは、熊切和嘉監督の「海炭市叙景」(2010年)、呉美保監督の「そこのみにて光輝く」(2014年)があり、「オーバー・フェンス」は佐藤泰志の函館もの3部作の最終作となります。17日から公開されます。


朝日新聞:2016年9月2日文化欄

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山下敦弘監督で佐藤泰志「オーバー・フェンス」映画化!「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」に続く函館3部作最終章


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