ジョー・ライト監督、キーラ・ナイトレイ主演「アンナ・カレーニナ」を観た! | とんとん・にっき

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見逃していたジョー・ライト監督、キーラ・ナイトレイ主演「アンナ・カレーニナ」(日本公開:2013年3月29日 )を、TUTAYAで借りてDVDで観ました。


若い頃人なみにロシア文学を読んだつもりでいましたが、読んだのはドストエフスキーやソルジェニツインなど、ごく一部の作家しか読んでいませんでした。トルストイは、完全に抜け落ちていました。従って「戦争と平和」や「アンナ・カレーニナ」、「復活」などは、読んでいません。そんなわけで「アンナ・カレーニナ」はどんな物語なのか、ネットで調べてみました。


物語は、高級官僚カレーニンと結婚して一児の母であるアンナが、兄の浮気によって崩壊しかけたオブローンスキー家へ駆けつけるため、夜汽車でモスクワへ着いた朝、保線工夫の轢死(れきし)事故に際会し、同乗していた青年将校ウローンスキーがその場でエリートぶりを発揮してアンナの気をひくところから始まり、やがて彼との恋に公然と生きる道を選んだアンナが、家庭を追われ、偽善的な宗教界や社交界からはじき出されて、ひたすら孤独な愛に精神を酷使し続けた結果、転進して大土地経営に乗り出したウローンスキーの多忙な資本家的活動になじめず、ついに覚悟の鉄道自殺を遂げる場面で終わる。

(「日本大百科全書(ニッポニカ)」の解説より)


上に、「鉄道自殺を遂げる場面で終わる」とありますが、ジョー・ライト監督の「アンナ・カレーニナ」は原作とはかなり異なっているようです。


イワン・クラムスコイ作の「見知らぬ女」(1883年)は、アンナ・カレーニナをイメージしたものとも言われているようです。う~ん、そうだったのか。図録の解説を見ると、以下のようにあります。

「高価な毛皮とベルベットに身を包み、豪華な馬車の上から人を蔑むような官能的な視線をこちらに投げかける、挑発的なほど美しい女。純潔と引き換えに手に入れた衣装をまとう卑しい女たちを生み出し、街路に放つ大都会。彼女はこの都会の産物の一つに他ならない。もし彼女らがこの社会を軽蔑の念をもって見ることができるというのなら、それは社会そのものに責任があるのだ。この作品は暴露的な性格のイロコイ作品であるということができよう」(「19世紀ロシア絵画展」図録より)

Bunkamuraザ・ミュージアムで「国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア」を観た!


「アンナ・カレーニナ」は、過去に何度か映画化されていたようです。(「ウィキペデイア」による)

ソフィー・マルソーの主演の「アンナ・カレーニナ」(Anna Karenina)は、バーナード・ローズ監督による1997年のアメリカ合衆国の映画。レフ・トルストイの「アンナ・カレーニナ」の7度目の映画化であり、全編ロシアでの撮影。同原作のアメリカでの映画化作品で、ロシアで撮影されたのは本作が初である。

キーラ・ナイトレイの「アンナ・カレーニナ」(Anna Karenina)は、2012年公開のジョー・ライト監督によるイギリスのドラマ映画。1877年にレフ・トルストイが発表した「アンナ・カレーニナ」の映画化作品。映画全体を舞台劇とし、場面転換の際には映像が隣のステージに移動するという独特の手法を用いている。


ジョー・ライト監督の「アンナ・カレーニナ」の大きな特徴は、以下のようです。
ジョー・ライト監督は、英国人歴史家オーランドー・ファイジズの「19世紀のサンクトペテルブルク貴族は、人生を舞台の上で演じているかのようだった」という記述に目を留め、内側から腐った当時のロシア社会の比喩として「美しいが崩れ落ちそうな劇場」のセットを基盤とした、舞台型の演出を取り入れている。


この「舞台型の演出」は、面白い人には面白い、意欲的な取り組みです。映画全体を舞台劇とし、場面転換の際には映像が隣のステージに移動するという独特の手法を用いています。


早い話が、社会的名声もある夫も、そして子供もいる、生活にはまったく困らないペテルブルクに暮らす人妻が、ある用事でモスクワへ行き、若い青年将校に出合い、メロメロになる、いわゆる不倫のお話です。一方、さすがはトルストイ、領地で信仰とともに実直に働く夫婦を対比的に登場させて、人間いかに生きるべきか、を考えさせます。豪華絢爛、キーラ・ナイトレイありきの「アンナ・カレーニナ」でした。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


ロシアの文豪L・N・トルストイの代表作を実写化した大作ドラマ。19世紀ロシアを舞台に、青年将校に惹(ひ)かれたのを機に政府高官である夫との愛のない結婚や社交界から離れようと決意した女性に降り掛かる試練試練を追う。メガホンを取るのは、『つぐない』『ハンナ』などの鬼才ジョー・ライト。『つぐない』でライト監督と組んだキーラ・ナイトレイが、許されぬ恋に身を焦がしながらも自分らしく生きようとするヒロインのアンナ・カレーニナを熱演。実力派スターが集結した豪華な共演陣、豪華絢爛(けんらん)な衣装や美術も見どころだ。

ストーリー:19世紀末のロシア。政府高官カレーニン(ジュード・ロウ)の妻にして、社交界の花として人々から注目されるアンナ・カレーニナ(キーラ・ナイトレイ)。しかし、華やかな生活の裏で夫との愛なき結婚に空虚なものを抱いていた。そんな中、彼女は離婚の危機に陥った兄夫婦の関係を修復させようと、彼らのいるモスクワへ。駅に降り立ったアンナは、そこで青年将校ヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と出会う。彼から強い思いをぶつけられて戸惑う彼女だが、自分にも彼を慕う気持ちで胸がいっぱいだった。

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「アンナ・カレーニナ」公式サイト


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