武蔵野市立吉祥寺美術館で「上村淳之展―唳禽を描く―」を観た! | とんとん・にっき

武蔵野市立吉祥寺美術館で「上村淳之展―唳禽を描く―」を観た!


祖母・上村松園、父・上村松篁、上村淳之はなんと日本画家で3代にもわたる、そうそうたる家系です。松園については、山種美術館などで何度か観て知ってはいますが、上村松篁、上村淳之についてはなにもしりませんでした。奈良には「松伯美術館」があり、松園、松篁、淳之3代にわたる作品を展示してあるという。今回、吉祥寺美術館で、上村淳之の作品をまとまって観る機会があり、その作風が多少なりとも分かったような気がします。


副題には「唳禽を描く」とあります。奈良市と京都府の県境に上村淳之の父・松篁が購入した土地があり、第2次大戦末期には祖母の松園が疎開し、亡くなるまで居住した場所です。「唳禽荘」とは、「瑞鳥の鳴く家」の意味で松篁が名付けたという。現在、上村淳之はここにアトリエを構え、263種、1600羽余の鳥類を飼育・観察しながら制作にいそしんでいるという。今回展示された作品を観て、「なるほど」と思いました。


作品を観て、門外漢の感想ですが、日本画ということからか、様式的というか、デザイン的というか、鳥たちがパターン化されて描かれており、動きがなく静謐な作品ばかりでした。解説には、上村淳之の独特な画風は、「飼育者としての目と表現者としての目が一体化した中で築かれたもの」とあります。












「上村淳之展―唳禽を描く―」:ホームページより

上村淳之(1933- )は現代日本の代表的花鳥画家として高い評価を得ている作家のひとりです。祖母・上村松園、父・上村松篁も高名な日本画家で、三代にわたる日本画家一家としても知られています。
氏が、祖母・松園が疎開し晩年を過ごした地である奈良・平城の「唳禽荘」に移り住み、画題となる鳥たちを飼育しながら制作される花鳥画は、日本画の伝統を踏まえた象徴的空間に、自然の中に生きる鳥たちの生命の美しさ、そしてその声を表現するという独自のものです。こうした独特な画風は、飼育者としての目と表現者としての目が一体化した中で築かれたものといえましょう。
本展は、上村淳之氏ならびに財団法人松伯美術館をはじめとする関係各位のご協力のもと、同氏の初期から近年にいたる作品の数々を展示し、鳥たちとの対話を通して、自然を鋭く見、それを作品として表現する氏の花鳥画の世界と画業を紹介するものです。花鳥画独特の装飾性に加え、醸し出される象徴的世界に誘う画風に接し、ご鑑賞いただける好機としていただければ幸いです。


「武蔵野市立吉祥寺美術館」ホームページ


とんとん・にっき-uemura1 「上村淳之展―唳禽を描く―」

小冊子

武蔵野市立吉祥寺美術館










番外編:武蔵野市吉祥寺武術館、椅子のコレクション


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