国立新美術館で「フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展」を観る! | とんとん・にっき

国立新美術館で「フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展」を観る!


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国立新美術館で「フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展」が開催されています。資料によると、この展覧会は17世紀にオランダで生まれた風俗画が、19世紀末にいたるまでにどのような展開を遂げたかを、合計116点の作品で紹介すると同時に、フェルメールの傑作「牛乳を注ぐ女」が来日することでも注目されている展覧会です。が、しかし、僕はこの展覧会は観に行く予定がありませんでした。なにしろフェルメールの作品は「牛乳を注ぐ女」1点のみ、他は他のオランダ絵画や版画で帳尻を合わせているのが「フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展」という題名からも想像がついたからです。


僅か30数点しか現存しないフェルメールの作品、そのひとつが東京で観られる、それはそれで凄いことです。聞くところによると、所蔵しているアムステルダム国立美術館が改装中で、特別に借り受けることができたという。アムステルダム美術館もフェルメールの作品は「牛乳を注ぐ女」の他に、「恋文」「青衣の女」、つまり僅かこの3点しかないのです。(「恋するフェルメール」には「小路」もある、すなわち4作品がある、と書いてありますが)。その中でもやはり「牛乳を注ぐ女」が質が高いとされているようです。トンボの本「謎解きフェルメール」でもこの「牛乳を注ぐ女」で始まっています。フェルメールは1632年デルフトに生まれます。画家として独り立ちしたのが22歳頃、「牛乳を注ぐ女」は26歳の時の作品だという。約20年間絵を描いて、1675年に43歳で亡くなっています。


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今回、たまたまmixiで入っているコミュニティ「フェルメール」、その「フェルメール・オフ会」に誘われたので、皆さんと行動を共にするのもいいかなと思い、参加したというわけです。もう観られた方もかなりいたようですが、オフ会に参加した方が40数名、これだけとっても、いかにフェルメールの人気が高いかがよくわかります。皆さん、フェルメールのことをよくご存じなので驚きました。なかには美術館で行った「ギャラリートーク」4回に、すべて出席されている「強者」もいました。


「牛乳を注ぐ女」については、有吉玉青は「恋するフェルメール」のなかで、「次の部屋にフェルメールがあると思ったとき、とたんに私の歩みは遅くなった。一刻も早く会いたいたいのに・・・、ちょっと、こわい。これでは、まるで恋人に会いに行く気分ではないか?私はそのとき始めて、自分はフェルメールに恋をしているのだ、と思った」、という“有名なフレーズ”があります。僕は、映画「真珠の耳飾りの女」を何回か観て、スカーレット・ヨハンセンがお気に入りなこともあり、つい先日もNHKBSでやっていたのを観てしまいました。まあ、フェルメールは映画から入ったというか、意識したきっかけが映画でした。その後折に触れてフェルメール関連の書籍を読むようになりました。小林頼子の「もっと知りたいフェルメール―生涯と作品」、(ビンゴで当たらなかったので)買って読みたいと思っています。


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思い出したのが、2004年4月から7月に開催していた「フェルメール『画家のアトリエ』栄光のオランダ・フランドル絵画展」、これ今回の「フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展」と構成がまったく同じ、フェルメール1点と17世紀オランダ絵画で全体をまとめたもの、あまりにも似すぎています。その時は出所は「ウィーン美術史美術館」所蔵のものでしたが。その時も「風俗画」が話題になったのか?僕がわからないのは、いわゆる「フランドル画家」との違いです。ブリューゲル親子も同じような「風俗画?」といえるのか、一般庶民の風俗を描いていました。酒を呑んで酔いつぶれた人たちや、村の祭り、あるいは格言?、諺?、等々。図録がないのでわかりませんが、ブリューゲル親子については、新宿の伊勢丹で2度ほど観ました。1冊だけ、出てきました。「黄金期フランドル絵画の巨匠たち展」という、2001年4月から5月にかけて開催されたものです。


なにはともあれ、行けば行っただけのことはあります。「牛乳を注ぐ女」は、「単眼鏡をもっていった方がいいよ」と、脅かされましたが、夕方終了間際だったこともあり、思っていた以上に空いていて、とは言ってもそれなりの人出でしたが、3~4回だったか、前を通り、近くで観ることができました。比較的小さな作品で、作品保護のニスのせいか、かなり光沢のある画面でした。木の額縁がこれも光沢があり、大きすぎる感じがしました。また有吉玉青ですが、4年前に「牛乳を注ぐ女」を観て言葉を失い、そしてまた4年後この作品の前に立ち、「この4年、私は何をしてきたのだろう。この絵を語れるほどの言葉を得ただろうか」と、自問します。「それはあいかわらず、硬く焼き締められた陶器のように、私の前でひたすら存在感を主張したのだった」と。


国立新美術館

フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展


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