こんばんはー!マックです。

午前中からエアコンのお世話になるって惰性的かもしれないけれど…

暑過ぎて倒れる寸前なので許してほしいと思うマックなのです(´・ω・`)

いやー、今年の暑さは異常でしょう。そうでしょう!?



こちら、「続き妄想」と言う分野でございます。
単行本になるまでチラリともネタバレしたくない方は、どうぞ避けてお通りくださいませ。


「Act.202でキョーコが幕を持ったまま、蓮との恋愛の舞台へ上がらずに映画がクランクアップ・ヒール兄妹解散」と言う if 設定となります。



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私は、敦賀さんに『私』の身に起こったことを少しずつ話した。

「実は今17歳で、朝起きたらこの世界にいました。」と……

やっぱり、こうして言葉にしてみると、すごく荒唐無稽な話だと思う。
だけど、敦賀さんは笑わずにきちんと目を見て、ちゃんと話を聞いてくれる。

それが嬉しくて、とても安心できて。
話している間にも、またぽろぽろと涙が溢れてきてしまう。

敦賀さんが貸してくれた白いハンカチが、落ちたメイクで汚れていくのはもったいないけど洗えば何とかなるかしら?

ハンカチは敦賀さんがいつも使っている香水の香りが強くて、さらに敦賀セラピーが倍増される。
目元を拭く度に香る優しい匂いに、実は手が震えるほど不安で緊張していたんだと気がつかされた。


一通り話終わったところで、敦賀さんはゆっくり大きく一度頷くと、私をまた緩く抱き締めて頭を優しく撫でてくれた。


「それは心細かったね…よく頑張ったよ。」
「…でも、私頑張ってないです。式場から逃げ出しちゃったもの…戻らなきゃ、ダメ…ですよね……」


敦賀さんに話を聞いてもらって、だいぶ落ち着いた気がする。
今なら…20歳の『私』が望んだ未来の為に、式場に戻れそうだわ。



例えその相手が、敦賀さんでなくても――――



「駄目だ、行かせない。」


だけど、敦賀さんの腕に力が込められて拘束が強くなって、敦賀さんの逞しい胸に頭を押し付けられた。
緩くて心地よかった抱擁が急に苦しくなって、息が出来なくて。
空気を上を向いたら、待ち構えていたかのように敦賀さんの唇が降ってきた。


頬に、目蓋に。唇に……


「んっ、つるがさ…ん?」
「そんなの駄目だ。両想いとわかっていて他の男の元へ行かせるなんて…馬鹿のする事だ。」


………今、何て…?


「りょ、おもい……?」
「ずっとその言葉を聞きたくて、言いたくて。ずっとずっと、待ってたんだ…好きだよ、最上さん。」


これは一体、何の夢を見ているのかしら。

敦賀さんが私のことを好き…?
そんな都合のいいことがあるなんて……


「う、…うそ……っ」
「嘘じゃないよ。嬉しくてどうかしてしまいそうだ…好きだよ、ずっと。ずっと、好きだった……」


押し付けられた厚い胸からは、どんどん早く強くなる敦賀さんの鼓動が聞こえる。
強く抱き締められる腕も今までで一番痛くて、だけど一番優しく感じてしまう。



私……『私』はやっぱり、敦賀さんが好き―――



また自然と溢れる涙と嗚咽。
敦賀さんは頭を一撫でしてくれると、体勢を立て直し、いきなり私の体を横抱きにして立ち上がった。


「きゃ…っ」
「多分そろそろ、最上さんがいなくなった事に気が付いたスタッフ達が探しに来るだろう。その前に逃げるよ?」
「逃げるって、どこに…」
「とりあえず俺の家。」


車の横で私を一旦下ろすと、敦賀さんは助手席のドアを開け、おもいっきり座席を下げてスペースを作る。

…そうか、ドレスはかさばるから…

手際よく私がドレスを着たままでも乗れるように準備をした後、敦賀さんは席の前にしゃがみこんだまま私を見上げてきた。


「このまま、君を攫っていい?」
「…でも、結婚式……」
「最上さん、『君』はどうしたい?見ず知らずの男と結婚したいの?」
「それはっ…!いや、ですけど……」


敦賀さんにこのまま付いていけたら、『私』はすごく嬉しい。
例えいつかは17歳の私の世界へ帰らなくてはいけなくても、敦賀さんに受け入れてもらえた…
この事実だけでも、生きていけるだけの力がもらえるわ。

だけど、20歳の『私』の幸せの為には、結婚式には出た方がいい。
それもわかってはいるわ。


『私』が『私』の幸せを壊すなんて……ダメでしょ?


私が迷っていると、敦賀さんは立ち上がって腰に腕を回し引き寄せる。
そして、耳元に唇を寄せ、低く艶のある声で『私』に問い掛けた。


「俺は『君』が欲しい。『君』は…?君の知ってる『俺』じゃなきゃ駄目?」


それは恐らく「17歳の私が知っている、21歳の敦賀さん」と言うことなんだと思う。

だけど……『私』にとっては、今目の前にいる敦賀さんも21歳の敦賀さんも、変わらない一人の人。


わたしが、好きなヒト―――


(そんな聞き方、ずるい……)



そう聞かれてしまったら、私の答えなんてひとつしかない。


目の前の敦賀さんに腕をそっと回し、小さく小さく、一度だけ頷いた。






こぶたのヒトリゴト。-にゃんこ拍手 ←人さらいー!w←

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「さらっていい?」とか聞くのすら、貴方ならきっと様になるだろう!
て、蓮さんならきょこたんが「NO」と言っても力ずくでさらいそうですが←




スキビ☆ランキング ←いつもありがとうございますm(__)m