えーっと…メリークリスマス&明けましておめでとうございます?←
大変ご無沙汰しております、マックです。
前回の更新が1年3か月前で正直とってもビビっております。
低浮上どころか全く浮上してねーじゃねーか。
こんな辺境の地の果てからも転げ落ちる勢いの当ブログですが、今もお越しくださっている方がいらしてビックリしました。
ありがとうございます(土下座DE号泣)
実は本日が「キスの日」と言う事で、唐突にSS1本書きたい衝動に襲われまして…
突き動かされるまま1時間半クオリティでやらかしました。
誤字脱字?気にしない(どうせ投稿した後激しく後悔するから←)
※成立後、間もない蓮キョ設定です
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆ JuIcy HearT ゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
「敦賀さん。そう言えば私、面白い物見つけたんですよ。」
そう言ってメイクテーブルの上に置いた鞄の中を覗き込む表情を、栗色の髪がさらりと隠してしまった。
いつも持ち歩いている大き目のバッグの中をごそごそ弄る手へ繋がる腕を見るだけでも、彼女がワクワクしながら出そうとしている事が窺える。
ソファに座ったままであればきっとその横顔を見る事も出来ただろうが、上着を着る為に既に立ってしまった為、蓮はキョーコの表情を見る事が出来ない。
衣装なんてスタジオに入ってからの最終チェックが入るんだから、その時に上着も着れば良かったんだよな…と、優秀なマネージャーが捻り出してくれたこのわずかな時間の中での有効活用の失敗に蓮は心の中で小さく溜息を吐いた。
相変わらずの自分の多忙もさることながら、タレント名鑑にもきちんと名前を載せ大々的に芸能活動をスタートさせたキョーコに今までのような時間の余裕がなくなっていた。
女優としての仕事は勿論、年単位でのCM契約、初めて『京子』としてのバラエティレギュラー出演。そして、その合間を縫ってのラブミー部の依頼。
もう自分との恋愛を成就させたのだからラブミー部は卒業でいいと思うのだが、「俺は最上くんを世界に羽ばたく一流の俳優にしてやるんだ!」と意気込む社長と「私なんかじゃまだまだ敦賀さんの隣に相応しくないですから!」と手も首も全力で横に振るキョーコの威圧に黙らされ、蓮はラブミー部の仕事に関しては何も口を挟ませてもらえていない。
その件に関しては未だ納得のいっていない蓮だが、「敦賀さんの彼女に相応しいと世間が認めてくれるような、そんな『最上キョーコ』を作りますから…」と上目使い&頬を染めるコンボでお願いされてしまえば、「わかった」の言葉しか口から出せなかった。
完全に惚れた弱みである。
今日のこの時間も「偶然同じテレビ局で入りと休憩時間が重なるタイミングがあるよ!」と、眼鏡のお兄さんの知恵により提供されたわずかな逢瀬だ。
賞味20分しかないが、付き合い始めて間もない二人には大切な時間。
小さく響くノックの後にするりと楽屋に入り込んできた華奢な身体を待ち構えてましたとばかりに抱き上げて、蓮は恋人の補給に勤しんだ。
小さな悲鳴が聞こえたが気にしない。
外では二人の恋路を応援してくれているマネージャーが番犬よろしく見張ってくれているので、スキャンダルなどの不安におびえる事なく安心して抱き締められる。
勿論「キョーコちゃんはまだ未成年だからな!?時間もないし変な事はするなよ!?」とその番犬には事前に忠告されているので、不埒な事はしないし出来ない。
何せキスをしようとするだけで首まで真っ赤に染める乙女な少女が相手だ。
「歩く純情さんだしな…」と紳士な顔を貼り付けた敦賀蓮は、タイムリミット5分前のノックが聞こえるまで抱き締めた身体に回した手で背中をするする擦り続けた。
「ほらっ、これでーす!」と元気よく目の前に差し出されたのは、昔からある黄色い飴のパッケージがプリントされたリップクリームだった。
未開封なので、本体と同じプリントが施された台紙がプラスチックのケースでテカテカと光る。
いかにもキョーコが好きそうな可愛らしい見た目のリップクリームだ。
「よろず屋で見つけたんです。私、昔からこの飴好きで舐めてたんですよね。最近リップクリームになったみたいで、ちょっと嬉しくて。」
にこにこ笑いながら差し出してくるそれをひょいと受け取ると、キラキラした目で「敦賀さんにあげます!」と言われて「えっ」と反応に困った。
「だって、スタジオ乾燥するじゃないですか。勿論メイクさんが付くので仕事中は問題ないとは思いますが、普段から気を付けないと。」
「本当にいいの?」
「はいっ!」
どう考えてもキョーコが好きそうな物なのにな…と思いつつ、そうだこの子は自分がいいと思ったものは何でも薦めてくれる、人の為に体が動いてしまう子だったとそこに考えが至ると胸の内がほんわりと温かくなり、自然と「ありがとう」と笑みが零れた。
途端にちょっと青褪めながら目を泳がせるキョーコの仕草は未だに謎なのだが。
ぱきん、と乾いた音と共にプラスチック製のケースと台紙の間からリップクリーム本体が掌に転がり落ちる。
黄色い丸い飴のプリントは全体に施されていて、キャップの緑が鮮やかで気持ちがいい。
外すと瑞々しいパイナップルの匂いがした。
「匂いもついてるんだね、確かにこれは面白いね。」
「ですよね!?飴もとても美味しいんですよ!今度持ってきますね!」
先程まで泳いでいたキョーコの目線がぱっと自分に戻って来てくれたことが嬉しくて。フレッシュな香りが心を軽くしてくれた気がして。
匂いを嗅ごうと顔に近付けていたリップクリームを、蓮はそのまま唇の上に滑らせる。
するり、するり。
下唇と上唇、順番に2周させたところでリップクリームを離す。
本体が離れたというのに鼻孔に甘くていい香りが続いて入ってくる。
成程これは可愛い発見をしたな、と思ったその時。
隣に立っていたキョーコが急に蓮の首に手を回した。
腕にぐっと力が入る。油断していた蓮はそのままキョーコの思うままに顔を落とした。
(あ…)
ふわりと重なる唇は酷く柔らかくて温かい。
そして甘いパイナップルの匂いが濃くなって、思わず息が止まる。
甘すぎて、まるで溺れてしまいそうだ。
最後にはむりと下唇を食まれてするりとキョーコが離れた。
「うん、美味しいです。」
自分の唇を挟んだその両唇をぺろりと小さく舌を出して舐める姿に、蓮は思わず天を仰ぎそうになった。
「お嫁に行くまではこの貞操を守らなきゃ!」とか、少し濃いめのキスをしただけで「敦賀さんてば破廉恥なー!!」と時代錯誤な事を叫ぶこの娘が、どうしてこんな色気を出すのか…!!
こんな事、どこで覚えて来たのか!!
この無自覚天然たらし娘め、どうしてくれようか―――!!!
今すぐ肩を揺さぶって「どこで覚えた」と問いただしたい気持ちは山々なのだが、如何せん蓮のキャパシティを超える出来事過ぎて体が動かないし、外から小さくコンコンとノックの音が聞こえる。
外にいる社がそろそろ本当にタイムリミットだと告げているのだ。
先にその音に反応したキョーコが「そろそろですね」と自分の傍から離れ、鞄を手に取った。
(社さんの情報では、確かキョーコの今夜の予定は21時で上がりだったはず…!)
一瞬でぐるぐると頭の中にあった情報を整理する。
自分の仕事は上手に調整すれば22時には終わらせられる。
ドアノブにまさに手をかけようとしているキョーコの手首を取り、自分の方へと引き寄せる。
急に抱き締められたキョーコは「ぶふっ!?」と変な声を出して慌てているけど気にしない。
「今夜…9時上がりだよね?最上さん。」
「ふぇ?そうですが…」
「俺ね、すっごくお腹空きそうなんだ。だから今夜、ご飯を用意してくれないかな。」
「!?敦賀さんお腹空かれたんですか!?じゃあ今すぐ」
「今じゃなくていいよ、最上さんも俺もこれから仕事だしね?だから今夜…」
「わかりました!リクエストはありますか!?」
「甘いデザートを追加で用意してもらえればそれで。」
「敦賀さんがデザートを御所望だなんて、珍しいですね。わかりました!」
弾んだ声の上で爽やかな花の香りのする栗色の髪がふわふわ揺れる。
その空気を思いっきり吸い込むと、ますますお腹が空いてくるような気がする。
君は歩く純情さんだからきっとびっくりすると思うけど、大丈夫。
だって君はそのままでも十分甘くておいしいはずだから。
コンコンと2度目のノック音が響く中、今日のこの後のスケジュールをどう詰めようかと考える蓮の顔はおおよそ『敦賀蓮』の顔ではなかったし、本人もそれを自覚してはいたが。
それを今夜向けられるであろうキョーコは蓮の腕の中で、ブレーキ役の社は扉の外。
静かに微笑む蓮の腕は、最終的に3度目のノックと共に社が入ってくるまでキョーコを離さなかった。
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久しぶり過ぎてブログ投稿の仕方忘れました。←
書きたい衝動を与えてくれたリップクリームは、私はド〇キで買いました。飴も美味しいです。
尚、この日の夜は危険を察知したモー子さんとちおりんに「あら敦賀さん、私達も同じ時間に上がりなんですよ~お腹空いてるなら一緒にご飯行きましょうそうしましょう」と見事邪魔されます、残念敦賀さん!!←←