今日は、七十二候の第20候【蚯蚓出(みみずいずる)】です。
蚯蚓を漢字で見ることは少ないと思います。
あまり、歓迎される虫ではありませんが、七十二候は、農耕などに関係する動植物がよく出てきます。
ミミズも虫ですから、本来なら二十四節気の【啓蟄】 の頃、七十二候の【蟄虫啓戸】 の頃に出てきてもいいのですが、そこから遅れること約2ヵ月。
春の陽気を充分に感じてから、ミミズは地上に這い出てくるのです。
ミミズは、目がなく、手足もなく、紐状の動物です。
ミミズという名称は、“目見ず” から来たといわれます。
ミミズは下等な動物と思われがちですが、この土壌動物が果たす役割はきわめて大きなものなのです。
土を食べ、土の中の有機物や微生物、小動物を消化吸収して、粒状の糞を排泄します。
それにより、土壌中の通気・保水・排水(透水)を高めてくれ、孔隙(土の中の隙間)を大きくし、土中の酸素量を増やしてくれます。
肥沃な土地とは、そんな土壌動物や微生物が活発に働いている土のことをいいます。
その昔、農耕中心であった時代、ミミズは人間にとって益虫として重宝され、季節を表す季語にもされたのです。