それからのももとわらしと邪鬼の生活は、困った人がいると一週間ほどわらしが泊まりに行きその間邪鬼はももに皮肉のようなアドバイス?をして行くようになりました。でもだんだん邪鬼もこの奇妙なアドバイスもしなくて済むほど、ももは心を騒がすことが無くなってきました。
お父さんが事故で怪我をして働けなくなった家にわらしが行くと、お父さんの怪我が良くなり仕事にまた行けるようになりました。
いじめられている子の家に行くと、いじめっ子はいじめなくなりいじめられている子も学校に行けるようになりました。
おじいさんとおばあさんだけでやっているお店でお客さんがだんだん来なくなりお店を閉じなければいけなくなりました。でもわらしがお宿りすると、お孫さんがお店を手伝うようになりまたお客さんが来るようになりました。
だんだんももの住んでいる町は皆が楽しく過ごせる街になったのです。
ももは勉強も部活も一生懸命やるようになりました。心にすきまを作らないようになったのです。周囲の人にますます優しく接するようになりました。愛する人、愛される人になっていったのです。
高校3年生の引退試合の後、ももは顧問の先生に話があると声をかけられました。ももは職員室で先生とお話しをしています。
先生「もも引退試合を含め3年間よく頑張ったね。今日はそんなあなたに良い話があるんだよ。」
もも「ありがとうございます、なんでしょうか?」
先生「実は東京の東都大学からもものスポーツ推薦の話しがあるんだ。2年生のころからももに注目しててね。」
ももは黙って聞いていました。
先生「ももは勉強もできるし、一応東都大学からは在籍可能な学部として、国文科、英文科、商学部を上げてきているんだ。住む場所も柔道部の合宿所だから住居や食事には困らないよ。何しろ伝統ある東都大学、卒業生も多い。地方からの学生に対する支援も充実しているんだ。部員は男女合わせて50名だ。全国から猛者が集まっている。一年生の時の対戦相手のほら、っもが足を怪我した時の相手、あの子もそこにいるんだ。」
ももは少し考えさせてくださいと話した。
帰り道、頭の中を故郷で育った日々が蘇る。わらしや邪鬼と暮らしたこと。3人で困っている人を助けたこと、妖精や妖怪と踊ったこと。
『わたし、大学に行きたい、もっと柔道もやりたい。だけどみんなと離れたくない、お爺さんの残した裏山、ここにまた沢山の果物を実らせたい。』
座敷童の寝床① 座敷童の寝床② 座敷童の寝床③ 座敷童の寝床④ 座敷童の寝床⑤
座敷童の寝床⑥ 座敷童の寝床⑦ 座敷童の寝床⑧ 座敷童の寝床⑨ 座敷童の寝床⑩
座敷童の寝床⑪ 座敷童の寝床⑫ 座敷童の寝床⑬ 座敷童の寝床⑭ 座敷童の寝床⑮
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