『さよならぼくたちのようちえん』

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脚本　坂元裕二
演出　水田伸生
音楽　REMEDIOS

出演　芦田愛菜、橋本智哉、佐藤瑠生亮、本田望結、黒田博之、庵原涼香/満島ひかり、水野真紀、
横山めぐみ、恵俊彰、小西真奈美、西田尚美/趣里、近藤芳正、片桐はいり、犬山イヌコ、岸部一徳、
いしだあゆみ

（あらすじ）

「幼稚園の友達のこと、覚えてますか？」
入院することになった洋武（橋本）が看護婦（趣里）に聞く。
彼女は覚えていない、と答える。

洋武が通っていたひなた幼稚園では、カンナ（芦田）が
万理先生（満島）に洋武のことを聞いていた。
保母を辞めるつもりの万理は「どうせ忘れちゃうんだからそんなこと気にするな」と答える。
洋武は助かる見込みがなく、子供たちがショックを受けないようにそのことは伏せられていた。

だが、子供たちは洋武の病状に気づいていた。

万理が教室を離れた隙に、
カンナ、拓実（佐藤）、美琴（本田）、俊祐（黒田）、優衣（庵原）は幼稚園を抜け出し、
洋武が入院する病院へ彼にさよならを言いに行こうとしていた。
絶対に泣かない、という約束をして。
カンナは洋武が落として行ったクレヨンを持っていた。

電車に乗り、新宿から高尾、高尾から小淵沢、小淵沢から小海へ向かう。

なぜだか苛立っている拓実は、優衣の父の仕事の事をバカにしだし、喧嘩になった。
そして、優衣だけ高尾で電車に乗り遅れてしまった。

保護された優衣から、子供たちの目的を知った万理は皆を追いかける。

子供たちは車掌（近藤）に怪しまれることもなく電車で進むが、
見かけた捨て猫が心配になって電車を降りたり、
その子猫を持っていたホームレス（岸部）に脅かされたり・・・

俊祐がふざけて拓実の鼻にだんご虫を入れて鼻血が出てしまい、
噂話をするおばさんたち（片桐・犬山）に心配されて
皆、あわてて電車を降りてしまった。
そこから歩くことになった。

夢を語りあううちに、否定的な拓実の言葉に怒った俊祐が抜けて
警察に行ってしまった。

拓実は、両親が別居、母が姉だけを連れて出たことを
自分がホットケーキを上手く焼けなかったせいだと思っており、
そのせいで否定的な発言をしてしまったのだった。

誘拐事件に怯える優衣は、はぐれて警察に保護された。

拓実は自分が囮になってカンナをバスに乗せ、洋武のもとへ行かせた。
カンナの夢は「雲に乗ること」なのだが、
いつか一緒に乗ろうね、と言って。

バスに乗ったカンナは見かけたおばあさん（いしだ）に脅される夢を見て衝動的にバスを下り、
そこで万理に会った。

万理はカンナに「足の小指がない友達」の話をした。
親の過剰な反応がかえってその子を傷つけた話、それは万理自身の話のようだった。
万里はカンナを洋武に会わせる決意をする。

怒る園長（水野）や洋武の母（西田）を抑え、２人を会わせる万理。

洋武は皆に迷惑をかけないように気を使っていた。
２人は２人だけの卒園式を行っていた。
カンナは道中クレヨンをなくしてしまったが・・・

警察が保護に来て、カンナは病室を後にするが
「泣かないという約束は守ったが、さよならは言えなかった」というカンナを
万里は「言わなくていいのよ」と言って抱きしめ、
カンナの母（小西）も仕事を終えてやって来た。

－卒園式。

幼稚園に洋武から友人たちの似顔絵とともに、ファックスが届いた。
手術に成功したのでまた遊ぼう、というものだった。
一同は大喜びする。
そして、母の姿を見つけた拓実は大泣きをしながら
♪さよならぼくたちのようちえん　を合唱する。

カンナは洋武の似顔絵を持って卒園写真に納まった。

（感想）

昨年、大きな感銘を与えたテレビドラマ「Mother」のスタッフが送る
卒園式の定番となっている同名曲をモチーフにした作品。

この歌のこと知らなかったけど、こんな歌をこの年頃の子供たちに
一生懸命歌われちゃったら、ジーンと来るに決まってるじゃん、っていうくらい
オーソドックスにハメられちゃう歌。

「子供にとって知らない大人ってこういうふうに見えるのか・・・」とか
「知らない土地に行くとこんな不安な気持ちになるのか・・・」とか
自分にも覚えがあったはずなのに、すっかり忘れている感情が興味深かった。

病身の洋武が周りに気を遣って我慢している姿と、
親の別居に心を痛めている拓実がいじらしくて涙が出て来た。
ラスト、母の姿を見つけて涙ながらにこの歌を歌う彼に
涙が止まらなかった。
子供にとって、やはり両親揃っていることが一番幸せなんだと思う。
小さな子供がありながら離婚を考えている人、ぜひとも考え直してください。

天真爛漫なアスカと俊祐、しっかり者の美琴には笑わせてもらったし、
優しい優衣には温かい気持ちになれた。
子供ってかわいいんだな、って気づける。

備品室で隠れて喫煙しちゃう（爆）しょうもない保母さん役の満島が
子供たちの姿を見ながら保母として、人として優しさを見せていく姿が良かった。

子供目線のファンタジックなかわいらしい作品だった。

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