survival match。。明日は第71期A級順位戦/6回戦「渡辺竜王-三浦八段」
月曜日に行われた
A級/6回戦「郷田棋王-橋本八段」 を皮切りに
今週は第71期順位戦がたけなわ。
明日も最高峰・A級で
名人挑戦権を争う注目の両者が、生き残りをかけて直接対決。。
<第71期A級順位戦/6回戦>
渡辺明竜王-三浦弘行八段
□ 第71期A級順位戦対戦表 (成績順) □
現在、A級の首位に立ちますのは
開幕から唯一無敗で突っ走る、羽生善治三冠。
先週の木曜日(6日)に先陣をきって6回戦を戦い
高橋道雄九段に際どく勝利 をおさめ、6連勝を飾りました。
その羽生二冠を星1つの差で追っているのが
明日、6回戦を戦う三浦八段。
三浦八段の今期ここまでの成績は
24戦14勝10敗(.583)。順位戦は4勝1敗。
16手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲郷田棋王: 歩3
△三浦八段: 角、歩2
第68期以来 の名人挑戦を狙う三浦八段は
6月21日にむかえた今期の順位戦/開幕戦で、いきなり
郷田棋王を相手に「三浦スペシャル」を炸裂。。
先手・郷田棋王の初手▲2六歩から
淀みなく「横歩取り」の定跡手順で進行し
郷田棋王が2筋で浮いた飛車で、「横歩」を取った(15手目▲3四飛)
次の瞬間
三浦八段は飛車先を角で受けることなく
そのままダイレクトに角が郷田陣まで突進し、角交換へ。。
上図から▲同銀と取らせた後
自らも8筋で浮いた飛車で「横歩」をかっさい(18手目△7六飛)
「相横歩取り」での勝負を挑みました。
【 投了図・66手目△5八金 】
投了図での持ち駒
▲郷田棋王: 角、金、銀2、桂、歩4
△三浦八段: 飛
角交換の直後から、何度も何度も飛車、角の大駒が
取って取られて、盤上に飛び交う大乱戦となるも
「相横歩」を仕掛けた三浦八段が、上図66手までで勝利をものに
気持ちよく白星発進を飾りました。
勢いを得た三浦八段はここから4連勝。
羽生三冠と併走しながら、快調に白星を積み重ねていきます。
しかし、11月16日に行われた5回戦で
思わぬ落とし穴が。。。
三浦八段とは対照的に
今期より参戦を果たしたA級の洗礼を受け開幕から4連敗。。
他の公式戦でも連敗続きと不調を囲う橋本八段を相手に、完敗 。
羽生三冠が星を伸ばす中
折り返し地点の5回戦で痛恨の初黒星となりました。
明日はそれ以来の順位戦
最強の敵・渡辺竜王が相手とはいえ、連敗は絶対に避けたいところ。
まだ羽生三冠との直接対決も残しており
三浦八段としては名人挑戦権獲得へ、生き残りをかけた
正念場の戦いとなります。
一方、将棋界の「冬将軍」渡辺竜王の今期ここまでの成績は
35戦25勝10敗(.714)
今秋には第60期王座戦の防衛に失敗し
プロ棋士人生初のタイトル陥落の憂き目をみた渡辺竜王。
しかし、直後に開幕した
第25期竜王戦では、例年通りの圧倒的な強さをみせつけ
4勝1敗の成績で、前人未到の9連覇 を達成しました。
さらに竜王戦と平行して行われた
強豪集う第62期王将戦挑戦者決定リーグ戦でも全勝優勝 。
年明けに開幕を迎える王将戦挑戦者に名乗りをあげました。
さらに将棋界の年度末を飾る
第38期棋王戦挑戦者決定トーナメント本戦でも
4タイトル連続登場にむけ、視界はますます良好となっています。
しかし、順位戦ではここまで3勝2敗 と大苦戦。
待望の名人挑戦には黄色信号が点灯中。。
ただ、明日の三浦八段戦
さらに8回戦では羽生三冠との対戦をまだ残しており
直接上位陣をたたくチャンスのある渡辺竜王。
明日も含めて残り4戦全勝が
逆転での挑戦権獲得への絶対条件と思われますが
渡辺竜王なら、それを実現する可能性を現実のものとして感じさせます。
まずは明日のサバイバルマッチ。。
注目の両者の対戦成績は
ここまで12戦して、渡辺竜王の9勝3敗。
このところは5連勝中と相性の良さをうかがわせます。
前期順位戦での顔合わせでは
三浦八段の先手で「相矢倉」へと進行(102手までで渡辺竜王が勝利)
居飛車党の両者の戦いだけに
渡辺竜王が先手となる明日も相居飛車戦が予想されます。
生き残りをかけた両者の激突、実に楽しみです!