高脂血症と便秘:高コレステロール・中性脂肪血症を伴う便秘の予防と
治し方
「便秘の解消法:女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 女性にも男性にも非常に多い高脂血症(脂質異常症)。今回は、三大生活習慣病の1つである高脂血症と便秘との関係について取上げます。女性の高脂血症は、閉経前後を境に急増し、男性の高脂血症とは異なる挙動を示します。高脂血症を放置しますと、血液中の脂肪分が血管に吸着して血管が狭くなり、その結果、動脈硬化がすすんで心筋梗塞、心不全、脳卒中や脳梗塞などの生命に及ぶ危険な病気を引き起こします。女性の高脂血症の多くは、女性ホルモンの変動で発症するのが特徴的で、それによって便秘も引き起こされます。高脂血症と便秘とは,合併していることが多いです。ここでは、高脂血症と便秘:高コレステロール・中性脂肪血症を伴う便秘の予防と治し方についてお話します。
高脂血症は脂質異常症ともよばれる循環器病の一種で、高血圧、糖尿病と並び三大生活習慣病の1つとなっています。高脂血症とは、血液中の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が増え過ぎ、多過ぎた病気のことです。血液中には、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類の脂質が溶け込んでいます。血液中の脂質や脂肪が異常に増えても、高脂血症には自覚症状がないため、それを放置してしまう人も非常に多いのです。そのため、血液中に溶け込んだ脂肪や脂質が、どんどん血管の内側に溜まってしまい、動脈硬化が引き起こされます。動脈硬化になっても、まだ自覚症状が現れないために、動脈硬化もまたそのまま放置されてしまい、ついには、心筋梗塞や脳梗塞を起こして、最悪の場合、死亡に至るケースも非常に多いです。
平成21年度における総務省統計局による調査データによりますと、心不全、心筋梗塞などの心疾患で死亡した人は18万人、脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患で死亡した人は12万2,000人、併せて約30万人以上の方が循環器病で死亡しています。同年の癌による死亡者数が34万4,000人ですので、心疾患や脳血管疾患で死亡する人は、癌による死亡者数と同じくらい多いことになります。
高脂血症には自覚症状がないので、血液検査で発見するしか方法がないのです。血液中に溶け込んでいる4種類の脂質のうち、健康に問題となるのはコレステロールと中性脂肪の2種類です。高脂血症は、主に3つのタイプに分けられます。①LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)が多いタイプ(高LDL-コレステロール血症)、②HDL-コレステロール(善玉コレステロール)が低いタイプ(低HDL-コレステロール血症)、③トリグリセリド(中性脂肪)が多いタイプ(高トリグリセリド血症)。高脂血症(脂質異常症)の診断基準は、①高LDL-コレステロール血症:140mg/dL以上、②低HDL-コレステロール血症:40mg/dL未満、③高トリグリセリド血症:150mg/dL以上、となっています。
平成20年度の患者調査(厚生労働省)によりますと、高脂血症の総患者数は143万3,000人で、女性102万3,000人、男性41万2,000人と、高脂血症は女性に多い病気であることが分かります。しかし、高脂血症の予備軍は、男女合わせて2,000万人以上もいるとされていて、高脂血症は、いわば国民病であるといっても過言ではございません。高脂血症の年齢別にみた患者数においては、女性および男性ともに65歳から69歳の年齢層に最も多くみられます。しかし、男性の高脂血症では、25歳頃から発症し、以後、加齢とともに徐々に患者数は増加するのですが、女性の高脂血症は、45歳から55歳頃に急激に患者数は増加するといった男性とは異なった患者分布を示します。
このような女性でみられる高脂血症の発現は、女性ホルモンの影響が大きく係わっています。女性の高脂血症は、閉経前後から急激に増加しますが、これは女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下し、それに伴い高脂血症が発現すると考えられています。つまり、女性は閉経後、高脂血症になりやすいということになります。エストロゲンには、血液中のコレステロールを下げる働きがありますので、閉経でエストロゲンが低下しますと逆に血液中のコレステロールは上昇してきます。エストロゲンには、その他、内臓脂肪を蓄えにくくする働きもありますので、閉経後は逆に内臓脂肪が増えてしまい、中性脂肪が内臓脂肪として溜まっていきます。そして、溜まった内臓脂肪から中性脂肪が徐々に血液中に移行し、その結果、高脂血症ともなるのです。
更年期障害にみられる便秘も、高脂血症と同様に、閉経による女性ホルモンの乱れによって生じます。すなわち、女性で多くみられる高脂血症と便秘とは、女性ホルモンの影響によって引き起こされることになります。
高脂血症は、女性ホルモン以外の原因によっても引き起こされます。過食、動物性タンパクや油・脂肪分の摂り過ぎ、栄養バランスの欠けた食事、不規則な食事、過度な飲酒、食物繊維の摂取不足、肥満、糖尿病、運動不足などの悪い生活習慣や他の生活習慣病が高脂血症を発症させてしまいます。この中でも、食事に関係した要因が、高脂血症の発症原因として多いので、まずは、食習慣の改善が高脂血症の予防対策となります。女性の高脂血症が男性に比べて多いのは、女性ホルモンの影響に加えて、このような食習慣の影響が加わるためと考えられています。高タンパク食、高脂肪食、高炭水化物食は避け、食物繊維を多く摂ることが、高脂血症の予防につながりますし、また便秘の解消や予防にもつながります。
通常、血液中のコレステロールは、肝臓へ運ばれて、そこで一部は胆汁酸となって胆汁中に排泄されますが、残りのコレステロールも胆汁中に排泄され、排便とともに体外へ排泄されます。しかし、便秘になりますと、コレステロールの大腸に留まる時間が長くなり、それによって、コレステロールは再び吸収されて血液中に移行してしまい、血液中のコレステロールが上昇してしまいます。つまり、便秘は、高脂血症を悪化させる原因の1つにもなるのです。このような観点からも、便秘の解消は、高脂血症の予防にもつながることになります。
コレステロールの一部はたいないでも生合成されますが、その多くは、食事に含まれるコレステロールを摂取することによって、体内に入り込みます。また、体内にある中性脂肪のほとんどは、食事に由来するものです。食物繊維、特に水溶性の食物繊維は、コレステロールや中性脂肪と吸着によって結合することができます。このように形成された水溶性食物繊維とコレステロールあるいは水溶性食物繊維と中性脂肪との複合体は、腸管において吸収されにくい形となります。すなわち、水溶性食物繊維は、腸管におけるコレステロールや中性脂肪の吸収を抑制することができます。高脂血症で食物繊維の摂取が推奨されているのは、このような理由によるものです。
水溶性食物繊維の中でも、取り分け、イヌリンとよばれる食物繊維は、血中の中性脂肪を低下させる働きがあることがよく知られていて(国立健康・栄養研究所)、高脂血症及び高脂血症に伴う便秘に最適な水溶性食物繊維であるといえます。ただし、野菜などに含まれるイヌリン食物繊維の含有量は非常に少ないです。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が、健康補助食品として市販されています。血中のコレステロール値が高い、あるいは中性脂肪の値が高い高脂血症に伴う便秘の予防と改善に、このような健康補助食品を活用することも有用です。
心筋梗塞や脳梗塞で、突然に倒れる方が後を絶ちません。その原因となる高脂血症は、女性にとって、最大のリスク要因となっています。常日頃から、高脂血症の予防対策を家族みんなで話し合うことがとても重要となります。
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