糖尿病と便秘:糖尿病の食事療法による便秘の予防と治し方


「便秘の解消法:女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 女性のみなさん、糖尿病は中高年男性の病気だと思われていませんか? 実は、それは大間違いです。今、女性の糖尿病患者が激増しているのです。糖尿病の患者数は全国で1,870万人、成人の5人に1人が糖尿病であるといわれています。そのうち、女性の糖尿病患者は990万人、男性の糖尿病患者は880万人で、なんと、男性より女性の方が、糖尿病の患者数は多いのです。最近の5年間で、糖尿病患者は250万人増加しましたが、このうち女性の糖尿病が200万人と、増加した大半は女性の糖尿病となっています。特に、最近の傾向としては、若者の糖尿病が急増しており、10代でも糖尿病になる人が増えてきています。いっこうに減らない糖尿病ですが、運動不足の生活環境や高カロリーな食生活が広がっていることが、その原因として挙げられています。ぽっちゃり体型の女性は、糖尿病になるリスクが高いといわれていますので、ご注意下さいね!


糖尿病は、動脈硬化を起こし、その結果、脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞といった生命を脅かす重大な病気を引き起こしますので、とても怖い病気です。糖尿病はまた、頑固な便秘をも引き起こします。糖尿病が原因で便秘になりますと、食べた糖類の胃腸内に滞留する時間が長くなり、その結果、糖類の腸内からの吸収が高まって、血糖値が上昇してしまい、さらに糖尿病が悪化するといった悪循環を繰り返すことになります。ですので、糖尿病による便秘は、積極的に解消しなければなりません。なぜ、糖尿病が便秘を引き起こすのか、また、糖尿病を原因とする便秘の解消法には、どのような方法が最も最適であるのかを中心に、詳しくみていきましょう。


糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が持続的に高い値を示す病気のことをいいます。糖尿病の診断は、血糖値と糖化ヘモグロビン(HbA1c)の血液検査による検査結果で判定されます。空腹時血糖値が126mg/dL以上、75gのブドウ糖負荷試験で2時間後の血糖値が200mg/dL以上、随時血糖値が200mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上(JDS値では6.1%以上)の時、糖尿病と診断されます。


糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病の2種類があります。1型糖尿病は、おもに10代の若者にみられる糖尿病です。血糖を下げる働きのあるインスリンというホルモンは、膵臓の細胞で作られますが、この細胞が死滅することによってインスリンが分泌されず、血糖値が上昇するタイプの糖尿病となります。一方、2型糖尿病は、膵臓からインスリンが十分に分泌されなかったり、ブドウ糖が代謝される筋肉などでインスリンが十分に働かない時にみられる糖尿病のことをいいます。このうち、いわゆる生活習慣病としての糖尿病は、2型糖尿病のことをいい、糖尿病患者の大多数が、この2型糖尿病となります。


糖尿病の症状には、口が渇く(口渇)、水を頻繁に飲む(多飲)、尿のトイレ回数が多い(多尿)、体重が減少する、などがあります。このように、糖尿病の典型的な症状は、口が渇くので、水を多く飲むようになり、それによって、尿の回数が増えるというものです。先に示しました糖尿病の診断基準で、空腹時血糖値、ブドウ糖負荷試験および随時血糖値のいずれか1つの項目と、HbA1cの両者が基準値を上回れば、1回の血液検査で糖尿病と診断されますが、3つの血糖値項目のいずれかが基準値を超えていて、上記の症状がある場合においても、糖尿病と診断されます。


糖尿病は、脳梗塞、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしますので、糖尿病それ自体が怖い病気なのですが、それ以外に、普段の生活に支障をきたす(生活能力の低下)、深刻な合併症を引き起こすことが、最も大きな、また社会的な問題となっています。糖尿病の合併症は慢性的な病気で、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症および糖尿病腎症の3つがあります。糖尿病発症後10~15年で、これらの慢性的な合併症が現れるとされています。


3つの糖尿病合併症のうち、最も早い時期に現れるのが糖尿病神経障害です。糖尿病の発症後3~5年で、糖尿病神経障害が現れる人もいるようです。便秘と糖尿病との関係で最も密接に関連しているのが糖尿病神経障害です。糖尿病神経障害は便秘を引き起こし、時に重篤な便秘症となる場合があります。


糖尿病神経障害は、原疾患である糖尿病によって、手や足の末梢神経や、腸の蠕動運動を調節している自律神経に障害を引き起こして生じる病気です。手足の末梢神経が障害をうけますと、しびれ、熱さや冷たさを感じない、痛みを感じない、といった症状が現れます。ですので、手足に傷ができても痛みを感じない、やけどをしても熱さを感じない、水虫になっても痒みを感じない、ということになり、その結果、手足の傷口に、細菌による感染が広がり、壊疽(えそ、手足の組織が腐ってしまうこと)となって、最悪の場合、手足の切断に至ります。また、糖尿病神経障害では、自律神経も障害されますので、腸の蠕動運動が抑制され、これにより、便秘が引き起こされます。腸は絶えず動いており、これによって、腸の内容物(便)が肛門に向かい便が排泄されるのですが、糖尿病神経障害では、この腸の運動が抑制されるために、腸の内容物が肛門へ移動せず、便秘となるのです。


糖尿病神経障害で便秘を発症する場合、通常、医療機関では下剤や便秘薬を処方します。でも、この処方は正しい処方であるとは思われません。糖尿病神経障害は、慢性的な合併症ですので、便秘も繰り返し頻繁に引き起こされるということを考慮する必要があります。すなわち、糖尿病神経障害による便秘の治療では、下剤や便秘薬を繰り返し使うことになり、これにより、下剤や便秘薬の効果が低下し、最終的には、全く効かなくなってしまうのです。また、下剤や便秘薬には、原疾患である糖尿病に対する治療効果がないので、これらのお薬による便秘の解消は、あまり有用な対策であるとはいえませんね。


糖尿病神経障害による便秘に対する理想的な対策は、①便秘を解消することができること、②長期間使用しても効果が低下しないこと、③血糖調節作用を併せ持つこと、の3つの要件を満たすことが必要とされます。この3つの要件を満たすことができるのが、先の記事「イヌリン食物繊維と便秘解消法」でお話しましたイヌリン食物繊維です。糖尿病神経障害による便秘対策は、それが慢性的な病気であることを考慮すれば、お薬よりも食品成分による対策が、安全性の観点から最適であるといえます。


糖尿病では、食事制限(食事療法)が課せられます。食事療法は、便の形成を低下させますので、便秘が生じるリスクが高まります。現に、多くの糖尿病の方が便秘を合併しています。一般に、糖尿病の食事療法のポイントは、「食事の食べ方」と「食べる量」の2つがあります。「食事の食べ方」のポイントは、①1日3食をきちんと摂り、まとめ食いを回避させてインスリンの分泌臓器である膵臓の負担を軽減させること、②食事のスピードは意識してゆっくりと、よく噛んで食べること、これにより満腹感が得られ、過剰な糖質の摂取を避けることができること、③食事の食べる順番について、サラダ等の野菜で食物繊維を多く含んだ食べ物を先に食べ、次いで、肉、魚などの蛋白質が多く含まれる食べ物を摂取し、最後にごはんなどの炭水化物の食べ物を食べること、これにより血糖値の上昇を抑えられる、等です。また、「食べる量」については、①ご飯やパンの主食を減らし、副食(おかず)を多く摂るような偏った食事は避け、栄養摂取の全体的バランスに配慮し、主食も適量摂ること、②炭水化物を摂り過ぎず、1日最低130グラム程度の糖質摂取量とすること、③糖質、蛋白質、脂肪の摂取比率を5:3:2とすること、④飽和脂肪酸の摂取量を減らし、不飽和脂肪酸の摂取量を増やすこと、⑤アルコールの摂取はひかえること、⑥腹八分目とすること、等です。とはいえ、このような糖尿病の食事療法では、糞便残さの形成が少なくなり、これが原因で便秘が生じることになります。このような場合、食事の前に、食物繊維等のサプリメントや栄養補助食品を用いて不足する食物繊維を補う必要があります。便秘の予防や治療に優れているのが、スティムフローラなどのイヌリン食物繊維です。大腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の栄養源となってそれらの善玉菌を増やす作用があります。善玉菌が増えることによって、硬くなった便が軟らかくなり、自然な排泄が促進されます。また、イヌリン食物繊維を食事前に摂取することで、食事からの糖質の吸収を阻害し、血糖値の急激な上昇を抑える作用も併せ持っています。イヌリンは食物繊維の一種ですので、胃や腸内で分解されることはなく、大腸に到達しますので、とても低カロリーな食品成分となります。


今回、あまりふれることができなかったのですが、糖尿病網膜症は眼底出血を起こし失明に至ります。また、糖尿病腎症は、腎臓の機能が低下し、血液透析の必要性に迫られます。糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症の3大糖尿病合併症に対する有効な治療法はいまだ確立されていません。ですので、先ずはそれらの原疾患である糖尿病に罹らないことが大切です。また、糖尿病と診断されても、血糖を適切にコントロールすることができれば、合併症を併発するリスクは低下します。健康な人、糖尿病の人、糖尿病合併症を患っている人も、食生活が基本です。血糖調節作用や便秘解消作用をもつ、イヌリン食物繊維などの、糖尿病に有用な成分を含む食事に心掛けることが大切です。スティムフローラ等の高純度(>99%)なイヌリン食物繊維のサプリメントを活用することも有用です。


糖尿病を原因とする便秘は、糖尿病を悪化させます。単なる便秘とは思わず、積極的に便秘を解消させることが、糖尿病の進展を抑える観点からとても大切なことです。


便秘の解消法:女性の便秘解消対策









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