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先日発表された、北海道金融法務実務研究会、初回会合を兼ねたシンポジウムが行われました。

 

北海道新聞でも昨日の様子が報じられました。

 

どんどん変わる事業再生関連法規。そしてそれは「どのように日本の企業を(事業を)再生していくか」「再生はこうあるべき」というデザインのもと、さらに進化しようとしています。

 

ダブルスタンダードなど最新の論点をわかりやすく解説いただきました。

 

勉強させていただきました。

 

FinTechに入門した山崎です。

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FinTech、おカネに関するいろいろなサービスや機能向上を総称してFinTech、と言っていますが直接的に影響が出そうなのはやはり「会計」です。

会計事務所が担当する巡回監査、記帳代行業務。

企業からみると社内の会計。

クラウド会計が便利なところは自動で預金やクレジットカード使用のデータを読み込み帳簿の原型を作り上げるところ。

私自身、会計事務所で巡回監査を担当していましたので帳簿の作り方、組み上げ方は良く分かります。

1.まず預金を仕訳する。
2.現金取引を領収証から仕訳する。このとき、1.と2重記帳にならないように注意。
3.振替仕訳(現預金のからまない仕訳、売掛金/売上、減価償却費/固定資産、など)入力して終了

という流れです。

大企業でも中小零細企業でもやることは同じ。これをやろうと思えば、最低限の簿記と財務諸表の知識が必要で基本的には自計化(企業が自身で会計を管理していくこと)が望ましいのですがそれができず、会計事務所に記帳代行を依頼する企業も多くありました。

仕訳数にもよりますが記帳代行から申告まで会計事務所に依頼すれば年数十万円の顧問料が発生します。中小零細企業にとって決して安くない金額です。

クラウド会計を導入すれば1.は自動でやってくれます。また、2.の現金取引は、クレジットカードやデビットカードを利用して払うようにすれば預金同様、自動で使用データを仕訳として読み込んでくれます。

どうしても現金の取引が発生するときは、レシートを画像で読み込むと仕訳してくれます。

これで何が変わるか?

正確な会計(人が目で見て打ち込む、という部分が極限まで少なくなる)がほぼリアルタイムで完成してしまうことです。

しかも安い。

代表的なソフトであるMFクラウド会計だと初期費用なし、月2-3千円で済みます。

実際にクラウド会計の機能に触れてみると上記のようなことが実感されます。

今までは、「なかなか試算表を作る時間がとれなくて…」という言い訳が通じましたがこれからはそうは行きません。

金融機関はどうでしょう。

顧客が自分たちのデータを会計データに変換できるのなら、金融機関もそれができます。つまり、試算表データと自分たちの預金取引データを突き合わせることで、「もっと取引を増やせるでしょう」「昨年対比、(ウチを通る)売上が落ちていますが?」というというチェックが簡単に正確にできると思います。

例えば、顧客に対し「売上入金額を月にいくら」というような設定をかけ、達成・未達がすぐわかるようにする、などです。

今日の日経には、家計簿/資産運用ソフトのマネーフォワードが北洋銀行と提携、という記事も出ていました。

私の仕事である、事業再生でも、これを利用しない手はありません。

まずは会計をクラウド会計に移行して、正確な会計を機能させて、という手順になっていくでしょう。

会計事務所サイドからすれば、クラウド会計の普及をうけ、ほどなく記帳代行や単純な巡回監査業務は縮小していくでしょう。

会計事務所の腕が必要になってくるのは、税務判断を含む申告業務。そして正確な会計をもとにした分析とコンサルティング機能。(会計事務所のコンサルティング機能は過去数十年にわたって強化が叫ばれてきましたがなかなか実があがらない部分です)

そして…皮肉にも粉飾、かもしれません。会計と財務諸表に精通していないと粉飾はできませんから。

クラウド会計では正確な会計がどんどん組みあがっていきます。

それをそのまま金融機関に出せない事情があるとき、会計事務所の出番、となるかもしれません。


各所で園芸市、にぎわっています。

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昨日の日ハム球場移転の続報です。

今日も何本か記事が載っていますが、

1.札幌市側には今年1月にすでに日ハムから移転の報告があった。
2.札幌市としては札幌ドームの使用料を引き下げるつもりはない。さらに今年10月には値上を予定。(秋元市長明言)
3.道新によると候補地は4つ。真駒内、北大、月寒グリーンドーム跡地、北広島。日経によると15-20か所の候補から絞り込む、と。

秋元市長の発言の要旨として、

「球団の一つの経営方針として(移転検討は)やむを得ない部分だと思う」
「とどまってもらうために使用料を下げる議論を今するつもりはない」
(球団に働きかける考えは?)「いいえ。まずは球団で調査検討ということに」
「できれば札幌市内に建設を」

という報道がされています。


インタビューから記事を起こすところでニュアンスが変わっているところもあるかもしれませんが、私がもし日ハム幹部なら、

「あ、止めないんですね」「ずいぶん軽い判断ですね」という印象を受けると思います。


流れとしてはこのまま札幌市、札幌ドームと日ハムは物別れ、新球場建設、となりそうです。


株式会社札幌ドームの発行済み株式数の55%を握るのが札幌市。株主としては次いで北電、北ガス。


確かに、札幌市の子会社、実質外郭団体といっても株式会社ですから、札幌ドーム側から「経営上の判断に基づき…」といわれればそれ以上の突っ込みは難しい。



報道を見ていると札幌ドームとして経営判断が働いているところがあり、市長といえど口出しできないのか…?という印象も受けます。

しかし。

ドームが設置されたとき、「札幌ドーム条例」が定められています。


管理運営のために指定管理者を定める、としていますが、何かあったときの経営責任者は「市長」。また条例の中で利用料が細かく定められています。そこからすると、今回の市長の発言はそのまま経営責任者による意思表明、となります。


日ハムも営利企業ですが、恒常的に赤字。親会社から資金注入を毎年20億円以上受けてなんとかしのいでいる状態です。年間15億円払っている球場使用料にメスを入れたくなるのは当然でしょう。

500億円の資金を投下するのは大変なことですが年15億ずつ経費が浮く、となれば33年分。けっしてそろばんが合わないわけではありません。(実際には、自前球場になったあとも水道光熱費やメンテコストがかかってくるので15億すべてが浮くわけではないですが)

他方、グッズ販売や飲食収入の増加も見込めるわけで日ハムとしても冷静な判断の結果、でしょう。

となれば…次の焦点は、収入の4割を失う、札幌ドーム側が今後どうしていくか、というところになります。


ざっくりですが札幌ドームは売上40億弱。当期利益は3億円前後。ここから15億円の売上が落ちれば、恒常的な赤字転落は不可避です。


となれば、札幌市から毎年赤字補てんが必要になり…今のところ自己資本が厚いのですぐ債務超過転落、というようなことにはならないと思いますが。



近い将来、札幌ドームの経営にメスが入るとき、「なぜ日ハムの移転を許したのか、それは誰が判断したのか」という問題が浮上するでしょう。



仮に毎年10億円の助成が必要になれば耐用年数50年としてあと約35年間、350億円のおカネが失われます。



札幌市としてはオリンピック招致どころではなくなるのではないでしょうか。

 

今日の道新、日経とも、「日ハムが新球場構想」と報じました。

 

日ハムといえば札幌ドーム。札幌ドームは公立の施設の割には稼働がよく、成功していると思っていました。

 

最大のユーザーである日ハムからすると、

 

「高い」

「自由な利用ができない(グッズも自由に売れない)」

「専用球場でないのでファンを巻き込んだ運営ができない(いわゆるボールパーク)」

 

ということでかなり我慢していたようです。

 

もう一つ、根幹ユーザーのコンサドーレ。こちらも野々村社長のコメントが。

 

「札幌ドームは大きすぎ。そして高い」

「2万人位の専用スタジアムが欲しい」

 

これも運営側の正直な気持ちでしょう。

 

札幌ドームから見て日ハムは最大の顧客のはず。もうちょっとなんとかできなかったのか。

 

これが本当に新球場ができてしまったら。札幌にプロ野球の試合ができる球場が2つも?

 

札幌ドーム、もっと顧客(日ハム、コンサ)を大事にし顧客満足度を上げないと…

 

日ハムが札幌に移転したのは2004年。東京以外の街でどこに行く?すぐ使える球場がある街は?ということで札幌が選ばれたと思います。

 

解決策として、日ハムが札幌ドームを買収する、とか基本的な使用権を取得して日ハムが他のイベント利用の貸主になるとか、はどうでしょう。札幌に球場が二つできるのは…

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160422-00000004-wordleafs-base&p=1

 

↑プロ野球球団と球場事情

 

やはり、球場の運営権を日ハムが取得すべきでは。ハコごと(不動産ごと)、運営権のみ、などすでに他球団で事例があるようです。

 

桜のあとライラックの季節に。

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商圏を維持するための人口はどれくらいか?

出典は見つけられませんでしたがコンビニが出店できる最低限の商圏人口は2300人と聞いたことがあります。

ある街を訪問した際、この街にコンビニは何軒ありますか?とお聞きし、その軒数×2300人で計算したところ、ぴったりその町の人口と一致しました。

これから各市町村別の人口は漸減していく予想となっています。2010年対比2030年の人口が増えるだろうと予想されるのは道内では音更町のみです。

国土交通省がまとめた資料に商圏人口を分析したものがあります(都市圏参考資料)。

これによるといろいろと興味深い数値がでてきます。

それぞれの業態の店が出店する確率50%-80%となる人口を示しています。

平たく言うと、確率50%となる人口は「これくらいの人口があればその店が姿を見せはじめ」

80%となると、「その人口があればほぼその店がある」という目安になろうかと思います。

書籍文房具販売は 1,500人(50%) - 2,500人(80%、以下同様)

喫茶店は 2,500人 - 7,500人ですがハンバーガー店となると、32,500人-52500人に跳ね上がります。固有名詞で資料の中に紹介されているのは「スターバックスコーヒー」。

175,000人から275,000人となっています。北海道では店舗数は10店舗。札幌以外には苫小牧(人口173千人)、函館(2店舗、279千人)に店があります。

3大都市圏(埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、奈良)を除くと、1万人以上の商圏を持つ自治体は軒並み数を減らします。

10-20万人の商圏は2010年比2050年までに81から44へ。5-10万人の商圏は163から115へ。

人口4000人から10,000人の商圏数はほぼ横ばい。

2,000人から4,000人の商圏は98から182へ倍増。

0-2,000人の商圏は61から166へ。

北海道の場合、札幌圏と中核都市を除けば、広大な土地に自治体が点在するイメージです。

4,000人から2,000人の商圏を考えると、


歯科診療所が500-2500人 ぎりぎり維持できるかどうか。


維持が難しくなると思われるのが、

学習塾 5500-6500人

一般病院 5500-27500人

遊戯場(ほぼパチンコ店と考えてよいのでは) 5500-17,500人

銀行 6,500-9,500人

などです。


市町村合併を行い、表面上の人口が増えても単一の商圏にまとまることができなければ実態は変わりません。ちなみに国土交通省の元データは、「高速道を活用して商圏人口を広げろ」という文脈で作られています。



これが2050年にはやってきます。あと34年。すぐです…













FinTechで再生も変わる

テーマ:
FinTech、入門してみました。

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今のところ、ユーザーサイドでFinTechで話題になるのは、

1.おカネをどう預けるか、どう運用するか、
2.家計の管理
3.本格的なキャッシュレス時代の到来(デビットカード機能を携帯に)
4.おカネの出し入れと会計のリンク…クラウド会計の本格普及
5.クレジットカードやデビットカードの店頭での利用が簡便に

など。

金融機関側では、

1.印鑑取引の消滅…静脈認証など印鑑を使わない口座開設容認
2.ネットバンク…1.同様印鑑不要でいろいろな金融サービスを組み合わせて提供、提案
3.印鑑照合の消滅…先日銀行行って目の当たりにしましたが今は印鑑証明は全自動。印影をかざすだけで照合してくれます。(元銀行員としては隔世の感が)
4.審議中の、コンビニのレジをATMがわりに、という規制緩和が行われれば今街角に配置してある銀行ATMはほとんど消滅するのではないでしょうか。その代りにスペースを取らない、振込機能のみのミニマシンを配置するか。振込機能だけならチケット発券機など他のマシンの機能を充実で共用できそうです。
5.これも街中でよく見かける消費者金融のATMも自動契約機能を残しATMは縮小消滅していくでしょう。

で、本題のFinTechと再生、という視点では…

1.納付、返済の自由度が上がる…今でも税金の納付や保証協会への弁済はコンビニ払OKの納付書が増えてきました。仕事をしながら時間内に開いている銀行や郵便局を捜し、車を停め…と考えると納付する側の利便性を大きく引き上げる措置だと思います。

2.破産業務の合理化…法人個人を問わず、破産手続きでは資産、負債の確定に多大な労力と時間を要しますがここが合理化できるかもしれません。短時間で、ということは安く手続きが済む可能性がでてきます。さらに想像を進めると、破産手続きはフィーの高い弁護士が行う業務になっていますが資産負債の確定が簡単にできるようになれば、複雑な事案を除き簡便に手続きを終えることができるようになるかもしれません。行政書士でもOK、など。特に法人の破産の場合、「破産費用がこんなにかかるのなら…」と二の足を踏むケースも多く見ます。これが安く早くできるようになれば、法的処理をかけたうえで再生へ、経営者保証ガイドライン適用へ、という選択肢が広がっていくでしょう。

3.破産について詐害行為を見抜くことにも威力を発揮するかもしれません。家計簿のデータから最近買った宝飾品などを一瞬であぶりだしたり、法人の銀行取引データからどんな保険契約を有しているかの特定を迅速に行う、収入のデータと家計簿データを組み合わせることでタンス預金や第三者へのおカネの流れを究明する、など。現在、基本的に管財人(弁護士)を入れチェックするルールになっていますが破産者の自己申告をもとに紙ベース、聞き取りベースで手続きを行うため単純な見落としを防げません。

4.破産者の復権…個人破産をしたあとなど、信用情報を回復するのに5年とも7年とも言われる期間が必要とされています。これは個別に個人信用情報をチェックしたうえでそのような措置をとっているわけではなく、破産した人には基本カードを渡したくないが、5年経てば、「まあいんじゃない?」という感じで与信を復活しているのではと想像します。ここに、個人のおカネの流れや負債の状況がわかる情報を定期的にチェックできる仕組みがあれば復活にかかる時間を短縮できるかもしれません。(信用状態がまだ今一つな人がうやむやのうちに復活できるという目はなくなるでしょうが)

5.再生計画、事業計画も安価に早く…事業計画作成で手間がかかるのはデータの解析です。具体的にいうと総勘定元帳のデータをフィルタかけたりソートしたりしてトレンドをつかんでいきます。しかし、それが「○月○日売上一括転記」とやられると中身を追えないことになります。レジシートなど原始証憑をみて、ということもありますが膨大な時間がかかるでしょう。これが日々の売上データと会計データが連動している状態で内容を見ることができれば大幅に計画作成の手間と時間を圧縮できるでしょう。そして値段は下がるはずです。また、十分な元データを得られるのなら別に計画作成は誰でも良く、「手の空いている人」「仕事の早い人」にどんどん流れていくはずです。

6.デューデリジェンスも…作成期間の短縮と精度アップが期待できそうです。DDも安くなればもっと多くの企業が既存の手順や枠組みを利用し、再生していける可能性が増すはずです。

まだまだ出てきそうです。

FinTech、楽しみです!









桜、残念ながら散ってきました…

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今日の北海道新聞一面に、

「道内金融機関、弁護士ら連携 企業存続支援へ新組織」という記事が踊りました。

事業再生・事業承継で北海道独自のノウハウが積上がっていく、いわば北海道方式、ともいうべき手法が確立されるのは本当に喜ばしいこと、と思います。

名称「北海道金融法務実務研究会」。

成果が楽しみです!
セブンのコーヒー、侮れません。

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私はコンサルタントです。M&Aや事業再編、など中小企業のお困り相談に対処します。

その中で相談が一番多いのは事業再生関連です。


わかりやすいように「おカネに困ったらどうするか、です」と説明してきました。



それを10年続けてきましたがここにきて「本当にそうか?」と思い始めました。


確かに、カネにつまることで会社は行き詰ります。しかし…


カネ以外にも、「これをはずしたらウチの会社は会社でなくなる」というものがあるはず(あるべき)です。

社是、クレドで表現されるもの。


例えば、徹底した顧客サービスを掲げていた会社があったとしてコストのためにそれをやめるかどうかという選択を迫られたとします。

サービス内容を変えることによっておカネはつながり、会社のカタチは守られるかもしれません。

しかし…


それはその会社を守ったことになるでしょうか。


おカネが回らなくなれば、会社は否応もなく「死」にます。


しかし、その前に「死んで」しまう(実際にその会社が存続したといえなくなる)ことがあるかもしれません。


守ってきたブランドがなくなる。

技術でやってきたカイシャがそれのスタンスを放棄する。



もうちょっと突き詰めると、おカネがなくてカイシャは一旦死んでも、それらの「らしさ」がどこかで復活できればカイシャを守れたことにならないでしょうか。




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札幌市内、桜も盛りを過ぎ、昨日からの雨で大方散ってしまったのではないでしょうか。

先週の資料館前の桜。

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さて、減価償却費とは?減価償却が再生に与える影響とは?ということで書いてみます。

よく聞くのは、

「減価償却費の計上は任意ですから、赤字になりそうなら計上しないこともできるんですよ」という説明です。

会計事務所時代、私もよくそのようにお話ししました。


会計上(財務諸表論的な見地で)、減価償却費は所定の金額※を計上することが正しい。なぜなら、償却負担を含めてその会社が十分利益を出したかどうか、利害関係者に開示すること、会社の業績を管理すること会計の目的だからです。

ここで※の、「所定の金額」とは?

「税務上の耐用年数に沿った減価償却費計上ですよね」

という声が聞こえそうですが必ずしもそうとは限りません。

税務上の耐用年数は、「これくらいの年限で償却すれば、まあまあ損金に計上しても良いでしょう」という税額計算上の目安ですので、絶対のものではありません。

管理会計上、京セラのアメーバ経営でされているように、「プロジェクトの年限に合わせて設備を償却」(税務上の耐用年数やそもそもその設備が何年もつかは勘案せず、プロジェクトごとの採算を計算するためにその年限に合わせる)というやり方もありますし、正しい考え方だと思います。

横道にそれましたが、キャッシュフロー計算上影響ない、とはいうものの、所定の減価償却費を計上し、営業赤字、経常赤字とするのは経営者としては勇気のいることです。

どうしても、「償却を止めて黒字にできるなら…」「銀行の手前、赤字はちょっと…」という考えが働きます。

では、償却を止めて黒字決算とし、それを銀行に提出したらどうなるでしょうか。

金融機関ごと、対応は様々ですが、地場大手行はすぐ、償却不足額を計算し、純資産から差引く対応をします。

償却を止めたぶん、簿価が水膨れしている、と考え、評価損として償却不足額を差し引くことで実質的な純資産額を減額する処理をするのです。

この考え方は、業績不振に差し掛かった企業がデューデリを受けるときの資産査定に通じるものがあります。

「会計上の簿価はともかく、実際の価値はいくら?時価評価した時(評価損益を計上した時)純資産はどうなる?」という目線です。

変な話ですが、会計上減価償却費を計上しない事業年度がでてくるかもしれませんが、そのような処理をした時には、「所定の減価償却を実施したとき、実態の貸借対照表はこうなります」という補助資料を作って金融機関など利害関係者に提示すべきかもしれません。



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アメブロ、メンテナンス明けました。

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さて、ご相談を何百件も受けていると、ここは弁護士を入れて…という局面に出くわします。


破産など法的処理をお願いするということではなく、

「取引先ともめている(もめそう)なのを収めて欲しい」

というようなものです。


紛争解決はまずは当事者同士が話し合い、それでだめなら人を介し、それでもだめなら弁護士を立て…という順番にななっていきます。


ここでありがちな誤解は、

「弁護士を入れたらなんでも解決」という思い入れです。

法律の専門家ですから魔法のように問題を片づけてくれそうです。


しかし…


よほど相手方に過失があって責任が明らかな場合でなければ、「こちらの思うような」解決にはなかなかなりません。


紛争は、相手も悪いがこちらにも非があるケースがほとんどです。


つまり、「圧勝」できる状況は珍しい、ということになります。


そして、もし、弁護士が白馬の騎士のようにすべてを解決してくれる存在だとして、相手も弁護士を入れたらどうなるでしょう…「勝ち」とも「負け」とも言い切れないような結末になっていくのでは?


弁護士は決して何かを「保証」したりしません。「必ず勝てる」とか、「〇〇万円は取り返します」とか。


したがって、事業再生のなかでは、


「避けて通れない紛争なら正面切って取り組まざるを得ない」

しかし、

「勝つ」前提で計画は書けない…勝つも負けるもわかりません。



ということになります。


最近見たケースでは、「取引先に商品供給を切られそう」「弁護士を入れてなんとか取引継続を」という相談がありました。

このケースでは、社長同志、会社同志で話して上手く着地できなかったものが弁護士を入れてなんとかなるとは思えません。


さらに読めないのは、「裁判」です。


当事者同士、次は弁護士を立て、それでもだめならその次の紛争解決としては裁判になるのでしょう。


しかし、さきの商品供給のケースのようにそもそも弁護士を入れ裁判をしたとして解決に近づくのか?という紛争もあります。


しかも裁判に踏み切ったとしても、どれくらいの成果が見込まれるか、いつ判決が出るのかもわかりません。

また、こちらの思うような判決が出たとして相手が控訴したら?



経営者の心理としてはついつい、

「これは相手が悪い」

「金額的には●●万円はイケる」

「それが入れば資金繰りも一服」

と自分に良いように考え勝ちです。しかし実際のところは、


「相手にも言い分はある」

「主張したものが満額認めらえれるとは限らない」

「いつ入るかもわからない。また、判決をもらっても支払いをしてこなければ取り立ての手間暇がかかる」


ということになります。


逆転の一手、奇跡の一手にはなかなかならないものなのです。



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