日大アメフト部問題についてFacebookでコメントを上げたがその後事態は迷走。Facebookへの書き込みにしては珍しく追記の連続。
 
 …問題の本質がちょっと見えたのでブログで。
 
【5月23日】※宮川選手の会見の翌日
 日大アメフト部の件。コンサルタント目線からは事後の対応の差が際立つ。
 
 内田某より宮川選手は、よほど立派に事実と自分の思いを述べたと思う。立派だったのは、「選手がやったことですが私が責任をとります」と上から目線、責任の所在がボケボケの内田某にくらべ、「どんなに指示をされても『しない』という選択もありました。私の責任です」と言い切った宮川選手がずっと立派。
 
 企業のコンサルをしていてこのような「リスクマネジメント」はすごく大事。
 
 事業再生するとき、だいたいセットになる、金融機関対応。
 
 まずは「社長の」「納得のいく説明」「謝罪」が、セット。(当たり前だ…)
 
 宮川選手はそれをしたが、内田某は…?
 
 次に「ボールはどこにある?」というのも事業再生では大事。今、明らかに、宮川選手からボールが日大に投げられている。「自分は真実をメヂィアに直接話した。あなた方は?」
 
 今のところ、日大広報室は「公表することはない」というコメントを出しているようだが、これも下の下。
 
 「会見の内容は把握している。しかるべく対応する」くらい言わないと。
 
 日大には法学部も危機管理学部もあるのだが。
 
【5月24日23時追記】※内田監督、井上コーチの会見のあと
 昨日の内田監督井上コーチの会見、危機管理的にいうとあれならやらなかった方が良かった。井上コーチの説明は言葉の数は多いが核心に触れない。
 
 何より、22日の宮川選手の会見と比べ準備不足は明らか。時間は十分にあったはずなのに論点のまとめをした形跡がなく、質問をされるがまま、しどろもどろの弁明に終始した。
 
 宮川選手が証言した内容について、「ここはこう、あれはこう」と反論を練る時間もあっただろうに…宮川選手についた弁護士が優秀だったのか、内田監督の会見を仕切ったという日大危機管理学部の腕が悪かったのか。
 
【5月25日18:30追記】※学長会見のあと
 学長が会見した。しかしこの場で必要なのは経営責任者である、理事長の釈明。
 歯学部出身で象牙の塔の中の方とお見受けする。学長は言葉の響きから外から見るといかにも責任者、という印象があるが、あくまで最高経営責任者は理事長。また、内田氏は専務理事なので経営に参画する立場でその人が直接、自分のやらかしたことで組織を危機に陥れている。
 学長はあくまで教育現場の長。この状況で記者会見に送り出した日大。
 例えて言えば、専務取締役のやらかした(わかりやすく)セクハラを社長が出ずにヒラの営業部長に釈明させているようなもの。または公立の中学校で言えば教頭がやらかした犯罪の弁明を校長ではなく、担任にやらせるようなもの。
 
 「なめてんのか?」と言われてもしょうがない。
 
 なんどもいうが、日大の危機管理学部は何やっているのか。
 
 学長はたしかに責任がないとは言えないが、最高責任者ではない。具体的には、内田専務理事の上司ではない。学校法人法では、規定されている機関(役職)は、「理事長」「理事会」「監事」「評議員会」。学長は大学経営に影響力はない。なぜ、出てきた?なぜ、出した?
 
【もういやになってきた5月25日20:00追記】
 なぜ理事長が出てこないのか。
 週間文春の取材映像をテレビで見た。理事長は、記者の質問に対し、
 
 「知らないよ」
 「(内田は)自分でやめたんだろう。」
 「フットボールなんてルールも知らないもん」
 
 …責任があるのはわかっているけど集中砲火が怖くて、ではない。そもそも危機と思っていない。だから危機管理もないんだ。
 
 学長はそんな中であの場に引っ張り出され誠実に思うところを述べたのではないか。
 
 学長は、「今回の件でアメフト部の活動を制限するつもりはない」と言ってたけど、アメフト部の運命はすでに日大の手を離れている。
 
 もう終わり。
 
 …アメフト部だけではなく日大の終わり。
 
【一応、正解は】
 内田元監督、井上コーチは具体的に怪我させろとは言っていない、としているが誰の目からも、言いながらしているのは明らか。
 
 実態は、
 
 元監督コーチ「オレらのせいなの?こんなに謝ってんじゃん」(会見の冒頭、相手チームとケガをさせた選手、日大の選手とその父兄にたいし体育会系らしい、「申し訳ありませんでした!」という謝罪で始まったが、結局、なぜ謝っているのかに触れず。準備不足のしどろもどろの弁明に終始)
 
 学長「直接は関係ないけどわかる範囲で話します」(必然的にボケボケな問答に)
 
 理事長「知らねえよ」(何が問題なの?)
 
 つまり、日大側は、
 
 「誰も責任持った対応をしておらず」
 「したがって誰も責任を持った指示を出さず」
 「流されるがまま」
 
 というのが実態。多分理事会もやっていないのではないか。(※理事会は開かれたようだが内田専務理事の辞任の承認のみ、と)
 
 選手がかわいそうだ…
 
【5月31日追記・関東学生連盟の処分がでた】
 内田監督、井上コーチは除名、他コーチ1名が処分された。
 
 連盟の記者会見の様子も見たが、「常識的に考えて内田・井上の説明には無理があり、宮川選手の弁明の方が真実」というのはその通り、だと思った。これが裁判なら、「疑わしきは罰せず」「宮川選手も内田・井上の説明を否定するような証拠を持っているわけではない」ということで無罪になるところ。
 
 連盟の処分、ということで、「その道(アメフト)に経験、知識を持つ人が」思う処分ができた、ということか。
 
 しかし、他の大学アメフト部の指導者からは、「そもそも問題の試合は関東学生連盟の主催試合。主催者側の責任はないのか」という声もある。しかしそうなると自分が自分自身の処分を決めるということになる…
 
 今年試合ができない日大チームが来年以降どのような再建を目指すのか(あるいは再建を目指さず解散するのか)。
 
 大学本体のブランド力が落ちたのは間違いなく、志願者減は不可避と思いますがそれをどう乗り切るか。(田中理事長は「大学は規模が一番の安全装置」という趣旨のことを言っているようでまさにそれがワークしそう。案外どうということもなく経営を続けるかも)
 
【6月3日追記・結局残された論点は】
 ①甲子園ボウルは毎年12月に行われる。関学の戦力を弱める、という意図で危険タックルをさせたのなら問題の試合が5月15日だったから全治数か月のケガをさせろ、ということか。確かに5月は秋季リーグ前のオープン戦時期にあたる。関学と日大は東日本と西日本に分かれているため直接対決があるとすれば12月の甲子園ボウルということなるから、「今のうちに」「試合開始直後に確実に」と考えたということか。
 
 ②だからこそ、宮川選手が反則を繰り返し、罰退させられ陣地を失ってもそれは「予定通り」だったのだろう。その意図がない、とするなら反則の場面を見ていなかったとしても「なんで罰退なんだ」ということでレフェリーに抗議するなり、反則があったと認めるなら宮川選手をすぐ下げるなりするのが普通の反応だろう。
 
 ③「つぶしてこい」は「激しくやれ」という意味、としているが、ではなぜあの試合に限ってその言葉の意味が誤解され、井上元コーチのいう「意味の乖離」が起きたのか。日大は前年チャンピオンチーム。宮川選手は日本代表候補だった。
 
 今後、警察の捜査が入り、そのあとの裁判を経ることで多少は真実が明らかになるだろうか。
 
 …もうイヤ。
 
 企業経営の危機管理の反面教師になるかと思って見解をまとめてきたがそもそも日大側が危機と思っていないから危機管理もない。どういう対応をしたかという面からは全く参考にならない。