ACT196妄想-16-(side/R-9) | 妄想最終処分場

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ネタばれ注意!本誌ACT196(1/5発売)の関連妄想です!

未読の方、コミックス派の方はバックプリーズ!!

















蓮キョ☆メロキュン推進!「ラブコラボ研究所」

にも初提出とさせていただきました!

メロキュンになるかちょっと怪しいですが、よろしくお願いします~


長くなりそうなので、タイトルを分かりやすいようにナンバリングしました。

亀の歩みで進みますがよろしくお願いします。

これまでのお話

ACT196妄想-1-(side/K-1)

ACT196妄想-2-(side/K-2)

ACT196妄想-3-(side/R-1)

ACT196妄想-4-(side/R-2)

ACT196妄想-5-(side/R-3)

ACT196妄想-6-(side/K-3)

ACT196妄想-7-(side/R-4)

ACT196妄想-8-(side/K-4)

ACT196妄想-9-(side/R-5)

ACT196妄想-10-(side/R-6)

ACT196妄想-11-(side/K-5)

ACT196妄想-12-(side/R-7)

ACT196妄想-13-(side/K-6)

ACT196妄想-14-(side/R-8)

ACT196妄想-15-(side/K-7)




ACT196妄想-16-(side/R-9)



君が何より大切で。

綺麗だけではない清濁交々の感情が溢れて。

それをうまくコントロールなんてできない。


君が欲しくてたまらない。

誰にも譲れない。

君が愛おしくて、どんどん愚かになる自分を取り繕う余裕なんてない。



(どうか、そのことを分かって?)



一度目のキスは情けないことにとにかく余裕がなかった。

自分の気持ちと欲望だけの一方的なキス。

今迄我慢して、避けてきたずっと触れたかった君に触れたことで俺の理性は容易くその役目を放棄した。

唇だけでなく口内まで貪って、苦しいと訴えられるまで我を忘れていた。


苦しそうに空気を吸い込む君は一体何が起きたのか全く理解できてない様子だった。

自分が悪いくせに、歩く純情さんがキスをされた事態を把握できていないことに小さな不満をもって。

キスした事実を認識させたくて、それを口実にまた触れたい欲望に素直になった。

今度は自分を戒めて、ことさら優しく、甘いキスをイメージして二度目のキス。

視線を合わせたままにしたのは、君の意識を捕えるためと自分の理性を強化するため。


(やっと・・・かな?)


固まった表情が動いて頬に赤みがさして、ようやく期待した反応を得られたことに自然と笑みがこぼれた。

男に唇を奪われたこの状況をようやく理解したようだった。


「俺は君が好きだよ」


勘違いも曲解も起さないように。

すぐに誤解して逃げ出す君だから。

鈍いのは分かっている。いや、鈍いのではなくて気が付きたくないのかもしれない。

とにかくストレートに伝える。


(・・・もっと緊張するかと思っていた)


声が震えるかと思っていたけれど、あまりにも自然に口から出た言葉に自分で驚いた。

この子の感情が俺に無いのは分かったけれど、ならばこちらを向けさせたい。


チクチクと痛む胸の内はそれだけこの子に捕らわれている自分を意味する。

でもこの痛みの内側から這う出そうとする黒い嫉妬に支配されては本当に伝えたいこと総て壊してしまうだろう。理性の手綱を強く握りなおして、君を追いかけよう。


俺の告白にどんな反応を見せるのか、どんな変化も見逃さないように探るように見つめる。

ごめんなさいと拒否を意味する言葉をこぼしても、2度のキスを拒否せず受け入れたのはなぜなのか。

きっと突然のことに驚いて呆けていただけだとは思うが、どうしても期待してしまう自分がいた。


「・・・!」


赤面した頬に、動揺に揺れる瞳。

その瞳から今日何度目も目にした涙がまた溢れて、ポロリと頬に流れ落ちる。

思わずこぼれてしまったとでもいうような涙で、演技でなく素のこの子がここにいることががわかる。


(・・・イヤ、だった?)


涙の意味を考え、チクチクした胸の痛みがズキズキと大きくなる。

追及の言葉が口をついた。


「ごめん・・・はどういう意味?」

俺の目の前で、溢れる涙を今度は隠そうとしない君がいる。


「君が想っているのは誰?」

それでも、諦めない、追いかけると決めたんだ。

ずっと、目に触れないように左肩を押えていた掌をそっと離した。


「・・・この跡に関係がある?」


白い肩に控えめに咲いている花に目を移し、指先でそっと撫でた。

より心臓に近い位置に刻み付けた赤々と主張する自分の跡より、淡く控えめなそれは強すぎる俺の独占欲を醜いと訴えかけているように感じた。


「・・・え?」


少しの恐れから、この子の表情から目を離したことを後悔した。

告白よりも緊張した問いかけに返ってきた反応は、まるで何のことを言われているかわからないとでも言わんばかりの雰囲気を持っていたから。


あわててもう一度この子の顔を見れば、視線が絡まることはなく俺が触れている肩口の痣に視線を落としている君がいた。


(なんだ?この反応は?)


「・・・最上さん?」


俺の困惑をそのままに、彼女に呼びかけた。

俺の声が耳に入っていないのか、自分の肌の痣を見つめる彼女は赤面した顔はそのままで困ったような、ためらうようなどうにも表現しがたい表情を見せていた。


(俺がこの花の存在を気にしていることに気づいていなかった?)


嘘だろう?

これのせいで一気に嫉妬が吹きだし一時は無理やりにでも奪ってしまおうかという考えさえ持ったというのに。


「最上さん、この跡・・・誰がつけた?」


さまざまな疑問と感情がせめぎ合っている。つい心のままに強く問い詰めたくなるのを抑えてはみたものの、抑えられたのは語気だけだった。


「・・・!」


やっと俺の言葉が耳に入った様子でピクリと身じろいだのが触れた指先から伝わってきた。

反応は見せたものの、視線を自分の肌に固定したまま俺の方を見てくれないのは恐れだろうか?

なぜだか俺の怒りに君はとても敏感だ。


なかなか俺を見ないこの子と、余裕のない自分にふぅっと溜息を一つついた。


(どういう状況でも挑むと決めたのは自分だろう・・・)


「いいよ、それがどんな意味があっても」


この子を責めるように追求するくらいなら、自分が追いかければいい。

追いかけて、捕まえてしまえばいい。

俺は諦めも悪いんだから。


「俺が君が好きなことは何も変わらないからね」


再度、念を押すように気持ちを伝える。


「ごめんね?君の気持ちを確かめずにキスして」


そろりと、視線だけが俺の方を向いた。


「分かってる?何度でもここに触れたいほど、俺は君に囚われているんだ」


肩の痣を指していた指先で彼女の唇に触れ、そっと撫でた。

以前にもこんな距離でこの唇を指でなぞったことがあったのを思い出した。

その時は今とは真逆に自分の気持ちを誤魔化すための行動をだった。

でも、今は・・・


(・・・ああ、また触れたい)


2度あることは3度あるだろうか?

抑制のきかない俺は、またこの子に近づいていた。


続き→

ACT196妄想-17-(side/K-8)

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どんどん1話が短くなりますが、都合上ここで切ります!

次はキョーコのターンです。


うう~・・・ホントにホントに進みが遅いわ!

ACT197はこれを終わらせてすっきりした状態で読みたいのに!!