ACT196妄想-15-(side/K-7) | 妄想最終処分場

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ネタばれ注意!本誌ACT196(1/5発売)の関連妄想です!

未読の方、コミックス派の方はバックプリーズ!!

















蓮キョ☆メロキュン推進!「ラブコラボ研究所」

にも初提出とさせていただきました!

メロキュンになるかちょっと怪しいですが、よろしくお願いします~


長くなりそうなので、タイトルを分かりやすいようにナンバリングしました。

亀の歩みで進みますがよろしくお願いします。

これまでのお話

ACT196妄想-1-(side/K-1)

ACT196妄想-2-(side/K-2)

ACT196妄想-3-(side/R-1)

ACT196妄想-4-(side/R-2)

ACT196妄想-5-(side/R-3)

ACT196妄想-6-(side/K-3)

ACT196妄想-7-(side/R-4)

ACT196妄想-8-(side/K-4)

ACT196妄想-9-(side/R-5)

ACT196妄想-10-(side/R-6)

ACT196妄想-11-(side/K-5)

ACT196妄想-12-(side/R-7)

ACT196妄想-13-(side/K-6)

ACT196妄想-14-(side/R-8)



ACT196妄想-15-(side/K-7)



(ナニ、待って、どうなってるの・・・!?)


窒息寸前でようやく得た空気を必死で吸い込みながら、頭の中は混乱の只中にあった。

唇は唾液で濡れて呼吸をするたびに冷たく、きつく吸われた舌がしびれてうまく動かせない。


(いまの、キス・・・?なの?)


自分の身に起きた荒々しい行為と、キスの言葉から連想される一般的な甘いイメージが一致せず、いま自分が体験した行為がなんなのか理解できない。考えようにも酸素不足の頭はただ思考を巡らせるにはぼんやりしていて自分の疑問が渦巻くだけだった。


(ねぇ、一体何なの!?)


誰に何を求めているのかもわからない。

問いかけだけが渦を巻くその先に、今日はいやに私を追い詰める雪花の姿がちらつく。


≪分かってるくせに≫


(分からないわよ!)


謎かけのような雪花の言葉に朦朧とした頭は苛立ちしか感じない。



「・・・役者の心の法則、使えないからね」


降ってきた言葉に、自分の中にこもりかけた意識が外を向いた。


(敦賀さん…?何・・・のこと?)


「・・・はっ、・・・はぁっ・・・、え・・・?」


未だに整わない呼吸に、肩も使って肺に酸素を送り込む。内の雪花にすっかり気を取られた私は言葉の意味も、目の前にいる敦賀さんの存在も全く理解できないでいた。


(役者?心の法則??)


まとまらない思考で、必死に今耳に入った言葉を反芻する。

役者と言われても、ついさっきセツカになれないと演技がとできない自分を白状したばかりだ。

法則が何を指すかわからないけれど、今役者でいられない自分には関係のない話のように思えた。


「今、俺が君にキスした意味…わかる?」


更に投げかけられた言葉。

その、単語だけが嫌に耳についた。


「へ?・・・あ、・・・キス・・・?」


(キス・・・だったの?)


あんな息が出来なくて苦しい、キスとはそういうモノ?と間抜けな疑問が駆け巡る。


「そう、分かる?キスされたの」


私の思考を読み取ったかのように、敦賀さんは私を覗き込んで確認してくる。


(分からない、分からないわ・・・)


≪・・・嘘ばっかり≫


「分からない?」


またしても響く雪花の声に、敦賀さんの声が重なる。

確認する意味合いの言葉なのに、なぜだか『理解しろ』と強く要求されているように感じた。

私をじっと見つめる敦賀さんの目から視線を外せない。

さっきから何度も私を捕える強い視線。何度も逃げられないと思っても、視線を無理やり切って最後は振り切っていた。


でも、今度はもう無理だった。


目をそらせないまま、強い意志を持った敦賀さんの瞳が近づいてくる。

綺麗な瞳が視界いっぱいに広がって近すぎて視線より吸い込まれる瞳の深さに目が離せない。

それと同時に、濡れて冷えた唇に熱が触れる。

ふわりと唇に触れた感触はやわらかくて甘い、そう感じた。


(・・・いい香りがする)


混乱と苛立ちにざわめきたった心が静まっていく。

以前にもこの香りに包まれたことがあった。動揺した心が落ち着きを取り戻して、心地よさが広がって・・・


(いつ、だったかな?)


敦賀さんの瞳に捕らわれたまま、以前に抱きしめられた腕の中で感じたあの感覚とおなじだと気が付いた。優しく閉じ込められた腕の中は今と同じように心地よかった。


(このまま・・・)


そう、思いかけた時に軽い音とともに唇の温かさが遠ざかった。離れてほしく無くて、少し身を乗り出そうとした時、はっと我に返った。


(・・・キス、してたんだ)


心地よかった。

甘かった。

安堵とともに固まった心が溶ける様に落ち着いて。


このまま・・・もっと、と望んだ。


ついさっき好きだと自覚した相手に施されたキス。

理解したら心の内側から・・・枯らせていた泉から洪水のように甘くまろやかな清水が溢れだすのがわかった。

溢れだした清水は熱を持ち、身体の中心から全身へ急速に広がり首筋から顔へと広がる。

この甘く愛おしい感情はどう扱えばいいのだろう?


持て余した疑問をもったまま、外せないままの視線の先で敦賀さんが神々しい微笑みがこぼれていた。


「俺は君が好きだよ」


≪ね?分かった?≫


全身にあふれて広がった清水は、ついに私の体を満たしつくして外へと零れだす。


≪やっとアタシの気持ち、掴んでくれたのね≫


雪花が微笑み私の中に溶けていく。

やっとわかった気がする。

演じることはその感情で生きること。

カインを愛する雪花の感情は、ずっと私と一緒だった。



今夜はもう何度、涙が溢れたか分からない。

けれど今頬を伝う雫はさっきまでとは違って・・・温かくて、甘い。


続き→

ACT196妄想-16-(side/R-9)


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今回はかなり短め。そして、ようやく同じところでストップ。

蓮サイド、キョーコサイドを交互に書いてるから進みが遅くてスイマセン!


あっれ~?

数日休んだら、もともとの路線とまた違う方向に転がりましたあせる

キョーコサイドはこんな甘くならないはずだったんだけど?

そして、内なるチャチャ入れセっちゃんの立ち位置がわかりづらくてスイマセン…。どうにもこれ以上加工してもこじれるばかり。見切り発車の落とし穴って恐ろしいわね…。