ACT196妄想-4-(side/R-2) | 妄想最終処分場

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ネタばれ注意!本誌ACT196(1/5発売)の関連妄想です!

未読の方、コミックス派の方はバックプリーズ!!

















蓮キョ☆メロキュン推進!「ラブコラボ研究所」

にも初提出とさせていただきました!

メロキュンになるかちょっと怪しいですが、よろしくお願いします~


長くなりそうなので、タイトルを分かりやすいようにナンバリングしました。

亀の歩みで進みますがよろしくお願いします。

これまでのお話

ACT196妄想-1-(side/K-1)

ACT196妄想-2-(side/K-2)

ACT196妄想-3-(side/R-1)


ACT196妄想-4-(side/R-2


「いらっしゃいませ」


なんとなく目についたバーのドアを開けると、広くもなく狭くもなく初老のバーテンダーがこちらを向いた。
薄暗く、客はまばら。


(ここなら悪くないか)


カウンターに座っている客は常連なんだろうか、店の主人と談笑している様子だった。
カウンターの先、奥まったところに小さなテーブル席が目に入る。ちょうどカウンターの切れたところが壁になっており一人で飲むにはうってつけといった席だった。


「・・・single of whiskey」


カインの態度で不要に話しかけられるのを牽制しつつ一言注文を出した。
店主は英語に困惑した様子で、何か言いたそうな顔をしている。どう対応して良いのかわからないのだろう。
マナー違反は承知だが、先に紙幣を2枚カウンターの上に置き、奥のテーブルに陣取る。

「ウイスキー」は聞き取れたはず。こうしておけば金額に見合うものを適当に出してくれるだろう。
別に酒が飲みたいわけではない。カインとして不自然でなく時間をつぶせる場所が欲しかっただけだ。


ほどなく、琥珀色の液体の入ったグラスとチェイサー用の水がテーブルの上に置かれる。
他者を威圧するカインを演じていれば、店主はグラスを置いてさっさとカウンターに引っ込んだ。


ウイスキーを一口飲みこむとかぁっと胃にアルコールがしみるのがわかる。
あの子が部屋に戻ってくる前に、カインとして軽く飲酒していたがその時の酔いなどもうどこかに吹っ飛んでしまっていた。


(俺はどこまであの子の兄でいられただろうか・・・)


カインに乗じて一生残るキスマークを要求した。
きっとどう対応して良いのかわからなかっただろうあの子は噛みついた揚句、セツカとして不自然にならない形で会話に乗ってきてくれた。


『ここに残るものが欲しい』


そう、生命の象徴である心臓に、一生残るような印を刻み付けてほしかった。
セツカとしての行為でも、俺を『君のモノ』にしてほしかった。


『噛みつくんじゃない、吸うんだよ。きつく・・・』


つけてほしいと願ったんだ。


『同じところを、何度も、しつこく、独占欲を刻み込むみたいに』


(もって欲しい。俺が君に感じているような、独占欲を・・・)


無謀なことだとは分かっている。
何せあの子は全身全霊で愛を拒絶し否定する愛の欠落者だ。
そう、あの子は愛を否定する。誰も愛さない、誰の愛も受け取らない。


幼いころの彼女を思い出す。

母親の愛情を十分に感じられていなかったことは分かる。
そして、幼い頃より王子様といっていた不破に裏切られたことで一気に噴き出した負の感情。
復讐のためだけに、興味すら持たなかっただろうこの世界に飛び込ませるほどの強い感情だ。

それは過去の愛情をすべて覆されたために出てきた裏返しの姿勢。

きっと奥底では誰よりも愛に飢えているんじゃないだろうか?


(あの子は、愛されたいんだろうか・・・?)


ここに、もうどうしようもないくらい君を愛してしまっている馬鹿な男がいるというのに。


『間違ってもアンタに惚れる様なバカな真似だけはしないってさ』


彼女を激変させた張本人の、忌々しいアイツの言葉が蘇る。
どういう意図でわざわざ待ち伏せして俺にそんな言葉を伝えに来たのか。
子供っぽい独占欲であの子は自分のモノだと宣言しに来たにしては少し違和感がある。


愛されたいと思っているのに、恋愛感情を持つことを『バカな真似』と評するあの子の真意はどこにあるのだろう。
想いが叶わなかったときに、自分を保っていられないからだろうか。


(なら俺にすればいいのに・・・)


くしゃりと前髪を弄りながらテーブルに肘をつく。
摂取したアルコールが回ってきたのか、額に触れた指先が少し温かい。


ここで大切な人は作れないと決めていたのに
演技のためといいつつ、君への恋心を自覚した。


育てるつもりも打ち明けるつもりもなかったのにそれは勝手に大きく育ち、嫉妬に狂って我を忘れるほど強大になっている。


(リックよりあの子を選んだ時点で、過去の誓いなどもうとうに破っている)


腕時計をしていない自分の手首を見つめた。

腕時計の戒めを解いて、お守りである彼女を新たな枷にしようとした。

でもそれは大きな誤りだったと今ならわかる。
枷とするはずだったあの子はむしろ暴れる闇をも解き放つ鍵だった。
些細なあの子のことで心がざわめき、ともすれば仄暗い闇から醜い嫉妬心が溢れだす。


(まだコントロールできる自信はない・・・でも・・・)


セツカを演じる彼女に、芝居を通して負けたくないという気持ちが強まった。
過去の自分も、今の自分も『演じること』は生きる指標だ。
この思いさえ忘れなければ、過去の自分とも手をとって進める気がする。

闇を解き放つ鍵であったあの子は、結局新たな自分を創造する扉への鍵でもあったのだ。
どういう形であれ、今の自分も過去の自分も共通するのは芝居への熱意とあの子への気持ち。

ジクジクと首筋の赤みが痛む。
今日のように、些細なことで嫉妬が湧き上がり、打ち明けるつもりもない恋情はまたいつ暴走するかもわからない。


(・・・??・・・誓いを破っているなら、なぜ打ち明けるつもりがないんだ・・・?)


ふと、俺は自分自身の疑問にぶつかった。

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蓮さん、思考の小部屋で迷子中。

話が進まぬ・・・

英語力皆無の私にはアレで英語で注文するセリフとして正しいのかどうか全くわかりませぬ