「SALONE 2007(サローネ ドゥエミッレセッテ)」(☆☆☆彡)
http://www.salone2007.com/
SALONE 2007
 極上中の極上。

 ここは間違いなく横浜随一のリストランテ。密度が濃いとぼくがうらやましがる東京まで含めてもトップクラスに値します。
 二人のシェフが織り成す極上の料理、ソムリエによる手頃でありながら味わったこともないようなワインの選択、居心地の良い接客と空間…良きパートナーと一緒であれば、きっと時間を忘れられる場所です。
 
住所:横浜市中区山下町82-3シタラビル1F
電話:045-651-0113
定休:日曜/第1・3月曜
営業:12時~14時/18時~21時
 
 「青葉新館」近くの駐車場に面したビルの1階にあります。このあたりは元町中華街駅からは近いものの、中華料理屋さんがない寂れた道ですので、この店が出来てもあまり木が疲れていないようです。
 白い煉瓦壁に青い木製の扉のような壁。モダンイタリアンの方面よりもやや英国調のような感じがします。店の前にはテラス席のように青いテーブルクロスをかけた丸テーブル2卓に金属製の椅子が2脚ずつ。外から見てガラス越しに見える中は暗く、黄色い穏やかな間接照明が見えるので、一見するとバーのように見えると思います。扉にはこのサロンのマーク、Sの文字に王冠です。
 

SALONE 2007 0

 中も穏やかな空気でしっとり上質。
 モダンな明かりに間接照明やダウンライト、統一感のある色合いです。各テーブルの上にはガラス等の中にランプの光と同じ色ですね。壁側にはソファ席もあります。奥には一段上がったステージのような場所にカウンター。現在は使われていないのでしょうか? まだいろいろ変化するかもしれませんね。
SALONE 2007 02

 テーブルクロスは模様が入った青い光沢のある贅沢なもの。本日のコース内容をしまったメニューがテーブルの上に置かれています。

 

SALONE 2007 00

 向かって左側、ソファー席と反対側の壁には窓があり、ワインカーヴになっています。この日はぼくらだけでしたので、特別に中に入らせていただきました。ひんやりした空調の部屋で、小石が敷き詰められています。木の棚に並ぶワインはイタリアのものらしいですね。お酒の飲めないぼくにはよくわかりませんので、そちらの方はnoodlesさんかpalmeritaさんのブログを参照してください。

 

07年11月27日の来訪。

 銀座の「リストランテ シチリアーノ」が横浜に移転してきたということを東京カレンダーで知りました。
 これは行かねばと今までにお会いしたブロガーの食べ友達に連絡して仕事後に集まっていただく。20時半の予約でこの店へ。仕事が桜木町であったため、少し後れて一番最後になりました。
 この日ご一緒してくださったのは尊敬すべき友人のnoodlesさんpalmeritaさんひらめさんアフロディーテ さんに自分で。

 今回集まったメンバーの良さも手伝って、時間を忘れるほどとなりました。気がつけば終了は23時半です。
 
Blood Orange 800円
SALONE 2007 01

 お酒はともかく、ぼくが別に注文したのはもちろんブラッドオレンジジュース。氷なしで量が多くうれしい♪ やはりブラッドオレンジはこうでなくっちゃ。もちろん、味も濃く美味しいもの。

 

料理はコース10000円のみです。
 
Zuppetta)ホワイトアスパラのズッペッタ 水牛のモッツァレラチーズを浮かべて
SALONE 2007 03

 つきだしに出されたのはまずスープ。白い円錐形の器にドイツ産のホワイトアスパラを水を使わずにピュレにしてスープにしたものに、魚介の出汁を加えてトリュフのオイルを加えたのだそうです。まず立ち上るトリュフの香りにクラクラッと来ますが、さらに十分な旨味のホワイトアスパラのとろとろスープは極上。まずこれだけでこの店がとてもよいお店だと認識させてくれます。スプーンに乗っているのはカンパーニャの水牛のモッツァレラチーズ。柔らかくふんわりとしていてそれでいてモッツァレラらしく味が深い。そして、紐のように見えるのは全粒粉の極細グリッシーニです。粉の風味がよく味わえるもので、グリッシーニと言うと硬い棒みたいだという思い込みを壊されました。

Sorpresa)クッキアイオのスカレッタ 宮城牛イチボと佐島の伊勢えび
SALONE 2007 04

 冷たく冷されたガラスの上に冷たく冷されたスプーン2匙の前菜。
 手前は佐島の伊勢海老のマリネにエストラゴンのソテー、ミニトマトと巨峰をのせて。エストラゴンの香りが伊勢海老の身の旨味ととてもあっていて素晴らしい。
 奥はA5ランクの宮城牛のイチボの煮込み。口に含むと20年熟成されたという甘いバルサミコの香りと酸味がし、後半は土の中で2年間寝かせたというペコリーナ・ウンブレーゼのチーズの香りの余韻が口の中にいつまでの残る。凄いとしか言いようがない。

 

Primo Pasta )ブレシャネッラのラビオリーニとスーゴ ディ フンギ
SALONE 2007 05

 白い大きな葉型の皿に。
 中に水塩仕立てのウォッシュで香りの強いチーズ、ブレシャネッラを閉じ込めたラビオリ。とてもくせのあるチーズだそうですが、思ったほど噛んだ当初は強く感じません。それが口の中から消えてもいつまでもふくよかな香りが残っている。これも美味い…。長くその余韻に浸れます。先ほどもそうだったけど、チーズって口に残るんですね。ソースにはジロール茸をブロードで煮込んだソース。柔らかく香り高いジロール茸は癖のあるチーズとあわせても負けることない味があります。

SALONE 2007 06

 ここでパン。自家製のフォカッチャです。これも激ウマですね。小麦からして違う気がします。ローズマリーの風味だけでなく、まるでチーズみたいなふんわりした香りがありました。
 パン自体が美味しいので、このお店ではパンにつけるオリーブ油もバターも出しませんね。
 
Vapore)地魚の蒸し物 オレンジの香り
SALONE 2007 07

 驚くほど熱々のスープで出されました。下から積み上げられるように小蛤、玉ねぎ、赤海老、蛸、真鯛です。魚介はすべて佐島のもの。魚介からでた汁だけでスープを作るのだそうで、旨味を凝縮しているかのよう。蛸は柔らかくふっくら煮られ、真鯛は皮際まで火が通り過ぎず実によいしっとりさ。ここにオリーブと一緒に漬け込んだオレンジの香りがたっぷり感じられる。素晴らしすぎます。毎回でもこのメニューは出して欲しいくらいの魅力があります。
 
SALONE 2007 08

 ここで2つ目のパン。丸く白いパン。これも小麦の香りが格別。
 
Piatto Tiepido)秋田うさぎのレバーパテ
SALONE 2007 09

 バゲットの上にカルバドスでフランべした秋田うさぎのレバーのパテ。その上には赤ワインビネガーでマリネした玉ねぎ、イチジク、アーモンドなどを上にのせています。パテ自体臭みなどなく実に良いレバーの味わい。上にのせた具の甘さやコリッとした食感なども素敵でした。

 

Secondo Pasta)秋田うさぎのサルシッチャとちりめんキャベツのグラミーニャ
SALONE 2007 10

 これは面白いパスタです。グラミーニャというそうですが異次元的な出来栄え。ひねりの入った短いうどんのようなショートパスタで、噛み応えあり口の中で楽しめます。これに混ぜてあるのは頭の肉まで全部使った秋田うさぎのサルシッチャとちりめんキャベツ。うさぎは臭いという先入観がありますが、こういう使い方をすると美味く味わえるものですね。
 上に細かくかけられているのラグサーノチーズ。D・O・P(原産地呼称統制)チーズの一つでシチリアのラグーサで緑の草を食べたときのミルクで作られたチーズの認証だそうです。干し草を食べたときはカチョカヴァッロと呼ばれるのだそうで。味はややあっさり目かも。
 
Carne)茨城エトフェ鳩胸肉のロースト、ジビッポ風味のイチジク添え
SALONE 2007 11

 中の赤身は赤く、外側の皮はカリッと、実に丁寧に時間をかけて火を入れてありそうな茨城の鳩胸肉のロースト。ソースはその肉汁を使っていたと思います。さらに宮古島の雪塩をさらに散りばめてありますので、それをつけて食べるのもぼく好み。にがり成分が多く、塩分少なめで身体に良い軽い塩なのです。ドライのイチジクはドライでありながらやや半生のようでした。ジビッポというのはデザートワインだそうですね。
 飾りのように添えてあるのは黒いワイルドライスにニンジンやセロリなどの香味野菜の煮込み。米が美味いですね。
 
SALONE 2007 12

 最後にここでサプライズとしてリゾットを。量は皆お腹がいっぱいでしたので、いくらでもといわれましたが30gでやめています(笑)。
 先ほどのイチボを焼いたときにでた脂を混ぜてサフランとパルミジャーノベースのリゾットにし、上にカリカリになるまで火を通した脂身を振りかけています。スープを使わず水から炊いているので引き算の論理で牛脂の旨みが素直に美味しい。
 
Dolce o Formaggio )ドルチェまたはチーズ
SALONE 2007 13

 通常はどちらかの選択なのですが、この日は特別に両方を半量ずついただけました。混んでいると無理でしょうから、空いている今だけのサービスですね。
 まずはチーズ。トレンティーノ・アルド・アディジェ産の葡萄の葉(皮?)をつけて発酵されたブルーチーズ。付け合せはセミドライのイチジク、手作りの干し葡萄。そしてスプーンには栗の花からとられたシチリアの蜂蜜です。この蜂蜜がチーズととても合います。
SALONE 2007 14

 ドルチェは洋梨を使ったアップルパイのようなステューデル。包んでいるのはパイ生地ではなくパスタ生地。サクサクというよりもしっとり柔らかめで中の具材とのコントラストも良い。添えてあるのはアーモンドとシナモンのアイス。それにリンゴのジュレです。

 

Caffe o Te)カフェまたはハーブティー

 カフェは好きなものを注文できますから、カプチーノでお願いしました。
SALONE 2007 15

 その先に白い陶器の器を出してくださいます。何かと思って蓋を開けると小さなマカロンでした。アーモンドの香りも良いサックリしたマカロンです。
SALONE 2007 16

 カプチーノも泡がまた美しい。ミルキーすぎず苦味を美味さとして感じる頃合。かなり良い。
 
 ああ、やっぱり少々アルコールを口にしたので細かな記憶が飛んでいます。舐めただけなのにダメだなぁ…。
 
 ところで、トイレウォッチャーなのでトイレも当然見ております。
 細い木の装飾による穏やかな壁で落ち着く空間。トイレと手洗いは同じような印象です。
 とくにお手拭きタオルが詰め込まれた箱に注目。色とりどりで美しいタオル。惚れますね、こんなところにも。
 
SALONE 2007 17

 シェフはお二人。お茶の時間に挨拶に来てくださいました。
 才気煥発。左は代表取締役の平高行氏、右は樋口敬洋氏。喧嘩しながらもやっていけるのですから素晴らしい。
 もちろん、ソムリエの藤巻一臣氏の接客もピカ一でした。ご覧の方はぜひ実際にお確かめください。
 

 総評は☆☆☆(三ツ星)。
 どの皿も二人のシェフがけんかをしながらでも妥協を許さず作り上げた練り上げられた本物のイタリアン。正直、「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」よりも美味しい独創的なコースが10000円とはコストパフォーマンスが良いとしか言いようがない。混んでもこのレベルを維持し、アラカルトにも対応できるようになり、小さな子連れOKのランチでも月1日でもよいからやってくれると文句なしに☆☆☆彡(三ツ星半)になるくらい。
 
 帰りも見送っていただき、noodlesさんとpalmeritaさんと車の中で12月30日にオフ会で再訪しよう!!と約束いたしました。これを記録している28日には家内にも了承を取り付けましたので決行です!!
 
SALONE 2007 18

 ところで、この店のショップカードをいただいたのですが、銀色にコーティングされた薄いプラスチックのカードはなんとも贅沢に見えます。地図が描かれていて、東京を基点に横浜までの大雑把なマップは笑えます。実際イタリアにもあるのだそうで(笑)。

 ワインは3種類ほど。
SALONE 2007 19

 1本目はLAMORESCA。透明な瓶に入れられたワインです。防腐剤など一切入れていないものとのこと。これが従来の赤とはまったくちがう口当たり。シンナーのように揮発性が高いような。。。そのためかワイングラスもやや口の狭いものがセレクトされています。香水を飲んでいるかのような豊かな香りで鼻腔まで満たされました。時間がたつとだいぶ丸くなっていました。
SALONE 2007 20

 2本目はDOLCETTO D'ALBA。こちらの方が濃い色合いでよりフルーティーな感じ。エチケットが可愛らしい。てんとう虫と葡萄の葉とつるです。
SALONE 2007 21

 3本目はなんとサービスでa-iuto!(行かないで!)というワインをいただきました。飴色に近い透明な白。皮まで含めて搾り出したこの味は白というには複雑。黒糖のような甘さがあります。

 

 

07年12月30日夜に再訪。

 本日夜はプチオフ。夜18時現地集合。参加いただいた方は以下の通り。
 そろそろ予約がとりにくくなってきたかな。この日はほぼ満席。2人用のテーブル一つが空いていただけです。
 一人として欠けることなく楽しくいただき、18時前に入ったのに出たのは23時半。楽しい時間でした。
 
noodlesさん(レッド ストライプ
匿名希望の友人
自由人さん(美味食楽
ひらめさん(よこはま おひとりさま道中記
アフロディーテさん(スピリチュアル女性起業家のblog
palmeritaさん(遊食な日々
ricetta-casualeさん(偶然のレシピ

 

Dicembre 30, 2007
Sorpresa)茄子のスフォルマティーノ マリネした雲丹のソース
SALONE 2007 22

 スフォルマティーノとはミニプディングのこと。熊本の赤茄子を蒸してピュレにし、生クリームと卵白にパルミジャーノを混ぜた温かなプリン。茄子もそのまま入っていてその自然な甘みが強い! そこに新鮮で臭みなく甘いバフンウニのとろける味わい。それをさらに香りの面で強力に押し上げているのがエストラゴンと細切りにして揚げた茄子の皮です。茄子らしい香りは皮にあるのですね。
 添えられているのは極細のグリッシーニで、胡麻風味というだけあって全粒粉に負けず胡麻の香りが強い。
 
Cucchiaio)佐島港のサザエのインパナータ パンテレッリア島のドライトマト風味
 不覚にも写真を撮り忘れました。誰か写真送ってください(笑)

 ワンスプーン料理。エキスという意味合いのエストラットというシチリアのトマトペーストを表面に塗ってパン粉をまぶした佐島産のサザエ。その下にはサザエの肝とアンチョビ、牛乳で煮たにんにくを混ぜて裏ごししたソースを敷いています。パン粉の香りとサザエのプリプリ感が気持ちよい。
 
Vapore)地魚の蒸し物 オレンジの香り
SALONE 2007 23

 勝手にぼくがこの店のスペシャリテだと思っている一皿。相変わらず熱々で激ウマのスープ。水を使わず、身が縮むほどに魚介を蒸して出た汁だけのスープはオレンジの香りのオリーブオイルと一緒になり極上の味。
 もちろん、皮までついたスズキ、ハマグリ、皮がクニクニして美味しい蛸、駿河湾の赤海老、ポロネギなどの具が入っています。極上だなぁ。
 魚はやはり佐島産が良いとおっしゃられていました。週2回あちこち回られているようですが、新鮮さが違うとのこと。行ってみる事を薦めてくださいました。
 
Insalata)茨城県産エトフェ鳩のパテと花とフルーツのインサラータ
SALONE 2007 24

 茨城県産の鳩を極力血を残すようにしたエトフェという絞め方で絞めた国産のフレッシュな鳩肉を内臓まで含めてパテ。これが鉄分を含んだ風味が強く苦味があって美味しい。ここに細切りの冬柿と紅玉そして食用の菊の花びらに酸味をつけて和えたものをのせています。パリパリの細かな小麦の風味のする煎餅のようなパンと一緒にいただきます。
 
Verdure)季節の野菜のフリット 赤海老のソース
SALONE 2007 25

 アスパラ、ニンジン、蕪、蕗の軽いフリット。これを濃厚な赤海老味噌のソースでいただく。シンプルながら野菜の味を楽しめ、濃厚な海老のソースの美味さに悩殺される一皿。
 
Pasta)天然真鴨のローストで和えた全粒粉のビゴリ
SALONE 2007 26

 イタリアはヴェネト州の名物料理だというトルキオという道具で押し出して作るパスタ、ビゴリ。これを全粒粉で行ったというもの。
 天然真鴨の頭と羽根を取りロースト。この時に出た肉汁をペコリーノチーズやトリュフと共にソースにして絡める。熱々でソースの力強さは秀逸。鴨の肉も美味い。
 レシピは希望すれば教えて下さるそうですが、家ではまず不可能ですね。
SALONE 2007 32

 当の鴨はワインセラーに首を切った状態で吊るしてありました。皮が簡単に落ちるほど熟成したころが美味しいのだそうで。
 

Carne)仔牛フィレのロースト ローズマリー風味 玉ねぎのソットアチュート添え
SALONE 2007 27

 仔牛フィレ肉のロースト。柔らかく弾力のある極上の肉ですが、さらに手を加えてあるところがさすが。上には赤ワインビネガーでマリネした刻んだ玉葱。これが赤ワインの風味と酸味でお肉に合いますね~。下には生のエシャロットとローズマリー。ソースはヒレのすじを煮込みアンチョビを加えたソース。そして粉のように見えるのはマグロのカラスミです。強烈な個性のある香りですが、ソースや肉と見事に協和しています。
 
SALONE 2007 28

 今回もリゾットがございました。
 サフランをたっぷり使った宮城牛イチボ肉汁とカリカリ肉のそれ。
 
 チーズかドルチェの選択は無理を言って両方でお願い。
SALONE 2007 29

 チーズはロンバルディアのサルヴァ。セミハード系のウォッシュで、60日から90日熟成させたもののようです。ポロポロ崩れる感じですが、牛乳のやさしい甘み、外側の苦味とのバランスが良く美味しい。
 付け合せにはスプーンに栗の花の蜂蜜、そして自然な仕上がりの枝付干し葡萄です。
 
SALONE 2007 30

 ドルチェはマスカルポーネクリームのジェラートと固めのパネットーネ、そしてリンゴのモスタルダです。ドライフルーツの香るパネットーネは焼き菓子のあまり好きではない自分にもとても美味しく感じる。クリスマスらしいデザートですね。
 
SALONE 2007 31

 食後の飲み物にはカフェマッキアートを。これもすばらしい。エスプレッソの苦味にクリーミーなミルクの泡。カプチーノとは違います。
 
 結局、他のお客はお帰りになり、23時半ごろにぼくらは帰りました。5時間半もいたとは…。「AWkitchen」並の居心地の良さです。
 次は1月22日に予約をしました。2席ほど余裕があるのですがブログをお持ちのどなたかお時間ございましたらご一緒にいかがでしょうか。メッセージをお送りいただければお返事いたします♪
 ところで蛇足ですが、いつの間にかトイレの扉の前に壁が出来ていました。厨房の扉を隠す意でしょうか。

 

 

08年1月22日の訪問。

 20時半の予約でこの極上の店に。プチオフで集まりました。
 仕事の終了後急いでここに。20分以上遅刻です。申し訳ありませんでした。
 ご参加の方々は以下の通り。

noodlesさん(レッド ストライプ
アフロディーテさん(スピリチュアル女性起業家のblog
palmeritaさん(遊食な日々
ricetta-casualeさん(偶然のレシピ

 

January 22, 2008
Sorpresa)ブルー デル ティローロのバーネスキアッチャート 赤ワインとチョコレートのソース
SALONE 2007 34

 いきなりのサプライズメニューから。優しい味わいの丸いパンの中にワインの絞りかすの葡萄を貼り付けて熟成させたブルーチーズにワインに出来なかったという葡萄を中に仕込んでいます。ブルーチーズの香りがとても強い!
 下にはサンジョベーゼの赤ワインにチョコレート、クローブを使った黒い赤褐色のソース。クローブの香りに赤ワインの味わいがブルーチーズと混ざり合ったときの競演も凄い。
 そして、食べ終わった後にソースの香りが口の中に余韻として残ります。
 
Vapore)佐島港の蒸し物 オレンジの香り
SALONE 2007 35

 スペシャリテであるスープ。これを食べにこの店に来ているようなものです。上にのっているのはスズキ。ハマグリと柔らかで皮の弾力も良い蛸も。今回の素材はすべて佐島産とのこと。今回あらためて良いと感じたのはポロネギです。ネギの風味はキリッとしたオレンジの風味のオリーブオイルに熱々のスープとあいまってとても美味しい。
 
SALONE 2007 36

 ここでパン。表面にパルミジャーノがついた香ばしいパンです。
 
Cucchiaio)フランス産ルマーケのイン ウミード 天然舞茸のトリフォラート添え
SALONE 2007 37

 今回のワンスプーン料理はこれ。ニンニクとローズマリーでソテーした天然舞茸、これがまた香ばしくコリコリした食感が美味。その下にトマトとサフランのソースで蒸し煮したフランス産のエスカルゴ。生のエストラゴンとともにいただき、一口でありながら複雑な香りの塊のような料理です。
 
Piattino)秋田県産仔うさぎと茴香の暖かいアルグロドルチェ バジリコの香り
SALONE 2007 38

 ガラスのお皿に、フローレンスフェンネルを薄切りにしてサラダ仕立てとし、アーモンドとバジルのソースを散らしています。その上には秋田産の仔ウサギ。オレンジを絞った果汁とニンニクのつけダレに漬け込んでから揚げ、玉葱、ワインビネガー、蜂蜜、オリーブのソースを絡めています。ビネガーの酸味が心地よいくらい。うさぎは癖なく柔らか。上にはカリカリにしたトマトの皮を添えています。
 
Primo Pasta)ひよこ豆のタッコーニ 野鳥のスーゴソース
SALONE 2007 39

 小麦ではなくひよこ豆を使ったラザニアのようなパスタです。タッコーニはネットで調べるとフリル上になった球形のショートパスタのようですが。たっぷりかけられている蜜のようなとろけ具合のソースは鴨と鳩の骨でとったソース。これがガッツリ美味い。さらに煮込んだ鳩の肉、チーズ、砕いた黒胡椒、イタリアンパセリと香りの強いものがたっぷり散らされています。
 とくにのっているチーズはロビオラ…300gほどの掌に乗るような丸いチーズで、これはその中でも蜜蝋の中にヤギの乳を入れて作ったものそうです。これだけ食べるとかなり臭みが強い!!
 パスタを丸めて一緒に食べるとその匂いと刺激に悩殺されそうです。
 
Secondo Pasta)自家製ラガーネ 乳飲み仔羊のラグーソース
SALONE 2007 40

 半頭分の乳飲み仔羊を丸ごと鍋に入れて煮込み、手で肉をほぐして作り上げたラグー。イタリアではテルミネという野菜を使うそうですが、日本では手に入らないのでここでは刻んだ縮みホウレン草を一緒に煮込んでいます。(テルミネというのは調べても出てきませんね。駅ばかりで) これを混ぜ込んでいるのは南イタリアのフェットチーネといわれるラガーネ。長方形で厚い自家製パスタでキターラに似ています。家系の酒井製麺に似ていると藤巻氏は言っていました(笑)。もう少しガッツリ感があるとさらに好みだなぁ。サフラン風味でさらにペコリーノシチリアーノを加えています。
 
Carne)熊本県産馬ハラミのタリアータ ラディッキオロッソとブレシェネッラの薫るポレンタ添え
SALONE 2007 41

 これがまたすごく良い肉を使っています。馬のハラミの肉質の凝縮さたるや牛のそれと大差なく凄い。赤身もジューシーな仕上がりでタリアータだけあってシンプルにオリーブオイルと塩で美味しくいただけます。上にのっているのはレモンのマルメラータ。甘くないジャムとのことで体調の優れないぼくにはやや苦味が気になった。これは好みにもよるのだそうですが、気に入らなければのけて、気に入ったひとはたっぷりのせて食べるのが良いそうで。
 
SALONE 2007 42

 ここでいつものサプライズメニューであるリゾット。お腹も一杯でしたので20gでお願いしました。藤巻さんの説明では本日は「浜幸」でも食べた馬の鬣を使ったとのことでしたが、ビジュアルはいつもと同じ。贅沢にサフランを使い、チーズとサフランの香りがいつもより素直に感じられた。でも、上のカリカリはイチボと同じに思えるけど!?
 
Dolce o Formaggio)ドルチェまたはチーズ
SALONE 2007 43

 ブルーデル・モンビーゾ。ピエモンテ州のチーズで、外側には白カビ、中は青カビのヤギ乳のチーズ。中央部はトロリと柔らかく、青カビにしては香りは穏やか。
 くりの花の蜂蜜と干し葡萄はいつもどおり。
SALONE 2007 44

 ドルチェはラッテ イン ピエーディ。牛乳が一生懸命立っているという意味らしいこれは緩めのパンナコッタ。アーモンドとピスタチオのたっぷり入るラッテ イン ピエーディはそれらナッツの香りが際立ちとても美味しい。上にのっているのは生の苺をワインに漬け込んだものだそうで小さく縮んで濃縮された甘みが。刻んでのせてある胡麻のグリッシーニのコリコリした食感と合わせてよいコントラスト。パウダーシュガーの甘みも穏やか。一流のレストランはデザートもさすがです。
 
Caffe o Te)カフェまたはハーブティー
SALONE 2007 45

 今回はマカロンではなく、マシュマロでした。外側がややざっくりし、中はふんわりのマシュマロ。白いマシュマロと苺のピンクのマシュマロのようです。
SALONE 2007 46

 飲み物はCaffe Latteで。カプチーノと同じような感じでした。この時点ですでに24時過ぎていました(笑)。
 
 今回はこの店の示す方向性が明確に見えたような内容でした。シェフら自ら前回は大人し目の内容だったので今回はインパクトあるものを作り上げたとおっしゃられたように。食材の有する臭みと香り、その調和がこの店の最大の魅力であるように思いました。肉を焼いて滴る脂をリゾットに活かす、魚介を蒸した時に生じる水分をスープにしてしまうなど、素材の力を薄めることなくすべて使い切る料理なので、当然凝縮された臭みも出ようものですが、それすらも上手く魅惑的な芳香へと誘導する力はさすがです。
 来月は26日。今から楽しみです。
 ところで、noodles氏命名で月1回この店に来る会の名前を決めました。
 「サロカマ」と呼びます。何の略なのかは実際来た方だけにお教えします♪

 

 記録はまだ続きます。

「サローネドゥエミッレセッテ」(2)  08年2月~4月

「サローネドゥエミッレセッテ」(3)  08年5月~7月

「サローネドゥエミッレセッテ」(4)  08年8月~10月

「サローネドゥエミッレセッテ」(5)  08年11月~09年2月

「サローネドゥエミッレセッテ」(6)  09年3月~5月

「サローネドゥエミッレセッテ」(7)  09年6月~

 

SALONE 2007 (イタリアン / 元町・中華街、日本大通り、石川町)
★★★★★
5.0