ついに「サローネ」も(4)です。
(1)から(3)までは以下に。
08年8月26日に8月のサロカマです。
20時半から開始。
noodlesさん(レッド ストライプ
)
palmeritaさん(遊食な日々
)
ricetta-casualeさん(偶然のレシピ
)
アフロディーテさん(スピリチュアル女性起業家のblog
)
次回は9月30日(火)の夜20時半からです。お時間のある方はぜひご一緒に。
CENA Corso di 8 piatti 10000円
今月までは樋口シェフがリードするコース料理。トスカーナで修業した澤藤シェフが新しくサローネに加わりましたので、来月からはまた新しい変化がありそうです。
本日のひと串はA5ランクでもさしの入りが抜群のものをやや厚めに切って。
いつまでも白トリュフの香りと牛の脂の余韻が旨味となって口の中に残り続ける。至福の時間です。
今までの中でも一番良いかも。ぜひ2串食べたい(笑)
Insalata)青柳とオレンジのインサラータ
シチリアーノ時代からつながりのある築地の卸が直接漁協に注文して直送してくれた船橋沖の青柳。通常、養殖のように太らせてから出荷する青柳ですが、これは海から上がって一度も真水で洗わない状態でこちらまで届いているそうです。
この新鮮な青柳にオレンジのジェラートとトマトのジェラートを薄い板のように重ねてのせ、オレンジの剥き身も添えています。この甘みと爽やかさは秀逸。青柳も無駄のないアスリートのような引き締まり具合で美味しい。上にはディルとルッコラの野生種セルバチコです。苦味と香りの強いこの葉野菜をあわせてくるところがたまりません。
すごく美味い。
本日はハマグリではなく、浜名湖の身のぷっくり大きなアサリを使っています。これに鮭のように大きかったというスズキ。スズキは弾力のある皮とその際がクニクニしてまた美味い。ポロ葱は珍しく細かくばらけていました。蛤は使っていないはずですが、ぼくのには半分に切った蛤みたいなものが入っていましたが…あれはアサリだったのかな?
この日のスープの温度はやや低め。もっと熱々が好みです。
ところで本日のパン。いつもより小ぶり。中をふわふわさせずにもっちり感を出したものに微妙に変えているそうです。パンを食べ過ぎる人がいて料理の最後まで行き着かない人のためだとか。
この香りにやられます。使っているのは日進のカメリアの小麦粉だということですが…。
Cucchiaio)メカジキのボリート
ワンスプーン料理。本日はカジキマグロの白皮と呼ばれる部位を味わう趣向。大トロのような部位だそうです。これを65度の温度の魚介のだし汁で温める。この温度加減が絶妙で、身のもつ旨味が外に逃げ出さないという話どおり、その身のうまさは秀逸。間に挟みこまれているのはシチリアのパンテレリア諸島の塩漬けケッパーのペーストとローストした松の実にミントの葉。独特の香りあるケッパーの塩味にミントのさわやかな香りとガツンと利いた香ばしさの松の実で実に美味い。
Pasta corto)ラビオロアッペルト モンサンミッシェル産ムール貝、白いんげん豆とともに
開いたラビオリという名の料理。
ハンディビデオ用のちいさなDVD程度の大きさのラビオリはやや厚めでむっちり。この2枚のパスタ生地の間にパッキーノトマト、白いんげん豆、ビエトラというイタリアの葉野菜に小さなムール貝の煮込みがはさまれています。
使ったのはモンサンミッシェル産の小ぶりのムール貝。仮死状態で真空に密封して空輸されてきているそうです。凝縮された貝のうまみを持つムール貝は実に良い味わい。
ビエトラは結構クセのある感じですがとても良い緑の味わい。白いんげんもにんにくなどと煮込んでいるそうですが柔らかく美味しい。
スープがもちろんまた美味しいのでパンですくって全部食べてしまいます。
Piatto di carne)仔牛のレバーペーストと季節のフルーツ
埼玉県産の仔牛のレバーペースト。牛乳で臭みを抜き、カカオやシナモンで風味をつけているそうです。これをのせているのがパーネモリーカというセモリナ粉100%のパン。一晩寝かせてゴマをつけて焼いているそうです。表面のゴマの香ばしさがすごい。
上にのっているのはローストしたピスタチオに甘酢で漬け込まれたソルダム。シャクシャクしたこの果実は酸味が強く、正直ぼくは苦手です。全部一緒に食べることでなんとかなりました。
そして、脇に添えられているのがジビッポディパンテレリアのフリッツァンテのゼリー。微発泡している白ワインだそうで、そのアルコール分が結構残っています。これをのせて食べる。アルコール大好きな皆さんはとても良かったみたいです。
Pasta lungo)タリアテッレ 仔牛のオッソブーコのラグーソース
これがまた激ウマのパスタでした。
たまねぎ、トマト、サフラン、白ワインなどで煮込んだ仔牛のすね肉中心で骨髄が溶け出ている極上の濃厚ラグー。トマトとサフランの旨みも加わり、ここにさらにペコリーノフォッサとラグサーノのチーズを削りかけています。
タリアテッレもまた自家製で結構厚め。ガッツリといただける仕上がり。
Carne)白金豚のスペッツァティーノ メロンとリコッタチーズ添え
白金豚ばら肉を白ワインとたまねぎ、トマトで煮込み、トロトロの柔らかな角煮のような仕上がりに。メロンは生。イタリアの魚醤ガルムと唐辛子の粉に漬け込んであるそうです。これが辛い! かけてあるのはリコッタチーズにマルサラ、シブレット、トリュフオイルのソースです。
Dolce o Formaggio)レモンとアーモンドのタルト 夏のフルーツのカポナータ 又は、本日のチーズ
チーズはブルーデルモンヴィーゾ。カビの青さはほとんどありませんが、しっかりアオカビらしい香りがします。これに栗の花の蜂蜜。リンゴのコンポートに黒胡椒も添えられています。
レモンの香りのするアーモンド風味のタルトです。カダイフに砂糖をかけて焼いたものをのせ、さらに砕いたアーモンドの煎餅をのせ飾っています。添えてあるシャーベットはパイナップル、キウィ、松の実、イチゴ、レーズン、フランボワーズを凍らせて刻んだもの。
Caffe o Te)カフェまたはティー
最後の締めはマッキアートでお願い。
ここで澤藤シェフが加わったことを強烈に印象付けてくれるお茶菓子が登場。コースは基本的に変わらないものの、これだけは彼の色が強く出たそうです。
ローズマリーの強い香りのするビターで甘い生チョコレート、ポレンタのクッキー、カリフワッとしたカカオのメレンゲ、オレンジのセミフレッドのワンスプーン、オレンジピールです。今までは単品だったものが盛り合わせになると豪華。新しいシェフが入ったことで弱かった面が増強されたと感じます。
今夜もまたすばらしい。いや、今まででも1,2を争う仕上がりでした。
人数も少なかった分、藤巻さんも面白いアプローチをしてくださり、ワインも充実していました。
08年8月27日昼の来訪。
昼に出先から帰ってきて午前中公園に遊びにいってくれていた家内と娘をすぐに車に詰め込んでランチへ。
本当の目的はNTTdocomoで家内の携帯を新しくすることなのですが。関内で買い換えるという理由をこじつけてきました。
先客は一組だけ。娘連れですのでご迷惑をおかけしていると思います。
Pranzo Corso di Siciliano 3000円
昼のランチメニューは細かなところがいろいろ変わっています。最初はとうもろこしのスープだったのですが、この日は人参のスープ、1週も経たないうちにカボチャのスープに変わっていました。毎日行っても楽しいかも♪ 肉料理もこれを書いている時点でイベリコ豚のサルシッチャに変わっていますし。
Zuppetta)人参のズッペッタ
赤というよりもオレンジ色の摩り下ろしに近いドロッとしたスープ。これが人参の甘さと旨みもたっぷりで娘がかぶりついていただいてしまう。見かねた藤巻さんがもう一皿出してくださいました。ありがとうございます。
上にはオリーブオイルとクルトンのようなザクザクしたパンです。サローネに通っていると、オリーブオイルだけは浮気せずにこれ!という味わいがあります。この皿にもそれを感じます。
パンはいつもの白いもっちりパンに夜は出たことがないバゲット。
その後にはフォカッチャが出ます。塩分が強いので夜には出てきませんから、この美味しいフォカッチャを食べたい方は昼にも来るしかありません。
Piatto Freddo)鱸のカルパッチョ
昨晩にも出た巨大なスズキのカルパッチョです。上には砕いたナッツと刻んだ小ネギ。下には花ニラなどの緑野菜と甘酢漬けの人参と玉ねぎです。昨晩のソルダムと違ってこちらは穏やかな酸味。まるでソースに漬け込んだようなスパイシーさです。
Primo Piatto)タコのラグーとタジャスカオリーブのリゾット
家内と娘がいただいたのはこのリゾットです。たこの足ではなく頭のほうのほぐれた身とタジャスカオリーブにセロリの葉がその香りをお互いに高めあうような味わいでトマトベースのしっかりした旨みが素晴らしい。この出しの中には先ほどのスズキの頭も入っているそうです。
Primo Piatto)乳のみ子羊ラグーソースのタリオリーニ
キターラのような太目のタリオリーニ。トマトやサフランとともに煮込まれた乳のみ仔羊のラグーが激ウマ。上にはチーズ。これは美味い。娘もリゾットよりチュルチュルのこちらの方に夢中でした。前回の昼の印象よりもより夜との融合が進んでいる気がします。
ところでここで藤巻さんからのサービスの品が娘に。ポモドーロでも使われているトマトのソースとトマトに固くなったパンをあわせてチーズを削りかけオリーブを回しかけた賄い。トマトソースが美味い。
Secondo Piatto)短角牛のボリート
赤身が美味いと評判の短角牛。これを65度という旨みの逃げない温度でじっくり火を通したロースとビーフのようなお肉。ロースとビーフの中央だけをいただいているような仕上がり。
上には刻んだイタリアンパセリ、下には白いんげん豆とジャガイモのピュレです。
Spaghetti)スパゲッティ・ポモドーロをお好きな量で
定番のポモドーロ。ぼくは50gでいただきました。
Dolce)小さなドルチェ
オリーブオイルのジェラート、サクサク凍ったチョコレート味のプリンのようなカッサータ(でしたっけ?)、昨晩もいただいたローズマリーの利いた生チョコレートです。
Caffe o Te)コーヒー、エスプレッソまたは紅茶
僕は紅茶、家内はコーヒーといつもと逆でいただく。そのためか出されたのも逆でした。気にしない方なので取り替えて終わりですが…西嶋君もまだまだですね(笑)
08年9月30日のサロカマの報告です。
オリジナルメンバー6人にお一人ゲストをお迎えして7人で楽しく時間を過ごしました。
noodlesさん(レッド ストライプ )
ひらめさん(よこはま おひとりさま道中記
)
palmeritaさん(遊食な日々
)
ricetta-casualeさん(偶然のレシピ
)
アフロディーテさん(スピリチュアル女性起業家のblog
)
CENA Corso di 8 piatti
澤藤シェフが加わることで新たな展開を見せています。
シェフが二人いることでお互いが忘れていた技法を思い出したり引き出したりできるのが良いそうです。とくにサローネが弱いと自認していたデザートが強化されたのがみなうれしいそうです。
Inizio)山形牛サーロインのスピエディーノ
今回もほぼ定番となったこの一皿から。今回中のジャガイモのピュレはとろけるような仕上げではなく、むっちりとお餅のような歯ごたえでニョッキに近いものとなっています。白トリュフオイルの芳醇な香りはやや少なめですが、しっかりと主張されています。サーロインはやや中にあわせたのか固めに仕上がっています。毎回、今回が一番美味しいのではないかと思ってしまいます。
Piatto corto)アーティチョークのスフォルマート
スフォルマートとは野菜のペーストに小麦粉や卵を混ぜて型に入れて焼き、チーズとクリームを合わせたソースをかけたものだとのこと。このニュアンスで一度解体し、アメリカのシーザーサラダとあわせたような仕上げを行ったそうです。
下に敷かれているのはロメインレタス。その上にアーティチョークのピュレを白トリュフ入りの蜂蜜とともにのせ、黄身がつまんで持ち上げられるほど充実している嵐山の放し飼い鶏の卵をポーチドエッグにしたものを中央にすえています。上にはアーティチョークのソテー、周囲に網焼きにして塩しただけのジロール茸。クルトンをのせてパルミジャーノを振りかけています。
このポーチドエッグを割って、黄身を絡めながらいただく。白身に生のマジョラムが一緒になっているので香りがよく、濃厚な黄身のうまさ、パルミジャーノの塩気が重なりあってたいへん美味しい。そして、アーティチョークの優しい味わいに蜂蜜の甘さが顔を覗かせる。
香ばしいジロール茸ももちろん大好物ですのでこの一皿の価値を高めていました。
Vapole)佐島港のヴァポーレ
今回も定番のこれ。器がとても熱い状態で供され、スープも熱々です。オレンジの香るスープは透明でありながら、とろりとしたハマグリのエキスが混ざり極上の味わい。
具には張りのある皮まで美味しいスズキ、柔らかなたこ、大振りのハマグリ、ポロネギです。
Cucchiaio)金目鯛のクッキアイオ
本日のワンスプーンはまた秀逸。トスカーナのトンノ・エ・ファジオリというツナと白いんげん豆と生玉葱のサラダをイメージしたもの。
メインはバーナーで炙った肉厚の稲取の地金目です。歯を押し返す弾力が見事なこの金目鯛にあわせているのは、白いんげんのペースト、プリッとした食感の茹でた麦、ざっくりと微塵切りにして食感もよい赤たまねぎの酢漬けでした。一口でいただいたときに口の中で繰り広げられるのは素晴らしい四重奏。…いえ、それだけではありません。炭焼きのような良い香りがこのスプーンからします。炭火と一緒において一晩炭化させた玉葱を崩してオリーブオイルに混ぜておき、沈殿した炭を取り除いたオイルを使っているのだそうです。手がかかっていますね~。
Pasta lunghi)生うにと焼きナスのパベッティーノ
パペッティーノという細めの自家製パスタです。やや柔らかな茹で加減ですが、硬めに茹でてソースと和えている間にこのくらいになるのだとか。ソースは熊本の赤茄子を焼いてブロードに溶かし込み、派キーノトマトを混ぜたもの。うはっ!激ウマです。柔らかいパスタは好きではないのですが、これにはちょうど良い。上には刻んだバジリコとごく薄で小気味良い食感と香りのアーモンドスライス。そして、ニンニクとオリーブオイルに少量のレモンでマリネしたとろとろの生雲丹をソースのようにかけています。生雲丹は臭みなどなく、その甘みと風味がとても好ましいものに。素晴らしい!!
Carne )藁で燻した和牛ハラミのアッフミカート
これもまた面白いアプローチできました。
周辺に立ち込めるのは香ばしい藁の香り。お皿の上にまさに黒く焼けた藁がのっているのです。
メインは脂身がほとんどない赤身の美味さをかみ締められる和牛のハラミ。これを香りとともにいただく。
付け合せにはアニス、砂糖とバターで焼いたリンゴのソテーです。
Piattino)白金豚のパテを詰めたビニエルンゴ
樋口シェフが焼いたエクレアのようなシュー生地のサンドイッチ。このシューのことをビニエというそうです。
この間に挟まっているのは白金豚のパテと豚ほほ肉の生ハムグアンチャーレにエストラゴン、ラディッキオのアンチョビ和えです。
この両端にちょいと置かれている点はパッションフルーツの種でした。これがたったこれだけで酸味のアクセントになっております。
皿の真ん中にある3つの点はローストしたピスタチオのペースト。
手前には砂糖とクローヴで煮込んだルバーブがおいてあります。
なんとも挑戦的な一皿でした。
Pasta in brodo)ホロホロ鳥のアニョロッティ イン ブロード
ホロホロ鳥をローストして肉をほぐしミンチにしたものを中に詰め込んだパスタ。その骨と香味野菜でスープを取り、黒トリュフとワイルドライスを加えています。最後にバターとセージで風味付けを行い、パスとをスープにつけています。
これがこの店には珍しくバターが前面に出ている一皿に。ソースに良く使われるバターとセージの組み合わせを使ったそのスープが美味しいのはもちろん、パスタの中身はチーズを入れているのではないかと思うほどに芳醇な味わいがします。
Dolce o Formaggio)葡萄のスフレ ギアッチャート 又は、本日のチーズ
チーズから。ウブリアーコデルヴィナッチェというほろりと崩れるしっかりしたチーズ。葡萄の搾りかすを貼り付けて発行させたものらしいです。イチジクのモスタルダに干し葡萄、そして、今回の驚きは蜂蜜にありました。
インドのイチジクと呼ばれるサボテンの実を漬け込んだ蜂蜜だそうですが、さわやかな香りと味わいはまるでメロンのそれ。いや、すごい。生ハムとあわせて食べてみたいものです。
デザートは白いココットに。山形のピノノワールを皮まで使って作り上げたスフレ。口に入れると香りと味わいを残して泡のように消え去ります。上にのっているのは葡萄の実とゼリーと甘く煮たその皮です。さらにその上に立てられているのはシナモンの香る薄焼きのクッキーでした。
Caffe o Te)カフェまたはハーブティー
今回も小菓子が素晴らしい。中央のスプーンにのっているのはオレンジのソルベはするりと口でとけるもの。ローズマリーの生チョコレートは前回と同じ。つぎに極小サイズで構成されたモンブランときています。
飲み物はまたマッキアートをいただきました。
08年10月20日のサロカマの報告です。
オリジナルメンバー5人にお一人ゲストをお迎えして休みであるはずの第3月曜日に開催。
幸いなことに鶴見区の同業の方々やカップルの利用もありよかった。
noodlesさん(レッド ストライプ
)
palmeritaさん(遊食な日々
)
ricetta-casualeさん(偶然のレシピ
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アフロディーテさん(スピリチュアル女性起業家のblog
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名古屋からオネエさまがいらして5人で。
足屋のオネエさん(お気楽オネエの能天気ブログ
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CENA Corso di 8 piatti 10000円
樋口シェフと沢藤シェフ。その組み合わせの妙がまた新しい世界へと踏み出しているようです。
Inizio)山形牛サーロインのスピエディーノ
いつものこのメニューから。今回は前回よりもニョッキ的ではなく、適当な口どけ。
Piatto freddo)ペペロナータと的鯛のテリーナ
まとう鯛はイタリアではサンピエトロと呼ばれポピュラーな魚。サンピエトロ寺院のドームにおでこが似ているからとか、イエスの弟子であるサンピエトロが指で押したことによる黒い丸模様がついているからだとかいう由来らしい。これをマンテカートに。干しダラを使ったバッカラ・マンテカートは北イタリアの名物だそうですが、牛乳、エシャロット、ニンニクとともに煮詰めたそうです。この魚のパテを黄ピーマンのマリネでテリーヌにしている。黄ピーマンはとろりとやわらかく美味! 奥にはシチリアはパンテレリア島のケッパーのソース、中央に味わいと塩気が絶妙なシャッカ産の最高級アンチョビ、手前はフランボワーズとパプリカのジェラートです。冷たいジェラートのソースは口の中で刺激的な酸味と冷感♪
Vapole)鮮魚のヴァポーレ
いつもは佐島産とあるのに今回は鮮魚という表記に。これは具に使われているスズキ、たこ、蛤、ポロネギのうち、佐島の蛸が産卵期に入って味が落ちているので、明石の蛸に切り替えているためです。いつもはコルクとともに煮てとても柔らかな蛸が、この回だけはブリブリした小気味よい弾力で吸盤が美味しいなぁと感じるものになっていました。これはこれでもちろん美味しい。いや、いつものものよりもよいかも。味が落ちるといえば、最近は底にしいてあるポロネギの形が崩れていることが多い。以前はやや厚切りで底に丁寧に置かれていたのですが。これも時期による出来の違いなのかな? 熱々でオレンジが香るスープはいつもどおり美味しい。
と、ここで、水を注文。
フィレッテ
になっていました。5月からエレガントな包装にかわったようです。
Pasta con gamberi)ラザニエッテ アーティチョークと赤エビのソース
ラザニアを1/2~1/3に切ったラザニエッテ。間にはソテーしたアーティチョークをはさんでいます。
ソースには赤えびの殻と味噌でだしをとり、バジリコを混ぜたものを。これにローストした香ばしいピスタチオを。パッキーノトマトも使っています。上にはフリットにした赤海老の身にエストラゴン。海老の出汁で十分に美味しいところ、これらが相乗効果をもって楽しめるところがこのお店の味わいの深さです。
Piattino)秋の茸のブルスケッタ
イタリアの町並みにありそうなジャンクな外観の一皿。これもまたリストランテらしい仕掛けがなされています。一番上にはラルド、コロンナータの豚背脂の生ハムです。塩気が利いていてたまらない口当たり。その下にはグリルしたジロール茸。香ばしく美味しいこれは藤巻氏もワインがすすむという代物。これにマリネされた和柿が一緒になっています。その穏やかな甘みが絶妙。一番下には本体であるトスカーナ風の塩なしのパンです。上の具に合わせて塩気を抜いたそうですが、合わさるところまで考えて作られているところに、藤巻氏が樋口シェフの料理を「製作途中のひとつひとつは美味しくないが合わさるとものすごく美味しくなる」という言葉を思い出します。上にはひよこ豆をローズマリーで煮てペーストにしたものが塗られていました。一つ一つが驚きの作業の連続で成り立っています。
Pasta con selvaggina)トレネッテ エトフェ鳩のラグー
フランスの山鳩をつがいで日本に連れてきて、茨城県で育てているそうです。これがその鳩をエトフェでしとめてローストし、香味野菜とともにとことん煮込んでから骨からすべて取り外してラグーにしたものだそうです。このラグーに自家製の太目のパスタをあわせ、胡桃のペーストとともにたっぷりのペコリーノウンブレーゼをかけた一皿。レバーのような地の味わいが結構強烈なので、食べ手を選ぶパスタかとも感じましたが、他のメンバーは絶賛。こういう食べ物に慣れてきているのだろうと藤巻さんも言っていたような…。たしかにもともと臭いもの好きが集まっていますし(笑)。
Cucchiaio)鴨と洋梨のクッキアイオ
これまたすごいワンスプーン料理。フランスの鴨のローストし、2枚あるそれの間に生のオレンジ、洋梨のモスタルダ、36ヶ月熟成のパルミジャーノ、ルッコラのペースとはさんでいます。ローストした鴨が火入れがよいので口の中でかみ締める間に鴨らしいじっくりした旨味が広がる。そこにオレンジの酸味、洋梨の甘み、パルミジャーノの香りが合わさっていつまでもモグモグしていたい…あれ?ルッコラのペーストはよくわかりませんでした(笑) 一口だとどうしてもわからないものも出てくるなぁ。
Carne)猪のサルシッチャをはさんだ庄内豚のコトレッタ
山形の庄内豚のロースをたたいて伸ばし、衣のようにしてカツレツとしてあげた料理。
中には猪のサルシッチャをハーブ、アーモンドとともにたたいて具にしてつめています。
間には生のズッキーニ、ラディッキオ、爽やかな青トマト、パキーノトマトのスライスを添えていました。
このカツレツをいただくのに、ソースは赤ワインのソース、ケッパーのソース、そしてローズマリーとレモンの皮、オレンジの皮を混ぜ込んだトラパニの塩がついています。塩で食べるのが好きなのですが、ローズマリー塩は美味しいなぁ。
それに生のイチジクが添えてありました。
Dolce o Formaggio)栗のドルチェ又は、本日のチーズ
チーズから。ぺコリーノウンブロエトルスコです。以前も食べました。蜂蜜は前回と同じメロンの味わいが口に残るインドのイチジクというサボテンを漬け込んだオレンジの葉の蜂蜜。
ドルチェが明らかにかわりました。沢藤シェフの力ですね。
上を飾っているのは栗の粉と小麦粉のクッキー。黒胡椒や丁子、八角などもつかっているという栗のソルベにはシナモンの香りが。その下にはマスカルポーネと栗のクリーム、控えめに甘く煮た栗、ジェノア、そしてそこにエスプレッソとチョコレートのソースです。
小菓子は長持ちしないものばかり。
中央からスプーンにのせられたイチゴのジェラート、口に入れるとホロリと崩れるパローネ、ローズマリーの生チョコレート、ポレンタ、グレープの皮のコンフィチュール、バーチェ(?と聞こえました)、サクッと軽いカラメル、アーモンドプラリネです。