毎月通わせていただいているこのお店の記録も文字数制限の関係ですでに6番目となりました。
「SALONE 2007(サローネ ドゥエミッレセッテ)」(☆☆☆彡)
http://www.salone2007.com/
極上中の極上。
ここは間違いなく横浜随一のリストランテ。密度が濃いとぼくがうらやましがる東京まで含めてもトップクラスに値します。
二人のシェフが織り成す極上の料理、ソムリエによる手頃でありながら味わったこともないようなワインの選択、居心地の良い接客と空間…良きパートナーと一緒であれば、きっと時間を忘れられる場所です。
住所:横浜市中区山下町82-3シタラビル1F
電話:045-651-0113
定休:日曜/第1・3月曜
営業:12時~14時/18時~21時
本日は仕事がやや長引き、10分ほど遅れたが全体で始まったのはもっと遅かった。
3月のディナーメニュー 10000円
毎回楽しみなコースメニュー。最近ではこれに近いものが3500円で「バカリ」で食べられるというので、そちらにも久々にいきたいです。
Inizio)山形牛サーロインのスピエディーノ
いつものひと串ですが、今日のはジャガイモのペーストがいつもよりも多目で肉の外にあふれ出している!? 食べるとその旨味も濃く感じる。部分的には以前感じたニョッキ的ムッチリ食感部分も。
樋口シェフが頭にスカーフを巻いて食事の進行を見に来ることがこの日は多かったので、徐々に増えている厨房の他のスタッフに作らせているのかなと推測。
Patto freddo)ホワイトアスパラガス プロフーモ ディ マーレ
横に1本色がついたホワイトアスパラガスが。上にはスペアミントで飾りエクストラバージンオイルのフラントイアを振りかけてあります。最近はホワイトアスパラガスの一台輸出国となっている南米はペルーのものだそうです。この色は駿河湾の赤海老、白身魚、アスパラの皮の出汁汁で煮ふくめてその旨味と香りを吸収させたもの。くたびれずに程よい食感に煮られたホワイトアスパラガスはとくに海老の香りがとても素晴らしいし美味しいのです。
手前のペーストはローストしたノチョーラ、シチリアのヘーゼルナッツです。口にすると最初は微妙に甘く感じ、そのあとに甘さは消えて香ばしくまろやかな口当たりが。アスパラガスとあわせて食べると味わいが何倍にも広がります。海老とヘーゼルナッツだなんて、こんな組み合わせ考えられません!
奥のグラスにはソフリットした野菜をつかったトマトソースのジェラート。旨味とトマトの酸味が驚くほど濃いカキ氷と言った方がよいかも。合わせて食べるよりもヘーゼルナッツの風味をさっぱり流すのに良さそうです。
Vapole)鮮魚のヴァポーレ
今回のヴァポーレは五島列島から直送された新鮮な黒鯛、明石の蛸、茨城のハマグリにポロ葱です。
熱々で濃厚な魚介から出たスープとオレンジ風味のオリーブオイルの組み合わせに刻んだイタリアンパセリは相変わらずの美味さで、これがあるとホッとします。
お店が始まった当初は新鮮な素材が手に入る佐島の魚介を使っていたのですが、輸送技術の発達した今日、良い素材を求めるとやはり全国に素材が散らばるのは自然の成り行きですね。ちょっと寂しい気もしますが。
アランチーニは小さなオレンジに似たシチリアのライスコロッケ。大きすぎるので半分に切ってドーム状にしての提供です。外側の衣はパン粉を取るためだけに澤藤シェフが焼いたパンのパン粉を2度つけてあげた厚めの衣。
カリッと感よりもむっちり柔らかい触感で割れば、中には桜チップで燻された黒鯛を中央に仕込んであるサフランで煮込んでいるイタリア米のリゾットです。咽ぶほどに香る燻製の香りは凄いですね~。その香りが強いためにサフランが良くわからないもしますが、パキーノトマトもちょっと入って味はとても良いのです。珍しくボリュームがある一皿ですが、試作段階ではこれが丸々1個だったというのですから驚き。この比率を崩したくなかったとの樋口シェフのお言葉。
ソースは鹿児島産のグリンピースのピュレを魚のあらでとった出汁で伸ばしたもの。グリンピースはなんて美味しいのだと再認識させられます。
Pasta regionale)フィオッキ ホロホロ鳥のパテをのせて
これが本日は一番気に入ったお皿です。
澤藤シェフの修行先北イタリアピエモンテ州の名リストランテ「フリッポー」のスペシャリテのフィオッキ。小麦、卵、牛乳、ほうれん草のペーストを大穴の卸し金のような専用の道具でお湯の中で摩り下ろすように押し出して作るショートパスタ。固めのてんぷらくらいでクニュッと良い食感に加え、バターとトリュフオイルで仕上げられたその味と香りの極上さはいろんな人に教えてあげたくなります。
この上のベージュ色のメダリオンのようなものはふわふわの口当たりのホロホロ鳥のパテ。その上にサルデーニャのグランサルドという羊のチーズです。ハードタイプで香り高いチーズでした。
Cucchiaio)本鮪のクッキアイオ
本日のワンスプーンは表面を炙った本鮪です。その上にチョコッとホースラディッシュが。
さらに上にぼくの好きな香りよいディルを飾り、下には根セロリのピュレで、リキュールのフランジェリコに漬け込んだドライフルーツの杏、洋ナシ、レーズンが潜んでいました。ドライフルーツの甘さを感じ、それに鮪の赤身の旨さが重なって、最後まで鮪の味わいが口の中に残ります。
Pasta lunghi)ルンゲッティー 白金豚のスティンコのラグー
スパゲッティーの生パスタ、ルンゲッティー。以前もここで食べたことがあります。
高く盛り付けられたルンゲティーにたっぷり絡められているのは、白金豚のすね肉を煮込んで生のトマトを加えたラグー。ローストした薫り立つピスタチオにシチリアのモディカ牛の乳で作られたラグサーノチーズをたっぷり振りかけてあります。柔らかめのルンゲッティーはラグーをすくって食べるにはちょうど良い組み合わせ。いつもいただくような乾麺のスパゲッティーとはかなり違います。
中にはオレンジとセロリをソテーしてバルサミコでマリネしたものが潜んでいました。セロリはともかく、オレンジの酸味はスパゲッティーとあわせるのはちょっと好みに外れているかも。
Carne)馬ヒレのアッロスト イタリアの春野菜を添えて
65度の低温で1時間ゆっくりとローストし、旨味を閉じ込めたノルマン種の馬ヒレ肉が2枚。
グラニュー糖をキャラメリゼし、レモンとライムの果汁で伸ばし、スーゴディカルネという肉のだし汁を混ぜたソースをかけています。肉のコクを深めるソースですね。上に細切りのレモンの皮をのせて爽やかさと苦味を加えています。
添えてあるのは苦味のあるラディッキオとこれもほろ苦い油菜科のチーマディラーパというイタリア野菜、肉厚なフィノッキオのソテー。
Dolce o Formaggio)ラベンダーのクレームブリュレ アプリコットジェラートのティンバッロ または、本日のチーズ
今回のハチミツは2本差しのスプーンが印象的。
奥はゴルゴンゾーラドルチェに栗の花のハチミツ。
手前はモリーゼ州の水牛のチーズにトリュフの香るハチミツ。
デザートはラベンダーのクレームブリュレです。苦味の強い焦した飴の下は日本のものとは違って枯らしたラベンダーを使っているそうですが、ものすごく香りが強いのです。
添えてあるのはあっさりした牛乳のリゾットを冷やしたものの上にサックリとした食感の固めのチョコレートのメレンゲ、アブリコットのジェラートです。この組み合わせがとてもマッチしています。
Caffe o Te)カフェまたはティー
飲み物はカプチーノをいただく。
お茶菓子は今回ホワイトチョコレートのセミフレッドが中央に。
09年4月17日の来訪。
本日は時間を間違えて早めについてしまった。
そのおかげでしょうが、西嶋君が新たなアイスティーを用意してくれました。
三大紅茶のうちのひとつ、キーマンのアイスティーです。香りが古い絨毯のようなのでそれほど好きではなかったのですが、これは美味しいなぁ!
CENA Corso di 8 piatti
4月のディナーメニューです。
Inizio)山形牛サーロインのスピエディーノ
いつもの一皿も毎回その違いが感じられます。今日はとにかく塩梅がよいということにつきます。そして、胡椒を強めに感じました。もちろん、美味しい!!
Patto freddo)天然鯛のブレザオラ タルターラグロッサ
ブレザオラとは塩漬けのことでヴァルテリーナ地方の名物とのこと。普通は牛肉でやるらしいのですが、ここでは長崎は五島列島の天然鯛を3枚に下ろしてから塩でしめたそうです。これを1cm角の大き目の大きさのタルタル仕立てに。キューブ状のシャクシャクした酢漬けのりんごとエシャロット、スペアミントの葉を飾り、ローストした砕いたピスタチオを結構多めに振りかけています。下の緑のソースは鹿児島の新物のグリンピースと林檎のペーストです。四方に配されているのはリンゴのジュレ。
歯ごたえあるしっかりした天然鯛の塩漬けに香ばしいピスタチオとミントの香り、グリンピースの青いうまさとリンゴの甘さが複雑に混ざり合い、「サローネ」っぽい味になっていました。これは混ぜて一緒に口に運ぶのが一番楽しめます。
Vapole)鮮魚のヴァポーレ
今回は石鰈です。うなぎのようなヌルリとした皮にしっとりした白身。縁側が入っており、そのゼラチン質と白身がとても気に入りました。蒸し煮していますので刺身のような歯ごたえはないのですが、やはり美味しい部位なのですね~。
他の具はいつもどおり、明石のタコ、茨城のハマグリ、ポロネギです。振りかけられたイタリアンパセリにオレンジ風味のオリーブオイルがなんとも美味しいなぁ。ここにもいえますが、塩のバランスが本当に良い。
ちなみにこの日のタコは藤巻氏絶賛の味わい。固いのではなく歯で噛むときの弾力が好ましいものでした。
Pasta lunghi)タリオリーニ 赤海老とサルサトラパネーゼ
シチリアのトラパニ地方風にトマト、バジリコ、生ニンニクのソースで絡めた手打ちパスタタリオリーニ。
この上には冷たい具として、塩でしめオリーブオイルでマリネした赤海老、エストラゴン、糖度の高いフルーツトマトを乗せ、リコッタサラータディペコラというしおづけにしたしょっぱいがミルキーな口当たりのチーズとアーモンドスライスを振りまいています。
前菜系パスタといわれるだけあってほんのり暖かい。
いつもは好きなエストラゴンですが、ソースが十分に美味しかったので、この日はやや過分に感じました。
Freddo e caldo)兎のサルシッチャのクレスペッレとゴルゴンゾーラチーズのジェラート
これがまた新機軸の料理です。先月は王道の味に復古することを目指してコース組みされたそうですが、常連の方から大人しいことを指摘され、やはり方向性としてまたぶっ飛んだほうに進んでみたのだそうで(笑)。
クレスペッレとはクレープのこと。
新鮮な秋田県の大兎をハーブとスパイスでたたき作ったサルシッチャを苦味のあるイタリア野菜プンタレッラとともにペコリーノを使ったベシャメルソースのようなクリームソースとあわせクレープに巻いて焼いてあります。かなり抑えられているもののやはりハッとするような兎の肉の匂いにクリーミーなソース、プンタレッラや上にかかっている胡桃の苦味が楽しめます。こんなアプローチは確かに記憶にない。焼いたチーズも一緒にかけられていますでしょうか。
添えられているのはゴルゴンゾーラのアオカビの匂いが香るジェラート。意外に甘くゴルゴンゾーラ臭くはありません。匂いの強めな兎なだけにあわせていただき、まろやかにいただくのもよい組み合わせでした。
本日のワンスプーンは今日一番記憶に残る品。
茨城のエトフェした小鳩の胸肉のローストです。その下にはシチリアのジビッポディパンテレリアに漬け込んだフォアグラムースのキューブ。スプーン上にはアマレットでマリネした栃木のイチゴのピュレ。
一口で食べざるを得ないのですが、それがたしかに面白い。
最初にシナモンを利かせたイチゴの甘みと酸味がブワッときまして、フォアグラのマッタリした脂の味わいが広がり、エトフェにより血を残した鴨の肉の風味が最後に感じられます。ローズマリーを利かせてあるそうですが、この鴨の味は鴨~~~~!!と最後の最後まで口に残ります。それがまたワインにあうのだそうで、飲めない僕には残念至極。ジンジャーエールだとさっぱり洗い流されてしまいました。こんなときは損です。
Pasta corta)マルタリアーティ 鳩のラグー ラベンダーの香り
マルタリアーティは変形パスタの総称らしいです。やや厚めの平たいパスタ生地がたっぷり。
これに絡めてあるのは先の料理の鳩の内臓を除いた残りを丸ごと赤ワインと香味野菜とともに煮込んでほぐしペースト状にしたラグー。乾燥したラベンダーの風味を加え、たっぷりとラグサーノチーズをかけた後に食用の夏スミレを飾っています。
マルタリアーティ自体は低加水で作られ、厚めだからザクッとした食感を楽しめるようになっていました。
Carne)キャラメリーゼしたイベリコ豚のアッロースト
ここまで肉らしい肉を見るのも珍しい。そして運ばれてきたときからキャラメリゼの香りに圧倒されます。
イベリコ豚のロースを65度で1時間塊のまま低温調理し、表面をさらにソテーしつつ、シチリア産オレンジの花の蜂蜜でキャラメリゼしてあります。ソースは蜂蜜とバルサミコに豚のスーゴ(出汁)を加えたソースで。低温調理自体は旨味を逃さず良いのでしょう。実際、脂身の旨さもとても良かったです。できれば、シンプルに塩胡椒でグリルしただけのものと食べ比べてみたいけど…。
添えてあるのは少し固めに仕上がっているスフォルマート。イタリアで好んで食べられているものだそうですが、それほど好きではないかも。ブロッコリー、チーズ、卵、牛乳を材料に焼いたものだそうです。上にはペコリーノチーズ。
そして、コーヒーでマリネしたチコリを低温調理してソテーしたものがついてきます。コーヒーが香るものですが、苦味が強いのでそれほど好きな付けあわせではありません。
Dolce o Formaggio)2種のババロアのミッレフォーリエまたは、本日のチーズ
チーズは料理王国用にそろえたという新しい皿に。左はタレッジョ、右はサルヴァです。
サルヴァはロンバルディア地方のセミハードの牛乳のチーズ。タレッジョは同じくロンバルディア地方のウォッシュタイプの牛乳のチーズ。熟成が進んで刻がありました。これにトリュフ入りの蜂蜜がスプーンに。
ババロアのミルフィーユ仕立てです。2種類と表記されていましたが、実際は一番下にカスタードのようなクリームが。パートフィロに薄く糖分を抱えて焼いたものをはさみ、アニス、フェンネル、紅茶、ミントのババロアがむっちりとのせられています。今までになくデザートらしく美味しい。ソースはマンダリンオレンジのソースです。これに彩りのためか火を通したパイナップルと酸味の強いラズベリー。
Caffe o Te)カフェまたはティー
飲み物はマッキアートを眠気覚ましに。
小菓子は今回パンナコッタがスプーンで出されました。
そういえば、早くついた分、樋口シェフが一人で暇している僕のところに来てくださいました。ブログをよく見てくださったのだそうで。。。これも読まれているかと思うと緊張します。ありがとうございます。
それにサローネも満席のことが多くなり、調度品にも多少の余裕が見られます。洗面にはチェストが入り、ダイニングには葡萄模様の入った床置きの照明が加わりました。チェストの中身はつい確認してしまうのが人の性でしょうか(笑)。
09年5月の来訪。
飲み物はまずアイスティーから。キーマンベースのアイスティー。
2杯目はアールグレイです。ベルガモットの香りが以前より弱いといわれましたが、ぜんぜん強かった。
Inizio)山形牛サーロインのスピエディーノ
いつものつきだしはこれ。今日あらためてよく見ると、中のジャガイモのペーストが「の」の字になっている 。つまり、ややレアに焼いたA5ランクの牛肉にテロンとペーストを広げて、一緒にくるくる巻いてから串でとめている。白トリュフオイルの香りと黒胡椒の刺激が気持ちよかった。
Proposta di pesce)ミントをまとったカジキマグロと4種のグースト
藤巻プロデュースの一皿。いつものサローネですと重ね合わせて盛り付けるところで、バラバラに美しく配し、口の中であわせていただくという趣向になっています。こちらの方がスタイルとしては新しいのだそうです。グーストとは調べてみると「味・香り・好み・喜び・楽しみ」などと訳 されるそうです。
左から低温調理して火を入れたカジキマグロで表面にはミント。イギリスはマルドンの塩をつかって味付けしてあるそうです。この食感はしっとり感がなくなり、繊維がほぐれるほど独特の柔らか。賛否分かれそうでぼくはカジキマグロ生で食べたかったなぁと思う。
次は同じ大きさに切りそろえたフローレンスフェンネルと玉ネギをオリーブオイルとビネガーでマリネしたもの。フェンネルの強い香りと玉ネギの辛味が心地よい。
そして、これ以上に旨味の濃いものはないと思えるほどのセミドライのパッキーノトマト。
一番右の黒い点は10種類はあるオリーブから選択された香りの強いタジャスカオリーブをソテーしたエシャロットとともにペーストにした薬味。これがすごい香りです。
あわせて食べるといつものサローネらしく相乗効果で美味しいですね~。
Vapole)鮮魚のヴァポーレ
本日は青森のイシガレイ、明石の蛸、そして愛知のアサリです。アサリは昨年8月以来。殻を開けると中が身でパンパンなくらいだと言われていました。後日スーパーで愛知のアサリ見つけまして、たしかに殻からあふれるほどパンパンでした。そちらは美味しく自分でヴァポーレにさせていただきました。
Pasta lunghi)トレネッテ シチリア産ケッパーとペッシェラグー
これがまたガッツリ美味いパスタ。トレネッテはやや平たいリングイネのようなものでリグーリア州のパスタだそうです。これが自家製で結構ガッツリ感のある噛み応え。
これに絡めているのは五島列島産真鯛のラグー。パンテレリアの塩漬けケッパーにアーモンド、イタリアンパセリのペーストを溶かし込んでいるそうです。酢漬けでは得られないケッパーらしい香りに力強いアーモンドも良いのですが、この皿できわめて異彩を放っているのはローストしたヘーゼルナッツ。わざと荒く砕いたこれがガリッといただくと塩気と香りが驚くほど美味い。
Piatto caldo)カダイフに包まれた金目鯛 パプリカのペースト
これぞフレンチまで含めても一流店である証。
稲取の地金目鯛にマジョラムの葉を貼り付けてカダイフを巻いてローストしたものがメイン。サクサクのカダイフの中にしっとりした力ある味わいの金目が素晴らしい。
この下にはリゾセルバチコという野生種のお米に刻んだ香味野菜が敷かれています。
黄色いソースはパプリカのクリーミーなペーストで、これがまた美味い!!!
Cucchiaio)リードボーのクッキアイオ
今回のワンスプーンのテーマは時間差。
メインはリドボーのソテーでその下にはフレッシュ間を残したリンゴのモスタルダ。
イタリアのアーモンドパウダーを使った焼き菓子であるアマレッティを砕いたもの、アーモンド風味のリキュールであるアマレットのゼリー、酢漬けのエシャロットなどがのっています。
最初にリンゴの香りがしてアマレットが香り、リドボーの脂の味わいが余韻として残ります。その時間は20秒以上かけて移り変わる。面白い一皿です。一口料理だからこそ体験できます。
Fagottini)水牛のチーズにのった乳飲み仔羊のストゥッファートのファゴッティーニ
この日はどの皿も実に良かったのですが、これが一番よかった皿です。
まずお皿からミルキーな香りが立ち上っています。まさか乳飲み仔羊ということはないでしょうから、上にのっている削りおろしたペコリーノチーズの香りなのでしょうね。
ストゥッファートとは蒸し煮のことらしい。この柔らかく蒸し煮した乳飲み仔羊の肉をペーストにしてイタリア風餃子であるファゴッティーニの具に。ソースはクリームにペコリーノチーズを混ぜ、甘いマスカットの香りが特徴であるジビッポディパンテレリアに漬け込んだレーズンの風味を移したもの。これが絶品!美味すぎます! 舐めるようにパンですくい取り食べてしまいました。
ソースとファゴッティーニの間には余熱でとろけているモリーデ州の水牛のチーズ。上にはスペアミントの葉と削りおろしたペコリーノチーズ、そして件のレーズンでした。
ミルキーさを前面に押し出した極上の逸品でした。
Carne)仔牛フィレ肉とフォアグラのサルティンボッカ
ローマ名物のサルティンボッカ。たたいた仔牛の肉にセージをはって生ハムを巻き、バターで焼いたもの。簡単にできるこの料理をサローネ風に手間をかけています。
仔牛のフィレ肉を塊のまま低温調理し、切ってからセージを貼ってフォアグラと一緒にオーブンへ。生ハムが焼けすぎないように後から巻いて余熱で火を通したのだとか。かけられているのは牛のだし汁のソース。
添えられているのは生たまねぎのジャムとオレンジのゼリーです。
Dolce o Formaggio)苺のズペッタに浮かべたサンブーカのセミフレッドまたは本日のチーズ
チーズはこれまた新しいお皿で。中央に砕いた黒胡椒。
右上はイタリアはローマの有力貴族コロンナ家が作ったオリーブ。
左上は前からよくいただくウブリアーコデルヴィナッチェ。葡萄の搾りかすを貼り付けて蜜蝋に閉じ込めて熟成させているので赤ワイン的な香りがします。
左下はシチリア産の牛乳で作られたラグサーノチーズ。
右下のスプーンにはゴルゴンゾーラドルチェです。この店にあって熟成が進んだゴルゴンゾーラドルチェの中央をすくい、栗の花の蜂蜜とともにいただきます。柔らかくクリーミーで旨味と香りが強い。
デザートは苺のスープの中にムースを浮かべています。サンブーカはエルダーベリー(にわとこの実)とリコリス(甘草)をスピリッツに浸漬、蒸留したイタリアの特産酒だそうですが、これをセミフレッドに。セミフレッドらしいのですが、ムースみたいになっていました。ミントで飾り、上にはコーヒー味の飴の板のようなチュール。
Caffe o Te)カフェまたはティー
ミニャルディーズはこれで。
この日も素晴らしい1日でした。
最後にシェフとスタッフの4人を。
「サローネドゥエミッレセッテ」(7) に続きます。