毛髪の「硬さ」とは ~コルテックスとキューティクル~ | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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「髪が硬い」


という悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか。


針金のようにちくちくしていて、

保湿感が少なく、基本的にぱさぱさ。

手ぐしを通すとごわごわで、触るのも嫌になる・・・



男性であれば最悪短髪にすれば済む話でもありますが、


女性の場合はかなりのコンプレックスになりますね。
(もちろん弾性でもすごいコンプレックスに思っている人もいるでしょう)



無理やり縮毛矯正をするとこれまたまさに針金のようにピンと張った髪になり、

女の子らしいサラサラヘアーとは程遠いという。



たまに男子でもそういった剛毛がコンプレックスで

縮毛矯正かけて不自然にまっすぐの前髪をした人を見かけることがあります。



気に入っているのならあまり口出しすることでもありませんが、

やはり前髪だけ日傘のようになっているととてもみすぼらしいですよね(´・_・`)




実は縮毛矯正については技術者の技量にもよります。


「硬い髪」にパーマや縮毛矯正をかけるのは非常に難しいからです。


かなりの技術力と経験がなければ、硬い髪に思い通りのパーマや矯正を施すのは至難です。

そこらへんの駆け出し美容師にはまず無理でしょうね。




逆に


「髪が非常に柔らかい」


という悩みの方もいらっしゃるでしょう。


僕もすごい軟毛なのでパーマなしでは

トップにボリュームがでないのが悩みの種です・・・(^_^;)


しかしこっちの場合は硬毛の方に比べれば大した悩みでもないですよね。




このように

毛髪には「硬毛(剛毛)」「軟毛」があり、

つまり毛髪は人それぞれ「硬さ」が異なるということです。



今日はこの毛髪の「硬さ」の違いについてのおはなしです。



◎毛髪は「硬い」が基本



まず最初に基本として認識してもらいたいことなんですが。


「毛髪」ってものすごく硬いものなんです。



髪の毛を作っているタンパク質は「ケラチン」と呼ばれるものです。



このケラチン、毛髪以外にはどのようなものに含まれているかご存知でしょうか。


ひとつは「皮膚」です。

これは大した硬さに感じませんが、そもそも皮膚の厚さは0.02mmです。

そんな薄さで僕らのカラダを守っていることを考えると、その底力が見えてくる気もしますね(苦笑)


そして人体で骨の次に硬い「爪」もケラチンです。


これは明らかに硬いでしょう(^_^;)

しかもある程度の柔軟性もあるので非常に頑丈です。



さらに人間の枠を超えると、

魚や両生類の「ウロコ」や、甲殻類の「カラ」をはじめ、

亀の「甲羅」や哺乳類の「ツノ」なんかは超硬いですよね。



お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、

結局ケラチンは大きくなればなるほど硬い物質になるわけです。



これはそもそものケラチンが超硬度の物質であることを示しているのですね。



ですので、

髪の主原料自体は非常に硬いものなのだということはまず知ってほしいところです。



◎髪の硬さの原因① 毛髪内部の「ケラチン密度」


まぁケラチンの硬さを考えればこれは当然のことですが、

髪の硬さはケラチンがどれだけ凝集しているかが重要です。




毛髪の構造は上の図のようになっています。


最も髪の「硬さ」を左右するのは上のコルテックス領域です。

コルテックスとは意味的にも「複雑」みたいな意味なんですが、

ケラチン分子が非常にランダムに結合し合っている部分なんです。


なのでこの部分は人それぞれそのケラチン密度がまちまちで、


凄く密にケラチンが詰まっている人もいれば、

スカスカで空洞が多い人もいるわけです。



コルテックス領域の空洞は毛髪の吸水性に大きく関与していて、
コルテックスに空洞が多い程毛髪の吸水性は上がります。
吸水性が高いことは一見保湿感のある髪をイメージしますが、
毛髪は水を吸えば吸うほど化学的にも物理的にも強度が下がってしまうため、
一概に吸水性の高い髪が良い髪であるとは言えません。
「傷みやすい」髪はこのような髪のことを言います。
ダメージを受けて毛髪内部のケラチンが流出した髪も、一部このような状態になっています。



なので、

密にケラチンが詰まっている人は髪が頑丈で硬いですし、

空洞が多くてスカスカの人は髪が柔らかくて脆いのです。



どちらが良い髪なのかを判断するのは長所短所あるので至難ですが、

どっちにも行き過ぎないのが一番いいのかもしれませんね(^_^;)



さらに毛髪の硬度を左右するのはコルテックスだけではありません。



◎髪の硬さの原因② キューティクルの枚数



もういっかいこれ貼りますね(笑)




ご覧のように、毛髪にはコルテックス領域の外側を守る

「キューティクル」

と呼ばれる領域があります。


キューティクルは皆さんもご存知の通り毛髪に光沢を与えるとともに

毛髪の内部構造(コルテックスやメデュラ)を守る為の外皮膜物質です。


キューティクルは毛髪の外側面に隙間なく張り巡らされていて、

それがレンガや魚の鱗のように幾重にも積み重なることで毛髪を守っています。

そしてそのキューティクルは人によってその枚数が異なっています。


まず一つ毛髪の硬さを決定づけるのが、このキューティクルの枚数です。

これはさきほどのコルテックス領域の話と同じで、

ケラチンが主原料の物は、大きく、多くなれば硬くなるということですね。


一般的にはキューティクルの枚数は2枚~7枚程度と言われていて、

これが毛髪の「太さ」も左右しています。


当然キューティクルが多い人のほうが少ない人より硬い髪になります。



またキューティクルの枚数が多いほうが外刺激にも化学刺激にも強い髪になります。
しかしパーマなどでは薬剤が浸透しにくく、うまく浸透力を上げられなければ強力な薬剤を長時間作用させることになり、髪のダメージにつながる可能性があります。
またこのような髪の場合うまく施術できない美容師もたくさんいます。


とはいえキューティクルが少なすぎる人もそれはそれで外刺激に弱くなるので

これも一概にどっちがいいかというのは難しいですね。




さてここまで毛髪の強度を左右する要素についておはなししてきましたね。


しかし実は

髪の「硬さ」を左右する原因は実際にはこれだけではありません。


髪の毛の内部や外部が固くても、

それが剛毛につながるとは必ずしも言えないのです。



なぜなら毛髪が固く強靭でもしなやかで美しい髪の持ち主は少なからずいますよね。

仲間由紀恵さんとかの髪をイメージしてもらうとイイかと思います。




つまり硬すぎて扱いきれないという「剛毛」は、

また別の要素が絡んでくることになります。


そして上で紹介した髪の硬さについては

遺伝的なものなのでなんとも対処が難しいですが、
(軟毛の場合は色々できますが)


ある別の要素については自分の手でケアすることが可能です。

この要素を理解して正しくケアできれば、

例え髪の毛の地が硬くても

しなやかに、軟らかくすることができるのです。




(つづく)






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