追記2あり・「ここまでやっちゃっても大丈夫。それでもPerfumeはぶれない」by あ~ちゃん | 音楽三昧 ・・・ Perfumeとcapsuleの世界

追記2あり・「ここまでやっちゃっても大丈夫。それでもPerfumeはぶれない」by あ~ちゃん

さて今日は『Spending all my time』のリリースに関連した、Perfumeのインタビュー記事がナタリーのweb記事で公開され、早速読んでみた。




オレは『ROCKIN'ON JAPAN』を皮切りに『日経エンタテインメント!』『音楽と人』、『TV Bros』・・・・とPerfumeと同時に中田ヤスタカ氏のインタビュー記事を読んで、いくつかのインタビュー記事はBLOGでもご紹介してきた。







それで、ファンの中でもこれらの一連のインタビューを取り上げて、その解釈をエントリーに書いている方々もいらっしゃったが・・・・ オレにはピンとこず・・・・ というか、むしろ、






"ちょっとそれは違うんじゃないか・・・・・  インタビュー記事がまた一人歩きしてるじゃないのか・・・・・ "







と読んでいて感じてしまったエントリーもあったが・・・・ それを反証できる確証も、オレは持ち合わせていなかった。


しかしナタリーのインタビュー記事を読んで、一連の内容がすべてオレの中でつながった・・・・ かなりスッキリした(笑顔)。









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ライター : かしゆかさんは前回のインタビューで『海外進出する上で、既にある日本語の曲を英語詞に変えようとは思わないけど、英語のための曲を新しく作るのはありかもしれない』と言ってましたが、まさかその次のシングルが『英語のための曲』になるとは思いませんでした。」



かしゆか : まさかですよね。私も全然予想してませんでした。」



ライター : ということは、今作が英語詞なのは海外をターゲットにしているから?」



あ~ちゃん: 本人に聞いたわけじゃないんですけど、多分中田さんは海外を意識されてこの曲を書いたと思います。世界を相手にするなら、これくらいはっきりやっちゃったほうがカッコいいし。


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しかしだ。当の本人の中田ヤスタカ氏はこのように語っている。






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中田 : 僕には世界を狙って、標準的なものを作ろうという気持ちは全然ないんです。



中田 : 僕が作っているのは完全に日本の音楽です。今も昔もそれは変わらない。外国のことは分からないから合わせることもできないですし。」


中田 : ただ、世界中のどんな音楽でも、その音が生まれた環境、例えば目に見える風景や接する人たちなどに少なからず影響を受けるはず。


                                          『日経エンタテインメント!』2012年9月号より   


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中田氏とあ~ちゃんの認識にズレが生じていることが興味深い。

しかしだ。このインタビューではあ~ちゃんはこのようにも語っているのが印象的だ。






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あ~ちゃん: そういえば、実はちょっと反省してることがあって・・・・。」



あ~ちゃん: なんのレコーディングだったか忘れちゃったんですけど半年くらい前に、録音が全部終わってスタジオに誰もいなくなってから、私と中田さんと、Perfumeがインディーズ時代からお世話になってるヤマハの人の3人だけになったことがあったんです。そのときに『最近の曲、ちょっと似通ってきちゃったかな』と思って、中田さんに『今度はちょっと違う感じの曲が欲しいです』って言ったんですよ。




あ~ちゃん: ポップでキャッチーな曲は大好きですし、中田さんからいつも曲をいただけて本当にありがたいですし、中田さんのファンなんですけど・・・・ 、たまにはちょっと変わった曲をシングルにして違う一面を出したり、もう少し自分たちのイメージを広げていきたい、みたいなことを言ったんです。もしかしてそのせいでこの曲になったのかなって(笑)。



ライター : 中田さんがその要望に応えてくれたのかも、と。」




あ~ちゃん: 中田さんは『まあ、俺次第だからね。リズム変えたりとか、なんでもできるし』、『じゃあ歌詞が何もない曲とかいいかもね』みたいな感じに言ってて。そのときはなんとなくニュアンスが伝わったかなって思って『あっ・・・・、ああ、楽しみにしてます!』って返事したんですけど、まさかこんな全部英詞の曲になるとは思ってなかった(笑)。」


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"インディーズ時代からお世話になってるヤマハの人" というのは、おそらく中脇雅裕氏(yamaha music communications)のことを差しているのだと思う。




それでこの話を聞いていると、やはり中田氏は海外進出を強く意識して、『Spending all my time』を提供したとはとても思えないのだ。





そして・・・・・





やはりそうなのだ。Perfume側、少なくともあ~ちゃんは『JPN』から『Spring of Life』という、正統派POPSの流れを踏襲した一連の流れに対して、





"最近の曲、ちょっと似通ってきちゃったかな・・・・・"






と感じていたようだ。しかし本人たちは切迫した危機感を抱いていたというわけではなく、






"徐々に・・・ 少しずつ・・・・ 自分たちの新しい側面を引き出していきたい・・・・"





と考えて、その意向を中田氏サイドに投げかけていたことが、このインタビュー記事から垣間見れる。


その投げかけで仕上がってきたのが、『Spending all my time』という楽曲ということだろう。


何も"ネ申" の気まぐれだけで仕上がってきた楽曲ではなく(苦笑)、既にPerfume側からの伏線があったのだ。それに対して中田氏はむしろPerfumeのことを考えて、『Spending all my time』という変化に促す刺激をPerfume側に与えてきた。



しかし・・・・ それはメンバー側にとっては急激で大きな変化に感じられてしまったということのようだ。だがメンバーは、それで立ち止まらないのが・・・・ いかにもPerfumeらしい。










そしてむしろ、このあ~ちゃんのこの認識が重要で、非常に妥当だと思う。






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あ~ちゃん: 前にライブに来てもらったときに感想を聞いたら『自分の音が大きい会場でデカい音量で聴けるのが最高!』って言ってたのを思い出して、『あー、もう中田さんは自分の作る曲が大きい音で流れることしか考えてないのかなー?』って寂しくなっちゃって(笑)。中田さんとは長年一緒にやらせていただいてるし、私たちのことをすごく考えてくれてると思ってたのに、『あっ! 自分の活動のほうを優先しちゃった!』ってびっくりしてしまいました。


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あ~ちゃん: 前略・・・  そして『ここまでやっちゃっても大丈夫。それでもPerfumeはぶれない』って、中田さんが自信を持ってくれたんじゃないかなって。私たちが中田さんの音楽をすごく信頼してることを、中田さんはきっとわかってくれてて、だからこそもっと踏み込んだ作品にしようと思ってくれたんだなって感じるんです。自分の活動に走ったわけじゃなくて。(笑)」


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なんや、かんやいっても・・・ やっぱりあ~ちゃん、"ネ申" のことをよく理解しているじゃん・・・・(笑顔)








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中田 : そのための "説得力" として必要なのが、キャッチーな楽曲と、歌う人だけがまとえる音や言葉なんですよね。

                                          『日経エンタテインメント!』2012年9月号より   


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<○追記>



昨日、新しい作品を試聴して、『Spending all my time』から『ポイント』のつながりが秀逸すぎてオレは驚いたが・・・・・


中田氏が『Spending all my time』をA面に持ってくるというよりは、『Spending all my time』から『ポイント』という絶妙なつながりを考慮して、単純に作品の第1曲目にしたかったのではないだろうか。





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あ~ちゃん: この曲をA面にするか、B面にするか、それとも入れないかっていう会議が何回かあったんですけど、でも結局『中田さんがこれをA面にしようって思ってくれてるならそうしたほうがいいよね』って話になるんです。」


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"ネ申" よ・・・・・ 素晴らしい曲順を我々に提示してくれて・・・・・ ありがとう・・・・・・ (笑顔)















<○追記2 : 15日pm19:30>



このナタリーの記事を読んだ後、もう一度『Spending all my time』のリリースに関連した、一連のPerfumeのインタビュー記事を読み返してみた。



当然のことながらインタビュアーやライター、編集者の話の引き出し方や切り口、内容や言質の取捨選択、それを文章にしたときの構成で、本人たちは同じことを説明していてもニュアンスが変わってくる。




しかし、どのインタビューでも共通して出てくるのが、、






"中田さんは海外を意識されてこの曲を書いたと思います"






というところだろう。たぶんファンには、各インタビューで共通して繰り返し取り上げられる "この部分" の印象が強くなっていたのだろうか。




しかしだ。それ以外の部分では各インタビューでは差異があり、何か一連の流れを感じないぶつ切りの内容。

そういう意味では、このナタリーのインタビュー記事は "問題提起とその解決" のような一連の流れでまとまっているようにオレは感じた。




そして、一連のインタビュー記事の中ではこのナタリー記事が、『Spending all my time』に対する彼女達の思いが最も伝わってくるような気がした。







そしてオレは・・・・ 彼女達に中田氏が語った、この言葉を贈りたいと思う。






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中田 : 僕が作っているのは完全に日本の音楽です。今も昔もそれは変わらない。


中田 : 昔、あるジュースの会社が、フレッシュジュースを届けるために鉄道を引いたというのがあったけど、それと同じで、ネットが進化したから、日本で作った音楽が、物理的距離を超え、世界中で聴いてもらえるようになっただけだと考えています。


中田 : つまり、日本にいると自ずと日本の音になると思うんですよね。そういう "日本っぽさ" を、他にはないと受け入れてくれる人が増えているのだとしたら、それはうれしいですね。


                                          『日経エンタテインメント!』2012年9月号より   

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