福岡さん、お一ついかが?!(笑) Multi- cellular技術が新たな響きを我々に・・・ | 音楽三昧 ・・・ Perfumeとcapsuleの世界

福岡さん、お一ついかが?!(笑) Multi- cellular技術が新たな響きを我々に・・・

今回のエントリーも "Perfumeを無理やり絡めた、自己満足な趣味的エントリー" と揶揄されてもおかしくない内容であり、かなり長文なので、苦手な方々はスルーして頂ければ幸いだ(苦笑)。




さて、オレの趣味は"音響" であることは、このBLOGをよく訪れる方々は既にご存知だと思う。




またオレは音響関連の雑誌をよく購入するのも、このBLOGに頻繁に訪れる方々はご存知かもしれない。それでクルマのオーディオに手を出して、はやくも15年前後になるのだが、それも影響して民生用を対象とした音響雑誌はほとんど購入せず、業務用音響雑誌を購入することがかなり増えてきている。その筆頭は『サウンド&レコーディング・マガジン』で、このBLOGのエントリーで取り上げることも多い。


それで、なぜクルマのオーディオに手を出してから業務用音響雑誌を購入することが増えたかというと "車内はお世辞にも、音響環境環境としては良い条件とはとても言えない、というよりも、むしろ劣悪な音響環境である" というのが大きい理由だ。




しかし、これはLive会場にも言えることでもある。もちろん音響を高いレベルで考慮した会場も存在するが、とうぜんmultipurpose的な会場がLive会場として選ばれることも多く、その場合はお世辞にも音響環境環境としては良い条件とはとても言えない会場も多い。


したがって、Live会場の音響を担当するPAエンジニア、特にF.O.Hエンジニアは "劣悪な音響環境下でも、できるだけ良い音作りを目指す" というのが彼らの使命でもあり、その仕事の醍醐味だとオレは考えている。またオレがクルマのオーディオに取り組むモチベーションも同様なのだ。




そのような意味で、劣悪な音響環境のクルマのオーディオを取り組む場合にも、かなり参考になる技術やアプローチ、考え方のエッセンスやそのヒントが、PAエンジニアを取り上げた業務用音響雑誌には含まれていると思うので、購入しているのだ。



さて、その業務用音響雑誌に『PRO SOUND (ステレオサウンド社)』というものがある。これはかなりマニアックな雑誌で、まず通常の書店でお目にかけることは少ない。まぁ、ほぼ業界誌だ。




しかし、なぜだかオレ自宅の近隣の書店ではこの雑誌が置いてあるところがあり(苦笑)、面白い記事が書いてあると購入している。






それで・・・今月号である『PRO SOUND』2012年8月号では非常に注目すべき内容だったので、早速購入してみた。



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さて少し話が変わるのだが、今年の前半に行われた東方神起の『LIVE TOUR2012~TONE~』。そのTourにおいて、4月には東京ドーム公演・3daysが展開されている。オレの知り合いが参戦したので、その模様を参考までに聞いてみたのだが・・・・・ 驚いたことがあった。




何でもその知り合いは、





「 "ディレイスピーカー" を目撃しなかった」





と語ったからだ。オレは東京ドームほどの会場で "ディレイスピーカー" を設置しないなどありえない・・・・ 懐疑的に思った。 そしてその音質の傾向を尋ねてみる。知り合いはホームベース方向のスタンド席だったが、





「 反響も少なく、音ズレもほぼ感じなかった。音圧も十分で鮮明性も高かった」





という答え。ディレイスピーカーを設置しないで "音圧も十分で鮮明性も高かった" って・・・・ これもにわかには信じられなかった。そんなことって・・・・ あるのか??・・・・







という経緯が以前にあった。それで書店で『PRO SOUND』2012年8月号を見かける。目を通すと、東方神起の『LIVE TOUR2012~TONE~』の東京ドーム公演に関する技術的なレポートが書いてあり、これでオレの懐疑的な考えは完全に払拭された。






なるほど・・・・・。




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ライター : 我々が取材に訪れたのは4月16日、『東京ドーム』追加公演の最終日。音響を担当する"MSI JAPAN" の主宰、藤井修三氏からのオファーを受けてのことだった。」


ライター : その内容は『東京ドーム公演でディレイタワー無しで挑戦します』というにわかに信じがたいアナウンス。会場の容積・形状・集客数を考えると、これまでの常識からは考えにくいトライアルだ。」


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本当だった・・・・ 。しかもだ。その音響面を担当しているのが、これまでPerfumeのLiveパフォーマンスを音響面から支えてきた"MSI JAPAN" なのである。 これは注目せざるおえない。



さらに・・・・だ。










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ライター : ハウスミックス(F.O.H)を担当するのは "HITEC" の村田孝氏、システムエンジニアは"MSI JAPAN"の菅原拓哉氏が勤めている。」


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これは・・・・ Perfumeファンとしては益々注目せざるおえない。





なぜって、それは何をかくそう『Perfume 3rd Tour 「JPN」』の音響面を統括する"Sound coordinator" を務めたのも、この村田孝氏だからだ(ちなみに村田氏に関してはこのBLOGにてよく取り上げさせてもらっている。追加・武道館公演時の村田氏の様子を取り上げた『"コントロール・ブースの神々" に人間味が宿るとき・・・・・ ①』というエントリーがある。よろしければご参照されたい)。





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* "Perfume 東京ドーム " のチャプターの20:03付近。中央の人物。向かって左はチーフ・マネージャーの福岡氏。会員限定のものなので、ある程度自主規制させて頂いている。



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さてこの東方神起の東京ドーム公演はどうやら、本当にディレイスピーカーを設置せずに実施したみたいだが、それを達成したのが・・・・ イギリスのMartin Audio社が開発した、その名も、





『MLA』(Multi- cellular Loudspeaker Array)





という次世代ツアーリングシステムを投入していたからだ。




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通常、アリーナやスタジアム、ドームクラスの会場で用いられるPAシステムは"線音源" 方式の『ラインアレイスピーカー』と呼ばれるシステムであることは、このBLOGを頻繁に訪れる方々ならご存知だと思う。



それで『Perfume LIVE @東京ドーム(2010年)』、『Perfume 3rd Tour 「JPN」(2012年)』などにおいては、L-ACOUSTICS社の「V-DOSC」を投入していた(ちなみに「V-DOSC」が登場したときは "PA界に革命をもたらした" とまで言われた画期的なものだった)。





それでこの『MLA』は線音源方式でもなく、また点音源方式でもなく・・・・





" Digital Signal Processer(DSP)" と呼ばれる半導体技術をを結集させた"Multi- cellular" 方式を導入した、次世代のPAシステムなのだ。





詳しい技術的解説は次回のエントリーに書くとして、簡単に要約すると、24本のエンクロージャー(アレイ)で構成されたシステムは、各帯域を担当するスピーカーユニット(総数144個)が独立して駆動する素子(cell)みたいな動作をする。その個々の素子の音響特性をDSPを用いて、独立して制御できるようなシステムになっている。





そして、もう一つ特筆すべきは、この方式を用いるとカバレッジ(対象範囲)から外れる音波をかなり減衰できる、すなわち "音漏れ" が非常に少ないらしい。





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今までの線音源方式の『ラインアレイスピーカー』では、放出する際の音波をなるべく整え、干渉や反射による明瞭性や音圧の低下を抑制しようという設計思想だった。




しかし、この『MLA』は素子を独立して制御できるという利点を生かし、音波が到達するエリアの音響特性を予測し、そのエリアでの音響特性が最適になるように、個々の素子が放出する音波を独立制御するという・・・・ これこそ・・・・ 






まさに逆転の発想の設計思想だ。これは目から鱗だなぁ。






それで実はこの『MLA』をMSI JAPANが導入するというニュースを、今年初めに公式HPでオレは見たような気がするが・・・・ 

MSI JAPANの公式HPのレンタルサーバーシステム障害の為、更新情報が消失したらしく、確認できなかった(苦笑)。しかしこういうのが残っていた。









しかしスピーカーユニット・144個を素子として独立して制御し、しかも放出された音波をリスニングポイントごとに予測して、適宜その音響特性を整えていくって・・・・ これは本当にすごい技術だ。すごい時代になったもんだなぁ・・・・。




ただし、オレのクルマで用いているプロセッサーに搭載されたDSPの技術である"タイムアライメント" や"アクティブ・クロスオーバーネットワーク"などは、その源流を辿ると『MLA』と同様の技術を用いているのだ。まぁ、規模が違うけど(笑)。






したがって、これもDSP技術の恩恵の一端なのだろう。こういう技術が開発されると、今までの音響関連の定説や常識がまた変化していくなぁ・・・・ こういう変化に追随できるように日々、勉強しておかないと・・・ いつかはついていけなくなりそうだ(苦笑)。












それで肝心のその音質なのだが、実際にオレは試聴していないので『PRO SOUND』のレポート記事やインタビュー記事で予測するしかない。






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ライター : 冒頭はアリーナ最後方の正面付近で聴いたのだが、音が近く、解像度が良さはきわめて秀逸だ。まるで一般のホールのハウス・ブースで聴くような印象。『ここは本当に東京ドーム?』と呟いてしまったほど。




ライター : また、この会場で必ず経験する反射による音の跳ね返りを全く感じさせない。響きはリバーブ成分だけである。

ライター : ふとスタンド席を振り返ると、その状況を裏付けるかのように、観客全員が手にする赤いサイリウムの動きに乱れがない。この現象は全席に直接音が無駄なく届いていることを意味している。」





ライター : さらにスタンド席へとまわり、3階奥の、ステージから最も遠い席、さらに外周スタンド席の端までそれぞれ確認したがほぼ同じ音質、同じ音圧でどの席でも均一にサービスされていることに2度驚く。客席最深部では地上から35mもあるにもかかわらず、である。」



ライター : さらに驚愕したのが曲間でのMCの高い明瞭度。日本語の滑舌がお世辞にも良いとは言えないメンバー2人の囁きまでしっかりと届き、その内容を克明に聴き取ることができる。 再度言っておくが、ディレイタワーは存在しないのである。


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なるほど・・・・ これは従来の『ラインアレイスピーカー』とは次元が違うぐらいのものらしい。


さらにF.O.Hを担当した村田孝氏の話から、さらにそれが垣間見れる。












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ライター : 『MLA』の第一印象はいかがでしたか。」



村田 : 『K-1(L-ACOUSTICS社の最新鋭ラインアレイスピーカー)』初体験の時も同じでしたが、さらに一般家庭のステレオを聴いているような感覚を持ちました。ハウス・ブースまで70mくらいあったのですが、まるでHi-Fi装置のような印象でしたね。


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おー・・・・ これは凄い・・・ "東京ドーム公演の音質" を話しているようにはとても思えない話しぶり(苦笑)。



しかも、この話は特に注目したい。






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村田 : 前省略・・・ それで言うと今回、音に対する苦情が1件もなかったんです。『東京ドーム』はこれまで何度も経験していますが、規制値が100dBのところをピークで、105dB入ると必ず周辺のどこからかクレームが入ります。」


村田 : でも最終日はアベレージで105dBを超えても苦情がありませんでした。

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おー・・・・ これは本当に凄いなぁ・・・・・ 





オレは『Perfume LIVE @東京ドーム』はアリーナ席で参戦したため、音質・音圧共にほとんど不満がなかった。




ただし、スタンド参戦者の方々からは、その音質・音圧的なもので不満があったことも否めない。特に某超有名ブロガーさんは辛辣だったものなぁ(苦笑)。



その際の反論エントリーを書いたときに "東京ドーム公演の際の地域住民に配慮しての音圧規制" のことをオレは取り上げた。そうなのだ。



実はどんなに高性能なPAシステムを導入しても、ディレイスピーカーをしっかりと導入しても、東京ドーム公演には音圧規制があるために、やれることに限界があるのだ。




しかしだ。この『MLA』を用いれば、東京ドーム公演に参加したすべてに満足がいくような音質・音圧を提供しつつ、地域住民の方々には迷惑をかけないという・・・・ まさに理想的なPAシステムなのだ。









これはPerfumeさんのLiveでもぜひ導入したほしいところだが・・・・ やはり費用の面が・・・ と思いきや・・・・





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ライター : 今回、ディレイタワーを使わずにメインのスピーカー・システムだけで成功されたのですが、営業面も含め、タワーを使わないメリットにはどのようなことがありますか。」



村田 : 音響費は安価になりましたね。通常のドームクラスですとタワーが4本くらいないと均一にサービスできません。むろんスピーカーも増えますし、タワー自体の準備も含め、やはり経費がかかる。また見切れ席も増えます。すべてマイナス要素です。」


村田 : さらに、これはクライアントが一番強く言ったことですが見栄えが全然違うと。真ん中にタワーが建っているとやはり窮屈な感じがする。それがないことで、とても広い会場に見えるとのことでした。」


村田 : また『東京ドーム』だと3000人くらいは集客が変わってきますので、彼らにしてみれば1人でも多くのお客さんに見てもらうことができる。それはやはりうれしいことですからね。」


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なるほど。確かにディレイ・スピーカーを用いないような会場だと、最新技術を投入した『MLA』の割高になるんだろう。



しかし、従来ではディレイ・スピーカーを用いてカバレッジを確保しなければならないような会場において、新たに『MLA』を導入すれば、それによりディレイ・スピーカーを設置しなくてもよくなる。ということは、その分のスピーカー費用や部材費、設置における人件費などが浮いてくるので、結果的に音響費が削減できるのか・・・・なるほど。




『Perfume 3rd Tour 「JPN」』においては、ディレイ・スピーカーを配置していたのは、スタジアムモードだった"さいたまスーパーアリーナ公演"ぐらいだったと思う。

今後再びアリーナTourを展開し、ディレイ・スピーカーを配置しなければならないような会場で『MLA』を投入すれば経費節減でき、且つ素晴らしい音質をオーディエンスに提供できる。





また、確かに東方神起の東京ドーム公演に参加した知り合いは、ステージの見通しが非常に良かったって言ってたっけ・・・・・。


一方、『Perfume LIVE @東京ドーム』ではディレイ・スピーカーをリギングしているタワーの支柱が死角になって観にくかった・・・・ っていう声もちらほらあったと思うが・・・・。










これ・・・・ 再び「東京ドーム公演」が実現できるんじゃないの?! 福岡(Perfume・チーフマネージャー兼AMUSE執行役員)さん!!!(笑) 



 かしゆかのリベンジのためにも・・・・ 再び・・・ いかがでしょうか??








しかも『Perfume LIVE @東京ドーム』よりも高音質でステージングをオーディエンスに提供できる。

しかもビジュアル面でもリギングするタワーの支柱で見切れる可能性も減るし、しかも見切れ席が減って営業的にもかなり有利。





"メンバーが小さく見えるから「東京ドーム公演」は不満だ" という意見もあるかとは思うが、そこは、ほら"ホログラフィック技術" を用いて広大な空間に実験的な要素も組み入れれれば、むしろエキサイティングなLive空間が生まれそうだけどなぁ・・・・ どうだろうか。





別に東京ドーム公演でなくても・・・・ 通常のアリーナでも、PerfumeさんのLiveで『MLA』を投入してくれないかな・・・・ 



せっかく『MLA』を所有しているMSI JAPANがPerfumeさんの音響関連を担当してるんだし・・・・ いかがですか?? 福岡さん!!!!(笑)




っていうか、こういうのってP.T.Aに意見として送っていいのかな??(苦笑)。「Perfumeさんの次のLiveでは『MLA』を導入してほしい・・・」って。これはstaff側からすると、かなりうざいかも(苦笑)。




まぁ、気が向いたらP.T.Aにメールすることにしよう(笑)。










では次のエントリーでは『MLA』の音響技術的な解説をしたいと考えているが・・・・ ニーズがなければやめるかも(苦笑)。















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