合川での滞在時間は4時間ほど。入浴と買い物で約1時間強。花見に費やした時間は3時間弱。ちょうどいい時間だった。花見の途中に上下線1回ずつ列車の通る音を聴いたが、それは心に染み入る正に地方の鉄道の音だった。(写真/合川駅から角館駅行きの急行もりよしに乗車する)


秋田内陸縦貫鉄道
昨年は大館能代空港まで車で来たので、秋田内陸縦貫鉄道の輪行は合川駅-鷹巣駅間に限られた。これからは2012年の12月に訪れた旅と同じルートを辿るので、本日は宿泊先がある阿仁マタギ駅まで乗車し、明日は起終点の角館駅まで行く。前回は雪景色だったので、夏季にこの路線に乗るのは初めてとなる。(写真/運転台後方から前方を望む)



途中の阿仁前田駅では多くの高校生が降りる。本数が少ないので急行券が必要な列車をも利用しなくてはならない。この駅舎には温泉が併設されていて、前回は入浴したが、今回はそこまでの時間はない。

列車を1本遅らせて
阿仁合駅で下車する

先ほど宿に電話を入れ、もう一本遅い列車に乗りたいが、そうすると18時頃の到着になるがいいか訊ねたところ、快諾をいただいた。ならばと、2時間ほどの時間になるが、阿仁合駅で下車することにする。



昨年仕事で秋田市に出張した折、ローカル局のニュースで秋田内陸縦貫鉄道の特集をしていた。その中で、この路線が昔から好きで埼玉県から社員に応募した若者が紹介されていたが、その駅員さんが目の前にいる。彼は日々、多くの観光客に来てもらおうと、情報を発信している。そんな努力が報われているのか、今までのところ予想以上に乗客が多い。


阿仁合駅で降りた目的は、駅舎に併設されているレストランこぐま亭。しかしちょうど営業時間が終了したところだった。sigenaさんにこぐま亭の馬肉シチューを味わっていただきたかったが、「また来る理由ができたね」との言葉に救われる。


さてどう時間を過ごすかが問題だ。駅員さんに訊ねると、阿仁合は鉱山があったので資料館や、ドイツの技師が住んだという西洋建築があるという。さらに内陸線の歴史を紹介した資料館もあるというので、さっそく訪ねてみることにする。


展示されている阿仁合駅のジオラマを見ながら考える。秋田内陸縦貫鉄道は国鉄から引き継いだ後に、繋がっていない二つの路線を結んだガッツのある会社だ。そんな心意気のある鉄道会社だから何としても存続してほしい。私はさほど鉄道に詳しい訳ではないし、民営鉄道にもそれほど乗ったことがないので、よくわからないが、この路線こそが日本の地方路線を象徴するものだと勝手に思っている。


理想の花見 in 秋田 Vol.6に続く