秋田の名湯をはしご
改札口を出るとそこは温泉の入口だった


阿仁前田駅はまるで小学校の校舎のような立派な風貌だ。カラフルで、デザインにも凝っている(写真)。この中には温泉保養施設「クウィンクス森吉」がある。ここも当初の目的の一つだ。図らずも2回目の入浴となる。


 

先ほどの「さざなみ温泉」と同様に鉄分の多そうな泉質ではあるが、塩分はあまり感じない。中には大きな湯船があり大勢の地元客で賑わっている。写真奥の露天風呂は水温の管理が難しいらしく冬場は閉鎖されている。
 
 

再び角館駅行きの普通列車に乗車。本日の宿がある阿仁マタギ駅をめざす。この列車には女性アテンダントが乗っていてバスガイドのように観光案内をしてくれている(写真)。これは有難いサービスで、アナウンスに沿って車窓に目が行く。そういえば今年からこの路線には「あきた美人ライン」という愛称が付けられている。
 
 
回送列車は一日の運行を終え
夕暮れの青い景色の中に溶け込んでいく
 

阿仁合駅で列車を乗り換える。ここから先はさらに乗客が減り5人ほどだけだ。今乗ってきた列車も回送となり車庫に向かう(写真)。薄暗く露出が取れないので、仕方なくアンダー目に撮影すると、暮れ行く青い景色の中に、鉄道の灯が映える写真になる。自分で撮っておいてなんだが、なんとも言えず、旅情をかき立てる風景である。
 

 

後ろの窓から景色を見送る。列車はさらに山の奥へと進んで行く。「分け入っても 分け入っても 青い山」。今は「白い山」だなとくだらないことを考えながら、種田山頭火が詠んだ句が頭を過ぎる。