「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」第10話(最終回)~永遠の約束 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

いつかこの恋を
思い出して
きっと泣いてしまう




第10話
永遠の約束


医師) 脳の神経に、小さな傷ができ、意識不明と
    なっています。正式には、びまん性軸索損
    傷と申しまして、脳の内部で、
神経細胞が
    断裂している状態です。
朝陽) 命に別状はないんですよね?
医師) 例外はありますが。通常は。はい。
    まず、意識の回復を待ちましょう。

**********

明日香) ごめんなさい。
     私のせいで、ケガしてもうて。
     ほっといてくれたらよかったのに。
練) 杉原さんはほっとかない。
  通り過ぎたりしない。

**********

朝陽) 前に聞いたことがあるんです。曽田さんは、
    この手紙を届けるために北海道に来たって。
    僕だったらどうしたかな?って思いました。
    曽田さんみたいにしたのかな?って。
来穂子) しないのが普通じゃないかな?
朝陽) こっちは、彼女が最近書いたんだと思い
    ます。ここに、彼女の本当の思いが書い
    てあるんじゃないかなって思います。
    僕か、曽田さんか。どっちを選んだのか。
    きっと、ここには…。
来穂子) 心配しなくても彼女、
     井吹さんを選んでました。
     今は、恋人として、無事を祈って
     あげればいいと思います。
朝陽) はい。


**********

朝陽) 音ちゃんさ。
音) うん。
朝陽) ずっと言えなかったんだけど。親父から、
    お見合いしろって言われてるんだよね。こ
    の間と話が違うって思うかもしれないけど。
    結婚ってなると、立場的に一人じゃ決めら
    れないんだ。距離を置くっていうか。
    別れようか?
音) ごめんなさい。
朝陽) えっ?
音) 私がそんな嘘つかせてる。
朝陽) 嘘じゃないよ。
音) 嘘だよ。
朝陽) 嘘じゃない。
    僕はもう君のこと好きじゃない。
音) 私はもう決めて…。
朝陽) 決めることじゃない。
    恋愛って決めることじゃない。
    いつの間にか始まってるものでしょ?
    決めさせた僕が言うことじゃないけど。
    君が寝てる間に、お母さんの手紙を読んだ。
    僕は一番の人じゃなくていい。2番目でいい
    って言ったけど、間違ってた。大切に思う人
    に、順番なんてつけられないんだから。
    ごめんね、悩ませて。
    君に甘えて、逃げ道ふさいでた。
    僕を、選んだら駄目だ。
    僕はもう、君のこと好きじゃない。はい。
    いつかまた、ご飯食べに行こう? 4人で。


**********

小夏) よく受かったね。
晴太) 嘘つくの得意だしね~。
    人をだますのなんて簡単だしね。
小夏) こないだ、ここの人が言ってたの。
    子供って嘘つくじゃん?
    子供が嘘をつくのは、本当のことを言って、
    信じてもらえなかった時からなんだって。
晴太) ふ~ん。
小夏) 晴太。私には嘘つかなくっていいよ。
    っていうか、私は、春太の嘘もホントも
    全部まとめて、信じてあげる。意地悪
    なとこも、あまのじゃくなとこも、子供っ
    ぽくて生意気なとこも全部。そしたらい
    つか晴太も素直に。
晴太) (鼻をすする音)
小夏) どしたの?
晴太) (鼻をすする音)
小夏) どうしたの? 何?

(頭に着ぐるみを被る晴太)
晴太) (鼻をすする音)
小夏) 泣いてる?

(小夏を抱きしめる晴太)
晴太) 小夏ちゃん。
小夏) うん?
晴太) 俺、小夏ちゃんのことが好きです。
    初めて会ったときから、大好きです。

(着ぐるみを被ったまま小夏にキスする晴太)
(着ぐるみを外す小夏)
(小夏にキスする晴太)

**********

(ハートの海苔つきの可愛いお弁当)
加持) 佐引さん。
    それ誰に作ってもらったんすか?
佐引) いや、うるせえ。見んな。
嘉美) ちょっと見せて見せて。ハート!
佐引) うるさいです。黙りましょ。
嘉美) 彼女できたの?
佐引) うるさい、うるさい。
加持) 佐引さん!


**********

(音がお母さんに宛てて書いた手紙)

お母さんへ。
お母さんに手紙を書くのは何年ぶりかな?
久しぶり。お母さん。
音は、27歳になりました。
とっても元気にしています。
音は今、なんと、東京に住んでる。
雪が谷大塚という坂の多い町で、
一階にラーメン屋さんのあるアパート。
今はずっと、介護の仕事をしています。
立派な資格も持ってるんですよ。
休みくれとか、もっと給料くれとか思う。
大変は大変。
でも、ありがとうと言われると、
頑張ってよかったなって思える。
努力って、時々報われる。
お金はたまらない。
でも、私には足りてる。
ちょっとのいいことがあれば、
夜寝るときに思い出せる。
やさしい気持ちになれる。
寝て起きたら、次の日が来る。
私には、思い出が足りてる。
坂の上に立つとね、
東京の夜の街が見渡せるの。
そこで、会ったことのない人のことを、
想像するのが好きです。
今あの鉄塔の下で、
女の子がマフラーを落とした。
パン屋の男の子が拾ってあげた。
ありがとう。気を付けて。
深夜の町を走り抜けていくバス。
後ろから3番目の座席に座った、
引っ越し屋さんと、介護福祉士さん。
お疲れさまでした。お疲れさまでした。
この町には、たくさんの人達が住んでるよ。
時々思うの。
世の中って、きれいなものなのかな?
怖いものなのかな?
混ざってるのかなって思った。だから、
きれいなものは探さないと見つからない。
そんなことを教えてくれた人がいた。
一人で見る景色と、
二人で見る景色は、全然違ってたよ。
お母さんにお願いがあるの。
私の恋を、しまっておいてください。
私ね、お母さんが言うとおり、
好きな人と出会えたよ。
ちゃんと恋をしたよ。
6歳の私に教えてあげたい。
あなたは、いつか一人じゃなくなるよ。
その人は、トラックに乗って現れる。
トラックの荷台には、
たくさんの桃の缶詰が積んであって。
あめを一つあげると、
ばりばりと噛んで食べる。
恋をすると、楽しかったことは2倍になるよ。
悲しかったことは半分になるよ。
それまで待っててね。
頑張って待っててねって。
この恋は、私の大切な思い出です。
お母さん。
どうか、しまっておいてください。
大好きなお母さん。また手紙書くね。
じゃあね。  杉原 音

**********

電・練) 杉原さん。杉原さん、今どこですか?
電・音) 何?
電・練) アパートの前にいます。今どこですか?
電・音) 北海道やけど。さっき着いたとこ。
電・練) いいんですか? それじゃ…。
電・音) 振り出しに戻っただけや。またこの町で
    暮らすだけ。何も変わってへん。道も、駅
    も、ファミレスも、全部そのままや。切るで。
電・練) 待ってください。
電・音) 何?
電・練) 俺、まだ返事もらってません。
    俺、そっち行きます。月曜の夜、
    6時に待ってます。
    あのファミレスで待ってます。杉原さん。
(通話の切れる音)

**********

練) ありがとう。
  勝手なこと言ったのに、来てくれて。

音) いえ。
練) このたびは、お悔やみ申し上げます。
  おばさんは? お体の調子は?
音) 足があんまりよくないから。
練) じゃあ、杉原さんがずっと?
従業員) お待たせ致しました。
音) ありがとう。
練) ありがとう。
  びっくりしました。急に引っ越しされたんで。
音) すいません。
練) いえ。ただ、空っぽの部屋見たら、何か。
音) そうですか。
練) あの部屋気に入ってるって言ってたから。
音) 最悪の部屋でしたよ。結露ひどいし、毎日
  換気しないとカビ生えるし。駅から遠いし。
  エレベーターな
いから。
練) お仕事も、辞められたんですね。
音) やっと。
練) ずっと頑張って。
音) 頑張ったんですけどね。5年も働いて
  1回も給料上がんなかったんですよ。
  最悪な職場でした。
練) 送別会…。
音) 東京の話はもういいです。別に、特に
  嫌なことしかなかったから思い出したく
  ないんです。もう忘れま
した。
練) 少しくらいいいこと…。
音) なかったです。東京でいいこと1個も
  なかったです。もういいですか?
練) 何か、食べませんか?
  俺、おなかすいてるんで。
音) 一人で食べればいいじゃないですか。
練) 杉原さんとご飯食べるの、久しぶりだから。
音) 別に。
練) 簡単なのでいいんで。早く食べるんで。
  一応、二人分頼みますね。前来た時は、
  何ハンバーグ頼んだんでしたっけ?
  じゃあ、大根おろしのと、デミグラスのと、
  2つ頼んで分けましょうか。押しますね。
(チャイム)
練) ハンバーグセットの、
  大根おろしと、デミグラスの。
音) トマト。
練) 大根おろしと、デミグラスの、2つ下さい。
従業員) かしこまりました。
練) 前みたいに分けますね。
音) トマト。
練) えっ?
音) 前頼んだんは
  トマトソースのと大根おろしのや。
練) あっ。
音) もうええよ。
練) ああ。そうだ。トマトの。
  おいしかったですよね。
音) 覚えてないから。
練) フッ。杉原さんあの時…。
音) 何?
練) 「東京の家具屋さんは広いから、
  道に迷うって本当ですか?」って。
音) 言ってません。
練) 言いましたよ。迷いました?
音) 家具屋さんでは迷ってません。
練) どこで迷ったんですか?
音) 六本木ヒルズ。
練) フッ。
音) 何で笑うんですか?
練) 杉原さん、六本木ヒルズ行くんですか?
音) 東京に住んで6年だったから、
  そりゃ何回かは。
練) あそこ、こう(上を見上げる)なりませんか?
音) まあ、なりますね。
練) 会社の先輩に言われました。ビル見上げる
  な。見上げたら、田舎者だってバレるぞって。
音) それ言ったらお腹空いた犬はみんな
  見上げてるじゃないですか。
練) お腹空いた犬?
音) サスケだって。
練) サスケもお腹空いたら、見上げますね。
音) でも東京生まれ東京育ちですよ。
練) フフフ。
音) サスケ、元気にしてますか?
練) 昨日風呂に入れたら、脱走しました。
音) アハハ。顔がね、濡れるの嫌なんだよね。
練) うん。最近、ちょっと杉原さんに似てきました。
音) 違うよ。曽田さんに似てきたんや。
練) いや、こう、はうー。
音) ウフフ。それは、ただの曽田さんの変な顔。
練) ああ。
音) フフフ。全然面白ないし。
練) 今度は、サスケ連れてきますね。
  サスケも杉原さんに会いたいと思うし。
音) それは…。遠いし。
練) 新幹線だってできたし。こういうのに入れて。
音) 入るかな?
練) 連れてきますね。サスケと一緒に来ます。
  杉原さんが迷惑でも、僕…。
音) 迷惑ちゃうよ。うれしいよ。
  うれしいに決まってるやん。
  今かてめちゃうれしいよ。来てくれて。
  あんな。
練) はい。
音) ホンマはな、おばさんな、「帰ってこんで 
  ええよ。東京おり」って言ってくれてんねん。
練) はい。
音) でもそんなん無理やねん。
  おばさん一人で暮らすんは。
練) はい。
音) あとな。井吹さんもな。優しい人やから。
  優しい人やったから。東京には帰られへん。
  ここで暮らす。
練) はい。
音) 引っ越し屋さん。
練) はい。
音) 好きやで。
  好きなんやわ。それはホンマに。
  サスケの写真送って。飾っとく。
  毎日それ見ながら寝るわ。送ってくれる?
練) 送る。
音) ありがとう。
  これで安心して、振り出し戻れるわ。
従業員) お待たせいたしました。
     大根おろしのハンバーグと、
     トマトソースのハンバーグです。
     ごゆっくりどうぞ。
音) 何でトマトソースの来たんやろ?
練) 運いいですね。
音) フフィ。そんなちょっとの運ある? フフッ。
練) アハハ。分けますね。
音) はい。
(それぞれのハンバーグを半分こする練)
練) 振り出しじゃないですよ。
  杉原さん。振り出しじゃないですよ。
  前にここで会った時の杉原さんと、今の杉原
  さん全然違います。苦しいこともあったけど、
  全然違います。変わってないように見えるか
  もしれないけど。全然違います。人が頑張っ
  たのって、頑張って生きたのって、目に見え
  ないかもしれないけど、心に、残るんだと思
  います。杉原さんの心にも、出会ってきた人
  たちの心にも、僕の心にも。
  北海道遠くないです。何回でも来ます。
  道、ありますから。そこ走ってきます。
  車でも、電車でも。
  会津に行く約束だって、まだ果たしてないで
  す。猪苗代湖だって見せたいし。じいちゃん
  の種のダイコンも食べてもらいたい。道があ
  って、約束があって、ちょっとの運があれば、
  また会えます。
音) 会える。
練) 僕も、杉原さんのことが好きです。
音) はい。
練) はい。

**********

練) 雪、まだ降ってますね。
音) ホンマや。
(手をつなぐ二人)
(練のトラックに乗り込む二人)
音) 雪ついてる。
練) えっ? ああ。杉原さんも。
音) えっ?
(見つめ合い、キスする二人)
音) 出て、右行って、左。
練) 近道?
音) ううん。遠回り。
練) フフッ。

**********

とりあえず…ハッピーエンドでよかったとしましょう。
そこは、月9ドラマとしての配慮があったのかもね。
やっぱり肯定的な感想にはなりそうもないので、フ
ァンの方は、どうか、華麗にスルーしてくださいね。

これは…短めの連続テレビ小説なんだろうなあと。
小説の、あるシーンを映像化していく、テレビ小説。
そこだけ切り取れば悪くないというか、いいシーン
や、いいセリフはたくさんあったし、芝居も悪くない。

最終回を前にして、制作者へのインタビュー記事を
読んだのだけれど…。詳細は、こちらからどうぞ↓
制作者インタビュー5 フジテレビ『いつ恋』村瀬健

全体的な視聴率は悪いけれど、「恋仲」同様、十代
には受けているらしい「いつ恋」。それって、現実的
な恋愛としても、ドラマ視聴という意味でも、経験値
が低い層に受けているということ? いや、ピュアな
意見として見ることもできるのだけれど、な~んか
違うなって気がしてしまって…。「やさしさ」をテーマ
にしてきたという、その「やさしさ」の定義が、どこか
腑に落ちないというか…。気持ちが悪いんだと思う。
このドラマで描かれる、ある種の「やさしさ」が、どこ
か違和感があるというか、気持ち悪い。普通に、困
っている人を見捨てられない、困っている人に手を
差し伸べるやさしさは、いいのだけれど…。恋愛に
おける、ひどく自己満足的な、無駄な自己犠牲とし
か思えないやさしさを振りかざすヒロインが、どうに
も好きになれず。それはやさしさじゃないだろうって。

朝陽との別れは、音から言いだしてほしかった。自
分がやさしさだと思っているものが、相手を傷つけ
ていることを自覚して、自分から離れてほしかった。
だって、朝陽を選ぼうとしていて、あの手紙の内容
はひどいと思うから。可愛い顔にだまされそうにな
るけれど…このヒロイン、かなり残酷な女の子だと
思う。ただ、もしかしたら、ヒロインに演技力があれ
ば、違って見えたかもしれないとも思う。同じタイプ
の設定の練が、高良君の演技力によって、魅力的
に見えるように。練は、ああ、こういう人なんだなっ
て、揺るぎない人の良さをちゃんと感じられたから。
でも、音は、最後までよく分からない女の子だった。

描写はね、丁寧に、2人が同じ感性だということを
積み重ねてきてはいるのだけれど…。2人が惹か
れあい、同じ魂だってことは伝わってくるのだけれ
ど…。群像劇なのに、群像になると、ちぐはぐにな
るのが、脚本のせいなのか、演出のせいなのか…。

晴太と小夏、音と朝陽、音と練。2人だけのシーン
は悪くないんだけどね…。余計なエピソードをつめ
こみすぎというか、上手く消化しきれなかった感が
否めない。小説の1シーンを映像化したと思えば、
それぞれのシーンだけ見れば、悪くないんだけど。
いっそ、第1話と、それから5年後の、ファミレスで
始まってファミレスで終わる恋物語でもいいぐらい。

またも、素材はいい物が揃っているのに、創作なん
たら料理~と分けの分からない味の料理が出来上
がってしまったような…残念な気持ちでいっぱいで。
余計な味付けをなくしたら、美味しい料理が出来上
がったんじゃないのかな~って、惜しむ気持ちもあ
って。まあ、一番の失敗は、テキトーにセリフの中か
らタイトルを決めてしまったことなんじゃないかと…。

ぼやきが止まらないのは、期待が大きすぎたせい。
架純ちゃんと高良君に、もっと素直にキュンキュン
したかったよ~! いつか、このドラマを思い出して、
泣いてしまうようなドラマが…観たかったんだよ~!


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第1話~失くした手紙が繋いだ奇跡…二人は出逢った●「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」HP


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