「家族ノカタチ」第9話~あいつと一緒にいたい理由 | 日々のダダ漏れ

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「家族ノカタチ」



第9話
あいつと一緒にいたい理由


笑顔は心の鎧だ。
本当の気持ちを隠してくれる。

怯えも動揺も怒りも、
ほとんどの感情はこれで隠せる。
そう、笑顔を作ることで。


**********

浩太) 死んじゃうの?
陽三) うん。浩太、俺、死ぬ。
    だって俺のな、寿命だから。


**********

俺はこうやって嘘をつく。
嘘の笑顔と言葉で、自分を守る。


**********

命が残りわずかな人間のそばで、
新しい幸せをつかみそうな奴もいる。

そして俺は、親父にどんな顔で
何を言えばいいのかも、分からない。


**********

浩太) 死ぬって、どういうこと?
陽三) 死ぬって? ああ~ここにほら、アリさん
    いるじゃん。元気に動いてんな。元気に
    動いてっけど、このアリ達もいつか死ぬ。
    そして、何かの、栄養になる。
浩太) 葉っぱと同じ。
陽三) そう。そうだよ。ほら、てんとう虫いるじゃん。
    そのてんとう虫だって、いつか、死んで、土
    にかえって、栄養になってく。そして、新しい
    アリとか、新しいてんとう虫が生まれてくるの。
    なあ、浩太。死ぬってことはな、生き物にとっ
    て、特別なことじゃねえんだよ。誰にでもやっ
    てくる、普通のことなんだぞ。
だから俺はな、
    死ぬこと不幸だなんて思ったことねえよ。
    だってそんなふうに思ったらさ、生まれてくる
    ことを全部、不幸に向かって生まれてくるっ
    てことになっちゃうじゃん。
浩太) 
でも、寂しい。会えなくなるの、寂しい。
陽三) 
でもさ、俺、死んで。それで、土にかえって、
    みんなの栄養になって。で、
風にもなって、
    雨にもなって、浩太と
恵ちゃんのそばに、 
    ずっといるから。なっ。
浩太) でも、寂しい。

**********

和弥) 好きなんだろ? 
    心配で、らしくないミスするぐらい。
葉菜子) もしかして和弥、
     うちの下の階の住人のこと言ってる?
和弥) 他に誰がいんだよ。
葉菜子) やっぱそうか。でも誤解だよ。確かに、
     遠慮なく言い合えて、気持ちよくケンカ
     出来て。
辛い時は、気持ちを吐き出せて。
     うん。とっても居心地のいい相手だけど。
和弥) 他に何が必要?
    一緒にいたいって思う理由に、
    それ以上他に何が必要なの?
葉菜子) えっ? 好きなのかな?
和弥) それ、俺に聞く?
葉菜子) だよね。

**********

葉菜子) この前さ、またしんどくなったら
     俺に言えって言ってたよね?
大介) うん。しんどいことまた何かあった?
葉菜子) いや、そうじゃなくて。
     私はもう、前に聞いてもらったでしょ。
     だから、私には借りがあるってこと。
大介) うん?
葉菜子) 次はそっちの番。それで貸し借りはなし。
大介) いやいや。何だよそれ。
葉菜子) だから、しんどくなったら、
     私に言えって、言いに来た。
大介) あっ、そう。じゃあ言うけど。
    俺は今すげえ頭にきてる。
葉菜子) うん。
大介) 親父がやらかしたこと知ってるよな。
葉菜子) もちろん。最初の燻製事件から。
大介) 一度で懲りずに
    二度も火災報知器鳴らすし。
葉菜子) 色々、ニオイもあれだったよね。
大介) 干物ベランダに干すし。
葉菜子) ああ、あと牛フン。
大介) 風呂にイカ泳がすし。
葉菜子) イカ!? どうかしてるよ、陽三さん。
大介) ホントだよ。ふざけんなって。
    焼津に帰る前に、文句全部言ってやろうっ
    て思ってたけど。それも病人相手じゃでき
    ない。怒りのやり場がなくなって、俺はどう
    したらいいのか分からなくなってた。以上。
    うん。言ったらスッキリしたかも。
葉菜子) やめなよ。そんな作り笑い。
大介) 作り笑いって…。
葉菜子) やめなよ、もう。ここには、
     他に誰もいないんだいしさ。
     そんな無理して笑わなくたって。
大介) 俺はただ分かんなくてさ。
    治療しろとも言えないし。
静かに見守るなん
    てことも無理。
素直に浩太みたいに泣くこと
    もできない。親父
の顔をマトモに見れない。
    いきなり死ぬだなんてふざけんなっつうの。
    親父が焼津に元気に帰るって思ってた時は、
    ひとりに戻るのがすげえ楽しみだったのに。
    それなのに今は…。今は怖い。
    親父が死んで一人になるのが。
    そんな日がくると思うと、怖い。
葉菜子) そんな時は、
     一人
が辛くなった時は来ればいいよ。
     エレベーターに乗って、一つ上。
     来ればいい。
     似たような人がいるからさ。そこに。


**********

鎧を外せた時、心は軽くなる。
重い鎧を一瞬でも外せれば、
必要な時、
笑顔をまた作ることもできるだろう。

だけど、その日が来た時、
それでも笑える自信は、まったくない。


**********

うわっやられた~! ドラマを観始めた時には、まさ
か、ここまで泣かされるとは思いもしなかったのに。
大介のキャラが、中の人、慎吾君のイメージに重な
るように見えるぐらい今回の役ははまり役だと思う。
作り笑いと嘘で、本当の自分の心を守ろうとする大
介。その嘘を見破って、作り笑いの大介のことが心
配でしょうがない葉菜子。本人だけが気付かない、
葉菜子の大介への気持ち。元ダンの、大介への元
妻の取説といい、葉菜子の背中を押してあげると
ころといい、ホントいい人すぎてびっくりぽんだよ~。
和弥の中の人が、何かを企む人の役が多すぎて、
ついつい疑ってしまってた。ごめんなさい、中の人。

親父が焼津に元気に帰るって思ってた時は、
ひとりに戻るのがすげえ楽しみだったのに。
それなのに今は…。今は怖い。
親父が死んで一人になるのが。
そんな日がくると思うと、怖い。

最初から一人なら、一人でもそれほど寂しくはなら
ない。一人でいることが当たり前になっている間は。
それが、誰かと一緒にいてしまうと、その時間が長
くなってしまうと、いなくなった時間が急に辛くなる。
寂しいって感情を思い出してしまう。俺だけの城に、
俺以外の人が、一人、二人と増えて…。大介はもう
一人じゃない時間が長くなってしまっていたから…。

一人が辛くなった時は来ればいいよ。
エレベーターに乗って、一つ上。
来ればいい。
似たような人がいるからさ。そこに。

それでも、一度は葉菜子の手を振りほどこうとした
大介が、耐えきれずに葉菜子を抱きしめるところで
涙腺決壊。エレベーターに乗って、一つ上の階に、
会いに行ける人がいてよかった。一人より…二人。
本音が言える人がいることは幸せだ。会いに行か
なくても、すぐそばに、その人がいてくれたら、もっ
ともっと楽になれるかもね。俺の城が、俺たちの城
になる日。俺たちの城で、くつろぐ大介が…見たい。


第2話~元夫はストーカー!?俺の城に危機迫る!
第3話~亡き母からオヤジと息子へ最後の贈り物
第4話~再婚をしたい元夫と奇妙な三角関係勃発
第5話~結婚式前夜に離婚!?父母が結ぶ夫婦の絆
第6話~オヤジおまえもか…後妻は結婚詐欺師!?
第7話~オヤジがダメな女と再婚した本当の理由
第8話~オヤジが死ぬ理由
第9話~あいつと一緒にいたい理由
第10話~オヤジに聞かすプロポーズ

●「家族ノカタチ」HP


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