「家族ノカタチ」第3話~亡き母からオヤジと息子へ最後の贈り物 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「家族ノカタチ」




第3話
亡き母からオヤジと息子へ最後の贈り物


人は面倒のもとだ。
親だろうが他人だろうが。
自分以外の人間と関わるたびに、
厄介事が増えていく。
避けても避けても、
逃げきれない面倒もある。

**********

人と関わるのはつくづく面倒のもとだ。
俺はだから、ひとり静かに暮らしたい。
俺の部屋で。俺の好きなものに囲まれて。
俺ひとりで、俺の時間を。

**********

大介) あの子のこと見てると時々思う。普通のこと、
    普通にしてくれる母親に育てられて、
    俺はラッキーだったって。
葉菜子) まあね、私も、普通に色々してくれた。
     だから、なかなか追い出せないんだけど。
大介) それなのに礼を言った記憶がない。
葉菜子) えっ?
大介) 母親にありがとうとかって、
    口に出して言った記憶が全然ない。
    親父が言ってんのも聞いたことないし。
    幸せだったのかな。
葉菜子) お母さん?
大介) 俺と親父の世話を焼くばっかりで。
    おふくろが何でもしてくれるのが当たり前で。
    それでいて感謝されてなくて。
    親孝行をしたいときに親はなしか。
葉菜子) いるでしょ、もう一人。親孝行の相手。
大介) あれは別の生き物だ。

**********

(美佐代の手紙)
あなたへ。
もしも、私が先に逝ってしまったら、
一人ぼっちになるあなたが、とても心配です。
暮らしに必要なこと、まとめておきますね。
困ったときは、人に相談してね。
古い友達にも、連絡して。
年を取ったら、今までみたいに、
何でも一人でってわけにはいかないの。
周りの人たちと、仲良くしてください。
一人より二人。二人より三人、ですよ。

陽三) 母ちゃんに、あの世で心配かけねえようによ。
    俺も変わろうと思ってよ。父親らしいこともな。
    目いっぱいやってやろうと思ってよ。
    今からでも遅くねえと思ってな。文句あっか?
大介) おふくろはバカだ。

結局、
最後まで親父なんかの心配して。
おふくろはバカだ。

(美佐代の手紙)
私は、あなたと大介のおかげで、
幸せでした。
ほんとうにしあわせ。ありがとう。

**********

人の人生を、
幸せなのかなんて勘ぐること自体、
傲慢なことなんだろう。

浩太) ありがとう。
大介) お前も飲む? あっそ。

おふくろには、おふくろの幸せがあった。

**********

葉菜子) 何かいいことあったの?
浩太) 名前、書いてもらった。これも、これにも。
    ハンカチは、せっけんのにおい。
葉菜子) 浩太君、こういう事してもらうの初めて?
浩太) (頷く)
葉菜子) さすが陽三さん。
陽三) いやいや、違うのよ。
葉菜子) えっ?
陽三) これ全部ね、大介が書いたの。
葉菜子) へえ~。やるじゃん、お節介男。


**********

なるほどね。大介は基本的にやさしい人なんだよね。
やさしいから…いろいろ気が付いてしまうから、関わ
るのがメンドクサイと思う。なんかちょっと分かるかも。

父・陽三さんが変わった理由が明かされた訳ですが、
妻の手紙のおかげで目覚めたものの、人と関わり始
めたからって、すぐに気が利くようになれるものでは
ないといいますか…。浩太を気に掛けている気持ち
は本当なんだろうけど…口だけで行動が伴わないと
ころがね…腹立つわ~。口だけオヤジ、腹立つわ~。
自分が母親にしてもらったことの幸せに思いを馳せ、
浩太のために名前を書き、ハンカチを用意する大介。

あの子のこと見てると時々思う。
普通のこと、普通にしてくれる
母親に育てられて、
俺はラッキーだったって。

うん。ラッキーなんだよね。母親が、父親が、普通に
してくれたこと。普通だと思ってきたこと。普通どころ
か、当たり前だと思ってこられた自分はラッキーなん
だって…大人になっても気づけない人も多いと思う。
普通に頭を撫でられてきた子供は、同じ親の手に殴
られる恐怖におびえる子供がいることを…知らない。
ノートに名前を書いてもらって、せっけんの香りがす
るハンカチの匂いを嬉しそうに嗅ぐ浩太の笑顔がま
ぶしくて…。大介同様に、子供の頃はちゃんとありが
とうって言ってなかったなぁと、申し訳なくて胸が痛む。

こんなところでちゃっかり便乗して書いちゃいますが。
母上様、父上様。今までいろいろありがとう…(*^。^*)
顔を合わせれば、大介モードで悪態をついてしまうけ
れど、ホント感謝してます。まだまだ子供でゴメン…w


第2話~元夫はストーカー!?俺の城に危機迫る!
第3話~亡き母からオヤジと息子へ最後の贈り物
第4話~再婚をしたい元夫と奇妙な三角関係勃発
第5話~結婚式前夜に離婚!?父母が結ぶ夫婦の絆
第6話~オヤジおまえもか…後妻は結婚詐欺師!?
第7話~オヤジがダメな女と再婚した本当の理由
第8話~オヤジが死ぬ理由
第9話~あいつと一緒にいたい理由
第10話~オヤジに聞かすプロポーズ

●「家族ノカタチ」HP


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