「デート~恋とはどんなものかしら~」第4話~心が無いから結婚出来ない!?彼女を救う奇跡の贈り物! | 日々のダダ漏れ

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「デート~恋とはどんなものかしら~」



第4話
心が無いから結婚出来ない!?
彼女を救う奇跡の贈り物


巧) やっ、やめろ。おい、出ていけ。
  ここは聖域だぞ。
宗太郎) しかしお前の部屋久しぶりに入ったけど。
     中2の時より中2感が増してんなあ。
巧) うるさい、出て行け…。
佳織) ねえ、この横尾忠則の画集ちょうだい。
巧) ダメだ。
宗太郎) 俺は卓郎と泉谷と…。
巧) ダメだって! おい、フィギュアで遊ぶな。
  ゴルゴ13とガンキャノン戦わせてんじゃねえよ。
  やっ、藪下さんは何やってんですか?
依子) あまりにもカオスなので、整理整頓です。
    図書分類法に基づいてカテゴリー別に。
    ちなみに「忍者ハットリくん」は歴史。「ベル
    サイユのばら」は植物でよろしいですか?
巧) 悪夢だ。クリスマスの悪夢だ。


**********

(21年前・回想)
依子) 非現実的な存在を偽装して
    子供を騙すのは何のため?
俊雄) 騙したわけじゃないよ。
    依ちゃんにも夢をみさせてあげたくてね…。
依子) お父さんにとって夢、とはありもしないものを
    信じ込ませることなの?
小夜子) 依子。
     サンタが存在しないと言い切る根拠は?
依子) 実証済み。
小夜子) あなたにプレゼントをくれたのがお父さん
     だったからといって、世界のどこかにサンタ
     が存在しないという理由にはならない。
     そうでしょう?
依子) 世界中の子供たちに、たった一人で一晩の
    うちにプレゼントを配るなんて、不可能。
小夜子) 世界の子供の数を仮に20億人とし、配達
     に24時間かけた場合、子供一人にかけられ
     る時間は0.00004秒。確かに、不可能ね。
依子) でしょう?
小夜子) でもサンタが一人であるという前提はない
     し、世界の子供すべてに配らなければならな
     いという条件もない。つまり、複数いるサンタ
     が、毎年選ばれた数人ずつだけに配ってい
     るとすれば、可能。よって、サンタが存在しな
     いとは言い切れない。違う?
俊雄) うん…おっ、お父さんもサンタはいると思うな。
    どこかにきっといるよ。いつか依ちゃんの所に
    も、本物が来るんじゃないかな。
依子) うちには煙突がない。
俊雄) 窓から入るさ。
依子) 私の部屋は二階よ。
俊雄) トナカイのそりで一っ飛び…。
小夜子) はしごを掛ければわけない。
依子) じゃあ、今後は、本物のサンタからのみ、
    プレゼントをもらうことにする。


依子) 翌年からクリスマスの夜は、部屋のドアに鍵
    を取り付け、父が入れないようにし、窓の鍵だ
    けを開けて寝るようにしています。
宗太郎) どういうことよ?
依子) サンタの存在を実験をもって検証するためで
    す。以来、20年そうしていますが、いまだサン
    タが現れたことはありません。


**********

俊雄) あの子は、私に、サンタをやらせてくれなかった!
鷲尾) うん…。
俊雄) 父親の夢なのに…。
鷲尾) うん…。
俊雄) もう今年から一人暮らしだから
    窓開けてねえだろうなあ…。


**********

依子) 長年の習慣なので今年もそうする、
    と思いますが、期待はできませんね。
宗太郎) もうやめた方がいい。
佳織) 不用心だし、サンタ強盗とかよく聞くし。
留美) 私はいいと思うけどな。ホントに
    サンタクロースが来るかもしれないじゃない。
佳織) 留美さんはサンタ信じてるもんね。
留美) もちろん。
依子) 巧さんはどのようなお子さんだったんでしょ
    うか? やはり、私と同様クリスマスなんて興
    味がなかったんでしょうね。
留美) ううん。
    あの子は大好きだったわよ、クリスマス。
依子) えっ?
佳織) 今日みたいに毎年賑やかにやってたもんね。
留美) うん。サンタさんだって、随分大きくなるまで
    信じてたわ。「サンタがくれたよ~」って、毎年。
    フフフ…。
依子) 本当ですか?
留美) ああ、きっと、騙されてるフリを
    してくれてたのかもしれないけど。
依子) フリ?
留美) うん。私たち親を喜ばせるために。
佳織) 巧君らしいなあ。
宗太郎) まあ、サンタなんて
     ほとんど親のイベントだからな。
留美) あの子、私たち親にも、よくクリスマスプレゼ
    ントをくれたわ。子供がくれるものだからたわ
    いのないものだけど。でも、いまだに大事に取
    ってある。
佳織) 優しい子よのう。女の子にもモテたしね。
依子) 本当にモテたんですか?
宗太郎) 俺の次だけどな。
佳織) どこ行っても人気者だった。
宗太郎) 俺の次にな。
佳織) 勉強も運動もできて、文才もあって。
    絵なんか私よりずっと上手だったし。
依子) いつからあのような屈折した人間に?
留美) あ~いつごろかしらねえ。
宗太郎) 中学ぐらいから
     凡人と一緒にするなオーラ出してたよ。
     「僕は天才だから」、みたいな。
留美) あっ、太宰治にはまったりしてね。
宗太郎) 一番厄介なパターンだ。
留美) 作家か芸術家になるって決めてたのね。
    大学の頃も、授業にはほとんど出ないで、部
    屋にこもって、何か書いてたわ。ある日部屋
    から出てきて、げっそりした顔でこう言ったの。
    「僕は凡人だったよ。創作者になる才能はな
    いって思い知った」。
宗太郎) 天才じゃないって自覚したわけだな。


(回想)
巧) 漱石や鴎外のような文章も書けないし、ピカソ
  のような絵も描けない。モーツァルトのような音
  楽も作れないし、黒沢のような映画も作れない。


佳織) 比べるところが高過ぎる。
留美) うん。私もそう言ったんだけど。頂点を
    目指せないんだったらやる意味がないって。


(回想)
巧) おとなしく就職するよ。


留美) でも、就職がちっともうまくいかなくて。
    面接で落とされるらしいのね。
宗太郎) 分かる気がするがね。
留美) ある日面接から、
    真っ青な顔して返ってきて…。


(回想)
留美) おかえんなさい。
巧) もう就職しないから。
留美) 就職しないでどうするの?
巧) 高等遊民になるよ。
留美) それ、どういうお仕事?


留美) 近所の人に、何か言われるのが嫌で、
    外にも出歩かなくなって、今に至る…かな。
佳織) 共感出来るような出来ないような。
依子) 面接で何があったんでしょうか?
留美) さあねえ。
佳織) よほどのことがあったんでしょ。誰だって好き
    好んでニートなんかやってるわけないもん。
宗太郎) なまじ挫折知らずでプライドが高い分、
     凡人にすらなれないという現実を受け入れ
     られなかったんだろうな。
留美) 私の育て方が悪かったのねえ。
    でも、まっ、何だっていいじゃない。
    私はもう、何も聞かないことにしたの。
    で、考え方を、改めることにした。
    これも、彼の個性なんだって。
依子) 個性…。
留美) 別に人さまに迷惑掛けてるわけじゃないし。
    私にだけ迷惑掛けてんだもん。そして、ああい
    う子に育てたのはこの私。製造元が責任取る
    のは、当然でしょ。どうせ、私が死んじゃったら、
    どうにかするでしょうし。世の中、いろんな人が
    いていいし。いろんな生き方があっていい。
依子) いろんな生き方があっていい…。
留美) うん。その方が面白いわよ。


**********

宗太郎) 「若年無業者社会復帰プログラム一覧」。
佳織) 「とにかく働いてみよう」。
宗太郎) 「君は一人じゃない。社会とつながろう」。
依子) 私が調べた、若年無業社会復帰支援事業の
    参考資料です。現在、厚生労働省も力を入れ   
    ており、調べてみたところ、たくさんありました。
    例えばこれは、親子で参加するプログラムで
    す。お母さまも育て方を間違えたかもしれない
    とおっしゃいましたが、まさにそのとおりで、家
    族に問題があるケースが多いのです。
    ですからお母さまも一緒に更生される…。
巧) やっぱり君は何も分かってないよ。
  母は関係ないだろ!
依子) お母さまは自分に責任があると…。
巧) 君は人の心の機微というものが
  分からないのか!
依子) 私が何か間違ったことを言いましたか?
巧) 間違ってないよ! 君はいつだって正しいよ!
  だけど心がないんだ! 君には心がないんだよ!


**********

巧) 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と「銀河鉄道999」
  が同じジャンル(鉄道)になってる…。
佳織) 気持ちは分かるけどさ…。
巧) 何で「バカボンド」と「天才バカボン」が、
  交互に並んでるんだ。
  どういうジャンル(ナンセンス)なんだよ! (咳)
佳織) これ、見てごらんよ。どのページにも、手書き
    で色々書き込んである。こんなにたくさん。気
    に入らないかもしれないけどさ。巧君のために、
    こんなに一生懸命調べてくれたんだよ。そんな
    人いる? こんなに手間のかかったクリスマス
    プレゼント、私知らないよ。
留美) やっぱり、私これ、いらな~い。
宗太郎) 早く着ろ。
     ユーミンだ。恋人が、サンタクロースだ!


**********

小夜子) ホントにあなたはデリカシーがないわね。
依子) うるさい。
小夜子) 彼の方があなたよりよっぽど優しいじゃな
     い。サンタを信じてるフリして、喜ばせてたな
     んて。それに比べてあなたは、いるかいない
     かで論争して、お父さんにサンタをやらせて
     もあげなかった。かわいそうに。その上谷口
     巧は自分からお父さんやお母さんにクリスマ
     スプレゼントをあげてたっていうじゃない。あ 
     なたは、1度でもお父さんにクリスマスプレゼ
     ント、あげたことある?
依子) しっ!


**********

巧) もし窓が、開いてなかったら?
宗太郎) それまでだ。縁がなかったと思え。だがもし
     開いてた時は、そんときは神様がこう言って
     ると思え。今夜決めろ。おい。
     クリスマスの奇跡、起こしてこい!


♪昔となりのおしゃれなおねえさんは
 クリスマスの日 私に云った
 今夜8時になれば サンタが家にやって来る
 
 ちがうよ それは絵本だけのおはなし
 そういう私に ウインクして
 でもね 大人になれば
 あなたもわかる そのうちに
 
 恋人がサンタクロース
 本当はサンタクロース つむじ風追い越して
 恋人がサンタクロース
 背の高いサンタクロース 雪の街から来た
     (「恋人がサンタクロース」by ユーミン)

**********

巧) 藪下さん。
  思ったより、筋肉質なんですね。
  僕が、あっ、あなたの、サンタクロースです。


**********

警官) え~サンタ姿の変質者2名。女性宅に2階
    窓から侵入。室内で乱闘。共に身柄確保。


**********

(車に乗せられた巧と俊雄に声をかける依子)
依子) お父さん。
俊雄) あ~…。
依子) お父さん、こちら、谷口巧さんです。
俊雄) あっ…。
巧) 谷口です。
依子) 谷口さん、こちら、父です。
俊雄) あっ、父です。
巧・俊雄) 初めまして。
巧) 何がどうしてこうなったのか、
  説明するべきだとは思うんだけど…。
俊雄) 分からないんだ。
依子) 取りあえず、
    来年からは鍵を掛けるようにします。
巧) その方がいいと思います。


**********

依子) 14人目です。
巧) はっ?
依子) 私に「心がない」、と言った人の数。
    幼稚園から現在まで、あなたで14人目です。
    関連性のない不特定多数の方がそう評価
    する、ということは、おそらくそうなのでしょう。
    私には心が…。
巧) そんなことはない。
   心のない人間なんていませんよ。
   いい加減なことを言って、すいませんでした。
(プレゼントらしき袋を見つける依子)
巧) あっ…たぶん、
  お父さんが、置いていったものだと思います。

(袋からマッサージ機を取り出し、試してみる依子)
依子) おっ。お~。お~。おお…。お~。
(巧からのプレゼントを見つける依子)
巧) あっ、ぼっ、
  僕のは、ホントにつまんないものだから…。
依子) またお母さまのお金で買ったのですか?
巧) いえ…。もらえなかったんで。仕方ないから、
  高値が付きそうな、古本を何冊か売ったんです。
  断腸の思いで。でも思ったより値が付かなかっ
  たんで、安物のネックレスです。

(箱を開け、「肩たたき券」を見つける依子)
依子) 「いつでもどこでも、期限なし。
    回数むせいげん」。


**********

(依子の肩を揉む巧)
依子) ん~…。
巧) どうですか?
依子) そうですね…。
    う~ん…。
巧) あんまり、やったことがないもんで…。
依子) そういえばうちで寝ていたのは
    誰だったんだろう?
巧) はっ?
依子) いえ、こちらの話です。


**********

巧) あっ、もう少し、下。
巧) あっ、ここ?
依子) おっ、お~お~おっ、もっ、もう少し。
    お~~…。これだ!
巧) はっ?
依子) こちらの話です。


**********

脚本家、古沢良太は天才ですか? 今回は、まさに
「神回」! すべてがパーフェクト! 隅から隅まで計
算しつくされた伏線が次々に回収され、思いもよら
ない、何ともほっこりしたオチにたどり着く。スゴイよ、
ホント。マッサージ機を片っ端から試しては、「これ
だ!っていうものがないのよね。これだ!っていう
のが」…だった依子が、巧からマッサージを受けて、
「これだ!」と思わず口に出した瞬間が素晴らしい。
ずっと見つからなかった「これだ!」が見つかった。
それは、巧の手、指、直に触れあってこそ生まれた
ものだったという。クリスマスにまつわる、依子と巧
それぞれのエピソード。サンタの存在を認めない依
子とサンタになりたかった父・俊雄の心情が交互に
映されるのが何とも切なくて。そこに親のためにサ
ンタを信じているフリをし、親にクリスマスプレゼン
トまでしていたという巧の話が挿入されるという…。
そこからやさしくて女の子にモテていた巧が、高等
遊民になると言いだすまでのエピソードが、何気に
語られていく仕掛けも素晴らしい。そこで語られた、
母・小夜子のセリフにも又、大きな愛が感じられて。
 
これも、彼の個性なんだって。
 
世の中、いろんな人がいていいし。
いろんな生き方があっていい。
 
その方が面白いわよ。

少なくとも、人さまに迷惑をかけない範囲での、個性
は認められていいと思う。本当に、いろんな人が、い
ろんな生き方があっていいと思う。そうしないと、きっ
と思いがけなく存在する、社会の隙間のような所に、
取り残されたものや、人に気付く余裕のようなものが
なくなってしまう気がする。忙しすぎて見えなくなるも
のが、一見のんびりしているように見える人がいてく
れることで助けられたりする事もあるんじゃないかと。
もちろんその逆も。のんびりしてる人には気づけない、
規則正しい行動ゆえに分かる、一番効率的な答えと
いうものもあると思うし。いろんな立場、いろんな視点
がある方が、人生の可能性は広がるような気がする。

心がないと言われ続けてきた依子。今ならある種の
診断が下る症例を思い浮かべないでもないけれど、
それもまた、依子の個性なんだよね。「心」がない人
間なんていない。ただ、その表現や、想像する力や、
受け取り方が、ちょっと個性的であるというだけで…。
しかも、ドラマの依子は、恐らくは分身である母親が
ちゃんと人の心が分かる発言をしているので、依子
が人の心が分からないわけではないということが分
かる。その辺の仕掛けも憎らしい演出といいますか。

父親を依子と間違えて抱きしめるというベタな展開か
ら、母親の粋な計らいですり替えられたプレゼントが
「肩たたき券」という神展開。小夜子さんは天使だわ。
泣いて笑って、笑って泣いて。ちゃんとラブロマンスに
もなってる! こんな凄い展開、なかなか観れないよ。

4話目にしてこんな凄いものを見せられちゃって…い
やいやいや、期待はどんどん膨れ上がるばかり。今
以上に凄いものが控えてるのか? ここまでこのドラ
マにガッツリやられると思わなかった。これは本当に
うれしい誤算。主役の2人が愛おしくてたまらない~。

 
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